■ コッポラ監督の「地獄の黙示録」でさえ未見なのに、いきなり「真」って言われてもな。でも原作「闇の奥”Heart
Of Darkness”/ジョゼフ・コンラッド著」にはこちらの方が忠実らしい。
ストーリーは難解。アフリカ・コンゴのジャングルの奥地で突然連絡を絶った象牙採集人、カーツ(ジョン・マルコヴィッチ)を探しに行け!行って象牙を回収してきてくれ!と依頼されたイギリス人のマーロウ船長(ティム・ロス)がやっとの思いで彼と出会い、どういうわけだか(死にかけの)カーツに魅了され(?)、別人のようになって帰ってくるという、哲学的なのか宗教的なのか、私にゃなんのこっちゃら全然分からん話でした。分からんと言えば人間関係もさっぱり。結局、ティムは誰に雇われてたんだ??
正直、映画自体は面白くもなんともなかったのですが、ティム(だけ)を見るにはこれ以上はないというくらい優れた作品。別名ティム・ロス・プロモビデオ。なんせ最初から最後まで出ずっぱりですから!しかも、こりゃアイドル映画か?つうくらいの衣装替えの嵐!!!最初に依頼人の前に現れた時のクラッシックなスーツから、探検家スタイル、可愛い船長さんルックまでお色直しの連続攻撃にくらくらです。もうなにが「地獄」で「黙示録」なんだか知ったこっちゃありませんが、いいの、ティムがカッコイイから。いやもう何着せても似合うわー!(興奮)。いつになくキンキラした金髪を撫でつけた髪型もステキ♪(この髪型すごく似合ってると思いますね。普段もやってくれりゃいいのに)色白で華奢で小柄なマーロウ船長が、全身白のスーツでキメキメに現れた瞬間、現地の人たちが一斉に注目したのもそらムリありません。(なぜこれから未開の地に行こうって時に、あんなにオシャレしてきたのか謎ですが)そりゃ見るよ。見やいでか。
アフリカにやってきたばっかりのマーロウ船長はどこか頼りなげなんですな。周りはでかくて言葉も通じないようなのばっかりだし、唯一英語を話せるボイラーマン(ムフムだっけか。忘れた)は食人族だし。またこの男がやたら「キャピテン!キャピテン!」とティムの寝込みを襲うのですよ。(まったく羨ましいがな。)で、慌てて起きると「人夫が攫われた!」
船のある本部まではジャングルの間を抜けて行かねばならんのですが、前の晩は野営することになり、ティムともう一人の白人にはテントが与えられてるのだけど、現地採用の人夫さんたちは、葉っぱを布団に眠らなきゃならんかったのですね。で、リーダーであるムフムが「大丈夫、これで見つからない(他部族から)」と顔にまで葉っぱを掛けてやったのですが、朝起きてみると3人いなくなってる(笑)←笑い事じゃない。「大変だ!返してもらうには交換するものが必要だ!!」と勝手に(象牙と交換用の)ビーズを一袋持って行くムフムに仕切られっぱなしのマーロウ船長。彼らが帰ってくるまで一人ぽつねんと待ってるしかないのがまた可愛くて!(可愛いとかそんな映画じゃないんだけどさ)
もうマーロウ船長にとっちゃカルチャー・ショックの連続で心身ともにへとへとですよ。しかもヨロメキながら辿り着いた本部では船半分沈んじゃってるし!よくここで倒れなかったと思いますね。頑張りました、キャピテン・マーロウ。先頭で指揮を執りつつ船の修復をしているうちに、なぜだかムフムとも仲良くなり、いざ奥地へ向けて出発です。そしてこの自分の本来の仕事に戻れたあたりから、マーロウ船長、本領発揮。びしびし指示飛ばしたりしてカッコイイったらありゃしない。(船乗りにはまったく見えんがな!!)
しかし、イギリス俳優のくせに滅多に脱がないティムが珍しくチラリズムで悩殺してくれたりと、サービスショット満載で楽しいのはここまで。こっから先はもう何がなんだか。ようやく会えた(妙におかまくさい)カーツの言うことは意味不明だし、それを黙って聞いているマーロウ船長はとっくに崩壊済み(頭に猿が巻きついててもお構いなし)。象牙も大切なんだかそうでもないんだか分からんし、なんでキャピテンが謎の女戦士に殴られなきゃならんのかとか、結局のとこ床に散らばっていたカーツの覚書には何が書いてあったんだ?とか、んもう全てが理解不能。(誰かこのアホにわかりやすく教えて下さい。)そういうわけで、映画の感想としては「ティムが食われなくてヨカッタ」それくらいっす。すみません。でも何度も言うようだけど、ティム・ロス鑑賞映画としては最高。マルコヴィッチファンは見なくていいです。
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