秋田犬むつの日常をリアルタイムで知ることが出来ます。出来れば毎日のようにむつの行状を追加していきたいと思っています。でも犬は何時も昼寝をしているから....おまぬけネタがそんなにあるかどうかわかりません。
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平成14年11月
11月30日 あめのちれ
今日は昨日と逆の天気になった。御主人は昨日と今日、大豆の刈り取りのお仕事だ。毎日雨にふり込められて大変そうだ。僕の方は、やっぱり遊んでくれる人がいないとつまらないな....あまり僕にかまい過ぎてもうっとうしいので、そこら辺の微妙なタイミングが難しい。これから冬になると益々御主人や家族の人達と遊ぶ機会が少なくなるので今の内にたくさん遊んで楽しい思い出を作っておきたいと思う今日この頃なのだ。自分自身が存在しないと自分の思い出というものも存在しなくなるのだからね。つまり犬の学問で言うならば、「犬自身が思うから犬と言う自分が存在するのだ」という事だ。人間の学問で言えば「我思う故に我アリ」って言う言葉と同じなんだ。
おやっ?、今日の僕はイヤに理屈っぽいね。僕、お酒なんかは飲まなかったはずだけど....それに犬は酒を飲むと理屈っぽくなったりは絶対しないんだ。犬は酒を飲むとくしゃみが止まらなくなってどうしようもなくなるんだ。....「くしゅん...はっ、はくしょん!!...あれっ?くしゃみが止まらなくなっちゃった..」
11月29日 はれのちあめ
大変だよ!!、夕方御主人が散歩に連れて行ってくれるのを今か今かと待ちわびていると、突然お空が「ぴかっ!」と青白く光って、いきなり「がらがら、どっしゃ〜ん」と雷が落ちた。しかも2回もだ。どうも近所に落ちたらしい。「うわっ!、雷嫌い!雷怖い!」と僕はトラクターの下に潜り込んだ。幸い雷は2回鳴っただけで通り過ぎたようだ。「これは、もしかして夕方散歩は雷のせいで中止かな...」と思った。まぁそれもしょうがないかと思い始め、次に来る夕ご飯を楽しみに待っていたのだが、それもなかなかやってこない。しばらくしてやっと御主人がやってきて僕はご飯にありつくことが出来た。「どうしてこんなに遅いのだ」と僕はおすわりをさせられたついでに聞くと、「雷がインターネットモデムを襲って壊してしまったのだ」と言った。またかよ...夏にもそんなことがあったじゃないか...これで僕のおまぬけ日記もしばらくは中断なのかなぁ...と思っていたら、御主人は夏にモデムとやらの予備を買っておいたのですぐさま復旧させたらしい。すっ素早い!!..僕もこの頃では自分のおまぬけぶりを披露するのが少し楽しくなってきた。犬はすべからくこのようにおまぬけなのですよって言うことをみんなに知ってもらいたいと思うようになってきたからなんだ。つまりは、犬という動物をより深く知ってもらえるって事につながるんだ。
でも御主人は欲張りだ、複数のパソコンからインターネットにつながるようにしようと複雑な機械を買うから雷なんかですぐ壊れるんだよ。単純なのが1番いいってことさ!犬の頭の中のようにねっ!
