7月31日 はれ
え〜、一席お付き合いのほどをお願いいたします。最近どうも、気候の方がお寒くなっているのに合わせて世の中もだいぶお寒い状態になっているようでして、何とか、この・・・してもらいたいものですねぇ〜、この前、「人間の世の中がこんなにお寒いと犬の世界の方にもだいぶ影響しますかな?」なんて、人間世界のお偉い人に聞かれましたが、犬の世界は至って脳天気なやつが多いもので、多少影響があったところで、気にはしませんな。「おいおい、なんだよ。また昨日と同じ夕飯を持って来やがった。世の中がしけてると、犬の飯までつまらないのを持ってくるぜ!!」何てぇ犬はほとんどいません。只、犬のほかの生き物というと、こうは行きませんようで、たとえば芋虫なぞは、「俺は芹の葉っぱしかくわねぇよ」何てぇのがいるかと思えば、「私はライラックの葉っぱしか食べないわ」何てぇ贅沢なのがありまして、これからお話しするのは、夏の夜にふさわしい因果話でございます。題して、「芋虫、虎太郎の因果応報」という実話でございます・・・・
本日より読み切りにて、つとめさせていただきます。では・・・・・・この続きは、また明晩と言うことで、お後がよろしいようでございます・・・
ご主人の談・・・・犬のくせに咄家気取りになってやがる・・・・犬が咄家になるのも、一つの夏の夜の怪談だな・・・しかも、なにをいっているんだか、意味がさっぱりわからない・・・・
7月30日 あめ・・・ざーざー
お昼寝ばかりで過ごしていたら、もう7月もそろそろ終わる・・・・僕の夏はいったいどこへ行ったのだぁぁぁ〜・・・・と叫ぶほど夏は好きじゃないけど、ご主人は、いつも夏になるとティシャツ一枚で僕と散歩をするのに、今年はその上にもう一枚羽織らなくちゃ涼しすぎて散歩にも行けないという。今日は、また雨降りで、涼しいかと思えば逆にムシムシする・・・早く、ミンミンゼミの声が聞きたいなぁ。赤とんぼも涼しいので山の上に避暑に行かないで平地で飛び回っている。涼しすぎる日は暖かい壁にへばりついたりしているよ。僕、ご主人に代わって、行方不明になっている、今年の夏のために犬同士の連絡網を使って探してあげるよ
「探しています!2003年の夏、
あなたの心にささやかな思い出を紡ぎ出すために・・・
犬言葉で、上の文字を言うと「わんわん、わお〜ん、わわわわん、わぉぉぉぉぉぉ〜ん」だよ。最初の「わんわん」は「皆さん聞いてください」と言う意味なんだよ。後は、自分の言いたいことを遠吠え状態で吠えあげるんだ。夏が早く見つかると良いね。ご主人!!
7月29日 うすぐもりのちあめ
今日は、朝から蒸し暑いような天候だった。蒸し暑いのは「犬の大敵」なので、おじいちゃんが畑仕事に来ているのを良いことに、お留守番を任せて僕はトラクターの下に潜り込んでお昼寝を決め込んだ。だいぶ、ぐっすりと寝込んだらしく、おじいちゃんがいつの間にかいなくなっていたのも知らず、お昼に、ご主人が帰ってきて寝ている僕の鼻先を突っついたのも知らずに眠りこけていた。ご主人は僕を突っついても動かないので「死んだのか?」と思って心配したそうだ。やがて僕は、ご主人に激しく身体を揺さぶられて初めて、我に返った。それまでは、夢の世界で楽しく遊び暮らしていたのだ。現実世界は人間にとっても犬にとっても世知辛いので、せめて夢の世界で好きなことをして楽しんでいた方が良い。かといって、夢の世界にばかり行っているわけにも行かない。とどのつまり、僕は熟睡をして「お留守番」を怠けてしまったことになる。そういうわけで、ご主人から「ねぼすけ犬」だの「熟睡犬」・・・挙げ句の果てには「ムツドック・イン・ザ・ドリーム」などと嫌みを言われ、僕としては大きな穴を掘って入りたい気分の今日この頃なのだった。
7月28日 はれっ!!
