むつ犬のおまぬけ日記
4月30日 あめのちくもり
昨日は妙に暑かったけれど、今日はまた一転して寒い一日になってしまった。昨日あまり暑いので、僕の犬小屋を覆っていた防寒シートをはずしたばかりだというのに、今日の僕は冷たい風がすーすーする犬小屋の中で体を丸めてお昼寝をしなければならない羽目になってしまった。夜は....もっと寒いんだろうなぁ....でも、真冬の寒さに比べたら、どうって事ないよ!!!

4月29日 はれ
今日は、忙しかった。御主人とお母さんが庭いじりをして、あちこちにいろいろなものを植えるものだから、僕はその監視をした。僕も時々庭の中に入り込んだりするので、やたらに草花など植えられると、踏んづけたり食いちぎったりするので邪魔になるばかりだ。結局、僕の行動範囲内には、ちょっと大きな木みたいなものが植えられた。「なに、これ?」花も葉っぱもなんにも着いていない枯れ木になっているもの、本当にこれに葉っぱや花が着くの?・・・・。それに、僕が昼寝をしている側で空になった鉢植えを洗ったりするものだからうるさくて仕方がない。午後になったら、やっと静かになった。今日は夏の様な気温になったので。お昼寝はほとんど日陰でしたよ!!
夜は夜で、御主人、お母さん、上のお兄さんとで、どこかでお食事の様だ。「わお〜ん、うらやましいぞ。僕は、またお留守番なのかぁ〜!!!!!」

4月28日 はれ
今日は暑いぐらいの日差しになった。そんないい陽気なので、日向と日陰を行ったり来たりする忙しいお昼寝になってしまった。それと、おじいちゃんとおばあちゃんが入れ替わり立ち替わり僕のところに来たので、ご挨拶と・・・何かおいしいもののおねだりをする。でも、残念ながら何ももらえなかった。
真っ赤な夕日が西の空に沈んで行くのが田圃に張られた水に映って、とてもきれいだった。そんな中を御主人と夕方散歩に行って来て、ご飯をもらい、今日も平穏無事におわった。

4月27日 はれ
やっと選挙の「お願いします」合戦が終わって、僕に安息の日々が訪れた。おかげでゆっくりとお昼寝する事が出来る。選挙カーが近づいてボリューム一杯にした「お願いします」に耳をピクピクすることもないのだ。・・・・・と、思ったら・・・・今度は御主人が気持ちよくお昼寝をしている僕に向かって、用もないのに「むつ!!」と呼びかける。僕が起きあがって御主人の方を振り向くと、ナデナデしたりしてくれる時もあるけれど、もっとひどいのは、呼びかけられて僕が起きあがっても、知らんぷりという悪質なケースもある・・・・でも、きっと御主人は、僕に遊んでもらいたいのだろうと思って我慢する事にする。

4月26日 あめ・・・・
昨日の夜、暖かかったので、ひどい雨ふりにもかかわらず、外をうろうろと遊びほうけていたら、全身ずぶ濡れになってしまった。雨水が毛を通り越して皮膚まで達したので、「これはまずい!」と思って、身体をぶるんぶるんとふるわせて水気を払い落として、犬小屋の中に入った。勿論、体を震わせたところで、たっぷりと雨水を吸った僕の身体がどうなるわけでもないけれど、小屋の中に入れば、少しは暖かいかな、ぐらいな感じで中に入って横たわっていた。少し、うとうとしていると、突然御主人がやってきて、「おまえは雨の中で何をしていたんだ」と僕の濡れた体を見ていった。そして、乾いたタオルで僕の体を丹念に拭いてくれたよ。おかげで、いくらかさっぱりした。でも、ありがたいよ後主人!!持つべきものは、やっぱり御主人だよね。僕の事を心配して体を拭きに来てくれるなんて・・・・でも、僕が夜中に雨の中をうろうろしていたなんて何処で知ったんだろう?それに、わざわざ体を拭きに来たなんて思えないし、なんか僕に用事があってきたんだろうかねぇ〜、今、冷静になって考えてみると不思議な気がする・・・・