11月28日 くもりときどきあめやゆき
僕が犬小屋の中で、「くるり〜ん」と丸まって晩秋のわびとさびを感じながらうつらうつらしていると、御主人がやってきて僕の耳や足、それに鼻を触ったりするんだ。僕は優雅な思いに浸っていたのを邪魔されて「何をするんだ!」と言ってやったら、「さっきから元気がないので病気かと思ってあちこちさわって熱が高くなっていないか調べていたんだ。」と言う。だからぁ、さっきから枯山水のような風景を愛でながら物思いに浸っていたんだってぱっ!。そう反論すると、昨日と言うことが違うね。と言い返された。うぅぅっっっ、昨日の日記のことか....そうまで言われると反論することが出来ないのが犬の浅はかなところだ。とうとう反論出来ないので僕は小屋の物置棚にしまってある下のお兄さんのスニーカーを引っ張り出してカミカミしてやった。この行動には「僕は元気です。だからあまり僕にかまわないで!!」というメッセージを込めてある。いわゆるこの行動は「不言実行」という意味がある!...と思う...のだが?...違うかも知れない。けれど大筋であっていればそれで良いと思うよ。犬は常にアバウトな思考を旨とするのだ。
11月27日 すごいかぜ...ときどきゆきかあめ
秋の終わりは寂しいね。風景全部が灰色一色になって、楽しむところがあまり無い。春や夏は花が咲いたとか草の芽が出たとかと言っては喜んでいたのだけれど、今はな〜んにもない!!。一人で犬小屋の中でそんな想いにふけっていると、スズメさん達が....いいやっ!、あのスズメどもが、家のビニールハウスの上に群がって止まって、何がおもしろいのか、朝から晩まで「ちゅん、ちゅん、ちゅん」とおしゃべりをして騒いでいる。うるさくてお昼寝の邪魔になってしょうがない!。せめて僕がスズメ語を理解出来たら奴等がどんな話をしているのか聞けるから、それなりに退屈しのぎにはなると思うけど、どうせつまらない話をしているに違いない。「どこそこの田圃に落ちているお米はおいしかった。」だの「あそこに餌をひろいに行くとカラスたちに追い回されるよ。」という話から始まって「あそこの家の犬は、一日中寝てばかりいるけど番犬つとまっているのかなぁ。これで毎日ご飯をもらっているんじゃ、まるで詐欺みたいなもんだね。」なんて話し合っているかも知れない.....それって、もしかして僕のこと?...「がうっ!がるるるる〜、わんわんわん!!(怒)。」
11月26日 きゅう〜ん...あめ....
今日も雨ふりだった。夕方散歩は「名残の秋」を満喫するようにひたすら走った。雪が降ったらもう走れないから今の内に走っておくんだ。寒いのに汗びっしょりになる。と言っても犬は舌をハァハァと出すだけだけどね。でも、出している舌の長さで汗をどれだけかいているかわかるんだよ。今日は、まぁ適度な汗ってところかなぁ?。ところで運動した後って大概お腹が空くよね。僕は、御主人が食事を持ってくると、何時もおすわりをさせられる。「よし」と言う食べてもいいよって言う命令までそのままでいなければならないんだ。だけど最近は待ちきれなくて、「きゅうい〜ん、しゅん、しゅん、しゅん」と鳴いてしまうんだ。お腹が空いて空いてどうしようもないからなんだ。でも、御主人は「みっともない!」と言って僕の泣き声を無視してわざと「よし」の命令を出すのを遅らせるんだ。「頼むよ!、御主人!、犬は今、冬を迎えるために栄養をとらなくちゃいけないんだ!」.....えっ... ご飯をあげないとは言ってないって、それに待つと言っても数十秒から1分ぐらいだろう。それが犬が冬を迎えるのにどんな影響があるのかって....そう言われると.....
11月25日 あめ.....
朝散歩から帰ってくると御主人は朝ご飯を食べてすぐ、昨日刈った大豆を運ぶと言ってトラックで出て行ってしまった。そして、ちょうど御主人が帰ってくると雨がぽつぽつとやって来てそのまま一日降り止まなかった。僕は昨日の小春日和の暖かいお日様を懐かしみながら今日の一日を犬小屋の中で過ごした。そうしていると、今日は休みなのか上のお兄さんが内蔵を取り去った鮭を丸ごと小屋の天井にぶら下げにやって来た。何をするのかと聞いたら「鮭の干物を作るのだ」と言った。僕はそれが欲しくて欲しくてたまらなくなったので、トラックの荷台に前足をかけて立ち上がり、その鮭を取ろうと上を見上げてみるのだが、わずか1メートルの距離が届かない。「ああ〜ん、あの鮭を丸ごと食べたらおいしいだろうなぁ...気持ちいいだろうなぁ」....もし鮭を丸ごと食べてしまったとしてもその結果を考えないのが犬の長所でもあり欠点でもあるのだけれど、欲しいものは欲しい!食べたい物は食べたい!とはっきり自己主張をすることが大切なのだ。
11月24日 はれっ!!
今日は昨日より暖かくなった。小春日和ってこういう日のことを言うのかなぁ。朝は昨日よりもっと霜が降りてまるで一面雪が降ったみたいに風景が真っ白になった。いつもの日曜日だと一日中お家の人達がいるのだけれど、今日は日曜なのにお家には誰もいなくなった。お母さんは実家のおばぁちゃんんと温泉に行くと言っていた。御主人は朝早くから真っ暗になるまで大豆の刈り取りのお仕事だ。上のおにいさんは、何時も日曜日はお休みじゃないのだ。と言うわけで、今日は一人でゆっくりと暖かいお日様の下でお昼寝を楽しんだよ。犬にもお休みの日が必要だよね。夕方散歩は、御主人が帰ってこないのでなかった。その代わりお母さんからごはんをもらったので、それだけで満足してしまった。
11月23日 はれ!!