やっほ〜、今日は僕のお誕生日だ。僕、3歳になったんだよ!!。思えば長い人生の道のりだった・・・・生後50日で母親と生き別れになって、ふるさとを捨て、国を捨て、なげぇ渡世のわらじを履いて、流れ流れて出羽の国は本荘の犬の管理人というご主人に、飼い始められたのがこの身の定め・・・あれから、もう3年も、たったのかぁ〜・・・・おっと、思わずしみじみと過去を振り返ったつもりが、つい歌舞伎調になってしまったよ。ところで、今日は僕の誕生日ということで、かすかな、ほんのかすかな、ごく淡くはかない期待をしていたのだけれど、誕生日プレゼントというものはなかった・・・・しゅう〜ん・・・・今日の僕の誕生日を彩るものとしては、昨日のシャンプーで、きれいになった身体と、ご主人が夕方散歩の後に持ってきた、ご飯の上に突っ立っていた、3本の煮干しだけだ。・・・・3本の煮干しって?、もしかして、人間達が誕生日のケーキに立てるろうそくのようなもの・・・・つまり、犬の缶詰とドッグフードをご飯に混ぜて牛乳をかけたものがケーキというわけで、その上に立てた煮干しがろうそくというわけ?煮干しが3本で、僕の3歳を表しているわけ・・・・そりゃぁ、シャレにならないよ・・・・・ご主人・・・・
7月27日 はれ
本日、快晴、気温平年並み、という好条件の下、午前8時・・・・・・僕のシャンプー執行日時と決まった・・・事前に知らされていなかったけれど、ご主人がやってきて、いつも散歩の時に使う紐と、別な紐を犬小屋の上から取り上げた。その瞬間、僕は「シャンプーだ!!」と、悟り、必死になって逃げ回った。だが、所詮、紐でつながれている我が身が逃げ切れるわけはない。僕はあっさりと捕まって「シャンプー用の引きひもと、鎖状の首輪」をつけられて執行場に引き立てられた。やがて、少し熱すぎるほどの温水シャワーが身体全体に浴びせられ、おもむろに取り出された「薬用シャンプー犬用(除菌、ノミ取り)」・・・・・・それをご主人は何度も何度も僕の身体にこすりつけて泡立てていく。いつもは、ここで僕は暴れ始める。「イヤイヤイヤッ!!!」と・・・でも、今日はご主人がしきりに僕をおだてまくるので、僕は良い気持ちになっておとなしく洗ってもらっていた。それと、二ヶ月間もシャンプーをしていないので身体が臭くなってしまっているせいもある。シャンプーが終わるとリンスをしてもらって終わり、いつもは30分ぐらいもかかるシャンプーだったけれど、きょうは20分で終わらせることができたよ。はぁ〜、さっぱりした。今まで、汚れてごわごわだった毛がふんわりとして風に吹かれていて気持ちが良い。きょうは、良い天気だというので、ご主人も執拗に僕の身体を拭くようなこともしないで、「天日干し」に任せるようだ。でも、「魚の干物」なら「天日干し」も良いかもしれないけれど、僕は生身の身体なので、自主的に涼しいところで身体を「陰干し」にすることにした。よし!これで、いつシャンプーされるかと、毎日ビクビクしながに暮らす必要はなくなったぞ!・・・・・と、思っていたら、僕の世話が終わって引き上げていくご主人が、最後に一言・・・・「むつ、来週もシャンプーするぞ!!」だって・・・・・・ほんとに?、はあぁぁぁ〜・・・来週の天気が気になってゆっくりできないよ〜
7月26日 くもりときどきはれ
今日の夕方散歩は一生懸命走ったよ。舌をハァハァ出したよ。気温が低いので身体を動かして中から暖めなくちゃね。今時、犬小屋の座布団の上で惰眠をむさぼっているなんてシャレにならないからね。夏はなんと言ってもひんやりとしたコンクリートの床の上で寝そべっているのが一番なんだけれど、こんな天候だからしょうがないよ・・・・ところで、夕方散歩で一生懸命走った姿を遠くで見ていた近所の奥さんらほめられたよ「一生懸命走ってがんばったね」って!!本当の目的は遠くにワンコの姿を見つけたのでお近付きになりたい一心で走っただけだけれど、理由はどうでもほめられたのは、僕としてもうれしいよ。気温が低いから真剣になって走ったよ。それに最近の散歩はだいぶ走り込んでいるので身体がだんだんスリムになってきた。今までのデブデフの太った僕の身体で夏本番を迎えたらどうしようと心配だったけれど、ご主人の指導のおかげですっきりした体型になったよ。ご主人も少し運動をしてスリムな身体になった方が良いと思うよ・・・・・・・・きゃうん!!!ご主人、何をするんだ!!!僕は親切心で本当のことを言っただけなのに・・・・
7月25日 くもりいちじあめ・・・・でも、ちょっとさむい
しゅう〜ん・・・・きょうは朝から家に誰もいなくなった。僕一人でお留守番だ。家に誰かがいると、僕も気が楽なんだ。だって、「お留守番」の責任を人間に押しつけられるから・・・でも、誰もいないとなると、僕の責任重大だ。知らない怪しい人が来たら、一生懸命警告信号を発して「わんわん」と吠え立てるしかない。でも、もし、泥棒に入られたとか、なんかあっても、飼い犬のせいにしないでよね。だって僕、紐でつながれているから、さっきも言ったけど、吠えるしかないんだからね。だから、犬の能力を過大に評価しないでほしいなぁ・・・・ご主人!!