4月25日 くもりのちあめ
なんだか、このところ一日おきに雨が降る。犬の生活の様に規則正しい雨の降り様だ。・・・・?
最近、御主人は僕が作業小屋のコンクリートの床の上に寝ていると、「むつ、犬小屋の中に入れ」という、口で言うのはまだいい方で、僕の首輪をつかんで犬小屋の中に放り込む様に入れられる時もある。「はい、はい、わかっていますよ」と言う様に、僕は渋々、御主人に従う。我が犬かわいさの老婆心なのだろうけど、少々うるさい、僕の本心は、「いちいち、うるせぇなぁ、犬小屋に入ろうが入るまいが、犬の勝手でしょ。寒くなって安眠できない様だったら入るよ!!」こういう風に心の中で、御主人に毒づく
あぁぁ〜、しかし飼い犬はつらい、御主人に本音を吐露する事が出来ないんだもんね・・・・
そこで一句・・・「菜種梅雨 冷たき床の 心地よさ」・・・禄食

4月24日 はれ
ご主人の話によれば、今日は、先代の先輩犬である、秋田犬のまるさんの5回目の命日と言うことだった。平成10年4月24日、午後10時に死亡....僕は、心の中で合掌しつつ、なおかつ、ご主人のご恩に感謝しつつ、暖かいお日様の下に体を横たえる。今日は暖かくなった。暖かくなってくると、ご主人と同じ花粉症なのかどうか知らないけれど、目がしょぼしょぼして、目やにがやたらに出てくる。最近は、しょっちゅう、ご主人に拭いてもらっている。何なんだろうねぇ?
今日も、ご主人は田んぼへお仕事だ。「むつ、お留守番を頼むぞ」と言われたので、僕は地面に横たわったまま、お愛想のしっぽ振りを2,3回やった。そんなことは言われなくてもわかっているって言うの!!、幸いお留守番中には誰も来なかったので、おかげでたっぷりと熟睡することができた。

4月23日 あめ
また今日も朝から雨降りだ。朝散歩に行く時は降っていなかったんだけど、8時頃からぽつぽつ降り出して、やがて本降りになってしまった。ご主人は雨の中でお仕事をしている。10時頃になってトラクターと一緒にぐしょぬれで帰ってきた。どうやらお仕事ができたらしい。僕は遊んでもらおうと近寄っていったら、ご主人はブラシを取り出して、僕の毛並みをなで始めた。僕はいやがって逃げようとすると、「動くな!」と叱られる。「がうっ、がるるる〜」とうなってみても、鼻を叩かれて叱られる。じっとがまんをしてご主人のしたいようにやらせた。
午後から、ご主人はお出かけ、しばらくして帰ってくると、僕のご飯用「犬の缶詰」とフィラりアの薬を買ってきてくれた。そうかぁ、もう蚊が出てくる季節になったんだね。この薬を飲む頃になると、夏が一歩一歩近づいてくるんだなって思うよ。死にそうになるぐらいの暑さは勘弁してほしいけど....

4月22日 はれ
久しぶりに晴れたぞ!早速、毛皮の中にお日様の光をたっぷり吸い込まなくちゃ!!....でも、誰か来たぞ!番犬の出番だ。「わんわんわん」...あれ、でも前に見た事がある人だ。御主人が応対しているので近寄って、その人の匂いを嗅いでみると、な〜んだ、御主人の従兄弟の人じゃないか、お米を取りに来たんだって、知っている人で安心したので、僕はまたお昼寝に精を出す事にした。二人がお話ししている目の前にごろんと横たわって熟睡する。お話の中に僕の話題も時々出てくる様だ。そんなときは寝ているふりをして耳をぴくぴく動かして聞き入っている。僕に子供を作らせたらどうか、とか、一日何食、食べさせている、とか、むかしの秋田犬の話等々だった。特に興味深かったのは「逃げ上手の犬の話」だった。家から数キロも離れた山の中に逃げ込んでなかなか捕まらなかったらしい。国定忠治の様な犬だ....!!でも、僕は....逃げたって戻るところはこの家しかないし、いずれお腹が空いたら戻ってくるしかないのだから、逃げ回るのは無駄な事としか思えない。散歩だってボール遊びだって、御主人と一緒だと楽しいし、一人で自由に駈け回ってもあんまりおもしろいと思わないしね。御主人が見守っていると思うから安心して山の中でも自由に歩き回れるんだ。.....でも、御主人、今年は、まだ山へ連れて行ってくれないなぁ.....?頼むよ、御主人!!!!

