むつ犬のおまぬけ日記
平成15年1月
1月31日 ゆきがふったりやんだりかぜつよし
早いもんだね〜、この前、お正月だから餅をくれだの、ご馳走を食べさせろだのと駄々をこねていた僕だったのだが、あっという間に一月も終わりじゃないか....2月は「如月」と言って、これからもっと寒くなるから、今着ている着物の上にさらに着物を重ねて着るからって言う意味なんだって!!でも、犬の僕にはこの毛皮一枚しかないから、これで辛抱するしかないよ....
ところで、今日は久しぶりに夕方5時の時報に合わせて「遠吠え」をしてみたよ。キリリンと冷たい空気の中で僕の遠吠えは良く通ってあたりに響いた。そんな僕の「遠吠え」を聞きつけて、間もなく御主人が散歩に連れ出しにやって来た。たまには「遠吠え」するのも悪くないね。毎日やると「近所迷惑だ!!」って叱られるかも知れないから、御主人がなかなか散歩に連れ出しに来ないときにはいい手段かも知れないねっ!

1月30日 ふぶき
今日も昨日と同じ天気だったよ。ただ風は昨日より弱くなった様な気がするよ。でも、寒さは相変わらずで、冷蔵庫の中の方が、よっぽど暖かいと思うよ。ああぁぁ〜冷蔵庫の中に入りたい!!中は暖かいし、食べ物もいろんなのが入っているんだろうなぁ...
今日は上のお兄さんが早く帰ってきたのでサッカーボールを出してもらう。僕は久しぶりなので吹雪の中でボールと無心に戯れた。冬の間、御主人は雪の中にボールを出すのを嫌がっている。なぜかというと、「皮で出来ているのでボールに雪が付く、水分を吸ってしまう、それが凍ってしまう。なんと言っても怖いのは、雪の中に埋もれてしまって春まで出てこないかも知れない。」と言うのだ。確かに僕はおもちゃなんかで遊んだ後は片づけないで放り投げておく癖があるけれど、犬が楽しみにしているボール遊びをそんなことで禁止するのはどうかと思うけどね。御主人!!なんと言っても、「犬の三大楽しみ」は「散歩」、「食事」、「ボール遊び」、なんだからね。だから御主人、これからもボールを出して僕と遊んでよねっ!!

1月29日 ぼうふうせつ
昨日の雨から一転して、ものすごい暴風雪になってしまった。吹雪なんて生やさしいものじゃないね!!おまけに気温が低いものだから(マイナス4度)雪が細かくて、一寸先も見えないぐらいのひどさなんだ。そんな中、散歩に行ってきたよ。特に夕方の散歩はひどかった。行くときは少し風も収まったかなと思っていたんだ。周りもすっかり見渡せたしね。ところが....途中まで来ると前に進めないぐらいの風が吹いてきて雪が舞い始めて、周りがなんにも見えなくなってしまった。見えるのは御主人と僕の身体だけになってしまったんだ。「まずい、睦、家に帰ろう!!」という御主人の声に、いつもは「もっと散歩に行きたい!!」と駄々をこねる僕なのだけれど、今日ばかりはそんな事も言っていられない。あわてて向きを変えて、急ぎ足でお家へ帰ってきたよ。家に帰り着いたときは、安堵のあまり腰の力が抜けて、思わずよろめいてしまったほどだ。だって、あのまま吹雪の中で立ち往生してしまったら、次の朝には御主人と僕の氷の固まりが出来ていたかも知れないからね。でも....御主人はそうかも知れないけど、僕の方は大丈夫かも知れないなぁ...?、僕は熊狩り犬の子孫なんだ。吹雪の中で何日も熊が現れるのをじっと待っている事も出来る犬なんだ。でも、僕は今、飼い犬だし、御主人に忠実な犬だから、一晩中御主人の側についていて御主人の体を温めているかも知れないねっ!!

1月28日 ぼうふうう
昨日からの雨で雪がすっかり消えてしまって、真っ黒な地面がむき出しになってしまったよ!!雨ふりの散歩は顔や背中が濡れるのも嫌だけど、なんと言っても、お腹の方がぐしょぬれになるのが一番嫌だ。濡れた背中の方は「ブル、ブル〜ン」と身体を一振りすれば払いのけられるけど、お腹の方はどうしようもない。御主人にタオルで拭いてもらうしかないのだ。その拭いてもらうタオルの汚い事.....どぶの中に何日かつけ込んでおいてから、そのまま乾かした様な色になっているタオルで僕の体を拭くんだ。御主人!!ちゃんと洗濯したタオルで僕の体を拭いてよねっ!!
ところで、今日のお昼寝は、またコンクリートの床の上に、布団を犬小屋の上から引きずりおろして敷いたのへくるまって寝たんだ。この前のは「犬の気まぐれ」ってやつだったんだけど、今日のは、よんどころない事情というわけなんだ。よんどころない事情と言っても、そんなに複雑な事ではない。要するに僕を束縛しているヒモが、近くに置いてあるトラクターの端っこに引っかかって、犬小屋の中に入れなくなってしまったんだ。だから「犬の浅知恵」を働かせて、布団を引きずりおろして、こういう風な事をしたんだ。でも、暴風雨が吹き込んでくるコンクリートの床の上で昼寝をするのは大変だったよ。身体をまんまんるにして寒さと雨をしのぎながら寝たんだ。よっぽど、「あお〜んんん」と遠吠えをして助けを呼ぼうかと思ったよ.....