7月24日 あめのちくもり
朝、雨が降っていて散歩に行けそうもないので「朝寝」をしていた。座布団を三枚重ねたのに頭を乗せ、もう一枚はお腹の下に敷いて身体を丸めて「熟睡」していた。しばらくたって、誰かが近づいてきたような気配を感じたのだけれど、僕はぴくぴくと耳を動かしただけで、また眠ってしまった。すると、今度は「むつ、かわいい!!」という声がする。僕は「ビクン」として、両目をぱっちりと開けた。するとそこには、いつの間に近づいたのか、目の前で僕の寝姿を見つめているご主人がいた。かわいい女の子に「むつ、寝顔がかわいいっ!」などといわれたのなら、僕もうれしいけれど、男の人、それもご主人に寝顔を見られた上に「かわいい」などといわれては、恥ずかしくてたまらない。僕は、恥ずかしさを隠すように、わざと大きな欠伸をして、寝たふりをした。でも薄目を開けてご主人の動向を見張っていたのだ。「早くあっちへ行ってくれ!!」ってね。雨が降ったりすると、ご主人も暇なのか、僕に何をするか分かったものじゃないからね、たまらないよ〜
7月23日 はれのちくもつてあめ
夕方散歩も終わり、いよいよ僕のご飯の時間だ。僕のご飯は一日一回だけ、それも夕方にもらえる。ご主人は僕の散歩が終わると、水とご飯の食器を持って家の中に入っていく、そして、再びご主人が、たっぷりの水とご飯が入った食器を持って出てくるまで、僕は犬の作法に則って、「正しい伏せ」の格好で、じっと待ち続ける。「正しい伏せ」とは両後足を折り曲げて身体の線と平行になるようにして、その上にお腹を乗せる。前両足は、ピンとまっすぐのばして、前方に出す。頭も両前足と平行にならなければならない。ご主人が、家の中で僕のご飯を作ってくれているという、ありがたさに感謝しつつ、人間の世界にあるという、「禅の作法」にも似た、「正しい伏せ」の格好をして、ご飯を待っている僕なのだ。やがて、ご主人がご飯を持ってくると、僕は「正しい伏せ」から「正しいお座り」の体勢に変え、じっと「食べて良し」の号令を待つ。はぁ〜、ありがたや、ありがたや・・・・
そこで一句
、「夏まだ来、恵みしものの ありがたき・・・・・禄食」
7月22日 あけがたあめのちはれ
今日は、僕の「シャンプー日和」だった。でも気温が低いという理由で、ご主人は実行をためらっているようだ。気温が低いと言っても春先のような気温じゃあるまいし、きょう何か気温が27度にもなったんだよ。しかも、シャンプーは温かいお湯が出てくるシャワーを使うので、冷たいなんて事はない・・・・・でも、ご主人はためらっている。「今年は涼しい夏なので飼い犬がシャンプーしたために風邪など引いてしまったらどうしようか、いやいや、お間抜けな犬(人)は風邪を引かないと言うけれど・・・・」等々・・・一見すると飼い犬の体を心配している理想的なご主人のようにも見えるのだが、その実態は!!!「犬のシャンプーするのが面倒だ」という、この一言に尽きると僕は思っている。どうしてかというと、シャンプーしている時に僕は嫌がって動き回る。それを叱りながら中腰で僕の体を洗う、腰が痛い。終われば終わったで、僕の体を拭かなければならない。それも僕が嫌がって逃げ回る。僕が、じっとしていればすぐ終わるシャンプーもなんだかんだで時間がよけいかかってしまう。・・・・・そうだなぁ、もし、僕がこんな犬のご主人だったら、この犬のシャンプーをするのが嫌になるかもしれないなぁ・・・・結局、僕が一番悪いんだよ。自業自得だね。だからこうして、未だに冬の毛を身にまとって身体からくさいにおいがしているんだね。しゅう〜ん・・・・
7月21日 あめのちくもってゆうがたにまたあめ