4月21日 あめのちくもり
今日は朝から雨が降って、僕は目が覚めた時からいやな気分になった。今日も一日犬小屋の中にいなければならないのかぁ....ところが、午後になったら時々お日様が顔を出したので、僕はすかさず外に出て地面に横たわってお日様のぬくもりを全身に浴びた。「はぁ〜気持ちいい〜」やっぱりお日様の力は偉大だよ。これで夏の暑さを少し加減してくれたら、僕はお日様を絶対的に尊敬するんだけどね...!!
でも....、お日様が顔を出したのはほんのわずか...やがて空は曇って、冷たい風が吹き始めたよ。「うう〜寒い寒い」とご主人は言って、僕の夕方散歩には防寒具を着ていったよ。せっかく桜が咲いて見頃になったというのに、この寒さはいったい何なんだろうねぇ?....「花冷え」どころの寒さじゃないよ。

4月20日 あめ
今日は一日雨降りだった。日曜日だし、今日は誰も怪しい人は来ないだろうと思って、犬小屋の中に入ってお昼寝をした。ご主人が近づいてきたのも気づかないで、ぐっすりと寝入ってしまった。「ふぁ〜う、今日はいいお昼寝日和だ....」と思って大きなあくびをしたとたん....また、あの...「お願いします、お願いします」の連呼が聞こえてきた。なっ何だ、またかよ!!、「今度は何だ。」と、ご主人に聞いたら、今度は市会議員の選挙というものが始まったんだそうだ。しかも、この前の県会議員選挙というのは3人の立候補者だけだったのが今度は30人ぐらいになるらしい。一週間にわたって、30人もの「お願いします」の声を聞かせられるのかと思うとたまらない!!焼き芋屋さんや物干し竿売り屋さんの売り声の方がよっぽどのどかで、聞いていて気持ちがいい。あ〜ぁ...僕の、のんびりとのどかなお昼寝の時間は、当分やってこない....がうっ、がるるる〜!!!

4月19日 はれのちあめ
今朝は朝散歩がなかった。ご主人は5時頃から田んぼへ行ってお仕事をしている。「何で、今日はこんなに早いのか?」と聞いてみると、もうしばらくたつと雨が降ってくるって言うんだ。何を馬鹿なことを言っているんだ。ご主人は風邪のせいで何処かおかしくなってしまったんじゃないだろうかと心配した。こんなに良く晴れた空のどこから雨が降ってくると言うんだ。僕は、地面にごろんと横たわりながら暖かいお日様の下でお昼寝をした。今日は、ほどよい暖かさで気持ちがいい。ぐ〜ん、大きく背伸びしてごろごろしていると.......午前9時頃になると、薄雲が広がってきて、ポツ、ポツと雨粒が落ちてきた。そして、あっという間に本降りになって、辺り一面が濡れてしまった。「あっ、ご主人のいっていたのは本当だったのか」と今更ながら、ご主人を一瞬でも馬鹿にしたことを後悔した。ご主人はしばらくして、トラクターとともにずぶ濡れになりながら、おうちへ帰ってきた。そして、いっぱいなでなでをしてもらったよ!!!....でも、今日は雨になってしまったから、夕方散歩もなしかなぁ...?