1月27日 くもりのちあめ
朝、アスファルトの地面はすっかり乾いてしまって、風もなく穏やかだった。僕の朝散歩も穏やかに終わった。乾いた地面の上に寝そべって、この穏やかさを楽しもうかなと思っていたら、少し風が出てきて、やがて雨が降ってきた。しかも横殴りの雨になった。どうも最近の天気の変わり様を見ていると「犬の気まぐれ」どころじゃないね。これからどんな天気になるのか予測も付かないよ。
夕方、どこかへお出かけした御主人が「犬用煮干し」を買ってきてくれた。この前、僕がむさぼり食ってしまったのと同じ物だった。たっぷり入っているから、今度も御主人の目をかすめて食い散らかそうと思っているけれど、そんなに御主人も同じ失敗はしないだろうから、これは「犬と人間の知恵くらべ」って事で楽しみにしながら「犬用煮干し」を奪う機会を得たいと思っている。あんなに一杯袋の中に入っているのに、いつも4本とか5本ぐらいしかくれないんだよ。かえって欲求不満になってしまう....だから、たまにはむさぼり食うのも悪くないと思うけどなぁ...

1月26日 うすぐもり
今日は穏やかだった、。薄日も差したので僕は一日外に寝そべっていた。と言うのも暖かかったからだけではない...御主人が昨日の夜、ドラムかんから灯油を床の上に大量にこぼしてしまったので、臭くていられないので仕方なく外に寝ている。昼間はいいけど、夜は犬小屋の奥の方に寝て、なるべく灯油の匂いが入ってこない様にしていた。ところで匂いと言えば、冬の散歩は大変だ。寒いとか冷たいとかいった事ではない。散歩の時、あちこち匂いをかぎながら歩くのだが、それは犬に課せられた大事な役目であるし、また楽しみのひとつなのだ。それが、雪が積もっていると、わざわざ匂いの元となる場所を前足で雪をよせてからでないとはっきりとした匂いが伝わってこないのだ。さらには雪の中深く鼻をつっこむ事もある。鼻が冷たくなってジンジンして、匂いが良くわからないときもある。様々な人達の足跡の匂いや、よそのワンコ達のオシッコや足跡の匂い...必要があれば、その匂いの上にまた僕がおしっこを引っかけるのだ。こうして犬は世間の情報をやりとりしているんだけど、寒いと匂いも薄くなっているし、さっき言った様に雪をかき分けなければならないので、やっぱり冬は嫌だなぁ....

1月25日 くもりときどきゆき
久しぶりに犬小屋の上から布団を引きずりおろして、コンクリートの床の上に敷いて丸くなって寝ていたら、朝散歩に連れ出しに来た御主人に発見されてしまった。「また、こんな事をして寝ている!!」といわれて、布団を取り上げられてしまった。おまけに朝散歩が終わると僕は犬小屋の中に閉じこめられた。御主人がトラクターで除雪するためだ。僕は大きな音が苦手で、トラクターが大きな音で動き出すと「パニック状態」になってしまって、ところかまわずうろうろと逃げ回るからだ。ときには、何を思ったのかトラクターが動いている目の前に現れる事もあるという。僕自身は全然記憶にないんだけどね...とにかく危なっかしくて見ていられないので犬小屋の中に閉じこめられるらしい。
雪をよせ終わると、当然だけど僕の周りに雪はひとかけらもなくなってアスファルトの地面がむき出しになってしまっている。その上を犬小屋の幽閉から解放された僕は、爪の音をかしゃかしゃ言わせながらうれしさのあまり駈け回るんだ。そして山盛りになった雪にオシッコするんだよ。それがまた楽しみなんだ!!

1月24日 ゆきがふったりやんだり
今日は、「濡れ雪」が降っている割にはとても寒い一日だった。雪は10cmぐらいは積もったのかなぁ?、いつもなら御主人が積もった雪をトラクターでよせるんだけど、今日は雪が積もったままになっている。「あまり降らないな」って御主人は思ったんじゃないかなぁ....あっ、言い忘れたけど「濡れ雪」って言うのは御主人達が住んでいるところの言葉で「湿った雪」って事なんだ。ここら辺の言葉は、今でも僕には理解できないところがある。ほらっ、僕って山形県庄内地方の生まれでしょう。生まれたときから庄内の言葉で50日まで育てられたんだ、だから、どっちかと言えば「庄内弁」の方がわかりやすいんだ。あの関西言葉を思わせる様な、おっとりとしたしゃべり方は好きだね。それに比べたら、ここら辺の言葉は少し荒っぽいと僕は思うよ。だけど、僕の生まれたところと100キロぐらいしか離れていないから、大部分は理解できるけど、「忠犬ハチ公」が生まれ、「秋田犬の故郷」と言われている秋田県の北部の言葉なんかも同じ県内なのに、こことは大部違う話し方をするらしい...秋田犬と生まれたからには、一度、「秋田犬の故郷」とやらへ出かけてみたいものだと思っている。そのためには、「秋田犬全国品評会」へ出られるだけの気品と体格を持たなくちゃぁ駄目だけどね.....ちょっと無理かなぁ...しゅぅ〜ん...

