わかりません。ひとつも理解できません。まずどういった映画であるのか、ストーリーが説明できないのです。完全にお手上げです。そもそもこの映画を見ようと思ったのは、「英雄」におけるへたれのくせに言うことだけはご立派な残剣(トニー・レオン)が非常にカッチョヨカッタからで、そのトニー・レオンが「盲目の剣士」として出演していると聞き及び「これは見なければ!」とこう早まってしまったわけです。
確かにトニー・レオンは出ていました。生まれつきの目の病で30歳を迎える頃には完全に失明するであろうという設定で。しかし、私にはどうしてもこの男がそんな切羽詰った人間には見えませんでした。むしろ視力2.0くらいに見えました。そして、無謀にもたった1人で荒くれ者の馬賊(100人くらいいた)に立向い、あっさり討ち死にされてしまいました。死に際の彼の言葉が良くも悪くも非常に印象的です。曰く「あんまり思いきりよくバッサリやられると、流れる血の音はせせらぎのようだ・・・」ってあんたそんな悠長なこと言うてる場合ですか?どっちかつうと噴水のようでしたよ。
彼がこんな暴挙に出たのは「完全に目が見えなくなるまでに、もう一度故郷の桃の花が見たい。そのためには旅費を稼がねばならぬ!」と思い余ってのことだったわけで、その桃の花ってのが親友に寝取られた元妻だってのが泣かせるといえば泣かせるでしょうか。いやそれにしたってあまりにも無茶でした。私はてっきりレスリー・チャンが(ブエノスアイレスのよしみで)助太刀に来てくれるのだとばかり思ってましたが、彼は単なる傍観者だったようです。つうか、この映画におけるレスリー・チャンの役割って何なの??
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