4月18日 はれ
今日は、散歩へも連れて行ってもらえなかった.....きゅう〜ん....ご飯を預けられて、それで終わり、ご主人は遅くなってお仕事から帰ってきて、また、夜はお出かけのようだ。風邪がすっかり良くなっていないのに大変だなぁ...と思うけど、僕の頭を一なでぐらいする暇はあるだろうに....!!

4月17日 はれ
今日は気温が20度ぐらいまで上がった。でも風が強くてそんなに暖かいとは思わなかった。桜は早く咲くと思うけど、もっと春らしいうららかな日であってほしかった。ところで、昨日も話したけど、ご主人も忙しくなって、僕は一日中お留守番だ...退屈で、退屈で、ふぁ〜ぅ、あくびばかり出てくる。一人でボールを転がして遊んでももおもしろくないし、あたりをうろうろしても、そんなにおもしろいものが転がっている訳じゃないし...これから農繁期にかけて、どうやって退屈を紛らわしたらいいのか、それが大問題だ。それより、ちょっとでもいいから僕の相手をして遊んでほしいなぁ....

4月16日 はれ
ご主人のお仕事が忙しくなってきた。今日もトラクターで田んぼにお出かけのようだ。僕は一日いっぱいひとりぼっちでお留守番....きゅう〜ん....
ところで、ご主人は夕ご飯を持ってきた時に、僕にいろいろなことをさせる。まず、ご飯を前にお座りをさせられて、右お手、左お手、から始まって、伏せ、タッチ(伏せの姿勢から、お座りの姿勢に戻ること)までやらされる。ご主人は、服従訓練のつもりでやっているらしいが、腹ぺこ犬になっている僕は、「ぎゃわん」とか「きゃんきゃん」などと不平不満をあらわにしながらも、命令に従っている。だって、だって、命令通りやらないと、ご主人はできるまで、延々と続けるんだもの...適当に動いていれば、やがてご飯がもらえるので、我慢してやっている。やれやれやれ......ふぅ〜〜....

4月15日 はれ
わ〜い! わ〜い!、今日はたくさんの人が家にやってきたのでうれしいなぁ、お祭りの時のように知らない人ばかりじゃなくて、ご主人でしょう。おじいちゃん、おばあちゃん、お母さんと上のお兄さん、そして知らないおじさんも居たけど、この人とはすぐ仲良くなったよ。何かって言うと、今日は「種まき」の日なんだ。僕の犬小屋の側に機械を置いて、みんなで役割分担しながら一生懸命お仕事をしている。僕は....というと、近くまで様子を見に行ったりしたけど、ほとんどは離れたところでお昼寝をしていた。だって、今日は暑いぐらいの気温になってしまったんだもの。こんな日の犬は動き回らないでのんびりお昼寝するに限る。そして、ご主人達が一休みしている時に近寄っていけば、なんかおやつがもらえるはずなんだ。ほら!何かおいしそうなものが出てきたぞ。おばあちゃんから煮干しをもらい、知らないおじさんからジュースのおこぼれをもらい、、お兄さんからもジュースを....あっ、これはジュースじゃないや。健康飲料と書いてある....犬の体にもいいのかなぁ?....でもおいしいからごくごく飲んだ。「満足、満足」.....あっ、また働き始めたようなので、僕はお昼寝だ!!!