今日は、御主人とボール遊びをいっぱいしたよ。でも、蒸し暑くてすぐばててしまうんだ。僕がね・・・・、それと御主人から、いっぱい、毛抜きをしてもらったよ。僕・・・・まだ、毛替わりが終わらないんだ。身体全体の1/3も終わっただろうか。梅雨が明けると本格的な夏の暑さがやって来るというのに、僕はまだ冬の毛で過ごさなければいけないんだ。これじゃぁ、なんのための毛替わりなのかわからないよ。いっそ、毛替わりなんかない方がいいと思うね。僕って毛替わりが遅い体質なんだね。御主人、抜くのがちょっとぐらい痛くてもかまわないから、どんどんブラシをかけて抜いてくれっ!!こんな毛並みじゃ、かわいい牝犬にもてないよ〜
7月20日 はれ
今朝まで雨降りだったけど日中はすっきり晴れたので蒸し暑くてしょうがない・・・・ところで、今日は一日中いろいろな人がやって来て楽しかったよ。午前中は、上のお兄さんのお友達と、その子供がやってきた。子供は、まだ2歳だって、僕と同じ年だね。同級生だ。しかも男の子。その子が、僕に「お座り」って言ったので、お座りして見せたよ。お昼になったら、昨日から何処かへ出かけていたお母さんと、お母さんの実家のおばぁちゃんがやってきた。僕はうれしくてぴょんぴょん跳びはねてお迎えをした。夕方の散歩の時は、何度も会ったことのあるビーグル犬に出会った。すれ違ってビーグル犬が去っていく時、僕は切なくて「きゅん、きゅん」と鳴いてしまった。向こうの方は知らんぷりだった。やっぱりふられたんだ・・・・はぁぁぁ〜・・・・犬の場合、雌は雄を選べるけれど、雄は雌を選べないんだ。つまり犬の世界の恋は雌である女王様の言いなりなんだ。でも・・・まあ・・・今日はいろいろな人や犬に出会えて良かったよ。
7月19日 くもりのちあめ
三日ばかり続いた良い天気も、今朝はク゛グッと気温が冷え込んで寒い曇り空の朝を迎えた。午前中からポツポツと雨が降り始めたんだけど、地面が濡れるほどの降りようじゃなかったんだ。でも、午後になると雨は本降りになってしまって、僕は作業小屋の床の上に寝そべって、しとしと降る雨を眺めているばかり・・・・と、言うわけで、今日は夕方散歩には行けそうもないので、ご飯を早めにもらって寝ることにしようと思う。と、言っても、それはご主人が決めることなんだけどね。今日は、お母さんも、上のお兄さんもいないのでご主人と僕だけ・・・・しかも、ご主人は4台あるガラクタのようなパソコンにインターネット同時接続を実現しようと取り組んでいて、僕なんか遊んでももらえない・・・・しゅう〜ん、ご主人とボール遊びがしたいよぅ〜・・・・・
7月18日 はれ
今日は、クワッ!!っとお日様の光が強烈に差し込んで、暑い一日になった。幸い、風が涼しげに吹いていたから、日向にさえ出なければ快適なお昼寝をする事が出来た。御主人に作業小屋の窓を全開してもらって、涼しい風を呼び込んでもらったよ。後は僕のお気に入りの場所になっている「トラクターの下」に潜り込んで、一日中うつらうつらと船をこいだり、ときには熟睡したりもしたよ。御主人はと言えば、暑い日差しの中で汗だらけになっている。勿論、そんな事は犬には関係がないので、「大変そうだなぁ、こんな暑い中で・・・・」と思いながら、ただ黙ってみているだけだ。今日は気温が28度にもなったから、御主人にいたわりの一声でもかけなくちゃと思ってはいるのだが、無口な僕はかけるべき言葉の持ち合わせもなく、ただただ見守っているだけなのだった。
7月17日 はれ
