平成14年9月
9月25日 あめのちはれ
「歌う犬」...日刊犬新聞 本日付け夕刊
秋田に住む秋田犬のムツさんが夕方の時報の音楽に合わせて歌うと言う情報を入手し、密かに取材を続けていた本紙記者であったが、思いもかけずムツさんの御主人から生々しい話を聞くことが出来た。
※ムツさんの御主人の談
「私もムツが夕方の5時の時報に合わせて歌うというのは声でしか聞いたことがなかったのですが、たまたま近くというか間近にいて、その姿を見ることが出来ました。....5時になって時報の音楽がなり出すと「伏せ」の姿勢になっていたムツは右に左にとしきりに首を傾げて不思議そうな表情をしました。やがてあごを上げたかと思うと、かすかにムツの口が開かれました。しかし歌うことはしませんでした。そして、また音楽に聴き入って首を傾げます。途中で近くの工場のアナウンスや機械の音がしてムツの音楽への集中力がとぎれましたが、やがて突然「うぉ〜」と短く甲高い声で歌ったのです。しかし側に飼い主がいるという恥ずかしさのためなのか、それ以上歌を続けることはありませんでした。時報の音楽が鳴り終わるとムツはあたりをきょろきょろと見てから私を上目遣いに見て恥ずかしそうにしていました。其の後、音楽への未練を断ち切るように立ち上がり、やがてムツの心の中は夕方の散歩へ行ける喜びにみたされていったようでした。

以上、ムツさんが歌ったという現場で御主人の話を聞いた本紙記者はムツから敵対心か親愛の情なのかはわからなかったが「ワンワンわん」と吠えられっぱなしであった。

.......えっ、何でこんな新聞の記事なんか僕の日記に載っているの...?日刊犬新聞...?そんな新聞知らないよ!!。読んだこともないし、だいたいそんな新聞どこで出しているのさ!!。僕が歌おうと吠えようと犬の勝手でしょう!!......待てよ、もしかして御主人が?...

9月24日 はれときどきあめ
今日はおかしな天気だったよ。ぽかぽかの天気なので外にごろんと横になって惰眠をむさぼっていたら急に空が暗くなって雨が降ってきたよ。「これはたまらない」と思って作業小屋に逃げ込んだ。今日は一日こんな天気の繰り返し....
夕方、御主人から「散歩に行こう」と声がかかったのでうれしくてはしゃいだら、とたんに雷が「ぴかぴかどっか〜ん」と鳴って大粒の雨が作業小屋の屋根をうるさいぐらいにたたき始めた。僕は怖くてしっぽを下げながら雨の降るのを眺めていたよ。おかげで散歩は中止....すぐ、ご飯になったんだけれど、僕は散歩に行けなかった腹いせに犬小屋の中に敷いてあった布団を外に引きずり出してやった!!!

9月23日 こさめのちはれ
家に大きなトラックがやってきて、男の人が二人来て作業小屋で何かをしている。お墓参りから帰ってきた御主人もやってきていっしょに何か話ししているようだ。僕は怖くて「ワンワン」と吠えてみたけれどしっぽは下げっぱなし...御主人は僕を束縛しているロープをほどいて、家の裏の方に連れて行った。何時もシャンプーされるところだ。僕はまたシャンプーをされるのかと思って「イヤ〜、行きたくない!!」と抵抗したのだが、何のことはない小屋で作業する人達の邪魔にならないように僕を別の所に連れてきただけなのだ。でも、何となく居心地が悪い、うろうろしている内にあちこちに引っかかってロープがぐるぐる巻になってしまって身動きが取れなくなってしまった。半日そこにいて元の場所に戻されたのだが、やっぱりいつもの場所の方がゆっくり出来る。

9月22日 くもり
夕方になると市役所から5時を告げる音楽が流れてくる。僕たちが住んでいる街の愛唱歌だ。僕はその音楽に合わせて歌ってみた。「うぉ〜ん、うぉ〜ん」.....と。ちょっと音程は狂っているかも知れないけど大声を出して歌うのは気持ちがいいものだ。人間の世界で「カラオケ」というものが流行っているのがわかるような気がする。久しぶりに歌ったので少し恥ずかしかった。夏場は暑くて歌う気にもならなかったけれど、涼しくなって夜も長くなったので、これからちょくちょく歌ってみようかなぁ。夜になって消防団の車が「火の用心」の鐘を鳴らしながら来たので、その鐘の音にも合わせて歌ってしまったよ。「うぉ〜ん、うぉ〜ん」.....癖になりそうだけれど、御主人は近所迷惑にならないか心配しているようだ。近所迷惑になるぐらい僕の歌ってそんなに下手かなぁ。....えっ、そういう問題じゃないの?.... 

