「韓国ギャル・ホームステイ受入れ日記」
      
                                   by みやこ

 8月8日

ボーイスカウトの関係で、今回3泊4日で韓国のホームステイを受け入れる事になった。
2年前のネパールに続いて2度目。前回は男の子だったが、今回は女の子ということで、この時期お盆のおまいりで忙しい夫に代わって、私が中心的にがんばる事になった。
韓国語の本なども買ってにわか勉強などしたが、さてどうなりますか?

午後2時前、京都テルサ内のボーイスカウト本部へ迎えに行く。
到着が遅れて30分ぐらい待った。それぞれ迎えのホストだけが待っていて、情報交換などする。言葉は通じなくても単語を並べれば何とかなるとか教えてもらう。

やっとバスが到着。40人近くの韓国スカウトが揃い、狭い部屋にいっぱいになる。一同顔合わせ。
それから、それぞれのホストファミリーと対面するが、ここでハプニング。
うちであずかることになっていた2人の女の子の様子がおかしい。
どうやら二人の仲が良くないらしい。一人はほとんど泣きそうになっていた?

結局ぎりぎりでホームステイのグループの変更があり、当初の予定と違う子を受け入れる事になった。先が思いやられる。
二人を連れてタクシーで帰宅。

とりあえず荷物を部屋に置かせて、二人としばらく話す。
名前は、ミーヨンアールム。それぞれ15歳と16歳だという。
アールムの方が泣きそうになっていた女の子。おまけに風邪気味らしい。
ミーヨンは日本でいえばまだ中学生だが、けっこうしっかりしている。
私から見ればほとんど生徒と一緒。夏休みまで生徒の面倒をみるはめになるとは・・・ ^^;

何しろ、両方とも片言の英語だし、発音がなかなか通じにくい。
いろいろ会話をするのも大変。それでも、雑誌の写真などを通じて好きな料理やファッションのことを話題にする。食べ物は何でも食べられるという。

夕食はハヤシライスにする。買い物と料理の間に韓国の子らは一眠り。
帰宅した夫も入れて4人で食事を始める。そのうちばらばらに帰ってきたうちの子どもたちもそれぞれ自己紹介をする。

韓国にもハヤシライスはあるらしい。「ハシライス」と発音していた。
疲れているのかあまり食はすすまないみたい。
夫が一所懸命、芸能ネタやサッカーの話で盛り上げようとするが、いまいち弾まないよう。
それでもスマップ韓国映画の話題で少しは話が続いていたか。また、それぞれの名前を漢字ハングルで書きあったりもした。

最初夕食の後でショッピングに行こうと約束していたけれど、もう食事を終わると二人ともクタクタのようす。今日は買い物もやめにして、二人は早々に部屋に引き上げる。
私を先生扱いで「明日は何時に起きたらいいですか?」と聞くので、「9時か10時まででも寝ていてもいいよ」と言ってやる。

明日は京都スカウトのとりくみで午後から御所見学などが組まれている。
ということで、スカウト受け入れ1日目は過ぎ行く。フーーー!

 8月9日

ホームステイ受入れ2日目。今日は午後から京都のスカウト連盟合同のとりくみがある予定。
ミーヨンとアラムは9時前ごろ起きてきて、朝のシャワー。
やはり昨日はよほど疲れていたのだろう。今日はいくぶん元気そう。

11時ごろ、二人を連れて早めに家を出て京極方面で見物。買い物は夜したいとか。リプトンで昼食。

「はまぐり御門」で2時集合と聞いていたので、二人をせかせて、せっかくのピーチティーも飲み急いでかけつけたのに、何とそれから1時間近くも待たされるはめになる。何でもイタリアのスカウトたちが来ないのだそうだ。
そのことをしっかり説明してくれる人もないまま、先に集まった者たちは、しょざいなげに待ちつづけるだけだった。

おまけに先に予約してあったはずなのに、付き添いのホストは御所に入れるかどうかわからないという。結局、何とか入れるようにはなったが、一から十まで「いいかげん」なことが多すぎる!

そして入った御所も、いかめしい警備の中を、あわただしく中を通り過ぎただけ。エジプトのスカウトの子らは、しきつめた砂の上を裸足で走り回っていた。

それから又、暑い中を歩いて下鴨神社へ。ここで十二単の着付けを見せてもらう予定だったらしいが、時間なく中止。小川に足をつけただけ。

こんなことなら一緒について来ず、どこかの喫茶店でコーヒーでも飲んでいればよかった・・。
何とか5時過ぎに解散して、バスで帰宅した。もうクタクタ。

夕食を作る元気もなく、ミーヨン、アラムと夫と4人で京極方面に外食に出る。

最初、回転寿司の店と思ったが、アラムがお寿司を食べられないので、台湾料理の「阿里山」へ。チャーハンはおいしいおいしいと食べていた。
 通じない英語の代わりに夫がナプキンにエビやタコの絵を描いたら、韓国語でその名前を教えてくれたりしていた。