5月半ばから今頃にかけては犬にとって「恋の季節」なんだ。現に僕のお父さんとお母さんがその昔、恋をしたのが、5月28日頃だから、僕の誕生日が7月28日なんだ。犬の妊娠期間はだいたい60日なんだ。僕も今、大人になって「恋の季節」の真っ最中なんだよ。最も相手はいないけどね。でも、今日の夕方散歩の時、ご主人と散歩している一匹のワンコを発見した。いつか話したビーグル犬だ。なんだか雌犬のにおいがして、妙に後ろ髪を引かれる思いだ。今日もお互いのご主人によって、出会いはかなわなかったけど、僕、そのワンコに「一目惚れ」したのかなぁ・・・・何度も何度も、そのワンコの方を振り返るたびにご主人に叱られて、渋々別の道をたどる心境は筆舌に尽くしがたい・・・・あのワンコとの仲を引き裂こうとするご主人を恨みたくもなる。人間世界の言葉に、「人の恋路をじゃまするやつは、馬に蹴られて死んじまえ!」っていうのがあると聞いたことがあるけれど、犬の恋路をじゃまするやつは、何に蹴られるんだろうねぇ・・・・?・・・・・
7月16日 はれ
こんな時期の散歩は涼しい夜明け前か夕闇が迫る頃が良い。今日はご主人が一日何処かへお出かけだった。上のお兄さんが早く帰ってきたのだけれど僕のことなんか忘れてしまって、洗濯物も取り込んでくれないし、僕のご飯も散歩も知らんぷりだ・・・・お母さんも帰ってこない・・・それで、僕は誰かが帰ってくるまでうろうろしながら待っていた。8時頃になってやっとご主人が帰ってきたので、「待ってました!!」と、僕はぴょんぴょん跳びはねながら、そこいら中を駆け回ってお迎えをした。やっと散歩に行ける。散歩ひもを付けられて出発だ。西の空には、かすかに夕日の明るさが残っているけれど、あたりは真っ暗になって、僕の白い足が、くっきりと闇の中に浮かんでいるように見える。お芝居で「オオカミと7匹の子ヤギ」をやったら、足に小麦粉をつけて子ヤギたちをだますオオカミさんの役をやっても良いぐらいの白さだ。そんなわけで、涼しい時間の散歩は足取りも軽く、楽しく行ってきたよ。もう少し行きたかったけど、「山の下まで行くのは気持ちが悪い」と、ご主人が言うので、県立大学の付近を一回りして帰ってきた。山の下は、なんと言っても昔、戦があったらしいところだからねぇ、怖いと思うよ。僕も時々あそこには何かが潜んでいるのを感じることがあるよ。
7月15日 くもりときどきこさめ・・・さむい
ううぅぅっ・・・・昨日に引き続き今日もお腹の調子が、わ・る・い・・・どうしたんだろうなぁ。昨日は単なる「食べ過ぎ」だと思っていたけど、これは今はやりの「食中毒」ではないかと心配になってきた。まずは、そこらあたりに生えている雑草を食べて胃の洗浄をしよう。草と言ってもどれでもいい訳じゃあないよ。犬は本能で食べられる草を知っているんだ。・・・・・・・胃を洗浄したら少しは具合が良くなってきた。そんなところへご主人が夕方散歩のお誘いに来た。と、言っても強制的に連れて行かれるんだけどね。ご主人にとって僕の散歩は義務だからね。嫌でもつれていかなければならないんだろうなぁ。半ば惰性化した僕の散歩ではあるんだけれど、ご主人は、とにかく僕を連れ出した。散歩から帰って、いつものようにご主人がご飯を持ってきて「むつに謝らなければいけないことがある」という。何だろうなと首を傾けて聞いてみると、なんと牛乳が古くなっていて、それを3日にわたって僕の夕食にかけていたというのだ。ガウッ!!ガルルルル〜、なんて事だ、飼い主は自分の犬の健康に注意する義務があるのに、古くなった牛乳を知らずにとはいえ僕に飲ませていただってぇ!!僕は、怒髪天をつく勢いでご主人に文句を言った。・・・・ただし、心の中で・・・・これからはもっと気をつけてよね。ご主人!!