9月21日 はれ
夕方、散歩に行く前に、「おしっこを引っかけたな!!」といきなり言われた。そして青いビニールシートを持って僕のほっぺをツネツネする御主人....。「えっ...なんのこと...僕わかんない〜」
良く聞くと御主人が仕事に使おうと作業小屋の前に置いてあった大きな青いビニールシートに僕がおしっこをかけたらしい。そんなことを言われても困る...犬はついさっきの記憶さえ遙か彼方に消え去ってしまっているのだ。でも御主人の持ったシートからはぽたぽたと液体がこぼれている。.....少し匂いもするので、たぶん僕が引っかけたオシッコなのだろう....?

9月20日 はれ
朝夕、めっきり涼しくなって夜は犬小屋の中に寝ている。でも日中は少し暑いので車の下などに寝ている。夕ご飯が終わってからは地面がまだ暖かいので、外に出て寝ているのだが、御主人は、そんな僕を犬小屋に寝させたいらしい。外に寝ている僕を引っ張って犬小屋までわざわざ連れて行く。はっきり言ってありがた迷惑なんだけれど、一応素直に御主人の言うことを聞いて犬小屋の中に入ってやる。すると御主人は「お利口さんだなぁ」と頭をなでてくれて家へと戻っていく。僕が犬小屋に入ったので満足したのだろう。そこで僕は御主人がすっかり家の中に入っていくのを確かめてから、おもむろに犬小屋から飛び出して、外の地面の上にごろんと横になるのだ。「はぁ〜、こっちの方が気持ちがいい〜」、外が寒くなったら一人で犬小屋の中にはいるから、御主人よけいな心配は止めてくれ〜

9月19日 はれ
家の周りにはいろいろな色のコスモスが咲き乱れて、空はすっきりとした青さになって益々高くなって空気が美味しく感じられる。夕方の散歩の時なんかは夕日がとてもきれいだ。御主人なんかは僕の散歩そっちのけで夕日の写真を撮っている。御主人は夕日の写真を撮るのが趣味なのだ。今日なんかは自転車散歩をしたのだけれど、途中で自転車を止めて僕に「待て」と命令をして置いて写真を撮っている。僕は退屈なのでおすわりをして待っていようと思ったとたん自転車が倒れてしまった。僕は心臓が飛び出るほどびっくりしたよ。御主人、写真を撮るのも大概にしてくれ〜

9月18日 はれたりくもったり
夜遅く、御主人の長靴を引っ張り出してカミカミして遊んでいたら、御主人がお母さんの車に乗せてもらって帰ってきた。僕はいたずらを見つけられたので、何とかごまかそうと素早く長靴の側を離れて、プラスチックの植木鉢をくわえて御主人達に見せに行った。「ほらほら、いいいでしょう〜」....しかしそんなごまかしが通用する御主人ではなかった!!
「いたずら犬!!」と言われて長靴を拾い上げて元の場所に置かれてしまった。御主人とお母さんはしばらく僕と遊んだ後家の方にいってしまった。僕はその後しばらく植木鉢を転がしたり咬んだりしながら遊んでから犬小屋の中に入って眠った。

9月17日 あめふったりやんだり
久しぶりに雨が降ってきて、少し寒いぐらいなので犬小屋の中でお昼寝をすることにした。ところが、今日は御主人が一日作業小屋の中でお仕事をしているので気を遣いながらのお昼寝で熟睡が出来ない。おまけに機械の音がうるさいし怖いのでおびえていなければならない。ストレスのたまる一日だった。その代わり、夕方の散歩はストレスを発散させるように元気に力強く走ったよ。御主人の乗った自転車をぐいぐい引っ張ったんだ。ああぁぁ気持ちよかった!!

