「みやこのハッピートーク」    

                              OCT. 2004


★「メリーちゃん」

●見た事もないような大きな荷物がアメリカから届いたのは、私が小学校高学年の時だったでしょうか。今でもその時のことはよく覚えています。

船での長旅からか、その荷物の箱は形が崩れてところどころやぶれていました。箱の中には、身長80cm、ショートの金髪にブルーの瞳、赤いエプロンドレスを着て、白いソックスと黒のエナメル風の靴をはいた人形が入っていました。当時ニューヨークで暮らしていた伯母が送ってくれたのでした。

あれから30数年、「メリーちゃん」と名付けられたその人形は、今も私の部屋の籐の家具の上にすわっています。(もちろんその時の服はすっかりボロボロになったので娘のベビードレスに着替えてですが・・・)

現在のメリーちゃん


●先日、久しぶりにその伯母を訪ねました。3年前に夫である伯父がなくなってからは1人暮らしになってひどく落ち込んでいました。

すでに80歳を超えてヘルパーさんに来てもらっているのですが、老人会に入ったりしているうちにだんだん元気を取り戻していったらしいです。顔色もよく、私が訪れた時には冷えたビールが用意されていました。

●伯母は37歳の時、伯父の仕事の都合で2人の息子とともにニューヨークに移りました。羽田から飛び立つ飛行機内で伯父から「これだけは憶えておくように」と3人が教えられた言葉は「イックスキューズ・ミー!」

現在のようにPCもなく、手紙のやりとりにも時間がかかったし、もちろん美山の親戚は、その頃アメリカに郵便物を送るなどできなかったらしく、伯母はずいぶん淋しい思いをしたようです。

5年間のニューヨークでの生活を終えて日本に帰ることが決まった時、人形が大好きだった伯母は(幼い頃人形を買ってもらえなかった)私を含めた5人の姪たちにそれぞれアメリカ人形を送ったのだそうです。

「ああ、そうか、そんな理由で伯母がアメリカから人形を送ってくれたのか」と納得していたら「あんたのが1番高かったのよ、だってちゃんと立つでしょ?」「はぁー・・・?」

伯母の家にもアメリカから持ち帰った抱っこできる生後8ヶ月くらいの人形がいます。これは帰国前に2人の息子が貯金をあわせて買ってくれたとのこと、これ又ええ話、と思っていたら「私は、自分が死んだらお棺に入れて持っていくのよ、淋しくないしね・・・あんたもその時はお棺に入れてもらいなさい・・・」なんだか笑えない話!! 

実は祖母(伯母の母)が亡くなった時、「友引」だったので姪に送った人形を連れていったらしいです。

●ビールを飲みながら最後まで伯母のペースで話が進み、歳をとっても元気になれる「イメージトレーニング」まで伝授されて帰ってきました。私のほうが励まされた感じ・・・。

こんなことでメリーちゃんとは30数年ずっと行動をともにしてきましたが、伯母の言うとおり「最後まで私につきあってもらうのはちょっと気の毒かな?」と思いながらも、今回の話を聞いてより一層思い入れが深くなりました。


★風邪ひいちゃった!

「お彼岸を過ぎても涼しくならんなあ」と薄着ですごしていたせいか、ちょっと前から頭痛がひどく、肩こりや喉の痛み、節々の痛みをともない、身体はだるいしどうやら風邪をひいたみたいです。熱はないのですが、しばらく家でゴロゴロしていました。

テレビをみたり読書をすると目が疲れてしまい、ラジオを聴きながら横になっていると楽でした。音楽やトークはもちろんのことニュースも聴いていました。

イチローの功績を始めとして小泉内閣のこと、米軍のイラク攻撃、日本列島でクマが里にまで出てきていることなど、内容はテレビと同じ(あたりまえ?)ですが、頭の中で想像しながら聴く事ができます。

そんなことでパソコンに向かう集中力もなくて「ハッピートーク」の更新も3週間近くできませんでした。「しばらくはおとなしくしとこっかな?」と思ってみたのですが、風邪も快方にむかっているみたいで、また動き始めます!!

★風邪をひく前に観た映画「LOVERS」(チャン・イーモウ監督)について、ある週刊誌は「うらやましい! 敵である2人の男性(金城武アンデイー・ラウ)に愛される盲目の美女・・・」とミーハーなコメントを載せていましたが・・・私もそう思う・・・チャン・ツィイーはかわいい少女から大人の女性に成長していました。

遊郭の牡丹坊で彼女が見せる舞踊(6年間民族舞踊を学んでいたらしい、映画では足が180度広がりまっすぐ立っている)は、ワダエミの衣装と調和して素晴らしく、黒髪の美しさ(「アジアンビューティー、世界が嫉妬する髪へ」のCM)を際立たせています。

また武芸でも「ええっ、ウソでしょう?」と思われるシーン続出です。竹林で逃げ惑う金城武とチャン・ツィイーが朝廷補吏に囲まれ、もうだめだというところに助けが入ります。まるでゲームのよう・・・。

金城武は、うちにあるゲームソフト「鬼武者」で左馬之介として、フランスの秘密部隊に所属する隊員(ジャン・レノ)と共演(?)しており、バーチャルリアリティーの世界に出ているので、映画でも同じような感覚で観てしまいました。私はちょっ渋目のアンディー・ラウのほうがお気に入りかな・・・。

映画ひとつとってもいろいろな情報があり、それに影響されて生活する毎日ですが、なんとか自分を失わないようにしっかりしなくては・・・秋には、お寺の行事や個人的にも予定も多いので心身ともにリフレッシュしたいです!!


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