7月14日 はれ
夕日が西のお山と仲良くなって、そのお山に飲み込まれるようにお日様が沈んでいった。東の空には入道雲が天に向かってもくもくと伸び上がるように見えている。その入道雲に夕日が差し込んでとてもきれいだ。僕はそんな風景の中を、ご主人とゆっくりと散歩を楽しんだ。東の林の側にある溜め池のあたりから「かなかなかな」とカナカナゼミが鳴く声が聞こえる。「もうすぐ夏だなぁ〜」と思いながら、今日はめいっぱい走ることもしないで、ゆっくりと歩き散歩だ。ご主人は相変わらず自転車に乗ったままだ。「はぁ〜、久しぶりに気持ちの良い散歩だ」・・・・・・でも・・・・うううっ、お腹の調子が・・・なんだか悪い・・・昨日食べ過ぎたのかなぁ・・・精神的には気持ちの良い散歩だったのだが、肉体的には、ちょっとつらい散歩だった。やっとの事でお家へ帰ってきてほっとしたところで、ご主人が夕食を持ってきた。お腹の調子が悪いわりには食欲はあるんだよね。
7月13日 くもりのちはれ
夕方散歩の時、遠くに散歩しているワンコを発見!!、僕は昨日ご主人に言われた教訓を生かして風林火山の中の「早きこと風の如し」と、一生懸命自転車を引っ張りながら、そのワンコに肉薄しようとした。しかしそれに気付いた向こうのご主人は、ワンコとともに反転して元来た方向へ歩み去ってしまった。残念ながら僕はご主人に操られているのでそのワンコに近づくことはできなかった。そのワンコは赤犬だったよ。もしかすると柴犬だったかもしれない。柴犬は同じ日本犬なので、親戚に会ったようでうれしい。しかも僕と同じ赤毛の犬だ。昔から「一白、二赤・・・」というから赤毛の犬は結構評価されているようだ。白犬に負けるのが、ちょっと悔しいけれど、白毛の動物は神様のお使いだと言うから、しょうがない・・・えっ?「一白二赤・・・の意味はもっと別にあるんだ」・・・・ご主人がそういっているよ。どんな意味なのって聞いたら、恐ろしくて、犬にその意味を話すことはできないって言われちゃった。なんなんだろうねぇ?
7月12日 あめのちくもり
僕は「優柔不断犬」とご主人からいつもいわれる。と、言うのは散歩の時、草むらや電柱にオシッコを引っかけるとき、片足をあげて「引っかけようかどうしようか」と迷ったあげく、やっぱりやめたと足をおろして、またそこについたにおいをかぎ直す・・・・それを何度も繰り返して、やっと目的を達する場合と、もうそれっきりやめてしまうときもある。散歩に行くときも、行こうか行くまいか迷っているので、散歩に連れ出す気でやってきたご主人をいらだたせる。でも、僕の性格だからしょうがないよねぇ・・・ご主人は「飼い
犬としての条件」のところに「犬は即断即決を旨とし、不風林火山の如く有るべし」って条項を付け加えようかといっている。でも、さっきもいったけど、僕の性格だからなぁ・・・・まぁ、せいぜい努力してみるよ。やれやれ・・・・
7月11日 きりさめのようなくもりのような・・・・
夕方、ご主人がお仕事を終わった後、ブラシを振りかざしながら僕に迫ってきた。僕は何事かと立ち上がり、何をされても逃げられるように身構えた。でも、ご主人はブラシで僕の毛をくしけずってくれたんだ。ほら、ちょうど僕は毛がわりの時季なんだ。でも、なかなか抜け替わらないので、ご主人がじれったがって、僕の毛をブラシで抜いてくれるんだ。今日も、僕の頭の大きさぐらいの毛の固まりがブラシで抜けたよ。僕は、痛いぐらいに毛を引っ張られるので嫌だったけれど、動くたびにご主人から「動くなっ!」と叱られる。でも、いっぱい毛が抜けたので、体がなんだか軽くなったように感じられて、夕方散歩は風のように走ったよ。久しぶりに気持ちが良かったたよ!!