その後、京極界隈でショッピングと思ったが、結局何も買わないまま帰ってきた。今日も疲れていたようで二人はバタンキューと寝てしまった。
明日は一日、ホストファミリーが対応することになっている。フーー。

 
 8月10日

ステイ受入れ3日目。今日は一日中、うちだけの計画でもてなすことになる。(というか、私ひとりだけど・・。)
いろいろ考えて、二人を清水寺方面へ観光に連れて行くことにする。

五条坂付近は、陶器市大谷本廟へのお参りとでごった返していた。
タクシーで清水寺の下まで行く。そこから参道を上がっていく。
まわりは土産物店が並んでいる。二人はキョロキョロ。

清水寺では15歳のミーヨンの方は、仏像などにも興味があって写真などをとりまくっていた。16歳のアラムの方はクリスチャンだそうで、あまり仏像などには興味を示さなかった。人いろいろ・・。

ここで何と私は「安達祐美一家」が観光しているのに気が付いてしまった。
TVの撮影などでなく、まったくのプライベートらしい。
安達祐美の弟や妹?、お母さんらしい人もいた。でもまわりは全く気がつかないまま、しばらく並んで歩く格好になった。

土産物店で買い物をする時、やっと店員が気づいて、まわりにみるみる黒山のような人だかり。
安達祐美はTVで見るより、もっと小さくて華奢な感じだった。でも、サングラスも帽子もせず、まったくの素顔で歩いていてびっくり。

韓国の二人はもちろんそんなことには興味がないので、人だかりをさけて氷を食べに店に入る。
その後はブラブラ八坂神社まで歩く。二人はなかなか買い物もしないので、私からのプレゼントとしてきんちゃく袋を買ってあげた。

昼食は二人の希望で四条河原町のマクドナルド!しかも二人はハンバーガーでなく、ポテトとチキンナゲットだけを食べている。
また「新風館」へ行って、喫茶店でケーキセット!
ひたすら歩き、そして食べていた一日。

夜は外へ出ず、夕食の後、浴衣を着せてあげたり、うちの前で花火をしたりするつもりだったのに、何と急に二人は夜に土産物を買いに行きたいと言う!
そんな!昨日なんか、いくらでも時間があったのに!!
と、怒るわけにもいかず、また私が付き添って京極方面へお買い物。
この3日でいったい、どれだけ歩いたかしれない。

ミーヨンはだいたい買うものを決めてすぐに見つけたみたいだけど、アラムはドラえもんのタオルが欲しいと言い出し、やっと見つけたのは気に入らないという。
またまた、京極を三条まで引き返す。次は可愛いウオッチがほしいというが、時間がずんずん遅くなるので帰ることにする。
私もたいがい気が長くなったと思う。

帰宅すると、待ちかねた夫が、近所の子供たちに声をかけて、先に花火を始めていた。
アラムとミーヨンも一緒になって花火を始め、はしゃいでいる。
今までで一番いい顔をしている。近所の人たちと一緒に花火をしたり、自己紹介したり、記念写真を撮ったり、小さな国際交流。



結局浴衣を着せてあげる時間はなくなってしまった。フーーー!

8月11日

今日はいよいよ、アルムミーヨンが京都を出発する日。
8時に起きる約束だったが、二人とも起きてこず、8時半に起こしに行く。

朝食前にシャワーを終わっているように言っておいたのに、アルムは朝食の後でシャワーを浴び始め、10時半の出発時間には、まだ荷物作りが終わっていない。

二人をせかせてタクシーで京都駅に向かう。
11時前に到着。京都駅ではそれぞれホストファミリーらとの別れのシーンが展開していた。
もっぱらウルウルしているのは、ホストファミリーのおばさんたちで、あちこちで別れのハグシーンが見られた。

アラムはずっとタオルを手にもっていたが、ミーヨンが、このタオルはアラムの彼氏からもらったタオルだから大事にしているという。
「今度日本に来るときは彼氏と一緒においで」といってやると、今までで一番いい笑顔を見せてくれた。
新幹線の改札まで見送る。皆で手を振りながら元気良く帰っていった。

帰る時にくれたお土産を、後であけると、サッカーの韓国サポーターのTシャツとバンダナだった。

あっという間の4日間だったが、最初緊張していた韓国の子らが、本当に嬉しそうに帰っていったのを見て、がんばって受け止めてよかったなと思った。
英語とそれに韓国語もしっかり勉強したいと思った。
自分にお疲れ様でした。フーーー。

   「韓国ホームステイ受入れ日記」 完。


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