今日は朝、霜が降りてとても寒かった。でも日中はすっきりと晴れて雲一つ無い青空になった。おまけに風もないので僕は外に寝転がってうたた寝を楽しんだ。御主人から久しぶりに毛づくろいをしてもらったよ。まだ、僕の毛が抜けてくるんだね。若はげがちょっと心配だ...。もうひとつ、御主人とサッカーボールで遊んだ。楽しかったよ!。天気が良いといろいろ楽しいことが出来るからうれしいよね〜。
夕方の散歩は珍しく夕焼けの空の下を自転車散歩で行ってきた。今日はあんまり走らなかったよ。だって、久しぶりの夕焼け散歩はもったいなくて、びゅんびゅん走って終わり!じゃ、楽しくないもんね!!おかげでゆっくり散歩を楽しむことが出来たよ!、きっと今日は夕焼けだったから明日も晴れだねっ!!
11月22日 くもりいちじゆきのちうすぐもり
午前中は一時雪などがは゜らは゜らと降ってきて、御主人は小屋の中の掃除やら片づけものをしてから小屋の中に広い空き地を作って板で囲った。何をするのかと聞いたら、外にある土を小屋の中に入れるのだという。来年のお米を作るのに必要なんだって....?。ところで、僕は御主人が午前中一杯、小屋の中でお仕事をしているので番犬のお仕事を怠けるわけにはいかなかった。何時も灯油を配達に来るお兄さんがタンクローリーでやって来たので、僕は雪の降る中じっと灯油をホームタンクに入れ終わるまで見張っていた。そのトラックは隣近所へも灯油を配達するらしく長い間、僕はそれも監視していた。番犬として気を遣い、御主人にも気を遣い...僕は少しくたびれたよ。午後から、御主人はどこへ行ったのか夕方まで帰ってこなかったよ。午後からは天気も雲が多いけどうっすらとお日様の光も差してきたので僕は緊張の糸がほぐれ、「いたずら犬」になった。御主人が掃除したゴミを散らかして、ダンボール箱を食いちぎってやったのだ。「あぁぁ〜、すっきりした。」明日も僕の今の心のようにすっきりと晴れて欲しいね!!
11月21日 くもりいちじあめかゆき
やっぱりっ!、夕方散歩は自転車に限るよね!!、散歩の醍醐味が違うもの。僕なんかは頭脳労働者だから、体を動かす機会って言うのは散歩しかないわけなのよね。ただ朝散歩は目を覚ましたばかりだから軽くすませる。頭脳の働きを良くするための散歩なんだ。その点夕方散歩は、僕の持っている力を最大限に引き出すわけ。だから、いわば真剣勝負と同じなんだよ。「はぁ〜、肉体の限界に挑戦した散歩の後の一杯はうまい!!」と言っても水を飲んでいるだけだけどね。
えっ、ところで僕が何で頭脳労働者なのかって?、だって僕、番犬でしょう。お昼寝をしながら常にあたりに気配りをして、何時もと違った現象や人、物が目にとまったとき素早く自己判断で吠えるか吠えないかを決めなければならない。これは常に頭脳をフル回転していなければつとまらない仕事だよ!。少なくても番犬は頭脳労働者です。!!
11月20日 あめがふったりやんだり...
