レザボア・ドッグス/RESERVOIR DOGS

【監督】 クェンティン・タランティーノ
【出演】 ハーヴェイ・カイテル/ティム・ロス/スティーヴ・ブシェーミ

■ 『宝石店強盗のために集められた6人の男たち。お互いの身元を明かさないために、それぞれが”ブロンド、ブルー、ホワイト、オレンジ、ピンク、ブラウン”とコードネームで呼び合うことに。一見プロフェッショナルっぽい彼らにとって簡単にやってのけられそうだった計画は見事に失敗。秘密のはずの計画があらかじめ警察に漏れていたのは仲間の中に裏切者がいたから。一体誰が警察の犬なのか・・・。』

のっけから、お腹から血をどくどく流しながら絶叫しまくるMr.ORANGE(ティム・ロス)。自身も彼の流した血で赤く染まりつつ、片手で車を運転、空いた手でORANGEの手を握りあやしながら逃走するMr.WHITE(ハーヴェィ・カイテル)。そして『なんで?どうなってんの?』とぱにくりつつちゃっかり宝石を持って逃げてきたMr.PINK(スティーブ・ブシェーミ)。生き残ったのがこの三人だけならよかったのに・・・。と思ったのは私だけではないはず。なんであの変態男・BLONDを逃がしたのかなぁ警察は!おまけに同僚まで人質にとられてりゃあきれてものもいえません。(おかげでみたくもない拷問シーンなんかみせられるはめになるし)それにしても気の毒でした、あの警官・・・。(痛いのが苦手な人は早送りにすべし!) しかし、このイタカワイソウなシーンの唯一の見所は、ちょっと存在忘れそうになってた(ごめんねティム。だって気絶しっぱなしなんだもん)ORANGEが突然起き上がって変質者BLONDをドンドンと始末してくれるところです!なんてかっちょいい!!(たとえその顔があまりの出血で青いの通り越して白くなってても)

このシーンで警察の犬が実はORANGEだったことが、観ている方にはわかるのだけど、WHITEは最後まで彼じゃないとかばうんですね(いい人)。そしてORANGEを疑う雇い主親子との撃合いに。 傷ついたWHITEにORANGEが『裏切り者は自分だ』と告白するシーンは悲しいです。もう助けもすぐそこまで来ているのに、彼にだけは真実を告げずにはいられなかったORANGEとそれを聞いてゆっくりと銃口を向けるWHITE・・・。ちょっと待て!話せば分かる!と食い入るように観ていると、ちゃっかり隠れてたPINKが登場。(すっかり忘れてました)

最後どうなったかはっきり映さないのだけど、私としてはPINKには宝石を持って逃げきって欲しい。それでどこか外国のリゾート地で豪遊しながら 『昔こんなことやってさぁ〜〜』なんて言いつつ、金髪のお姉ちゃんを口説くんだけど
誰も信じてないみたいな(笑)。似合うと思うんだけどどうでしょう?

好きなシーン 冒頭のバカトークシーンが余りに有名ですが、私が好きなのはそれぞれのコードネームをつけるところ。『お前はホワイト、お前はオレンジ』ときて、で、お前ピンク』と言われたブシェーミが『ピンクなんかオカマの色だ!俺はパープルがいい!』と抗議するにもかかわらず『うるさい!お前はピンクだ!パープルは他にいる。』とあっさり却下されるこのシーンが好きで好きでたまりません。どう考えてもあんたピンクがお似合いだよと思うんですよね、本人かなり嫌そうですが。あと他にいるパープルって誰?と激しく気になります。


ガタカ/GATTACA

【監督】 アンドリュー・ニコル 
【出演】
イーサン・ホーク/ジュード・ロウ/ユマ・サーマン

近未来。生まれてくる子供たちはすべて遺伝子操作によりマイナスの遺伝子を排除されているありがたいんだかそうでもないんだかの世界。そんな中、普通に生まれてきちゃった主人公ビンセント(イーサン・ホーク)は子供の頃からの夢である宇宙飛行士になるためGATTACA社に潜入することを決意する。』

ジュード・ロウみたさにレンタルしてきたのですが、もうすんばらしく良かったです。GATTACAに入社するため、不適合者(すごい言われよう)ビンセントは事故で下半身付随になった元エリート、ジェローム(ジュード・ロウ)のDNA(血液・尿など)を彼の生活を保障するかわりに提供してもらうことになるのだけど、最初は単なる取引だったはずが、徐々にビンセントの夢に自分の夢も重ね合わせていくジェロームの姿が切ないっす。ある意味本人以上に頑張ってるし。正体がバレそうになったビンセントのために、不自由な脚を引きずって階段を昇るシーンなんか落ち着いて観てられませんよ。しかもすごい苦労したのにさらっと『本当は歩けるんだ。黙ってたけど』なんて言われたひにゃあなた!(コーフンしすぎ)

