<イングランド追っかけ観戦記>


■アルゼンチン×イングランド/札幌■

 6/7(金)。はじめてのW杯、アルゼンチン×イングランドの試合を観るために遠く札幌まで行ってまいりました。試合開始は20:30だというのに私(リオ・ファーディナンド目当て)とyuka・Bさん(デヴィッド・ベッカム目当て)が札幌に着いたのは10:30。早すぎです。とりあえずホテルにチェックインし昼ご飯を食べ、あとはただゴロゴロしてました。そして夕方の4時頃、札幌ドームに向けて出発です。途中でローソンに寄ったのですが、店長らしきおじさんが私たちのイングランド・アウェー用の赤ユニを見て”よさこい”ですか?”と聞いてきたのも今となってはいい思い出です。(札幌にはそういう祭りがあるらしい)

 行きの地下鉄の中は早くも両チームのサポーターでいっぱいでしたが、圧倒的にイングランドサポの数が多く、アルヘンサポは肩身が狭そうでした。駅から札幌ドームまでは徒歩で15分程、ただでさえ人が多いところへ大量の警察官と騒動目当ての報道陣で溢れ返り、道路はさらにぎゅうぎゅうです。しかしあれだけ心配されたフーリガンの姿は案の定、まったく見えません。(わざわざ日本まで来るわけないよねー/笑)

 フタ付きの札幌ドームはライブ会場のような雰囲気。試合開始3時間前だというのに、けっこうな入りでした。しかし大半の本場モンサポーターはじっと座ってなんかいませんな。まずはビール!!なにはなくともビールだぜ!!!ってことで地下の売店前に群れをなしていました。しかも飲みながら常に唄っています。大変にご陽気です。

 両チームの練習が始まる前に地元の小学生によるミニサッカーゲームが行われたのですが、正直まったく興味がありません。かといって他に観るものもありませんので、ぼけーっと眺めていたら突然、選手たちがゾロゾロと出てきました!両チームとも子供たちのプレーを熱心に観ています。和やかです。しかし私たちは選手たちを観察するのに必死です。自分たちの席はバックスタンド側だったので、ベンチ近くにいる彼らが遠い遠い。オーラ出まくりのベッカムさまや人一倍でかいリオは遠くからでもよく分かるのですが、なんか1人じーさんがいるぜ!と思ってたのがシェリンガムだったり(すまぬ)、ミルズー♪なんて手を振った相手がブラウンだったりともう大変です。そして、おお、そうだ忘れていた、カニも見とかなければ!!と慌てて見たアルヘンベンチはさらに遠かった・・・。しかし双眼鏡でようやくカニの姿を確認です。額にかすかな透明感はあるものの、長さだけは充分な金髪がゴージャスでした!あ、バティも。(←どれだけ遠くても伝わってくる濃厚さにお腹いっぱい)

 ようやく子供たちの試合も終わり、練習開始です。練習は主にバックスタンド側で行われたので今度はよく見えました。しかも特に客席に近かったのがリオ!!!(歓喜)。バカ高い金を払って観にきたかいがあったというものです。生リオは背が高くて細くて頭が小さくて、なんというかメチャクチャ男前でした(笑)。その上、非常に愛想がよろしくて客席からのリオコールに応えて何度も手を振ってくれました。写真を撮るのをyuka・Bさんに任せた私はひたすらリオ・ウオッチングです。せっかくだからと、ベッカムやオーウェン、ミルズも見ようとするのですが結局のところ視線はリオに集中。いくらなんでも見すぎだと自分でも呆れるほどでした。

 まだ練習の段階から、イングランドサポーターによるアルヘンサポへの威嚇は凄まじいものがあり、ちょっとでも彼らが声援を送ろうもんならそれを打ち消すかの如き大ブーイングです。よほど4年前のことを根に持っていたに違いありません。



 試合を前に両チームの国歌斉唱です。先にアルゼンチン。周りのイングランドサポによるブーイングがスゴクてロクに聞こえませんでした。そしてさんざん人の邪魔をしといて、自分たちの番がくるとこれ以上ないくらい熱唱するイングランド。♪To sing with heart and voice, God save the Queen! と唄い終えるやいなや”Come on England!!!!!!!!!!"と絶叫。テンションは上がるとこまで上がっています。楽しいです。

 私たちの前の席に座っていた3人組のイングランドの男性のうちの1人(仮名:スミスくん)は特に熱狂的なサポーターのようで、試合が始まってもじっと座っていることができません。常に立ったり座ったりばたばたしていましたが、終いには席を離れて通路に仁王立ちして観戦。しかもしょっちゅう”Come on England!!"と叫んでおり目に付いて仕方がありません。そのあまりの熱心さには思わず笑ってしまうほどだったのですが、本人はいたって大真面目です。というか必死です。私はこのひと≪イングランドのためなら死ねるはず≫とさえ思いました。試合が進むにつれてどんどんヒートアップしていったスミスくん(仮名)は、より近くで応援せねばならん!!!!と思ったらしく、じりじりと階段を降り始めついには見えなくなってしまいました。

 スミスくん(仮名)がいなくなり、ようやく私も試合に集中することができました。しかしオソロシイことにあれから一月以上経った今、試合内容はほとんど覚えていません。くだらないことはいっぱい覚えているというのにです。ということで、印象に残ったことを少し。まずイングランドですが、やはり攻撃は薄いなーと思いました。ベッカムさまが本調子でいらっしゃいましたら、また話は違ってきたんでしょうが。いつもならどんぴしゃのはずのクロスもズレまくってたように思います。スコールズもあんまり覚えてないところをみると、よくなかったのかな。でも彼がボールを持つとサポーターが沸いてました。人気あるんですな。あとオーウェンがっ!もう何度私たちをのけぞらせてくれたことでしょう!!今のが決まっていればー!と天井仰ぎっぱなしですよ、まったく。隣ではあと一歩が届かないオーウェンを見てyuka・Bさんがリオの足を半分やってくれ!と怒鳴ってました。(←無理です)