9月16日 くもりのちあめ
お昼に御主人とお母さんが黒い服を着てどこかに行くようだった。大部たって帰ってきたので散歩に連れて行ってもらえるかな、と思って喜んで出迎えたけれど、また二人着替えてどこかへ行くようだ。僕は「早く帰ってこい」という思いを込めて犬小屋の上にある「散歩ヒモ」をくわえて御主人が目に付くように床の上に置いた。今度はすぐ帰ってきた。どうやら夕食の買い物に行ったらしい。買い物袋の中身をのぞかせてもらった。やっと「散歩に行くぞ」と声がかかったので床に置いた散歩ヒモをくわえて御主人に差し出した。最近は散歩が待ち遠しい。

9月13日 はれ
最近気候が穏やかになって気持ちのいい日が続いているので「犬の昼寝」には最適だ。....
と言うわけで毎日ごろごろうとうとと寝てばかりいるので話題も何もありはしない。
「ふぁぁぁ〜、空が高くなって青い空が澄んで夕日がきれいになったなぁ」
今度は、夕ご飯を食べた後だから本格的な眠りに入ろうか....

9月11日 はれ
今日の夕方散歩は、御主人と自転車で行った。久しぶりに全速力で200メートルを走った。まんまるで真っ赤な夕日が沈んでいくのを見ながら走るのは実に気持ちがいいものだ。西の空には細いバナナのようなお月様が浮かんでいる。夕日はあっという間に沈んで、空に浮かんでいる雲に夕日の色が残ってとてもきれいだ。こんなきれいな夕日を見ながら御主人と散歩出来る幸せをひしひしと感じる。もっとも散歩の後に来る「夕ご飯」が僕の最大の幸せを感じるときなんだけどね。

9月10日 はれ
朝晩めっきり涼しくなって寒いぐらいだ。昨日の夜、御主人が「寒くなってきたので犬小屋で寝ればいい」とわざわざ僕を犬小屋まで引っ張っていって中に入れてくれたのだが、僕は嫌だったので御主人がいなくなった後、こっそり犬小屋を抜け出して地面にごろんと横になって眠った。すると今朝、目を覚ますと僕の身体がぐっしょりと濡れている。それに辺り一面一寸先も見えないぐらいに霧の海だった。草も木も、すべてのものが霧でぐっしょり濡れている。僕は体をぶるんぶるんと震わせて身体の水気を払いながら、御主人の言うことを聞いて犬小屋の中で眠れば良かったと思った。

9月9日 はれ
今日は、秋らしく涼しい風が吹いてきて過ごしやすい一日だった。今朝は早起きしたので、いろいろ小屋の中から持ち出して目の前に並べてみる。まずスニーカー..これは下のお兄さんが履いていたもので大きくて重いし歯ごたえがあるけれど柔らかいので時々持ち出してはカミカミして遊んでいる。次に3種類の植木鉢...プラスチックの鉢は堅くて咬み心地がいいし、落としたとき「からんからん」といい音を響かせて複雑な動きをするので大好きだ。ビニールで出来た鉢...これは薄くてふにゃふにゃしていて不思議な物体と言ったところ。もうひとつの植木鉢は、どうもプラスチックで出来ているようなんだけど、前に書いたものとは違って少し柔らかく落としてもそんなにいい音はしない....こんなものを朝から作業小屋の前に一杯広げて楽しんでいたのだが、散歩の時間になってやって来た御主人に全部片づけられてしまった。

9月8日 はれ
秋がやってきて、僕の家に宅配便で新鮮なサンマが大量に届いた。....らしい。夜になるとサンマを炭火で焼いているらしい煙と匂いが美味しそうに漂ってくる。刺身というものにして生でも食べるらしいけれど、僕は生は苦手なので遠慮しておこう。等々といろいろ美味しそうな考えをめぐらせていた僕だったが、とうとう僕の口には一口も入ることはなかった。そして、夜遅くになって、そのサンマが開かれて、干し物にされたものを御主人とお母さんが網に入れて持ってきた。どこに干そうか話し合っているようだ。結局、僕の寝ているところの真上につるされることになって、僕は美味しそうな匂いだけをかぎながら眠りにつくことになりそうだ。「余ってヒモノにするぐらいなら、僕にも一匹ぐらい焼いて食べさせてくれ!!」と言いたい僕だった。