4月14日 はれ
今朝、散歩から帰ったらご主人が大きなソーセージをくれた。僕は大変喜んですぐにも食べたかったけど、さっきお母さんからリンゴをもらって食べたので、もう少ししたら食べようと思った。そこで、それを土の中に埋めることにした。でも、ご主人がまだ僕の側にいる....僕は誰にも知られないところへ埋めたいのだ。ご主人!早くあっちへ行ってくれ!....やっとご主人がおうちへ入っていったので、僕は大きな瓶がおいてある、その根本にソーセージを埋めることにした。右前足で土を掘り、できた穴の中へ口にくわえたソーセージを入れて、鼻の頭で土を穴に戻してやった。一仕事を終えてゆっくりしていると、ご主人がやってきて、僕がソーセージを埋めた辺りを見回している。僕は取られないかと心配になって飛んでいって、それを掘り出して口にくわえた。ご主人はおもしろがって僕をからかう....僕は真剣になり「うぅぅぅぅ〜」と唸り声を上げた。僕が何度も唸り声を上げるものだから、ご主人は怒って僕にサッカーボールをぶつけてよこした。本能とは恐ろしいもので、動くものに反応してしまった僕はサッカーボールを体で受け止めると同時に、口にくわえたソーセージを飲み込んでしまった。かくして、ゆっくりと味わおうと思っていたソーセージは、一瞬にして、僕の腹の中へ消えてしまったのだった.....きゅう〜んんんんん....

4月13日 はれたりくもったり
今日は町内のお祭りだったよ。朝から笛や太鼓の音が聞こえてきて、とてもにぎやかだったよ。獅子頭をかぶった人たちなんかがいっぱい来て、僕は怖くなっていっぱい「わんわん」と吠えてしまった。後で聞いたら、獅子は身に付いた汚れや災いを取り除いてくれるいい存在なんだって、特に獅子にかんでもらうと、もっといいことがあるらしい。ぼくも、かんでもらえば良かったかなぁ〜、その後、別な人たちが「神社の御札」を配りに来たよ。お母さんが紙袋に入ったお金を渡していたよ。もちろんご主人もお祭りに出て行った。ご主人の役目は何だろうなぁ〜、う〜ん、きっと交通整理だと思うんだけどね。とにかく今日は人がいっぱい我が家にやってきて、対応するのに大変で疲れたけど、にぎやかな一日だったよ。これでごちそうでも出てくれば最高の日だったんだけど....ね。

4月12日 あめ...
きゅう〜ん....また雨の一日になってしまった。犬小屋の中でお昼寝するぐらいしかすることがない。お昼寝に飽きると、犬小屋から出て作業小屋の中をうろうろして、なんか変わったものはないかなぁ〜と探検するぐらいだ。今日も小屋の中でご主人が仕事をしているのに気づかないでうろうろして、あれこれめぼしいものを物色していたら、ご主人と目と目があってしまい、僕は一瞬固まってしまった。「しっしまったぁ〜...ご主人が居たのか」...ご主人はただ一言「な.に.を.し.て.い.る...」..僕は何にもいえなくなってしまって、つ〜と目をそらして、何気なく散策を装いながらその場をやり過ごした。あぶないあぶない、これで、何処かへおしっこを引っかけたりしたら、どんな罰が待っているかわかったもんじゃあないや....でも、とにかく無事にご主人のおしかりを受けずにすんだのでめでたしめでたしというところだ。......あれ?...でも、僕、何かした訳じゃないんだよ。ただ、小屋の中をうろうろしていただけなんだよ。別にビクビクすることはないんだ!!!

4月11日 はれ
今日はとても暖かかった。暖かいので地面に寝ころんでいても「暑い!」と感じるようになってしまって、あちこち場所を変えながら腹を出してお昼寝をしたよ。ところで、最近、「お願いします!!」と叫びながら入れ替わり立ち替わりやってくる車がある。そのたびに、僕はビクンと体を震わせて耳をピンと立てて、その音がどこから聞こえてくるのか確かめる。「いったいなんだ?」とご主人に聞くと、選挙といって自分の好きな人に投票して、世の中の暮らしをよくしてもらうために、ああやって自分の名前を叫びながら、お願いします。っていって回っているんだって.....だいたい、犬には「お願いされる」という感覚がわからない。犬は常に人間からの命令によって動いている。命令は絶対で、違反するとそれなりの罰が待っている。でも、お願いは....?お願いって、あることをしてもしなくても、自由だけれど、できればしてほしい、といったような希望的願望なのかしら....それだったら、選挙も、僕がお昼寝することも、そんなに変わらないじゃないか。お昼寝だってしてもしなくても、どっちでもいいからね。でも、人間のことだから、そんなに単純ではないのかもしれないけれど....?