1月23日 くもりのちゆき
今日は、午後から雪がしんしんと降り始めたので忙しかった。何がそんなに忙しかったのかというと、雪が降ったので、まず手始めに庭を駈け回らなければならなかったこと....それからお客さんが来たので「ワン、ワン、ワオ〜ン」と吠え立てなければならなかったこと...それから、それから、えぇぇ〜と、犬小屋の上に上がっていた下のお兄さんの履き古したスニーカーをくわえてきて雪の中でカミカミしてじゃれついたりした事...そして、犬小屋の中に敷いてあった座布団をくわえてきて濡れたコンクリートの上に放り出しておいた事.....それから朝晩の散歩に行った事...夕ご飯を食べなければいけなかった事...御主人の命令を聞いて絶対服従をしなければならなかった事...ふぅ〜、今日一日で、こんなにたくさんの事をしたんだ。雪が降るって言うのは忙しくなるって事だねっ!!

1月22日 ゆきのちくもり
昨日の夜は、風が「ぴゅう、ぴゅう」とうなって怖かった。雪もたくさん積もるのかなと思っていたけど、今朝起きてみたらそんなでもなかった。朝、御主人が散歩に連れ出しに来るまでおすわりの姿勢で小屋の柱に寄りかかって待っていた。夕方散歩は、風が強かったけれど、この前みたいなひどい吹雪ではなかったから少し楽だったよ。途中で、県立大学のお兄さんに出会ったよ。きっと家に帰るところなんだね。僕は、下のお兄さんかなと思って、近寄って匂いをかいでみたかったけど、御主人がヒモを短く持って離さないんだ。後で、その人が雪の上に残した足跡の匂いをかいでみたら、まるっきり別の人だった。.....そう言えば、下のお兄さんはこんな雪の降るところじゃなくて、日中は冬でもお日様がぽかぽかと照って犬にとっては天国の様なところに住んでいるんだ。もっとも朝晩の寒さはここら辺より寒いって話だけどね。でも、真冬にお日様の当たるところで毎日お昼寝をしたいよ、僕....夏はその反対に関東の中では一番暑くなるらしいよ。最高気温が40度近くにもなるらしい....ブルブルブル....恐ろしい.....そんなところに行ったら僕なんか「ゆで犬」になってしまいそうだよ。できれば、夏は御主人のところで避暑をして、冬になったら下のお兄さんのところで毎日お日様の光を浴びてお昼寝をしていたいなぁ..

1月21日 ゆきがふったりやんだり..かぜつよし
今日は、少し吹雪になって一面、雪景色になってしまった。一日中零度以下の気温だったので、僕は犬小屋の中で寝ることにした。今まで外に寝ることにこだわっていたのはなんだったのか、自分でもよくわからない。犬はこう言うところが大ざっぱ...今はやりの言葉で言えば、アッ..アダルト...じゃなくて、アバウトって言うのかなぁ....?何が何でもこうでなければならないと言った考えはない。「臨機応変活殺自在」って言葉があるけど偉そうに言ってしまうと、そう言うことなんだ。人間の中には「絶対こうでなければならない」って人が時々いる様だけど、自分の考えを変えないと言うのは1本の細い丸木橋で千尋の谷底を渡っている様なものだと思うよ。自分の考えから一歩はずれたら、もう真っ逆さまに落ちてしまうんだ。怖い怖い....その点、犬なんか、広い石造りの橋を渡っている様なものだ。どっちに転んでも落ちることはないからねっ!でも、僕は高いところが苦手なんだ。出来ればそんなところなんか渡りたくない。石橋もたたいても渡らない方だと思うよ。わかりやすく言えば、その場その場で自分がより良いと思ったことに考えを変えることだと思うよ。だから、僕も外で寝るのを止めて犬小屋の中で寝ることにしたんだ。えっ?、寒くなってきたから犬小屋の中に入っただけじゃないのだってぇ....うぉ〜ん、そっ...そうかも知れないけど....
あぁぁぁ〜、でも、犬が理屈をこねる様だと、世の中も平和だってことだよねっ!!

1月20日 くもりときどきゆき
今日は、朝から雪がちらちら降って、少しの間、一面真っ白になったけど午後になったら消えてしまった。午後になったら御主人はどこかへお出かけをした。夕方になって帰ってきたと思ったら、買い物袋の中から、何か変なものを取り出して僕に見せた。僕はそれがなんだかわからず、少し怖いので逃げようとしたけれど、御主人は僕の首輪をしっかりつかんで離さないんだ。そして、その得体の知れないものをごそごそといじっていたんだけれど、やがて、僕が今までしていた鎖の首輪をはずして、「むつ、新しい首輪だよ」って言って僕の首にそれをはめたんだ。「やったぁ〜、念願の新しい首輪だぞっ!」と喜んだ.....しかし、「えぇぇぇっ!、これが僕の新しい首輪....こんな赤紫色の首輪なんかあまりかっこよくないなぁ....」と言ったら、「おまえに合う首輪はこれしかなかったんだから、しょうがないだろう」と言われた。なんだか前の青い色の首輪の方がかっこよかったなぁ....散歩ヒモと一緒の色だったし...
でも、新しい首輪をつけて、散歩に行ったら具合が良かったよ。舗装道路のところで御主人の乗った自転車と競争したんだけれど、自転車は僕を追い越せなかったよ!!首輪の具合が良かったから走りやすかったんだね。前の鎖首輪は細いし金属で出来ているので冷たいんだ。おまけに首が極端に締め付けられる様な感じで嫌だったけど、今度の新しい首輪は色を別にすれば使い心地は大変いいよっ!!。でも....できれば散歩ヒモも同じ色の物を買って欲しいなぁ...御主人!!!

