■ ノーマン・リーダス目当てで借りました。内容は『だからどうしたいんだよあんたら』ってことに終始していてどってことない話なんですが、
ノーマン扮するルシアンがどうにも隙だらけでね。正直、そこだけがこの映画のツボかと。
このルシアン(後のUPIの記者)、本人ノーマルらしいのですがやたら男に好かれてます。特にお熱なのがデイブって男で、こいつがもうしつこいったらありゃせんのです。元々はルシアンのボーイスカウト時代の指導員だったのですが(一体何年越しの片思いなわけよ?)
彼と一緒にいたいから!と教職を辞めて(怖すぎ)NYまでついてきたりするイヤぁな粘着体質なんです。で、ルシアンの方も好かれてるのをいいことに、けっこう利用していたらしく当然見返りを要求されるわけです。(このへんわからなくもない)
でもそれはやっぱり困るし、うっとうしいからってんでいったんはフランスへ逃げようとするのですが 「船に乗り遅れちゃったーvv」なんてお馬鹿な理由であっさりバロウズの家に戻ってきたところで、デイブと鉢合わせ・・・。もうこっから先はツッコミどころ満載です。
友達のアレンとお酒を買いに行こうと話しているところへ現れるデイブ。
とっさに『1ドルか2ドル持ってない?』と言ってしまうルシアンに、ポケットからくちゃくちゃの紙幣を取り出し押し付ける姿が早くもそうとう気持ち悪い。
そこへよりにもよってアレンに電話が入ってしまい、なぜかデイブと2人で買いに行くハメになるルシアン。
半ぺそで「デイブとお酒買いに行って来る…」とバロウズの妻に伝言する姿はあまりに哀れで涙を誘われます。もう誰が観たってヤバイ展開が待ち受けているというのに、そこは隙だらけのルシアン。ちゃっちゃと帰ってくればいいものを、何故かひとっこひとりいない公園(てか森)に行っちゃうんですよ。この少し前にバロウズから『いい加減ケリつけないとえらい目にあうぞ』と忠告されるのですが、それは「誰もいない夜の公園で見るからにやばい男と2人っきりで話をつけろ」という意味では決してなかったはずです。もしかして頭悪い子ちゃんなのでしょうか?
案の定、「僕はきみのためになんでもしてきた!だからきみの愛情が欲しい!!」とぎらぎらと迫ってくるデイブ。それに対し、いまだに自分の置かれている状況を把握していない模様のルシアンは「きみのことは好きだけど、同性愛者としてじゃない」とそんなこといまさら言ったところで通じるか!!言うならせめて逃げ道確保してからにしろ!!とどやしつけたくなるような直球勝負に出ちゃうわけです(もう泣けてきます) もちろん、はいそうですかと引き下がるわけもなく、一気に逆上して襲いかかってくるデイブ。
揉み合う2人。そしてルシアンの手にはナイフが!!場面暗転(笑)。
ぼろぼろになって家に戻ってきたルシアン。驚くバロウズ夫妻の間にちんまり収まり 「デイブを殺しちゃった…」と告白。
「だーかーらー言ったじゃないか!」と叱責され涙目になりながらも、そこはきっちり「彼が突然襲いかかってきて…」と正当防衛を主張するルシアンです。(だから何度もいうけど、あんたが隙だらけなんだよ!!)
「どうしよう…」とすがってくるルシアンがそんじょそこらのブサイクだったら私も「知らんがな!!」で一蹴してやるところですが、なんといってもノーマン・リーダスなのでね。やっぱりね。なんとかしてあげたくなるんですよ不思議と(笑)。男前って得よね←そんな問題か(結局、「両親に相談していい弁護士を雇ってもらえ」という大人なバロウズの勧めに従い大人しく出頭したようで、おまけに人ひとり殺しといて2年くらいで出所したみたいです)
と、ここまで長々と書いてきましたが、映画でいうと最初の20分くらいの話なんですこれが。あとはまぁ出所してきたルシアンがバロウズの嫁に横恋慕してみたり、バロウズがウィリアム・テルごっこで誤って嫁の頭を撃っちゃったりと。そんな感じっす。ちなみにこれみんな実在の人物です(デイブはどうか知らんけど)
。そういや昔、バロウズの小説《裸のランチ》が映画化されたのをビデオで観ました。昆虫(カブトムシとかカナブンとかあんな類)の形のタイプライターが出てきたことだけはおぼえてますが、あとは全部忘れました。なんかけったいな話だった。
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