シネマ法話度チェック
       2003年 9月

「パンチドランク・ラブ」 2002・アメリカ

7人の姉に囲まれて育ち、やや変わった「切れやすい」性格の主人公バリーと、離婚暦のあるキャリアウーマンリナとのラブストーリー。

いきなり主人公の勤める会社の前に小さなピアノが置き去りにされたり、会社そっちのけでハワイに飛んだりと、ストーリーも一風変わっている。

最後は、テレホンセックスの元締めに逆恐喝されていたのを、毅然とカタをつけ、恋を実らせるハッピーエンド。

何でも、プリンを買いまくり「マイレージ」を貯めて世界を飛んだ男の実話から発想されたそうだが、そのあたりが話の中心にはなっていなかったような気もするが・・。

ポール・アンダーソン監督と言う名前で話題性になったような気も。
 
(法話度 2)

「ぼくのおじさん」 1958・フランス

小学生の頃?白黒TVで確かこの題名の映画を見た記憶がある。その頃の感覚でもなんとモダンな映画があるものだと感心していた。

昨年、没後20年を迎えたジャック・タチという監督の作品で、主人公ユロ氏も演じている。今回改めて見て、やはりそのセンスのモダンさにびっくりした。

今見ても「超オシャレ」な映画なのだ。旧いパリの下町と、中産階級の見栄をはった超モダンな建物や生活との対比。そして、今見ても十分笑えるギャグの数々。

残念ながら今回のジャック・タチ・フェスティバルの中では、この作品しか見れなかったが、今後ますます評価が高まっていく監督だろう。
(法話度 3)


「夏休みのレモネード」 2001・アメリカ

アイルランド系大家族の中で育つピートは、のびのび育ちすぎ、学校でシスターから「地獄行きになる」と脅される。

「地獄行き」にならないためには、異教徒をキリスト教に改宗させればいいのではと、たまたま知り合ったユダヤ教のラビの息子、ダニーを天国に行けるようにする「大作戦」を展開するのだった。

二人で決めた「天国行き」の課題を、ようやく全てクリアーした時、実は前から白血病に侵されていたダニーは命を終えるのだった。

異なる宗教間の争いが問題になる現在。ユダヤ教のラビやキリスト教の神父という、「専門家」の大人をもたじたじとさせる、一途で無垢なピートの発想や言葉が一層意味を持ってくるように思えた。

ピート語録
 (病床のダニーに聖跡のパンを渡そうとしてキリスト教の神父に止められて)「そんなやり方はイエス様的でないよ。」

子供を失ったラビとの会話
 「キリスト教だとかユダヤ教だとか、そんなものは勝手に人間が決めたものさ。僕たちは同じところへいくんだよ。天国への道は一つじゃないんだ。」

(法話度 5)

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