「きゅう〜ん...」、また雨ふりだよ。御主人は業を煮やしたのか雨ふりの中、田圃の中で溝を掘っている。僕は例の如く床の上に敷いた布団の上でお昼寝をしながらそれを眺めていた。穴掘りなら手伝ってあげることができると思うけど溝掘りじゃぁねぇ...大きなあくびをしながらそう思った。
夕方散歩はあたりが暗くなって、雨が止んだのを見はからって行ったのだけれど、帰ってきて身体を「ぶるる〜ん」とふるわせると、雨の滴が一面に飛び散った。暗くてわからなかったけど雨が降っていたんだね。散歩は、いつものコースの半分まで来ると、御主人が「もう帰ろう」と言った。僕は「イ.ヤ.ダ.!!」と地面に足を踏ん張って「散歩を続けるまで、ここを一歩も動きません!!」と激しく抵抗した。すると御主人は、優しい声で「ムツさん、帰りますよ」と僕のほっぺをぎゅっとつねりながらと言った。さらに「早く帰ってごはんにしますよ」とも言った。その一言で僕の散歩への堅い意思表示も春の雪解けのように見る見る消えて僕はしっぽを東に向けて歩き始めたのだった。
11月19日 くもりのちはれ
「やっほ〜!!」、今日は午後から晴れてきたぞ。相変わらず風は冷たいし、晴れたとは言っても雲が多い天気で時々日がさすと言ったところだ。でも、お日様が顔をのぞかせるだけでうれしいよね!!、今日は17日と違って少し寒いのでコンクリートの床の上に敷いてあるお布団の上でお昼寝をして一日を過ごした。御主人はお昼と夕方にお仕事から帰ってくると汗をかきながら「寒い」と言っていた。お仕事をしながら暑いのと寒いのを同時に体験しているのだという。僕には信じられないけどね。暑いなら暑いって、どっちかに決まっているもんだと思うけどね。そんなことを体験出来るなんて僕は地獄以外にあり得ないと思うんだけどね。....きっと御主人は、生きながら地獄を見てきたんだなと思った。夕方散歩はまんまるお月様を見ながら御主人と行ってきたよ。久しぶりの自転車散歩で一生懸命走ったよ。気持ちよかったねぇ〜
11月18日 はれのちあめ...
朝、6時過ぎになると東の空が明るくなってきれいな日の出が始まるようだった。「わぁ〜い、今日も晴れそうだぞ!」と御主人と散歩に出かけた。日の出は、それはそれは美しく、まるで天女でも舞い降りてくるのではないかと思ったほどだ。そして帰ろうとしっぽを東の方に向けると....つまり、「犬が西むきゃ尾は東」と言うぐあいに向きを変えると、これまたきれいな虹の橋が西の空一面に架かっている。あまりの美しさに見とれていたのだが、ふと、嫌な胸騒ぎを感じた。東の空が晴れていて西の空に虹が架かっていると言うことは....あっちで雨が降っているって事!!、「いやぁぁぁ〜、また雨が降ってくるのか!!」.....その後、朝散歩が終わったとたんに雨はぽつりぽつり降り出し始めて、今日一日降り続いた。
夕方になると、野山はあちこち雪が消えて、ごま塩のような風景になった、まるで御主人の髪の毛みたいな.....「キャウ〜ン、痛い!!」、御主人、どうしていきなり撲るのさっ!!。えっ?、よけいなことは言わなくていいって...そうかなぁ、僕はわかりやすい表現だと思ったのになぁ....
11月17日 くもりのちはれ
御主人とお母さんは僕の朝散歩が終わると間もなくどこかへお出かけのようだ。上のおにいさんは仕事らしく、今日は早出のようでこれもまたいなくなってしまった。今日は僕一人なのか.....よし!!と自分自身に気合いを入れた。特に御主人から家の留守番を頼まれたわけではないけど、この家に2年以上も飼われていると自然に番犬としての自覚が出来上がって来て、何も言われなくても「よし!!、この家は僕一人で守るんだ」という気持ちがみなぎってくる。手始めに、まず、「外に出て辺りを見回す、怪しい人や物体を見たらすかさず吠える。」番犬心得第一条を実践する。まずは異常がないようだ。今日は、久しぶりにすっきりと晴れて、鳥海山は雪のお布団にくるまって、いやに近くに見えている。お日様がアスファルトの地面を暖めて乾かすと、ちょうどいい座り心地になる。「ふぁぅ〜、こんなに天気が良くなったのは久しぶりだ。」まず、ごろんと地面に横たわってみる。風は少し冷たいが、お日様の光がぽかぽかと暖かい。あくびもやたら出てくる。ちょっと、お昼寝でもしようか....
