ヴェトナムが舞台のフランス映画です。“シクロ”と呼ばれる輪タクを女親方から高額で借り受け、その運転手をして生計を立ている少年(そのまんまシクロと呼ばれてた気がする)が主人公。ある日、彼はそのシクロをヤクザに盗まれてしまい、女親方の愛人である”詩人”と呼ばれる若いヤクザ(トニー・レオン)に匿われ、パシリっぽい仕事をさせられるようになります。最初はビビってたシクロだけど、次第に裏社会の生活に慣れていき、しまいに「僕もヤクザになる!」と宣言。最終的にはヒットマンとして使われることになり・・・。というとんでもなく暗い話。
私にはこの手の作品を正しく理解する能力がないようです。アンテナが折れてるんだな。他の人の映画評を読むとけっこう評価が高いようなんだけど、私しゃもう退屈で退屈で。主役の男の子が可愛くなかったのもいけない。すみません。”詩人”と呼ばれてるヤクザのトニー・レオンは、哀愁漂わせまくりのキメ演技を見せてますが、悪いけど一言で片付けたいと思う。「不思議ちゃんだね」。生まれつき鼻の粘膜が弱いのかここぞという場面で必ず鼻血を出す変なヤクザをどう理解しろと?<監督。
”詩人”はパッと見、ヤクザには見えないんだけど、だからといって堅気にも見えない。つうか何考えてるのかさっぱりわかりませんでした。恋人っぽい関係のシクロの姉に平気で客(フェチ専門)を取らせてたかと思うと、彼女をレイプした客はメッタ刺しで殺しちゃったり。表情もずっと変わらない分、並みのヤクザより怖いっちゃ怖いかな。でもほとんど喋らないわりにたまに詩的なこというのが女受けするのか、やたらモテてました(笑)。
シクロも詩人も生活はどん底で、已む無くヤクザ家業に身をやつしてるわけですが、詩人が両親を訪ね、母親にこっそりお金を渡すシーンは切なかった。貧乏だからってヤクザになんかなりゃーがって!と頑固一徹な父親が出てきてめちゃくちゃしばかれるんやもん(親父最強)。でも「お父さんの言う通り!さっさと足を洗いなさい!」とは言えないっす。あの生活ではなぁ。人間やっぱり霞食って生きていけるわけじゃないのだ。
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