9月7日 こさめ
今朝、4時半か5時頃、アパートのあたりをうろつく不審な人物を発見したので、甲高く二,三回吠えてやる。たぶんアパートの住民である大学生だと思うけど、顔も知らないので一応吠え立ててみた。

9月6日 はれたりくもったり
昨日よりは大部過ごしやすい。今日は雨が降ると御主人が言っていたけれど、朝にぱらぱらと降っただけで止んでしまった。降ればふったたでむしむしするし、「本格的な秋よ早く来い!!!。」腹を立ててもどうしようもないのに少し怒鳴ってみる。

9月5日 はれ
梅雨の初め頃から始まった僕の毛皮替わりがなかなか終わらない...御主人は僕の身体を毎日のようにブラッシングするけれど、毎日山のように毛が抜けてきてとどまることを知らないようだ。おまけに蒸れるのか皮膚病のようにかさぶたが出来たりして少しかゆい。さらにごそっと毛が抜けてきて所々はげになっている。最近は大部いいし、新しい毛が生えてきたりしているのだが、夏の盛り頃にはこのまま全身はげになってしまうのかと心配したものだ。秋田犬は皮膚病に弱いと言うけれどこんなにひどいとは思わなかった。早く涼しくなって秋田犬の毛並みの美しさを蘇らせたい僕であった。

9月4日 はれ
夕方、御主人がなかなか帰ってこないので、上のお兄さんと散歩に行ったよ。途中で女子高生か女子大生かわからないけど女の子達にあったよ。かわいい子達なので手をぺろぺろなめてあげた。大満足で家への足取りも軽く帰ってきた。
9月3日 はれ
一体何日晴れの日が続いたのだろうか、畑や田圃の作物が「水が欲しい!!」と訴えているのが僕にもよくわかる。犬の僕にはどうしてやることも出来ないが、「がんばれ!!涼しい秋はそこまで来ているぞ!!犬の僕にとっても夏は受難の季節だ、もろともにこの暑さを乗り切ろう!!」ぐらいのエールを作物達に送ってやりたい気持ちなのだ。
最も、僕はいくらか涼しい風が吹いてくる日陰の床の上でのんびりとまでは行かないけれど昼寝をしているけれど、作物達は一日一杯、日向の中でがんばっているんだよね。

9月2日 はれ
今日は午後から御主人がいなくなって、お散歩もご飯もお預けになった。幸い遅くになってお母さんが帰ってきたから、かろうじてご飯と散歩は確保出来た。これが、誰も帰ってこなかったらと思うと「ぞっ」とする。散歩に行かないのは、まあ我慢出来るとして、ご飯が食べられないと言うと餓死することにもなりかねない。飼い犬はこれだから困る。後からこの話を聞いた御主人は「かえってご飯をもらわなかった方がダイエットになって良かったんじゃないの」という。.....?それもそうかもしれない。最近暑いのでたびたび散歩拒否をしているので運動不足になってしまっている。早く涼しい秋がやってこないかなぁ。

9月1日 はれ
なっなんと!!今日は気温が35度にもなった。秋がやってきたというのにこれから夏本番と言った感じがする。
今日は午前中、この暑いのにシャンプーをされてしまった。いつものように抵抗しながらシャンプー場所に引きずられて、お湯をかけられシャンプー液を身体にこすりつけられる。最初の内は御主人は優しく、「もうすぐ終わるからおとなしく」とか「いい子だなぁ、お利口さんだなぁ」とか言っているのだけれど、僕が嫌がって逃げようとするとしっぽをつかんだり僕の身体を鷲づかみにしたりして元の場所に戻そうとする。僕は「うぅぅぅぅ!」とうなって抵抗するのだけれど鼻先をぶたれて叱られたりする。犬にとって30分も身体を拘束されるのは地獄の苦しみだ。文句の一つも言いたくなると言うものだ。シャンプーか゜終わってしばらくは「さっぱり爽快!!」といった気分だが、今日のように気温が35度もあった日にはじわじわと「ムンムンムシムシ」の蒸れ地獄が押し寄せてくる....
むつ犬のおまぬけ日記