 両チーム無得点のまま、終了するかに思えた前半44分。オーウェンがファウルを受けてイングランドにPKのチャンス到来です。いや正直なとこ何が起こったのかまるでわかってなかったのですが(笑)とにかくPKだということはわかりました。キッカーはベッカムさまです。自分が蹴るわけでもないのに緊張しすぎて吐きそうな私に比べ、イングランドのサポたちはすでにゴールが決まったかのようなバカ騒ぎです。俺たちの美しき主将ベッカムがPKをはずすなんてありえないぜ!!!と自信満々のご様子で、Come on Dividーーーー!!!!”とうるせーったらありゃしません。そして、ベッカムのPKが決まった瞬間・・・・・・。マジで札幌ドームが、いえ札幌が揺れましたね。震度4はあったと思います。とにかくそれくらい凄かったんです、ドヨメキが。決めたベッカムさまは観客席にまっしぐらです。しかしさしものベッカムさまも興奮のせいか、そこがややアルヘンサポ寄りだということに気づいていなかったようでした。(イングランドサポもたくさんいたんだけどね)大興奮の中、前半終了です。スミスくん(仮名)も喜びに震えながら駆け戻ってきたのですが、もうすっかりバカになっているらしく奇声を発しながらどこかへ消えて行きました。

 ハーフタイム終了間際、再び現れたスミスくん(仮名)が階段を3段飛ばしで軽快に駆け下りて行くのを見送ったあと、後半開始です。イングランドは完全に虎の子の1点を守る気でいるらしく超守備的。リオを軸とした守備陣を信頼しているとはいうものの、やはり不安でいっぱいです。特にスウェーデン戦で男を下げたミルズにはハラハラしっぱなしでした。おまけにアルヘンはベロンに代わって入ったアイマールちゃんが元気いっぱいで動き回りよるのです!!。ふだんなら、可愛いよね〜アイマール♪とラブ目線なのですが、このときばかりはじっとしてー!お願いだからじっとしててくれー!と腹の底から願いました。どうみてもアルヘンの方が役者がそろっているように思われ、もういつ追いつかれ、逆転されるかとそればかり考えすぎて頭がクラクラしてきました。(←全然信じてませんな私)しかしFWも含め、チームがまさしく一丸となって守り抜くイングランドの戦いぶりには感動さえ覚えました。そしてそんな選手を後押しする強烈な応援にも。

 時計の針が止まってるんじゃないかと思うほど長く感じた後半も、客席から早く終わりやがれーーーー!!!と罵声が飛ぶ中ようやく笛が鳴り、瞬間、轟音のような歓声に包まれました。4年前の借りを返せた喜びで選手もサポーターも興奮しきっており、延々とイングランドコールが繰り返されていました。(もうねー。イングランドの人たちが羨ましくてしょうがない瞬間でした。いくらリオが好きでも、イングランドのシャツを着ててもね、やっぱり違うでしょう。彼らの歓喜の気持ちとは。それを考えるとちょっと切なかったりしましたね。)

 とにもかくにも勝ててヨカッタ・・・と思いながら帰る用意をしていたら、イングランドの男のひとが勝ちましたー!応援してくれてアリガトウ!!と言ってベッカムのポストカードをくれました(笑)。みんなニコニコしていていい雰囲気です。アルヘン側は知らんけど。帰りも警官がたくさん出ていましたが、暴れる人なんかひとりもなく、きちんきちんと並んで帰りましたよ(笑)。yuka・Bさんと楽しかったなー!としみじみしながら歩いていますと、突然、ファーディナンド、ファーディナンドと言いながら私の背中を触ってくるひとがいます。(シャツの字をなぞっていたようです・・・)げげっ!!と思い振り返るとでっかいイングランドの男が4人、私を見下ろしています。そして『リオが好きなの?』と聞いてくるのです。(圧倒的にベッカムとオーウェンのファンが多い中で珍しかったのかも知れません)私がYESと答えると、いきなりリーオ!リーオ!と叫びだす4人組にもはやどうしていいやらわかりませんでした。

 このあと、yuka・Bさんとすすきのへ繰り出し2時近くまで飲み、タクシーでホテルへ戻ったのですが、このタクシーの運転手さんが素人でねぇ。ホテルの名前を言っても分からないと言うんですよ。しょうがなく『サッポロファクトリーの前にあるんですけど』と大ヒントを与えて差し上げたところようやく分かったらしく、車は走り出しました。ところが、どうも見覚えのない場所に入って行くんですな。で、はい、着きました。と言われたホテルは全然違うし。イラーっときちゃいまして、もう一度サッポロファクトリーの向かいなんですけど!!と怒鳴った途端、今度こそ理解できたようなのですが、実はまったくの方向違いに来ていたらしいのです。おまけにブツブツと言い訳をしだしたので、さらにイラーーっときた私が、『さっき分かりましたって言いましたよね!』とダメ出ししたところ、急にハっとした様子で、『スミマセン、スミマセン、御代は引かせてもらいます。(当たり前や!)ですが時間がかかったことだけは、どうか勘弁してください』と平謝りでもう『どうか命だけはーーーー!!!!』といった雰囲気なのです。これは私の推測なのですが、このおっちゃん、私たちのことを例のフーリガンだと思ったのじゃないでしょうか。イングランドの赤いシャツ着てるしさ(笑)。あのびびりよう普通じゃありませんでした(笑)。←単純に私が怖かったわけではないと思いたい。


BACK