1月19日 くもり
今日は風もなく穏やかな一日だった。でも朝はひどく冷え込んだよ。僕がいつも遊んでいるサッカーボールが凍り付いて硬い石の様になっている。朝散歩の後、僕はそれを御主人に蹴ってもらってじゃれついて遊んだ。楽しかったよ。
今日は、朝から御主人忙しそうで、朝出て行って、お昼になって帰ってきた。それから、またお出かけだ。今度は夜遅くなっても帰ってこなかった。幸い日曜日だったので、お散歩とご飯はお母さんからしてもらったよ。

1月18日 はれたりくもったり
昨日の雨で雪がすっかり消えてしまった。地面も雪で白くなったり、雪が消えて黒くなったりして戸惑っていることだろうと思う。パンダやシマウマだって白黒だけど、こんなに忙しくは変わらないと思うよ。たぶん....
今日は、夕方、御主人がトラックでどこかへ行ったり来たりしていた。一体何処へ行くんだか何度も何度も帰ってきてはまた出かけちゃうんだ。僕はそのたびに散歩への期待に胸を踊らせているんだけれど、結局裏切られてしまう....やっと、御主人が小屋の中にトラックを入れたので、もうお出かけはないと思って、御主人へ身体ごとぶつかっていったんだ。「御主人の馬鹿!!僕はこんなに散歩へ出かけようと待っていたのにっ!!」、そんな意味を込めての体当たりだ。僕は寡黙な犬なので言葉に出して自分を表現するのがとても苦手な犬なんだ。
そう言った僕の怒りが理解されたのかどうかわからないけれど、今日の夕方散歩は久しぶりの自転車散歩だったよっ!!もう、力一杯走ったよっ。息がハァハァして、水もご飯もとってもおいしかったよっ!!

1月17日 あめ
毎日、天気のことばかり話している様な気がする。でも、それだけ世の中、平和だって事だよね。山茶花なんかも白いのと赤いのがつぼみを大きくふくらませて咲きたそうにしている。これで、もうすこし気温が上がるときれいに咲いてくるんだけどね。でも、北国の冬にそんなことを期待するのは無理というものだ。やがて春になったら梅や水仙、椿なんかと一緒に咲き始めるから花を楽しむのが後になってしまうだけのことだ。北国の春はすべての花が一斉に咲きそろう....ぽかぽかとした暖かい日差し、優しいそよ風....蝶々がひらひらと舞い始めて、僕は暖まった地面に、ごろんと腹を出して横たわり、しばし惰眠をむさぼる....ああぁぁっ、なんて素晴らしい光景だろう、もう何回ご飯を食べたら、そんな夢みたいな季節がやってくるんだろう.....えっ?...もう60回ぐらいだって...犬にはそんな長い時間は想像も付かないなぁ...

1月16日 ゆきのちくもってあめ...
この頃の天気は少しおかしい....雪が降ったかと思えば雨になってみたり...春先の天気と同じじゃぁないか。このまま春になるとは思えないけど、この後、恐ろしい寒波がやってきそうで怖い。そう言えば、去年のお正月も冬とは思えない様なぽかぽか陽気で、僕は地面に腹を出して寝転がっていたんだ。異常な天気がやってくるんだったら寒波よりぽかぽか陽気の方がいいなぁ...今日は風もけっこう強くて、「ゴウゴウ、ぴゅう、ぴゅう」と恐ろしい音がするので僕はトラクターの下に潜り込んで昼寝をしていた。
朝散歩は小雪が舞っていて、粉の様な雪の上を歩くので歩きやすかったけど、夕方散歩は南西の風がものすごくて、雨がたたきつける様な中を行ってきたんだ。おまけに、この前話した、山城があったというお山に二つの明かりがともっていて、なんだか気持ちが悪かった。あれって、なんだろうねぇ〜...僕のお腹も散歩に行ったおかげでどろどろのぐしゃぐしゃになってしまった。御主人、早くタオルで拭いてくれ〜、気持ち悪くて寝られないよ〜

1月15日 ゆき
今日は、一転して吹雪になったよ。一晩で辺り一面が真っ白な雪で埋め尽くされてしまった。そんなに積もったわけではないけれど。強い風が吹いて僕のところにも粉の様な雪が吹き込んでくるんだ。あっ、言い忘れたけど、僕は2、3日前からトラクターの下に布団を敷いて夜もそこで寝ているんだ。なぜか犬小屋の中に入りたくなくなってしまったんだ。御主人は僕を叱って、敷いてある布団を取り上げて犬小屋の上に上げるけれど、僕はまた、それを引きずりおろして敷いてしまうんだ。まあ、寒さから言えば外に寝ているのと同じだね。でも、南極でがんばっている犬たちに比べたら、こんな寒さは暖かい日向の様なものだ。どういう心境なのか、僕にもわからないけれど...
ところで、今日は「きゅうん正月」と言って別名「犬正月」とも言うんだって、この日は犬が一歳、歳を取ったのを祝って人間達が犬にご馳走をする日らしいんだ。この「きゅうん正月」の由来だけど、1月1日の正月に人間ばかりおいしい物を食べたり楽しいことをしたりするのを見た犬たちがうらやましく思って、我慢に我慢を重ねて、この日、1月15日に一斉に「きゅうん、きゅうん」と鳴いたことが始まりだそうだ。今日は御主人、どんなご馳走を持ってきてくれるのかなぁ、楽しみだなぁ....
えっ?、なに?....「きゅうん正月」じゃなくて「きゅう正月(旧正月)」って言うんだって?、別名「小正月」...ぅぅぅっ....何、それ?...えっ、古い暦で言えば今日が本当のお正月で...人間達が、またまたおいしい物を食べる日だってぇぇぇぇ〜!!、それはないよ...僕は近所の犬たちが「きゅうん正月」のうわさ話をしていたので、てっきり本当のことだと思っていたよ。それって、本当にそうなのっ!!....がっかり.....犬には盆も正月もクリスマスも無いのかぁ.....きゅう〜ん....

