■ 凄い映画でした。予告からぼんやりと想像していた内容とは天と地ほども違うとんでもない展開に頭がついていきません。ものすごく簡単に言うと、「スタンド・バイ・ミー」と「エイリアン」と「アウトブレイク」と「サイン」を強引にひとつにまとめた作品。それが「ドリームキャッチャー」です。
ヘンリー(トーマス・ジェーン)、ビーヴァー(ジェイソン・リー)、ジョーンジー(ダミアン・ルイス)、ピート(ティモシー・オリファント)の幼馴染4人組は久しぶりに山小屋で旧交を温めていたところ、ある災難に見舞われます。「事態は24時間から48時間で収束する!」と近辺をブンブン飛び回っている軍用ヘリからやけに具体的な数字が出るなと思ったら、この災難は今回が初めてではなくなんと過去十数年、アメリカは密かに奴らと戦い続けていたのです。いきなり奴らなんて書いちゃってネタばれもいいとこですが、この災難つうのはようするに「宇宙人の侵略」なのです。ぶったまげますね。予告ではたしか「ドリームキャッチャーの穴をかいくぐってきた悪夢がどうしたこうした」という話だったと思うのですが、まさかそれが宇宙人だったとは。驚きと呆れでアゴが落ちました。
「 しかもこの宇宙人が巨大なナメクジを媒体に人間に感染するってんだからよくわかりません。さらに感染しても「元に戻る人間もいるかもしれませんよ。いないかもしれないけど」なんて中途半端な話まで出てきてもうメチャクチャ。」適当に考えたとしか思えない。適当と言えば、エイリアン征伐に人生を捧げてきた男モーガン・フリーマン(彼はどうも頭がおかしいようです)とその部下のトム・サイズモアの存在もかなりのものでした。正直、いらないんじゃないかと。本編にほとんど絡んでないし。
「「サイン」のエイリアンの苦手なものが「水」だったとしたら、こちらは「ダディッツ」という男で対抗です。彼は例の4人組の友人で知的障害者なんですが、その分「天使のような」純粋さと「なんでもできる」超能力を合わせ持っています。最強ですね。そして実際、強かった。この映画、2時間半近くあったと思うのですが、引っ張るだけ引っ張って最後はもうダディッツの独壇場。英雄。」モーガン・フリーマンの人生ってなんだったんだと改めて思う瞬間でした。
映画の前半、まだ災難の正体がわかってないところまではいろいろと想像できて面白いです。それと4人組とダディッツ(ドニー・ウォールバーグ)の子供の頃のエピソードは心温まる話ですごく好き。彼らはどこにでもいるやんちゃな男の子達なんだけど正義感が強くて友達をとても大事に思っている。その友情が20年経っても変わっていないんだって場面が何度となく出てきて、とんでもないストーリーのわりに妙に泣けたりもします。(S・キングは男の子の友情ものを書かせたら上手いな〜)ジョーンジーの「記憶の部屋」の映像も好みだし、なんだかんだいって嫌いではないですこれ。
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