楽園の瑕
監督:ウォン・カーウァイ
出演:レスリー・チャン/レオン・カーファイ/トニー・レオン/ブリジット・リン/マギー・チャン

わかりません。ひとつも理解できません。まずどういった映画であるのか、ストーリーが説明できないのです。完全にお手上げです。そもそもこの映画を見ようと思ったのは、「英雄」におけるへたれのくせに言うことだけはご立派な残剣(トニー・レオン)が非常にカッチョヨカッタからで、そのトニー・レオンが「盲目の剣士」として出演していると聞き及び「これは見なければ!」とこう早まってしまったわけです。

確かにトニー・レオンは出ていました。生まれつきの目の病で30歳を迎える頃には完全に失明するであろうという設定で。しかし、私にはどうしてもこの男がそんな切羽詰った人間には見えませんでした。むしろ視力2.0くらいに見えました。そして、無謀にもたった1人で荒くれ者の馬賊(100人くらいいた)に立向い、あっさり討ち死にされてしまいました。死に際の彼の言葉が良くも悪くも非常に印象的です。曰く「あんまり思いきりよくバッサリやられると、流れる血の音はせせらぎのようだ・・・」ってあんたそんな悠長なこと言うてる場合ですか?どっちかつうと噴水のようでしたよ。

彼がこんな暴挙に出たのは「完全に目が見えなくなるまでに、もう一度故郷の桃の花が見たい。そのためには旅費を稼がねばならぬ!」と思い余ってのことだったわけで、その桃の花ってのが親友に寝取られた元妻だってのが泣かせるといえば泣かせるでしょうか。いやそれにしたってあまりにも無茶でした。私はてっきりレスリー・チャンが(ブエノスアイレスのよしみで)助太刀に来てくれるのだとばかり思ってましたが、彼は単なる傍観者だったようです。つうか、この映画におけるレスリー・チャンの役割って何なの??


ラッシュアワー2
監督:ブレット・ラトナー
出演:ジャッキー・チェン/クリス・タッカー/ジョン・ローン

どこから観てもジャッキー・チェンの映画でした。強引な話の展開とうさんくさい白人。もはやお家芸ですな。しかしジャッキーはえらいですよ!もうけっこういい年だと思うのですが今回もきちんと身体を張ってくれてました。それだけで充分。相棒のクリス・タッカーはまだウィル・スミスやエディ・マーフィの域には達せずじまいですね。面白いことは面白いんだけど、まだまだクリス・ロックと間違われる日々が続きそうな気配です。そんなことより大変なのはジョン・ローン。もう完全に中年太りで、「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」のジョーイ・タイとは似ても似つかぬでっぷりした姿に思わず涙。


ラットレース
監督:ジェリー・ザッカー
出演:ローワン・アトキンソン/ウーピー・ゴールドバーグ/キューバ・グッディング・Jr/セス・グリーン/ブレッキン・メイヤー/ジョン・ロヴィッツ/ジョン・クリーズ

ラスベガスからニューメキシコまで、賞金200万ドルを賭け6組の男女がレースを繰り広げるドタバタコメディ。

レースというわりにルールがない。とにかく一番最初に賞金を掴んだ者が勝ちという大雑把さです。で、参加者はそれぞれ勝手にトラブルに巻込まれているだけという。まともにやってりゃ難なく勝てそうですよ。出たかったな。全体にあんまり面白くなかったけど、セス・グリーンとヴィンス・ヴィーラフのバカ兄弟コンビだけは可愛かった。弟は舌に付けたピアスのせいで何言ってるんだか全然わからないんだけど、それを唯一理解できるのがお約束として弟より頭一つ分小さい兄(笑)。

(本編よりよっぽど面白い)DVDの特典映像に収録されている二人のNGシーンは必見です。両手一杯に札束を抱えたセス(欲張りのハムスターかと思った。可愛い過ぎる)をヴィンスが諭す場面で、二人とも笑いが止まらずNG連発。必死でなんとかしようとすればするほどツボにハマるらしく、セスの肩は震えっぱなしでもう大変(笑)。その姿にバカ受けのキューバ・グッディング・Jrもチラリと映ってます。←この人笑いすぎて泣いてますよ。ところで、セス・グリーンのあの上目遣いはやはり計算されたものなのでしょうか。もはや反則技だと思うんだけど、可愛いてたまらん。しかもちょっとティム似。私って結局こういう顔が好きなのかもー!と同僚に打ち明けたところ、「ベン・スティラーもそのグループに入る」と言われてしまいました。微妙。


リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
監督:スティーブン・ノリントン
出演:ショーン・コネリー/スチュアート・タウンゼント/ジェイソン・フレミング/ペータ・ウィルソン/ナセールディン・シャー

古典文学のヒーローたちが一致団結して世界を戦争から救うお話。←この設定はかなり私好みだし、予告を見る限りではすごく面白そうだったのだけど、なかなか期待通りにはいきませんな。

戦争を起こして一儲けしようと企むファントムとかいう男を捕まえるために、ミスターMに集められた7人のヒーロー(アラン・クォーターメイン、ドリアン・グレイ、ミナ・ハーカー、トム・ソーヤ、ロドニー・スキナー、ジキル博士&ハイド氏、ネモ船長)。目指すは平和会議の行われるベネツィアです。乗り物はネモ船長ご自慢のノーチラス号。でもさ、あの入り組んだベネツィアに乗り込むにはその船、大きすぎやしませんか。ファントムが仕掛けた爆薬で街が吹っ飛ばされるのを防ぐのだ!って半分はあんたらの船が倒してるような気がするんだけど。なんてそんな細かいことはどうでもいいか。問題は戦争勃発の裏で密かに練られていた計画の方。どっちかつうとそっちが目的だったんだよね。でもそれだったらわざわざチームを組んで戦うように仕向けなくてもヨカッタんじゃないの?むしろ事が大きくなったんじゃないの?違うの?見終わった後、いろんなことが腑に落ちないのですが。しかも次から次へと事件が起こる割に、全てあっさりと片がつくのも拍子抜け。もうちょっとなんとかならんかったのかこの話。

7人のヒーローと言われても、どれひとつとして原作を読んでいない私にはキャラ設定があれでヨカッタのかどうか判断つきませんでした。それぞれ超人的なパワーを秘めちゃいるけど、ネモ船長がいなけりゃにっちもさっちもいかないというのはオモロかったな(笑)。見た目が麗しいドリアン・グレイは映画に華を添えたという一点のみにおいて存在価値があり、ジキル博士とハイド氏はそのダメっぷりが可愛いので及第点。あとはなぁ。特にトム・ソーヤがなぁ。(必要なの彼?)チームリーダーのアラン・クォーターメインことショーン・コネリーは、70歳を越えていまだ衰え知らず。でも続編には出ないらしいね。その前に続編自体作られないと思うけど。あとミスターMのMがあのMだったことがちょっと嬉しかったっす。


リーマン・ジョー!
監督:ジョン・パスキン
出演:ティム・アレン/ジュリー・ボウエン/ジム・ベルーシ/ヘイデン・パネッティーア/グレッグ・ジャーマン

仕事はできるが評価は低いバツイチ男ジョー(ティム・アレン)が、ある日、娘の前で後輩社員に殴り倒されたことをきっかけに男として人間として生まれ変わろうとする、ある意味サクセス・ストーリー。

「メルシィ人生!」に似てるんだけど、あっちの方が主人公の立場がより切実だし、ダメっぷりもそこから這い上がる過程もきっちり描かれていて面白かった。この作品はどちらも中途半端なんですよね。ジョーは別に会社でバカにされてるわけでもないし、彼を殴った男が全社員から嫌われてるような奴だったもんで、周りはみんなジョーの味方。「頑張ってね。応援してるから!」と女子社員に言われてヘラヘラしてるジョーは正直ただのお調子者にしか見えなくて、あんまり感情移入できなかった。しかもコメディのわりに全然笑うとこないし。唯一、笑いどころらしいのがジムでの特訓のシーンだけど、それもあんまり。ジムの先生(ジム・ベルーシ)がスティーブン・セガールに似てたのはちょっと面白かったかな。そうでもないか。ジョーの娘役にヘイデン・パネッティーア、会社の嫌な上司役でグレッグ・ジャーマンが出てたのが”アリーmyラブ”ファンだけには嬉しいかも知れません。


レディ・キラーズ
監督:イーサン・コーエン/ジョエル・コーエン
出演:トム・ハンクス/イルマ・P・ホール

いやーまいった。どこで笑えばいいのか迷ってるうちに終わってしまいました。トム・ハンクスの余裕の演技も鼻につくし(好きなのに!)、脇を固める俳優も中途半端。家主のばーさんもあまりに可愛げがなかったな。ところで最後のあれは全部ばーさんの脳内だと片付けられての処理なんでしょうか。(ボケ老人扱い?)同じまぬけな泥棒物なら「ウェルカム・トゥ・コリンウッド」の方がなんぼか面白い。


>>>Back