土星行きのメンバーに選ばれたビンセントのお祝いにと2人で飲みに行った後、酔っぱらったジェロームが明かす事故の真相。遺伝子操作のおかげで病気などには無縁の天才アスリート(水泳選手)だった彼だけど、精神的に弱い部分があり、そのためプレッシャーに耐え切れず自ら車の前に飛び出したと、おそらくはじめて他人に打ち明けるこのシーン。 普通に生まれてきたがために不適合者と呼ばれ、遺伝子の壁にことごとく行く手を阻まれてきたビンセントにとってもこの告白は深い意味があっただろうと思います。

ラスト。土星へ旅立つビンセントのために、大量のサンプルを用意して待つジェローム。 『自分も旅に出るから君が帰ってきた時に困るだろう』と微笑む彼に非常に悲しい予感が。でも考えようによっちゃ幸せなのかも・・・。ビンセントも生まれつきの心臓疾患でおまけに予想されていた寿命も過ぎており再び生きて帰ってくるとは限らないんですよね。だからいまさらジェロームが1人残されるよりはと考えてしまって・・・。ラストシーンはいろんな思いが込められていて、観る人によって感想が分かれるかと思います。美しくもあり悲しくもあり、少しだけほっとしたり・・・と。とにかく一見の価値はある映画だと思います。あ、ユマ・サーマンも出てます(笑)。作り物のような美しさが映画の世界に見事にマッチしてました。


オスカー・ワイルド/Wilde

【監督】 ブライアン・ギルバート
【出演】 スティーヴン・フライ/ジュード・ロウ

ほぼ全編に渡りひたすらジュード扮するボジーに翻弄されるオスカーには気の毒だけど、それも仕方ないよねとしかいいようがないほど、ジュードの子猫ちゃん振りが際立った作品。

オスカーいうところの
バラのような唇で『愛してるよ』と囁いたかと思えば『でもたまには違う味も楽しみたい』なんぞとにっこり微笑み、わざわざ彼の目の前で他の男といちゃいちゃしてみたり、風邪で寝込んでいるオスカーを”ただのおっさん”呼ばわりしたあげく、水差しを叩き割って出て行ったりと(「ボジー。ダーリン。」と鼻声でぐずぐず言うオスカーは確かに気持ち悪いので分からなくもない)自分の気分しだいでやりたい放題であるにもかかわらず、どうしてもこの子が憎めないのは彼があまりにストレートだから(いやゲイだけど)

腹が立てば暴れまくり、悲しけりゃくすんくすんと泣き、嬉しいことがあればそりゃもう極上の笑顔をみせるボジーはもういっそ清々しいくらい。おまけにあの美貌だし。こりゃ許すしかないっすな。だいたい急にキレて出て行ったボジーがしばらくしてあっけらかーーんと帰ってきた途端、オスカーってば『キミが戻ってくれた
お祝いに』なんつってカフスボタンをいそいそとプレゼントしちゃってますから。惚れた弱みってやつです。(またこのときのジュードの笑顔が極悪なほど可愛いくて怖いほど!)

そんな我儘子猫ちゃんのボジーがオスカーの出所をきちんと待っていたのにはちょっと驚きました。てっきり口ばっかりだと思ってたので。(ムショ暮らしも元はと言えばボジーのせいだし、さすがに悪いと思ってたんでしょうか)家庭も仕事もなにもかも失いムダにでかい体を隠すようにしながら、ボジーの姿を柱の影から見つめているオスカーに、あいもかわらず高級そうなスーツに身を包みなんの屈託もなく笑いかけるジュードのラストシーンのあの笑顔!!ジュードファンなら必見です。


イグジステンズ/eXistenZ

【監督】 デヴィッド・クローネンバーグ
【出演】 ジュード・ロウ/ジェニファー・ジェイソン・リー/ウィレム・デフォー

近未来。脊髄に“バイオポート”と呼ばれる穴を開けそこに“ゲームポット”を接続してプレイする(プレイヤーがゲームの世界に入り込むわけです)ヴァーチャル・リアリティー・ゲームが大流行。そんな中、業界最大手アンテナ・リサーチ社の新作“イグジステンズ”の発表会で突然起きた発砲事件。あれよあれよというまに事件に巻き込まれていく見習い警備員(職業の選択をまちがえています)テッド・パイクル(ジュード・ロウ)の運命やいかに!