この家に2年以上も飼われていると、適当に番犬の手抜きをする技術も上達してくる僕だった。
11月16日 くもりいちじあめゆき
今朝も2から3センチぐらいの雪が積もっていた。合計すると20センチぐらいも積もったのかなぁ?。御主人は僕の朝散歩から帰ると、早速トラクターで家の前の雪寄せを始めたよ。見る見るうちに雪寄せは終わったのだけれど、その間、僕は大きな音がするトラクターが怖いので小屋の奥に止めてあるトラックの影から、時々ちらっちらっと顔をのぞかせながら早く作業が終わってくれるのを祈っていたよ。
ところで、最近の夕方散歩は歩き散歩だ。道路に雪があるので自転車散歩というわけには行かない。御主人は、僕がちょっとでも速く歩くと「ぴっぱるな」とか「もっとゆっくり歩け」と命令するんだ。そう言われる度に僕はちらちらと御主人の方を振り向いて顔色をうかがって足をゆるめるんだ。「ああ〜、じれったい!!」、早く春にならないかなぁ〜....春になったら思いっきり野山を走り回るんだ!!。まだ冬にもなっていないのに春を待ちわびる僕だった。
11月15日 あめとゆき、くもってるときもあったよ
今日は、朝から御主人が忙しいらしく僕の朝散歩はなんにも音沙汰無しだった。僕はふてくされて、犬小屋の中から敷いてあった布団をコンクリートの床の上に引きずり出して、これ見よがしにそこで寝ていた。それを見た御主人は何も言わなかったが、きっと御主人は心の中で「おぉぉぅ、ムツや、ムツ、かわいそうに許しておくれ!!」と思っているに違いないと僕は勝手に思いこんでいくらか心のうっぷんを晴らした。
ところで、夕方散歩で大学の駐車場の所まで来ると、一匹の柴犬が一人で散歩をしていた。僕の近くまで寄ってきて、僕を黙って興味深そうに見ていたけど、やがてなんにも言わずに走り去ってしまった。僕そっくりな色とかたち、大きさは僕の1/3ぐらいしかなかったけどかわいかったねぇ〜、まるで白い雪が鏡になって僕を映し出しているのかと思ってしまった。日本犬は雪の上が似合うよ。こんな姿は日本の原風景だね。ところで、柴犬ワンコが走り去った後の僕と言えば、その犬と遊びたくて、「キュン、キュン、キュン」と悲壮に泣き叫びながら飛び跳ねてワンコの走り去った方へ行こうとした。。御主人が「駄目、駄目!!」と叱ってもワンコへの未練たちがたく駄々をこねた。結局、御主人に散歩ヒモを引っ張られ、引きずられるようにお家へかえって来た。
11月14日 あめゆき
昨日の本物の雪に変わって今日は雨のような雪のような中途半端な物が空から降っている。「そんな、中途半端なものを降らすぐらいだったら、すっきり晴れて空一杯の青空にして見ろ!!!」.....僕は天に向かって聞こえないように怒鳴った。お空はちょっと機嫌が悪いと、すぐ雪を降らせたり大風を吹かせたりするから油断が出来ない。
おかげで今日はしめった雪が泥やゴミと混ざって汚いのなんのったらありゃしない。昨日の一面真っ白な風景とは段違いだね。それにコンクリートの床が濡れているので、ちょっとはしゃいで駈け回ったりすると滑って転んだりしてしまう。全く始末の悪い天気だ。
それに、今日はイヤに御主人が僕を散歩に連れ出すのが遅い。全く何をしているんだろうね。こっちは、早く散歩に行って早くご飯を食べたいのに....
今日は、イヤに文句の多い一日だった。......御主人...ごめんねっ!
11月13日 あめのちゆき
とうとう、雪が積もって田圃やお庭、お山まで。、すべての風景をたった半日で真っ白にしてしまった。僕は、そんな風景を自分にも降り積もる雪で真っ白白の白犬になりながら正座をして飽きずに何時までも眺めていた。「美しい....だけど血が騒ぐ...」先祖だった熊狩り犬は、これよりもっと深い雪山の中を泳ぐようにして熊を何日もかかって追いつめていったことだろう....ううっっっっ〜...血が騒ぐ...どんどこどんどこ心臓が脈打って、そこいら中を駈け回りたくなってくる。だから11月2日の日記に書いた。「雪が降って脳天気に庭を駈け回る犬なんかいない!!」っていうのはちょっと間違いだったよ。「北国原産の犬に限っては雪が降ると庭を駈け回りたくなる犬も見受けられる」と言うべきだったんだね。
11月12日 くもりいちじあめ
御主人が作業小屋の中のお片づけをしている。しょっちゅう何かにぶつかったりするらしく「いたい!!」とか「がらんがらん、どっしゃ〜ん」と言った音が聞こえてくる。御主人、何をしているんだ。うるさいぞ!!、ちゃんと前を見て歩かないから物にぶつかったりけっ飛ばしたりするんだ!!。バケツや機械に当たっている暇があったら宝くじにでも当って僕に純金の首輪でも買え!!、もっとも僕はそんな首輪をしたら重くていっぺんでイヤになってしまうだろうけど...冷房暖房完備の犬小屋の方がいいかなぁ....イヤイヤそんな夢を見ている場合じゃないぞ。今を逃しては御主人に悪態をつく機会が無くなってしまう。....だいたい、僕はよそ見しながら歩いたりするけどなんかにぶつかったことなんか無いぞ!!!.....どぶに落ちたことはあるけれど.....こんな風に大きな声で御主人を怒鳴ったらどんなに気持ちがいいだろうなって思って心の中でさんざん悪態を付いた。そして、、はっと気が付いた。「犬は飼い主に似る」という格言を思い出したのだ。そうか、僕は飼い主に似たのか....おまぬけなのは僕じゃなくて、元々は御主人だったのだ!!