1月14日 あめ
今日も雨ふりだったよ。春先の様にしとしととやわらかい雨が降っている。おかげで、野山の雪もすっかり消えてしまった、白く残っているところと言えば除雪で山盛りになったところしかない。僕はトラクターの下に布団を敷いて日がな一日お昼寝をしていた。御主人は夕方暗くなってからも家から出てこなかった。僕は散歩に行きたくて「ワン!!」と一声吠えたらやっと出てきたよ。「今まで何をしてたんだ」と言うと、税金の申告が近づいているので、データの入力とやらをパソコンに向かって一日中やっていたと言うんだ。犬にはなんのことかわからないけれど、御主人が普段、入力とやらをさぼっていて今あわててやっているんだなって言うことだけは犬の直感としてわかる。犬の散歩と同じで毎日やることが大切なんだよ、御主人!!

1月13日 あめ
今日は、下のお兄さんが埼玉県って言うところに帰る日だよ。超特急という列車に乗って帰るんだって!!僕の家の近くも列車が通っているけれど、こんなもんじゃないらしい、あまりにも早いんだって!昼前に出て行って、僕が夕ご飯を食べている頃には、もうあっちのお家に着いちゃうんだってさ。でも、僕の実家の山形より遠いらしいよ。僕は実家からこの家に車に揺られてきただけでくたくたになってしまったけど、下のお兄さんは大丈夫かなぁ?昔の犬たちは遠いところにもらわれていくときは鉄道の荷物扱いで飲まず食わずで何日も一匹だけで運ばれていったものだと御主人が言っていたよ。今はどうなっているのかなぁ?いつも列車を見ながら暮らしているけど、いつかのってみたい僕なのだった。
ところで、今日は一日中雨で、雷も鳴ったのでトラクターの下に潜り込んで一日中寝てばかりいた。人間は雷が鳴ると蚊帳の中に潜り込むけれど、犬はやっぱりトラクターの下が一番だね!!

1月12日 はれ
今日は下のお兄さんが「成人式」というのに出席するらしくて、おめかしして、お友達の車が迎えに来て一緒に行った様だよ。
お母さんは家の台所で何かおいしいものを作っている様で匂いが僕のところにも流れてくる。あっ、これはいつか少しだけ食べさせてもらったケーキというものだ。僕のところにもお裾分けが回ってくるかなぁ?...僕と御主人は、夕焼けを楽しみながら一緒にお散歩だ。と言っても、僕は散歩道に付いた匂いをかぐのに忙しくて夕焼けどころじゃなかったんだ。と、言うのは、最近、僕の散歩道とよその犬の散歩道が重なってしまった。その犬たちが所々にマーキングした後がある。あっ、マーキングというのは自分のなわばりを主張するためにおしっこを道ばたに引っかけることだよ。特に雄犬がこれをやるんだ。今朝も、いつだったか喧嘩をしたコリー犬みたいのが僕の家の前を通ったので声も嗄れんばかりに吠え立ててやった。その犬の後に散歩に出たのでやつのマーキングしたところに僕のおしっこをかけ直してやった。それから、もう一頭いるんだ。こっちのは大きな白っぽい犬で、身体全体に茶色の水玉模様が付いている。尻尾はむちの様に長くて、僕みたいにくるんと巻いていないんだ。僕より大きいかも知れないなぁ....そんなこんなで僕は「足が速すぎる」と御主人に叱られながらも、情報収集の為の匂いかぎ散歩を無事終わらせて夕ご飯にありついたよ。

1月11日 くもり
今日は、人間世界の風習で「鏡開き」と言ってお正月に神様にお供えしたおもちをみんなで食べる日らしいんだ。勿論、犬の僕にはお裾分けは回ってこないだろうけどね。もっとも、早食いをモットーとしている犬にとってやわらかいお餅は喉に詰まって窒息する危険があるから御主人も持っては来ないと思うけどね。固いおもちだったら食べられると思うよ。それを持ってこないかなぁ...そんな、食べ物のことばかり頭に描いていたらよだれが自然にぽたぽたと流れてくる。御主人が夕ご飯を持ってきてくれたので、「家族みんなの今日の晩ご飯は何?」と聞いたら「手作り餃子だ!」という....な〜んだ、鏡餅を割ってお汁粉やお雑煮にして食べるんじゃなかったのか....