7月10日 あめふり・・・・しゅう〜ん・・・
今日は一日いっぱい、ザーザー雨が降っていたよ。僕なんかすっかり退屈してしまって、寝てばっかり・・・目を覚ますと欠伸ばっかりだ。たまに、ご主人が僕の様子を見に犬小屋へやってきたりすると、僕は大喜びでそこいら中を駆け回ったり、そこら辺に落ちている物を拾ってきてはご主人に持って行って見せびらかしたりした。今日のご主人は僕に甘い、朝も夕方も、雨のせいで散歩へ連れて行けないものだから、何かというとおやつをくれる。ご主人の「むつ、おやつ!」という声を聞くと、そばに走り寄ってお座りをする。すると大きな袋からひとつかみのおやつ煮干しを取り出して僕にくれるんだ。やっぱりそれも、一本、一本「食べて良し」の命令がないと食べられないんだ。面倒くさいけど、そういう風にしつけられてしまったので体がそんな具合に反応してしまう。いつかみたいに、ご主人の目を盗んで煮干しの袋を引っ張り出して、袋の中身を丸ごと食べたのが、つい昨日のことのように思えて懐かしい、あれからもう一年ぐらいも立ったのだろうか・・・また、いつか袋ごと食べられる日が来ないかとチャンスをねらっているのだが、あれ以来ご主人は用心深くなって、袋の置き場所を高い階段の上にしている。だから、今度から階段を上る訓練をしようと思っている。もちろん降りる訓練もだよっ!!
7月9日 くもりいちじおひさまもあり
今日のご飯には卵が入っている。まん丸お月様のような卵だ。ありがたくおいしくいただくことにしよう・・・・でもなぁ・・・本物のお月様はこのごろどうしているんだろうなぁ?この所、梅雨空が続いているのでお月様は顔を出したくても出すことができないでいるようだ。お月様が出ていると、僕はご先祖様の血が騒いで遠吠えをしたくなってしまう。それがまた僕の一番のストレス解消法なんだ。飼い犬は何かと束縛が多い・・・・楽しみといえば、ご飯に散歩ぐらいな物だ。家庭では、ご主人や家族に気を遣い、外では番犬としての仕事が重くのしかかってくる・・・・これじゃあ、月に向かって遠吠えでもしなきゃ、飼い犬なんかやってられないよ。はぁぁぁ〜・・・・・おっと、愚痴を言ってないでご飯を食べなくちゃ。「ぱくり!」あらあら・・・・愚痴を言っている間にご飯がすっかり冷めちゃったよ。夏だから「冷や飯食い」って事でシャレようかなぁ・・・
7月8日 あめのちくもり
やったぁ!!、今日の夕ご飯にお魚が入っているぞ、しかも鰺の唐揚げだぁ。いつも同じメニューのご飯を食べているから、今日のように、いつものと違ったものがご飯の中に入っているとうれしいんだよね。今が旬の鰺!しかも新鮮なものをすぐ唐揚げにしたらしい。でも、それって昨日の夕ご飯のお余りなんだよね〜・・・・・どうせ、今が旬の鰺を食べさせてくれるなら、調理したての物を食べさせてほしいなぁ〜・・・・・
7月7日 くもりのちあめ
今日は「七夕」って言う行事で、別れ別れに暮らす恋人達が天の天の川を挟んで一年に一度だけとデートをする日なんだって。犬にはなんだか理解できない行事なのだが、生憎天の川どころか、空はどんよりと曇って、夕方からは雨になってしまったよ。もっとも、雲の上では、ちゃんとお星様達がきらきら輝いているらしいから、一年に一度のデートもうまくいったことだと思うよ。
僕と言えば、畑にやってきたおばあちゃんから、煮干しをもらった。今日はとってもいい日だったよ。それに、夕方散歩は上のお兄さんと一緒だったよ。ご主人は、夜はお出かけでだいぶ遅くに帰ってきて、僕の頭を一なでしてお家へ入っていったよ。
7月6日 はれ