11月11日 くもりときどきあめ
最近は日の暮れるのが早くなった。市役所の時報が夕方5時に鳴ると、もうあたりは真っ暗になっている。僕は、そろそろ夕方散歩の時間だなと犬時計を見ながら御主人の帰ってくるのをじっと待っていた。「やぁ、来た来た、やっと帰ってきた。」御主人の乗ったトラックは明々とライトをつけている。ぴょんぴょん跳びはねながら御主人を迎える。そして、二人で散歩に出かけると、街の明かりがピカピカしてきれいだ。なんと言っても大学の明かりと病院の明かりが派手できれいに見える。でも、犬には関係ない場所なのであまり関心はない。川向こうのホームセンターも大学や病院の明るさには負けるけどピカピカしている。御主人はぼくのドッグフードや犬の缶詰、それにおやつや犬用品をここから買ってくるのだ。ここは僕にとって生活に密着しているので興味はある。でも僕が実際に行くことはないけどね。
ふぁ〜、今日も一日平穏無事に終わった。後はごはんをもらって寝るだけだ。こんな何もなくて無事に終わる一日ってほっとするよね。えっ?、そんなのって年寄り臭いって言うの?.....そうかなぁ....?
11月10日 くもりときどきゆき
困ったなぁ...木枯らしさんがぼくの歌を聴いて気に入ったのか今日もまたやってきて僕の目の前で「ぴゅうぴゅう」とやっている。僕は寒いのと怖いのとで犬小屋の外へ出なかった。きっと僕はよっぽど歌がうまいんだね。もしかすると僕...、きれいな声で歌を歌って人や船を誘い込みライン川の底に沈めたという伝説の魔女「ローレライ」の生まれ変わりかも知れないね。でも、そんなに僕は「ローレライ」みたいに性格悪くないけどね!!
ところで、今日は御主人の従兄弟が遊びに来たよ。僕は初めて見る人だったので一生懸命吠えたけど、その人は吠えている僕に近づいて僕の頭をなでるんだ。こんな人初めてだよ。僕はそれでも吠えるのを止めなかった。だって怖いんだもん....後で御主人に聞いたら、「あの人は秋田犬にはなれているんだよ」っていっていた。なんと言ってもあの人は生まれたときから秋田犬と一緒に育ってきているんだって。
11月9日 ゆき
やれやれ....まだ11月の初めだというのに天気が雪だなんて、僕は生まれて初めてだよ。もっともまだ2才の僕は経験豊富じゃないからそんなことは言えないんだけどね。一日中、木枯らしがぴゅうぴゅう吹いて一時、地面が真っ白になった。「木枯らしよ 僕と一緒に 歌おうか....禄食」と言う句をひねったんだけど...乱暴者の木枯らしさんが僕の歌を気に入って毎日やって来られたらイヤだから、適当なお断りのいいわけを考えて置かなくちゃ。
今日も夕方散歩は歩き散歩だった。御主人曰く「もう自転車でびゅんびゅん風を切って走る季節ではなくなったのだ」.....でも、僕はどんな北風にも顔をまっすぐ向けて走れるけどね。御主人は顔が見えないぐらいに厚い防寒具を着て僕と散歩にお出かけだ。それでも寒いらしく身体を縮めながら歩いている。人間の身体も冬になったら僕のような毛皮に替わったらいいのにね。
11月8日 あめ
昨日、天をあざ笑うような言動をしたので僕はまたもや天罰を受けてしまった。昨日、僕は「天に向かってうなったから晴れたのだ」と傲岸不遜な言葉をはいた。すると、今日は朝から雨ふりで一時も止むことが無く降り続いた。
朝散歩はまだ小振りだったから良かったのだけれど、夕方の散歩は本降りで二人ともずぶ濡れになって行ってきた。