ジュード・ロウのへたれっぷりが素晴らしい作品。 ゲーム会社に勤務しながら脊椎に穴をあけるのが怖いばっかりに、「一度もプレイしたことがないの」(こんな言い方してないんだけどイメージとして)と、なにゆえそんなに高飛車なの?の天才ゲームデザイナー、アレグラ・ゲラー(ジェニファー・ジェイソン・リー)に打ち明けるシーンは可愛すぎてゲラーの女王さまぶりに拍車がかかるのもムリはないかと思われ。結局、強引に押し切られるようにして穴をあけることになるのだけど、これを闇でやってくれるのが我らがウィレム・デフォーさま! 出てきただけで『この人絶対変!』と思わせる独特のただずまいは、さすがデフォーさまさまであります。そしてこの明らかにヤバそうなおっさんに、『痛くないよ〜〜ん』(うそ)とだまくらかされ、バスっとやられたあと『痛いじゃないか!!(半べそ)えっ?あれ?脚が動かない〜〜〜〜(泣)』と大騒ぎのテッドはもうただただ情けない。でも可愛いので許します。

ストーリーは単純ですが、さすがにクローネンバーグ監督、小道具には凝ります。なんかの小動物(魚だっけ?)の骨で作られている銃とか、ちっこい双頭のドラゴンみたいな生き物とか、まぁそうゆうの観るだけでもいいかなと。(やんわりと話はそんなに面白くないと言っています。) 映画を観る前に、『グロイのが苦手なひとはムリかも〜』という感想を読んだのですが、私はそういうのが全然平気な人間らしく、むしろ『それはどうなっておるのか!』と身を乗り出す始末でした。 (ジュードがなんかわからんゼラチン質のものを可愛らしく食べるシーンがあるのですがこれもちょっと美味そうにみえたし。いや実際美味しかったらしいですね。)

ラストは大どんでん返し!のうたい文句もあるようですが、別にそんな騒ぐほどではなかったです。とにかく可愛いジュードとデフォーさまを拝めさえすればOKという人にはお薦めかと。


クロコダイルの涙The Wisdom of Crocodiles

【監督】 ブライアン・ギルバート
【出演】 スティーヴン・フライ/ジュード・ロウ

■ スティーヴン・グリルシュ(ジュード・ロウ)は自分のことを愛してくれる女の血を吸わないと死んじゃうやっかいな男。(一般に言う吸血鬼とはまた違うんですよ。昼間でも外歩き回ってるし。) ここで肝なのは自分のことを愛してくれるってとこ。言い換えれば愛されさえすればOKなわけで 愛する必要はないんですな。だもんでこういっちゃなんだけど、けっこう手当たり次第。 地下鉄で飛び込み自殺寸前のおばさんを拾ってきて、血ぃ吸って海に捨てるなんて当たり前。そんな彼がはじめて本気で女に(アン)惚れたから話がややこしくなるわけです。血を吸わないと生きていけない、でも吸ったら今度は彼女が死んでしまう・・・とまぁありがちな展開になって、さて最後は・・・。 実は私、ラスト10分の怒涛の展開にいまいちついていけませんでした。てか最後だけ妙にホラーはいってて。ムリヤリまとめた気がしたなぁあれは。

しかし思うんですが、このスティーヴン意外に不器用だなと。彼ほどの美貌ならいっくらでも女なんかひっかけられるし、ひっかけられたら最後好きにならずにいられないハズなんです(言い切るけど)。 だから、別にアンの血を吸わないでもなんぼでも他にいるだろうと。ようは二股かけたらどうなんだってことなんですがね。それをねーしないんですよ彼。まぁそんなことしてたら話が終わらんだろうけど。

ジュードならではの展開だわ〜と思ったのが、二度と浮かんでこない場所に捨てたはずの先の地下鉄女がうっとおしいことに漁船の網に引っかかって浮上してきちゃって。 で、つい何ヶ月か前にも恋人を亡くしたスティーブンが最有力容疑者として警察から事情聴取されるわけなんですが、最初疑いまくりだったはずの刑事が、ジュードが憂い顔で『彼女とはとっくに別れてました。結婚結婚てしつこくて・・・』と言い出した途端、『うんうん。わかるよ。すごくわかる』と一気に懐柔されとるんですよ(笑)。それでも若い方の刑事なんかはしつこく疑ってるんですが(てか正解なんだけど)、中年刑事の方は尾行中にチンピラにからまれたところをジュードに救われて以来、完全に虜(笑)。 いっそそのおっさんの血でも吸ってやったらどうかとさえ思いましたね。

それと、吸血鬼もの観るといつも思うのですが、どうして死ぬまで全部吸いきらなきゃいけないんでしょう??(ジュードになら何度でもちょびちょび吸われたいわ!!と思う私はただの変態でしょうか。)なんか自分で書いてて果たしてこんな映画だったか自信がなくなってきました…。私にはこうみえたってことで実際とちがっててもお許しを。

好きなシーン:お医者のスティーブンが仕事中に子供の患者にみせる笑顔!!それまで不安そうだった女の子もつられてにっこり。年なんか関係ないのね(笑)ジュードの笑顔はまさに癒し系。


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