画像処理による遠近描画

ポスターやグリーティングカードなどのイラストをコンピュータで描いたりする。コンピュータで出来る面白さは同じパターンの絵を何枚も容易に貼り付けられることである。そこで,コンピュータで描いた1本の樹木を複数用いて,遠近感のある1枚の画像を作成してみた。複数の樹木をコピーして,それらのレイアウトを変えたり,大きさや色合いを適当に変えることによって遠近感のある画像が,わりと簡単に作られる。ここでは,画像処理ソフト(Photoshop LE)を用いたその処理ステップを示す。

Step1

・原画(1本の樹木)Photoshopに読み込む。

(遠近を表せる画像処理をしていく上で,原画自体も,出来るだけ立体感があるように仕上げておいた方が良い。ここでは,マイクロソフトのペイントで作成した。背景は白色だが不透明である。)

 

Step2

          新規ファイル1(背景を透明に設定したもの)を開く。

          原画像を選択ツールの移動ツールで新規ファイルにドラッグ&ドロップする。

          新規ファイル1のレイヤー2の描画モードに乗算を選択する(オーバーレイを選ぶと,後で重ねる樹木が透けるので使わない)。

          ツールバーの自動選択ツールを用いて,樹木の周

りの透明部分を選択する(透明部分が点線で囲ま

れる)

          レイヤー2の樹木の絵の上にカーソルを当て,右

クリックし透明部分を選択する。

          ツールバーの編集をクリックして消去をクリック

する(これで白色の部分が透明になる)

 

Step3

          新規ファイル2を開く(背景を透明に設定したも

)

          選択ツールの移動ツールを用い,新規ファイル1

から樹木をドラッグ&ドロップする。

・ 5回繰り返して5本の樹木を作る。

 

ここで,背景部分(白色表示)とそれぞれの樹木のからなる合計6枚のレイヤーが作られる。

樹木は部分的に重なっているが,新規ファイル1で樹木の周りを透明化しているので矩形枠(白色)で別の樹木が消えたりすることは無い。

Step4

・ 各樹木の大きさを調整する。

          ここでは,左側の樹木が一番遠方にあるとし一番

小さくなるようにする。

・ レイヤー6を選んだ状態で,ツールバーの編集,変形,拡大・縮小の順にクリックする。

          樹木の周りを左図のように矩形枠で囲み,その枠

の大きさを縮小する。

 

 

Step5

・右側の樹木が一番大きくなるように,Step4と同じ操作を繰り返す。

 

Step6

・ 樹木のレイアウトを変える。

・ 遠近感が出るように,木の重なり具合を調節する。

(手前の樹木とそのすぐ向こうにある樹木の間隔よ

り,遠方の樹木の間隔を狭くするのがポイント。)

 

この段階で樹木は前後に並んだ感じがするが,葉っぱの色が同一である。

Step7

・ 葉っぱの色の濃さを変える。

(遠方の樹木は薄く,手前の樹木を濃くする。)

          レイヤー6をクリックし,一番遠方の樹木の不透明度を下げる(ここでは24%に設定)

Step8

・ Step7の操作を繰り返し,一番手前にある樹木が一番濃くなるようにする。

(手前の樹木は,不透明度100%としても,濃

さの変化が無いので,ツールバーのイメージをク

リック,明るさ・コントラストをクリックして濃くした。)

          全体的なバランスを見て,必要あればこれまでの処理を繰り返す。

          遠近描画の出来上がり。