歩き散歩で、途中まで来ると御主人が「ムツ、雨が降っているから帰ろう」というのだ。僕はまだ歩きたかったのでイヤイヤをすると御主人は僕を引きずるように家の方に向かって歩き出した。僕は後を振り返りながら御主人に引かれながら家に帰ったよ。
「牛に引かれて善光寺参り」ということわざがあるけれど「御主人に引かれてお家へお帰り」じゃシャレにもならないや....プンプンプン(怒)
11月7日 はれたりくもったり
今日は雲が多かったけどお日様も顔を出して風もない穏やかな一日になった。きっと昨日、僕が天に向かってうなったからだね。午前中は外がひどく寒かったので犬小屋の中で居眠りをしていた。居眠りをしていても風が無くて穏やかだったのでいろいろな音が聞こえてくる。近くを走り去っていく車の音や列車の音。遠くで救急車の音がしている。おやっ?御主人が豆畑の草刈りをしている機械の音も聞こえるぞ。こんな風に目に見えないものを音であれこれ想像するのも犬の楽しいひまつぶしの一つだ。音と言えば、この前の日曜日から「防火週間」というのが始まっている。夜の8時になると「火の元に注意してください」と言う合図のサイレンが鳴る。僕は待ってましたとばかりにそれに合わせて歌うのだ。「うおおぉぉぉぉ〜ん、うおおぉぉぉぉ〜ん」とね。その後で今度は鐘を鳴らしながら消防団の車がパトロールにやってくる。その音に合わせて、また僕は歌うんだ。「うおおぉぉぉぉ〜ん、うおおぉぉぉぉ〜ん」
と、言うわけで、音と言う言葉で一句ひねってみたよ。
「小春日や 目を閉じて聞く 落ち葉かな」....禄食
11月6日 あめがふったりやんだり
んっもう〜うぅぅぅ、この雨と来たらいつまで降り続くんだ!!いい加減僕は飽き飽きしてきたぞ、と言うより怒りに近い気持ちで天に向かってうなった。「がうっ、がるるるる〜!!」
今日も雨の中、御主人と散歩に行って二人ともずぶぬれになって帰ってきた。今日は風が無くてまあまあ良かったけれど、これに風があったら最悪の散歩だ。今日の夕方散歩で御主人はずるいことをしたよ。僕に自転車を引っ張らせて自分はペダルをこがないんだ。「らくちんらくちん」と言った顔ですましている。かけ声だけは「それ、引っ張れ」だの「行け!行け!」だのと僕をけしかける。最初から最後までこの調子だったから僕はいつもの倍も疲れたよ......最後はヘトヘトヘトの犬力自転車になってしまった。
11月5日 はれたりくもったりときどきあめあられ
今日の夕方散歩は冷たい北西の風に向かって一生懸命走ったよ。ぴゅうぴゅうと僕が風を切っていくのが感じ取れるんだ。なんと言っても僕は自転車より速く走れるんだもんね。僕の耳が風圧で後の方に曲がるのがわかるんだ。
ところで今日は暇だった。御主人は大豆畑の草刈りに出かけてしまった。暇なのでいろいろ近場にあるものをくわえて来てはカミカミしたりしてみたが、あくびばかりでてしょうがない。まず、御主人の短靴をくわえて歯ごたえや匂いを楽しむ。次に夕方の散歩に思いをはせながら犬小屋の上にのっている散歩ヒモをぴょんと跳び上がってくわえ込む。これは目の前に置いて散歩の時の状況を想像しながら楽しむ。いわばイメージトレーニングと言ったところかな?
さんざん散らかしたのだけれど、お昼に帰ってきた御主人は一応僕のほっぺをツネツネして叱ったのだけれど、「暇だったんだな」と一応の理解を示して僕におやつ煮干しをくれた。僕はいたずらした他におやつをもらえるなんて!と喜んだのだが、内心では「御主人、あんまり飼い犬を甘やかさない方がいいよ」って思った.....