1月10日 くもり
今日も暖かい一日だったよ。昨日ほどじゃぁなかったけどね。おかげで僕の坂歩道にはすっかり雪が無くなってしまった。田圃やお山は所々地肌が見えているけれど、まだ雪がいっぱいあって冬らしい風景を保っている。「雪が無いなら、自転車散歩でもしようか?」と、僕が御主人を誘うと「まだ駄目だ」という。...そうか!僕の散歩道には除雪車がよせた雪が山盛りになっていて、僕たちはその山を超えないと田圃の方にいけないようになっているんだ。おまけにどろどろになったぬかるみが所々にあって僕を苦しめる。そうだ。そうだ、僕はすっかり忘れていたよ。犬の考えることは単純だから、今やりたいことしか考えられないけれど、御主人は色々考えて判断して、行動しているんだね。人間はこんなところがすごいと思うよ。
今日の散歩も帰ってきて、自分の身体をよく見てみたら、お腹の方が泥だらけになっている。4足歩行の欠点がこんなところにも出てくるね。早く春になって乾いた地面を春風に吹かれながら散歩がしたいよ...

1月9日 はれっ!!
今日は、お日様が出て気温も5度まで上がって、暖かい一日だったよ。僕も外に出て地面の上に横になってお昼寝を楽しんだよ。久しぶりに御主人から毛皮にブラシをかけてもらったよ。気持ちいいねぇ〜....でも、僕は早く自由になりたくてうずうずして、ブラシをかけている間動くものだから「黙っていろ」と御主人から叱られた。だって、こんなにいい天気なのに、じっとしているなんて.....。外では久しぶりにスズメの奴等が群れになって飛んでいる。奴等、僕の家の小さいビニールハウスの中に入り込んでこの冬を過ごすつもりの様だが、今日は暖かくなったので外に出てきたらしい。中には餌もあるし、それになんと言っても暖かい。今日はお日様に暖められて、中は、まるで春の様な気温になっているらしい。僕も一度入って一日昼寝をして過ごしてみたいけれど、スズメの奴等が出て行かない限りは僕は絶対ハウスには入らないと決めている。

1月8日 くもり
御主人は怒っている!!....いゃぁ、僕に怒っているわけじゃぁないんだ。いくら僕がいたずら犬だからと言って、そうそう毎日怒られてばかりいるわけではない。実は、御主人は本屋が好きだ。だから暇さえあれば本屋に入り浸っている。そこで犬関係の本や雑誌を立ち読みするんだけど、秋田犬関係の本とか雑誌は皆無に等しい。日本犬では柴犬関係ばかりが目に付く。今、柴犬が大流行なのだそうだ。「SIBA」と言う雑誌も出ているぐらいだ。その雑誌の片隅に申し訳程度に秋田犬の特集が載っていたこともあったそうだ。御主人は怒っているけれど、僕は日本の犬が注目を浴びるのはいいことだと思うよ。あのヘレンケラーも日本から秋田犬を連れて行って飼っていたという話だからね。いつか僕たち秋田犬にも日の当たるときが来るだろうと思うよ。秋田犬はあまりペットショップなんかの商業ベースには乗らない犬らしいんだね。いつも、闇取引.....イヤイヤ、直接ブリーダーとの取引が原則の様だ。ちなみに僕も親元と、御主人との直接取引で、ここの家の家族になったんだからね。でも、あまり、秋田犬が流行って、そこいら中、秋田犬だらけになってしまったら、僕も嫌だけどね。いつだったか、ハスキー犬がブームになったんだけど、ブームが去ったら、ハスキー犬がそこいら中に捨てられていたって話だったよ。人間って勝手だよね。動物を物の様に扱うんだから......その点は、外国を見習って欲しいと思うね!!

1月7日 くもり
今日、朝散歩に行った後、僕はまた犬小屋の中に閉じこめられた。御主人がトラクターで雪寄せをするためだ。ゴウゴウと機械の音が怖くて僕は身じろぎもしないで犬小屋の中におすわりをしていたよ。御主人は朝ご飯を挟んでまたも雪をよせ始めた。やっと終わり、僕は犬小屋から解放された。飛ぶ様に外に出ると、まず溜まっていたおしっこを放出して、そこいら中を駈け回った。さらに御主人がけしかけるものだから、僕は何度も何度も駈け回ったよ。舌をハァハァ出して、散歩に行くより激しい運動をしてしまった。でも、冬の寒いときに汗をかくぐらいの運動をした方が犬にとっては気持ちがいいね。その後、雪の上に寝転がって御主人からもらったペットボトルをカミカミして遊んだ。咬むとき、バリバリッって鳴る音が楽しいよねっ!!

1月6日 ゆきがふったりやんだり、かぜつよし
今日は割と穏やかな一日だった。夕方散歩も少し風があって寒かったけれど、昨日に比べたら穏やかな方だ。
ところで、今日は冬の定番、怪談....冬の夜話(その一)と言う題で語ってみようかな
あんまりお正月らしい話じゃないけど、今日の散歩の時に体験したのでお話ししておくよ。
僕が散歩に行く、すぐ東の方にはお椀型の小さな山がある、小さなと言っても高さは50メートル以上もあるのかなぁ?そこには今から500年ぐらい前に山城があって、その山の下には村があったらしい。今、僕が散歩している田圃のあたりだ。だけど、戦があって城も村もすべて焼けてしまったらしい。当然、人も亡くなったんだろうね。今でも田圃の中からいろいろな種類の陶器や磁器のかけら、銅で出来たハンコなんかが見つかっている、御主人は僕の散歩の途中でかけらを拾い集めている様だ。この話は、歴史でははっきりしたことはわかっていないのだけれど伝説として伝わっている。問題は、その後だ....今日も、夕方散歩をしていて、ふと田圃のあぜ道で立ち止まったとき、誰かに見られている様な気がして、「びくん」と体を震わせて後を振り向くと、もうすぐ闇に飲こまれそうなになっている、あの、お椀型の山が正面に見えたんだ。僕がじっとその山を見つめていると、御主人は不思議そうに僕を見る。「むつ、何か見えるのか?」と聞かれるのだが、見えるのか感じるのかわからないけれど、確かに、その山には何かが存在すると言うことだけは言える。こんな事は冬はあまり無いけれど、夏は毎日の様にお山の方をじっと見つめることがある。戦で死んだ人達の魂がまださまよっているのかも知れないね....それと、もうひとつのお話、山の下にため池があるんだけれど、そこでは馬と人がおぼれて亡くなったらしい....それは、そんなに昔のことではないらしいけどね.....
さて、すつかり話り終えたので、御主人が持ってきた夕ご飯を冷めない内に食べるとしようかな、「ややっ、大きな焼き肉がたんまり入っている!!いただきまっす。」

