ザ・リング
監督:ゴア・ヴァービンスキー
出演:ナオミ・ワッツ/マーティン・ヘンダーソン

※ネタバレしてます。

先に日本版を観ていたので怖さ半減。サマラ(貞子)がTVからわっせわっせと出てくるシーンもやはりはじめて観た時のインパクトには敵わないし。そもそも、ホラー映画って劇場で大勢で観るもんじゃないですな。1人で夜中にビデオで観る方がよほど楽しめると思いました。でも、例のビデオを観てしまった人たちの死顔の物凄さには思わずビクリ。そりゃ棺の蓋も閉じとくしかないね。知らずに覗き込んであの顔に出くわしたら間違いなく後を追ってしまいます。

しかしホントの意味で怖かったのはサマラでも死顔の強烈さでもなく、実は主人公のレイチェル(ナオミ・ワッツ)。彼女さえ大人しくしていてくれりゃ後に続く不幸はなかったかと。なんせ呪いのビデオをコピーして他人(息子の父親)に見せただけでは飽き足らず、うっかりを装って実の息子にまで見せてますから。(普通、そんな物騒なビデオはそこいらに置いといたりしないはず!)その上、他人の大事な馬を恐怖のどん底に突き落として自殺させるわ、サマラの家に乗り込むやいなや、ひっそりと生きていた父親にビデオを見せようとし、結果、彼もまた自殺させ、まだまだこんなもんじゃないわよ!とばかりについにはサマラまで復活させる暴虐ぶり。しかも自分だけはちゃっかりサバイバルし、彼女のために寿命を縮めた元カレが恐怖のうちに死んでいった苦悶の表情を、何も知らずに訪ねてきた今の彼女にあえて見せるという残酷さです!なんとオソロシイ!!サマラなんかよりよっぽどこの女の方が怖いと一緒に観た友人と恐怖に震えてしまいました。(ホントにこんな映画なんです。信じてください)

原作を読んだ時は、少し貞子に同情したんだけどな。アメリカ版ではそれがまったくない。それもこれも、「恐怖を世界中に撒き散らすことをわかっていてもやめられない。ごめんなさいね」としゃあしゃあとぬかすあの娘があまりにふてぶてしいからです。なにがごめんなさいだ。ハッキリ言う!お前の努力が足りんのだ!


シクロ
監督:トラン・アン・ユン
出演:レ・ヴァン・ロック/トニー・レオン/トラン・ヌー・イェン・ケー

ヴェトナムが舞台のフランス映画です。“シクロ”と呼ばれる輪タクを女親方から高額で借り受け、その運転手をして生計を立ている少年(そのまんまシクロと呼ばれてた気がする)が主人公。ある日、彼はそのシクロをヤクザに盗まれてしまい、女親方の愛人である”詩人”と呼ばれる若いヤクザ(トニー・レオン)に匿われ、パシリっぽい仕事をさせられるようになります。最初はビビってたシクロだけど、次第に裏社会の生活に慣れていき、しまいに「僕もヤクザになる!」と宣言。最終的にはヒットマンとして使われることになり・・・。というとんでもなく暗い話。

私にはこの手の作品を正しく理解する能力がないようです。アンテナが折れてるんだな。他の人の映画評を読むとけっこう評価が高いようなんだけど、私しゃもう退屈で退屈で。主役の男の子が可愛くなかったのもいけない。すみません。”詩人”と呼ばれてるヤクザのトニー・レオンは、哀愁漂わせまくりのキメ演技を見せてますが、悪いけど一言で片付けたいと思う。「不思議ちゃんだね」。生まれつき鼻の粘膜が弱いのかここぞという場面で必ず鼻血を出す変なヤクザをどう理解しろと?<監督。 ”詩人”はパッと見、ヤクザには見えないんだけど、だからといって堅気にも見えない。つうか何考えてるのかさっぱりわかりませんでした。恋人っぽい関係のシクロの姉に平気で客(フェチ専門)を取らせてたかと思うと、彼女をレイプした客はメッタ刺しで殺しちゃったり。表情もずっと変わらない分、並みのヤクザより怖いっちゃ怖いかな。でもほとんど喋らないわりにたまに詩的なこというのが女受けするのか、やたらモテてました(笑)。

シクロも詩人も生活はどん底で、已む無くヤクザ家業に身をやつしてるわけですが、詩人が両親を訪ね、母親にこっそりお金を渡すシーンは切なかった。貧乏だからってヤクザになんかなりゃーがって!と頑固一徹な父親が出てきてめちゃくちゃしばかれるんやもん(親父最強)。でも「お父さんの言う通り!さっさと足を洗いなさい!」とは言えないっす。あの生活ではなぁ。人間やっぱり霞食って生きていけるわけじゃないのだ。


スコア
監督:フランク・オズ
出演:ロバート・デ・ニーロ/エドワード・ノートン

※ややネタバレしてます。

ロバート・デ・ニーロとエドワード・ノートンの2人が共演とくればどれほどの曲者映画かと思いきや、なんのひねりもなく終わってしまいました。(この2人が世界最高の警備を誇るモントリオールの税関の地下金庫から知力と体力の全てを駆使して3000万ドルのお宝を盗みだすなんて聞いたら期待するじゃないですか)たしかに盗みを実行中のデ・ニーロにはドキドキさせられるんだけど、それだけでは物足りないでしょ

獲物が眠っている税関に障害者を装って潜入するノートンは、「あんた自分の演技に酔ってるでしょーー!」と嫌味のひとつも言っておきたい上手さです。役柄的にもかなりの自信家さんでしたが、いかんせんツメが甘い。だてに長く生きてませんでしたなデ・ニーロは。役者が上でした。←というより誰もがもしや?と思うであろうことを全く疑わないノートンくん。ある意味素直か。


ストーカー
監督:マーク・ロマネク
出演:ロビン・ウィリアムズ/コニー・ニールセン/ミシェル・ヴァルタン

一見、大人しくて真面目で人当たりのいい写真屋さんのサイ(ロビン・ウィリアムズ)が、お得意さんの家族に憧れて脳内親戚になってみたけれど、その家の亭主が不倫していることを知り、誰に頼まれたわけでもないのに浮気現場に乗り込み大暴れした挙句、警察にとっ捕まって「あんた一体どうしたの」とベントン先生に取り調べを受ける映画。

ロビン・ウィリアムズはいいんだけど、ストーリーがなぁ。悪いけど全然面白くなかった。サイが不倫している二人を脅して撮った写真が実は・・・ってとこだけは、サイという人がわからんでもない気がしたけど、フツーに考えるとただのキモイ人。勝手にひとの写真を焼き増しすんな。


ソードフィッシュ
監督:ドミニク・セナ
出演:ジョン・トラボルタ/ヒュー・ジャックマン/ハル・ペリー

すいません。私にはどうしてもヒュー・ジャックマンが世界一の天才ハッカーには見えなかったんです。どう頑張っても、X―MENのウルヴァリンにしか・・・。電脳オタクにしてはあまりに体ができすぎていたんじゃないでしょうか。それとストーリーももっとこう騙しきって欲しかった。途中であれ?と思っちゃったからなぁ。シックスセンスとかアンブレイカブルでまんまと騙されたたやすい私なのに。


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