四月10日 はれ
今日はすっきりとした青空になった。僕は一日中外に寝ころんでいたよ。でも風が少し冷たいので、時々小屋の中に引っ込んだりもした。ところで、ご主人がこの間から風邪を引いているらしい。咳が出たり鼻水が出たり、今日が風邪の一番のピークらしくて、熱もあるといっている。それなのに、僕を散歩に連れ出したりご飯の世話をしたり、その上、どうしてもしなくちゃいけないお仕事があるらしくて、動き回っている。僕のすべてはご主人にかかっているので、ご主人が居なくなったら僕も終わりだ....それなのに病気をおして僕の世話を焼いてくれる...もったいなくて涙がこぼれるぐらいだ。ご主人、あんまり無理しないで早く風邪を治してよね!!直ったら山へ遊びに行こうよ....!!

4月9日 あめのちくもり
今日は、午後から狂犬病の予防注射って言うのをしてもらってきたんだ。ご主人の言われるままトラックに乗ったら着いたところは、注射場?....だった。確か、去年はおじいちゃんと来たんだった。今日は、一匹のワンコも見あたらない....来るのが早すぎたかなぁ...そんなことを思い「注射ちくん!!」の恐怖に震えながら車から降りると、大人の男の人が二人、僕のほうめがけて歩いてくる。もう 一人の男の人も後から僕に近づいてくるようだ。そして、注射器を持った人も...合計4人が僕を取り囲むようにして、注射代金を徴収して、愛犬手帳になんか書き込んでいる。3人の中の一人はご主人と知り合いらしく「大きくなったなぁ」と僕を一なでした。僕はご主人に「お座り」するように言われ、お座りしたとたん注射器が僕の首筋にのびてきて、「ちくん」とさされた。「もうこれでおわり?」....ちっともいたくないや、注射はこれで3回目なのに、いつも怖い思いをする。終わってみれば、どうということもないんだけどね。僕たちは、また車に乗っておうちに帰った。おりこうさんにしていたごほうび゜に、昨日もてあましたリンゴを割ってもらって、ごちそうになる。うまい、うまい

4月8日 はれのちあめ
今日はお釈迦様の誕生日だっので、一つ懺悔話をしたいと思う.....と、いうのは午前中おばあちゃんが自転車でビニールハウスにやってきた。僕は大喜びでしっぽを振りながら近づいていくと...?自転車に付いているかごの中からいいにおいがする。僕がいつも食べている大好きなリンゴのにおいだ。首をつっこんでみると、やっぱりリンゴがあった。僕は、おばあちゃんの隙を見て、それを口にくわえて逃げ去った。誰もいないところで寝そべって、かじりつこうとしたけれど、どうやって食べたらいいのかわからない。いつもお母さんからもらうリンゴは小さく切ってあるので食べやすいのだけれど、まん丸いリンゴを見るのは初めてだ。「どうやって食べるのかなぁ...?」と、なめたり、ころがしたりしているうちに、飽きてきてどうでも良くなってきた。だから、いまでもリンゴはまん丸のまま、午後から降ってきた雨に打たれて地面に転がっている。

4月7日 はれ
昨日から「防火週間」というのが始まった。夜の8時になるとサイレンが鳴り始めるんだ。それに併せて僕も「うお〜ん、うお〜ん、うお〜ん、」と遠吠えをしたよ。その後、消防自動車が「か〜ん、か〜ん、か〜ん、」と鐘を鳴らしながら「火の用心してください」とやって来たので、また「うお〜ん、うお〜ん、うお〜ん、」と遠吠えをした。でも.....これって、なぁに?...防火週間って?.....ご主人に聞いてみると、「今時の季節は火事が多いから気をつけるようにって言うことだよ」火事っていうのは野山や家が燃えてしまうことだよね。犬は火に使わないから関係がないと思うけど、人間の失敗で火事になって住むおうちがなくなったりしたら大変だよね。....よし、この一週間゜、火事が起こらないように毎晩遠吠えをして、防火宣伝をするぞ! でも、ご主人は防火宣伝の効果より隣近所の迷惑を考えているようなんだ。でも僕は決めたもんね。近所迷惑より火事が起こらないようにするのがもっと大切なことなんだって思いこんでるからねっ!!!