1月5日 ふぶき
午後も大部過ぎた頃、実家のおばあちゃんが自分の家に帰るというので、御主人とお母さんが送っていったよ。僕は吹雪の中でおすわりをしてそれを見送った。御主人達が帰ってきたのは真っ暗になった5時半頃だった。僕は、ぴょんぴょん跳びはねて、お出迎えをしたよ。御主人が「すぐ散歩に行くから待っていろ」と言ってお家へ入っていった。間もなく完全防寒装備の御主人がやってきて、僕はうきうきとお散歩に出発した。
ひぇ〜、吹雪だよ〜、地上は吹雪なのにお空にはお星様が見えているってどういう事?....行くときは東に向かうので西からの風に押される様に早足で歩いていけるけど、帰りは大変だ。向かい風でなかなか足が進まない。御主人はうつむく様にして歩いている。でも、僕はまっすぐ風に向かって歩いても平気だったけどね。ただね、僕のクルルンとかっこよく巻いた尻尾が風の強さでだらんとなって格好悪くなってしまうのが嫌だった。早く帰って温かいご飯が何よりだ。今日は、御主人から犬小屋の出入り口に風が少しでも入らない様に毛布を掛けてもらった。暖かいねっ!!

1月4日 ゆき
今日はお母さんが昼前にどこかへお出かけだった。でも、しばらくしたらお母さんの実家のおばあちゃんを連れて帰ってきたよ。今度は3時頃になって御主人と3人で街へお出かけのようだ。二人のお兄さんは秋田市へ買い物に行ってしまった。今家にいるのは僕、ただ一匹だけだ....!!よしっ!今日はひとつ、何か大きいことをやってみようかな?今朝、御主人が僕におやつ煮干しをくれて、そのままトラックの荷台に置きっぱなしになっているのをちゃんと記憶しているんだ。犬は都合の悪いことはすぐ忘れるけど、自分に都合がいいことはいつまでも覚えているものなんだ。みんながいなくなったのを見計らって、ジャンプでトラックの荷台に前足をかけて「おやつ煮干しの袋を口にくわえた。ちょっと離れたところにあったので、取りにくかったけど食べたい一心でがんばって袋を口にくわえることが出来た。こうなれば後は食べるだけ!袋を地面の上に置いて口をつっこんでパクパクボリボリとむさぼり食った。大きな袋に半分ぐらい入っていたのだがあらかた無くなってしまった。さすがの僕も食い飽きたので、少し残してしまった。これが後でで盗み食いの証拠となってしまった。どうせなら全部食べてしまえば良かった。
御主人達が帰ってきて、最初に見つけたのは僕が食い散らかした煮干しの袋だった。そして、「お帰り」の挨拶の後に僕がしたことは、少し残っていた煮干しの袋にこれ見よがしに口をつっこんだことだった。でも、叱られなかったよ。今から思えば、あのとき煮干しを全部食べきっていたら、からになった袋は風でどこかへとばされて跡形もなくなっていたのに....まぁ、犬がやる大きな事と言えばこんな程度だけどね....
その晩は、実家のお母さんが家にお泊まりをしたよっ!

1月3日 はれたりくもったり
昨日の夜から上のお兄さんや下のお兄さんのお友達がやってきて家の車も合わせると6台か7台の車が勢揃いした。おかげで僕は夜中その車達を見張っていなければならなくなった。おまけに雪が降り続いて車が雪だるまになっていく。僕は、雪で車が壊れないだろうか、埋まってしまって動けなくなるんじゃないだろうかと、よけいな心配をしなければならなかった。ああっ、そうだ。明日の朝、御主人が降り積もった雪をトラクターでよせるのに邪魔じゃないだろうか...?おかげで僕は一晩中寝ることが出来なかった。
ところで、今日も御主人とお母さんはどこかへお出かけだったよ。「何処へ行くの?」と聞いてみたらお母さんの実家へ「あけましておめでとう」と言いに行くんだって。それが、お昼前.....帰ってきたのが、もう、夕方の5時にもなろうという頃だ!!僕は、もう待ちくたびれて待ちくたびれて....そんなところへお母さんの車のエンジンらしき音が聞こえたので、僕は犬小屋から外に飛び出て雪を食べ始めたんだ。「僕は、こんなに待ちくたびれて、お腹が空いてぺこぺこなんだぞ!」と態度で御主人達に訴えたんだ。すると、御主人は僕をナデナデして、しばらくして散歩に連れて行ってもらったよ。でも、いつもの散歩の時間より遅くなってしまったのでいつもの半分の距離しか行かなかったけどね...

