シネマ法話度チェック
       
2003年 1月

 「ハリーポッター・秘密の部屋」 2002 アメリカ
   (法話度 1)

もうハリーポッターは、原作は読んでも、わざわざ映画は観にいかないつもりだったが、「朝日シネマニュース」で、おすぎが誉めていたので、ついつられて年末に行ってしまった。結論から言うと、やはり観にいかなくても良かったかな・・。
相変わらずの特撮やスピード感はさすがだが、どうしてもそちらの方に目を奪われぎみで、ストーリー自身のもつ魅力が、かすんでしまうような気がする。これは映像化する上で仕方ないことかもしれないが。それともこちらが年をとったせいだろうか。 



 「至福の時」 2002・中国 チャン・イーモウ監督  (法話度 4)


「あなたたちのお金はニセモノでしたが、その愛情は本物でした」

いきなり「お楽しみはこれからだ」(和田誠氏著の映画のセリフとイラストで構成された本)風に始めてしまった。

クサイと言えば、これほどクサイセリフもない。
一見喜劇風の、現代中国を舞台にした映画。

工場が倒産し、失業中の中年男チャオが、何とか結婚したいと、バツイチの女性(超ふくよか!)に気に入られたいばかりに、その女性の元でやっかい者扱いにされていた、全盲の少女に仕事を世話しようとする。しかしうまくいかず、仕方なく仲間と共に工場跡にその少女の仕事場を急ごしらえし、自分たちで身銭をきってマッサージの患者に扮する。

自分のために一生懸命ウソをついて、最後はお金がなくなり、にせのお金まで作って仕事を作ってくれようとした人びとに、うそと知りつつだまされたふりをする少女。最後は一人少女は父を探して旅立っていくが、後に残されたテープレコーダーから流れてくる冒頭のセリフに、クサイと思いつつも、つい泣かされてしまう。チャン・イーモウのうまさだろう。
人間同士の真の「出遭い」ということを考えさせられた。

5万人から選ばれたという主演の少女役のドン・ジエ。最初は美少女すぎると思ったが、なかなかどうして、盲学校にいた住職が見ても本当の全盲の人に見えるぐらいの完璧な演技だった。



 「マーサの幸せレシピ」 2002・ドイ   (法話度 3)


見るからに?ドイツ女性のマーサは、ハンブルクのレストランの有能シェフ。
仕事一途でやや融通がきかない。そこへ、姉の事故死で8歳の姪リナが同居することになる。また職場には陽気なイタリア男マリオが入ってきて、色々ペースを乱され、一時はパニック状態に。

しかし、やがて彼等が頑ななマーサの心を溶かし、いつしかかけがえのない人たちになっていく。そんな時、リナは別れた父がイタリアから迎えに来てマーサの元を去っていくことになるが・・。

ある意味、予定調和的な展開だし、さほど大きな事件が起こるわけでもないが、ヨーロッパの中のゲルマン系とラテン系の関係などもそれとなく暗示されて、ドイツの厨房の雰囲気共々興味深かった。
「アメリ」ファンの女性にはおすすめ?



 「アイリス」 2001・イギリス         (法話度 4)

「結婚したら毎日キスができる」
「だったら毎日キスをしましょう」

 
実在した女流作家、アイリス・マーベックとその夫ジョンの物語。
映画は若い時代の二人と、晩年の姿が交互に描かれながら進む。

若くしてその才能を開花させ、自由奔放な愛にも生きていたアイリスだが、徐々に純粋なジョンに惹かれていく。冒頭のセリフは、二人が初めて結ばれる時のセリフで、かつプロポーズの言葉にもなっている。(ちなみにジョンの方はこのときまで童貞だった。)

一転、歳月を経てそれなりに成功を遂げたアイリスだが、晩年徐々にアルツハイマー病に冒されていく。それを必死に介護し、見守るジョン。しかし、自らも年老い、家の中も荒れ放題で、時に外へも飛び出すアイリスを追いかけきれない。最後はとうとうアイリスを施設に入れることを受け入れるのだった。海辺で言葉を失い、ひたすら石を並べるアイリスが胸を打つ。

どんな若さも知性もいつか衰えていく。それは決して避けられないことだろう。問題はその時その時をどう精一杯生き、愛したかなのだろう。多分。

                

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