4月6日 はれ
昨日は夕方から雨になったせいか、今日は晴れていても風が冷たい....でも、外に寝てひなたぼっこをしていたけどね。ご主人も寒い、寒いって言ってばかりいる。と、いうわけで、ご主人は僕に散歩ひもを付けて何処かへ連れ出そうとする。「まっ、まさか....シャンプーをするのでは?」と一瞬いやいやをしそうになったけど、、まさか、こんな寒い時にシャンプーなどするわけがないと思い直して、素直について行った。ついたところは昨日ビニールを張ったばかりのビニールハウスだった。といっても犬の歩数で数十歩の距離だったけどね。ハウスの中は初夏の暖かさだった。僕は散歩ひもから解き放されて中を自由に駆け回った。ちょうどハウスの真ん中に今にも菜の花が咲きそうになっていた畑があったのでハウスの中に入った記念におしっこを引っかけてやった。すると、ご主人が大きな声で叱るんだ。よく聞いてみたら、後でおひたしにして食べるんだって...やがて、僕とご主人はハウスの中でサッカーボール遊びをした。ご主人が思いっきり蹴るボールを追いかけて一生懸命走ったよ。今まで見せたことのないボールのドリブルも見せてやった。鼻先をボールに当ててドリブルする技だよ。いっぱいいっぱい遊んで、舌がこれ以上のびないぐらい出して「はぁ、はぁ、はぁ」と汗をかいた。快い汗をかいてうれしかったよ。楽しかったよ!!、また、明日も遊ぼうとご主人を誘ってみようかなぁ

4月5日 はれのちくもり
朝5時より、僕はご主人とお母さん、それにおじいちゃんとおばあちゃんとで、大きなハウスへビニール張りをした。重そうなビニールを引っ張って、屋根の上に上げて針金のようなバネのような金具で止めていくんだ。それが終わると、黒くて太いひもでビニールを押さえて裾の方に結んでいく。それが何本も何本もあって大変そうだった。僕も手伝わなくちゃと思って周辺をうろうろするのだけれど、犬の手には複雑すぎて、仕事をこなせそうにもない....でも、「手伝わなくちゃ」という思いが強くて気が焦るばかりだ.....とうとう、僕は側で「穴掘り」を始めた。ジャンプをしながら両方の手で土を掘り出していく、あの「むつ式穴掘り技法」だ。穴を堀終わった時、「僕はお仕事の手伝いをしたんだ!」という満足感に浸り、快い疲労感を全身に感じながら地面にゆっくりと横たわり、ご主人達の仕事ぶりを眺め始めた。良かった、良かった!!!

4月4日 はれ
朝、見慣れない自動車が家へ入ってきたので「わんわん」と吠えたら、降りてきたのは東京へ行っていたご主人だった。僕は、とたんにうれしくなって、そこいら中を走り回った。ご主人からもいっぱいなでなでしてもらったよ。ご主人はいったん家の中に入って着替えてくると、僕を朝散歩に連れ出してくれたんだ。僕はまたまたうれしくなって、そこいら中を駆け回った。久しぶりに二人での朝散歩....ゆっくりと楽しんだよ。散歩をしながら、ご主人がいなかった家のことをたくさんお話ししたよ。ご主人がいなくても泣かなかったこと、番犬の役目をきちんとしたこと....おじいちゃんと散歩をしたこと等々、話すことがたくさんあってどれから話したらいいかわからないぐらい、いろいろあったけど、ご主人が帰ってきたのが一番うれしいことかな?