1月2日 ゆき
御主人はホームページの更新準備とやらで外には一歩も出てこない。どうせ僕のあること無いことを書きつづった法螺話のホームページだろうと思うのだが、いずれにしても迷惑なのは僕の方だ。
午後になって、やっと出てきたと思ったら、御主人とお母さん、それに下のお兄さんが街へお買い物に行く様だ。僕は下のお兄さんが冬休みで帰っているなんてちっとも知らなかったよ。聞いてみると30日の日に帰ってきたんだって!!僕は久しぶりなのでぴょんぴょん跳びはねて「お帰り」の挨拶をしたよ。へへへへっ!久しぶりに下のお兄さんから「ナデナデ」をしてもらったよっ!うれしいなぁ。僕はその後、深々と降る雪の中で3人に「行ってらっしゃい。早く帰ってきてね」とお見送りをした。しかし、暗くなって帰ってきた3人が見たものは!!.....柱にヒモがぐるぐる巻になって降る雪の中にただただ突っ立っている僕の姿だった。

1月1日 はれときどくくもりいちじゆき
あけましておめでとうございます。ワン!
今日は朝7時過ぎ、御主人と朝の散歩に出かけた。東の山や空がオレンジ色に染まって平成15年の初日の出が、今にも上ってくるようだった。でも、寒い、氷点下5度ぐらいの寒さの中、御主人は完全防寒装備の出で立ちだ。僕たちが散歩をしていると、間もなくお日様は山の陰から顔を出して、辺り一面を照らし始めたよ。その日ざしが白い雪にまぶしく反射してきらきら輝いて見える。散歩から帰ってくると「日刊犬新聞」の新年号がとどいた。

新春スペシャル〜日刊犬新聞元旦号(長文)

2003年の新春を迎え、日刊犬新聞をご購読の皆様に新年のご挨拶を申し上げます。
さて、日刊犬新聞新春第一号は「犬の穴掘りについての考察」と題しまして、犬族歴史民族館の館長のポチさんから特別のご寄稿をいただきました。
特別寄稿「犬の穴掘りについての考察」....花咲ぽち
犬の穴掘りというものは考古学的に見ても歴史学的に見ても本来餌を隠すための行動であることは間違いない。遠い我々の先祖達が野山を自由に駆け回り、自らの知恵と体を使って食料を手に入れていた。彼らにとって餌が手に入らないと言うことは、すなわち死を意味していたのである。したがって余った餌は土を掘って埋められ、保存食となるのである。だが、犬のほとんどが飼われている現在、食料に不自由しなくなった。では、何故に穴を掘るのだろうか...これは犬史上、永遠のテーマとなっている。我が先祖のポチは、何故に穴を掘り、そして宝物を掘り当て花咲じいさんにそれをもたらしたのか?犬族諸君の見解をお教えいただければ幸いである。
さて、次に穴掘りの基本について述べてみよう。右と左の前足を爪を立てながら土にたたきつけるようにして交互に動かして土を掘っていく。身体はあくまでも低くしなければならない。あまりハデに穴を掘ると他の仲間に穴を掘った場所を知られてしまい、せっかく隠した餌が奪い取られてしまうからである。ほとんどの犬が飼い犬になった現代でも太古からの穴掘り技法は変わっていない。しかし、変わった穴掘りをする犬がいるという日刊犬新聞社の情報により、私がこっそりとその犬による穴掘りの様子を見たことがある。秋田犬のムツさんという犬がそれである。....彼の穴掘りは非常に変わっていて、後足でジャンプをしながら前足2本の爪を土にたたきつけ、そのジャンプを繰り返しながら穴を掘るのであった。確かに両手を交互にせわしなく動かして穴を掘るよりは一度に大量の土を掘ることが出来る。しかし、ジャンプをしながらだとハデになりすぎる。犬の基本的穴掘り技法とは対照的なムツさんのこの技法...彼は太古より祖先から本能として脈々として伝わってきた穴掘り技法を持っていないかのように思える。これは歴史学的というより科学的な見地から...........云々

むつ犬談...「犬の穴掘りに付いて」と言う記事がおもしろそうだったので読み始めたら、また僕のことを引き合いに出して書いてある。こんなに長々だらだらとつまらない記事を書いて、最近の人間が見るテレビと同じじゃないか。全く無駄って言うものだ。だいたい飼い犬にとって「穴掘り」はスポーツだ、ストレス解消のひとつでもあるんだよっ!!犬の本能なんか関係ないの!!....そうだ!僕の穴掘り技法を広めて「犬の穴掘り全国競技大会」でも開こうか?

日刊犬新聞社からのおことわり....日刊犬新聞は紙というものに印刷して皆様のお宅に配達されるものではありません。犬の遠吠え機能、つまり吠え声による伝達機能を利用して皆様に配信されるものです。ご近所の犬が連携しあい、犬新聞社の記者が記事を遠吠えしますと、近くにいる犬の皆様が受け取り、それをさらに遠くにいる皆様に、遠吠えによって配信する仕組みになっております。なにとぞご理解のほどお願い申し上げます。
なお、犬新聞社から配信される記事には尾ひれをつけず正確に伝達していただきますようお願いいたします。

むつ犬談....つまり、うわさ話が噂を呼んで、あちこちにばらまかれるって言うのとおんなじかいっ!!..わお〜ん