11月4日 くもり
しめしめ...、御主人もお母さんも一緒にどこかへ出かけたぞ。家には誰もいない....このスキに、ぽ゛くの牙の犠牲になり、すでにぼろぼろになった植木鉢と交換に新しい植木鉢を失敬しよう。僕は植木鉢が重ねてある梅の木の根本に足を忍ばせていった。しかし、足音を忍ばせる必要はなかった。家には誰もいないのだから....一番上のプラスチックの植木鉢をくわえ、いつもの習性で急いで逃げ去ろうとしたとたん、「がっしゃ〜ん」と甲高い音がして、一緒においてあった瀬戸物の植木鉢が梅の木の根本からコンクリートの地面に落ちて割れてしまった。゜しっ、しまったぁ〜」、どうしようと一瞬うろたえたが、このまま知らんぷりをすることに決めた。この場を去ってしまえば後は誰のせいで割れたのか誰も知らないんだ。「よしよし」そう思って、犯行現場から立ち去ろうとする僕に天罰が下された。僕をつないでいるヒモが大きな石の角に引っかかって僕はその場から身動きが取れなくなってしまったのだ。「だっだれかたすけてくれぇ」と叫ぼうとしたが、そんなことをすると僕が植木鉢を割ったのがばれてしまう.....万事休すとはこのことだったのかと天を仰いでため息をついていると、白鳥さんの群れが50羽ほどで編隊を組んで南西の空に飛んでいくのが見えた。御主人とお母さんが帰ってくるまでこのままだと観念してその場にうずくまってお昼寝することに決めた。御主人達が帰ってきての結果はご想像通りだ。そして、叱られた他に「おまえは立派なおまぬけ犬になった」とありがたくないほめ言葉をもらった。
11月3日 くもりいちじぱらぱらあめ
今日は、お母さんと御主人が庭いじりを始めたよ。庭に植えられている植木や草花を引っこ抜いて鉢に植え替えたりして庭は穴だらけになった。「何をしているんだ」と聞いたら、植物たちの冬支度だという。「じゃあ、動物たちの冬支度はないのか」と聞いたら野山の動物たちはそれぞれ自分たちでやっているのだという。僕の冬支度は、御主人が犬小屋の周りに冷たい風が入らないようにかけてくれたビニールシートだけだ。後は床になんか敷いてもらおうと思っている。その他はひたすら僕の肉体が寒さに耐える他はない。なんと言っても僕は日本国北方原産の犬だもんね。
寒くなると温かい食事が一番のご馳走でもあり幸せの一つだ。夕散歩が終わって、ほっと一息ついた後に出される夕食の味は、また格別だ。今日は特別にトンカツが乗っている。もっとも、昨日の夜のおあまりだけど....
そこで一句ひねってみたよ。「温かき 夕めしの味 初時雨れ」....禄食(ろくじき)
11月2日 とうとうゆきがふってきたよ
今日は雨模様の空から時々白いものが落ちてきた。この前の氷のつぶつぶとは違って少しふわふわしている。いよいよ雪が降ってきたんだ。小学校唱歌では雪が降ると「犬は喜び庭駈け回り、猫はこたつで丸くなる」と歌われているが、あれはウソだね。犬もこたつで...とまでは言わないが「犬小屋の中で丸くなっている」というのが本当だ。毎日毎日雪が降るたびに脳天気に庭先を狂ったように駈け回るなんて、犬を見たことがない人の言い分だね。僕は駆け回れと言われてもごめん被りたい。でも、なんかおいしいものをくれるなら、少し考えてもいいよ!!
11月1日 あめ
今日は一日雨だった。御主人は一日小屋の中にいてお米を袋に詰めるお仕事をている。でも、機械のうるさい音はしないので僕はゆっくり御主人のお仕事を監督することが出来た。どうやら袋に詰めているのは、お米ではなく、お米にならなかった「下米」とか「屑米」とか言うものらしい。これも農協に出荷するのだという。僕は、「またこの袋を取りに知らない人達が来るの?」と聞くと自分で持っていくのだという。僕は安心して、この袋を買った人にお手紙を書こうと思い、袋の端にちょいちょいと引っかけようと片足を揚げかけたのだが、御主人にこっぴどく叱られた。犬のオシッコは知らない人や犬へのメッセージなのに....
「あっちへ行け!!」と言われたので犬小屋の中でプラスチックの植木鉢を穴があくまでカミカミして遊んだ。
今日は朝散歩も夕散歩もないつまらない一日だった。