今日はすっきりと晴れて、夏らしく入道雲みたいなのが山の向こうに浮かんでいたよ。今日はご主人が黒い服を着てお出かけだ。でも、日曜なのでお母さんがいるから安心だ。少なくとも、散歩へ行けないとか、ご飯がもらえないというような心配はしなくてもいい。それに、日曜日に晴れたと言うことで心配していたシャンプーも今日はなさそうだ。ちょっと体が汚れてにおってきたのは確かだけれどね。
7月5日 くもり
今日はまともに散歩に行ったよ。夕方散歩もさぼらないで2キロコースをちゃんと行って来たよ。一杯走ったよ。ご褒美に、焼き肉をもらったよ、高級牛肉の様だ。さらに豚肉の焼いたのももらったよ。お母さんが持ってきてくれたんだけれどね。お肉を前にしての「お預け」はつらくて苦しくて、よだれがだらだら・・・・お母さんからの「食べて、良し!」の合図も待ちきれずに、隙を盗んで「ぱくり、ごくん」と丸飲みしてしまったよ。せっかく持ってきてくれたお母さんに申し訳なかったかなぁ、・・・・高級牛肉も、もっと味わって食べた方が良かったかなぁ・・・・でも、後の祭りならぬ、後は腹の中って感じだよね。でも、反省するのは、この後お肉をもらったときの事にしようと思う。
7月4日 あめがふったりやんだり
今朝は、ものすごい雨が降って、うるさくて眠れなかったよ。それに朝散歩も行けなかったので、今朝はつまらない一日のスタートになってしまった。雨は一日降ったりやんだりしていたのだけれど、時々お日様も顔を出したりしたんだ。変な一日だったよ。夕方散歩は小雨が降っていたけれど行くことができた。僕は「散歩だよ」というご主人のかけ声に、しばらく迷っていた。ハムレットのような心境だ。小雨が降っていたので濡れるのが嫌だったからだ。でも、一大決心をして勢いよく立ち上がってご主人の側にお座りをすると、ご主人は、待ちかねたように僕に散歩ひもを付けた。今日も自転車散歩だ。ところが・・・・散歩に出てまもなく「むつ、雨が降っているからもう少し行ったら帰ろう」という・・・・ご主人のその一言を聞いたとたん、僕はご主人の言う「もう少し先まで」行くのも嫌になって、4つ足を大地にしっかりと踏ん張って、いやいやをしながら散歩拒否をした。「おいおい、昔、人気のあった夫婦漫才じゃあ、あるまいし、散歩に出かけたばかりで、もう帰ろうよ〜、はないだろう」といわれた。止めてよ!犬に理解できないたとえ話を言うのは!!!とにかく、「家に帰りたい!!」と、あくまでも我を貫き通したおかげで、その場からご帰還と相成った。めでたし、めでたし・・・・・
ご主人の談
自己主張の激しい犬だけに、こうなると時々負けることがあります。罰として、むつには分からないように、夕ご飯のドッグフードをひとつかみ分減らそうかと思っています。
僕に分からないようにだってぇ!!それじゃぁ、罰にならないでしょう!!・・・・・
7月3日 はれ
夕方、お仕事から帰ってきたご主人が、僕に向かって一生懸命おしゃべりするんだ。僕は人間の言葉がよく分からないし、ましてや秋田の本荘弁はなおさらだ。ご主人が一生懸命しゃべっているのに言っていることが分からないからといって、あくびをしたり横を向いているわけにもゆかない・・・・ご主人の顔を見ながら、首を右に左に傾けながら言っていることを聞き取ろうと努力した。かろうじて、「さんぽ、おやつ、ぼーる」という3つの言葉は理解できた。でも何の話を言っているんだか・・・・・結局、言葉では分からなかったけどフィーリングで理解することができたよ!!なんのことはない、今日、ホームページに書き込む「むつ犬のおまぬけ日記」はどんなことを書いたらいいか僕に相談していたんだね。散歩の話題がいいか、、おやつ煮干しをもらったことがいいか、ボール遊びをして舌をハァハァ出したよって事を言っていたんだね。僕は一応アニマルセラピストだから、ご主人の愚痴や独り言、無駄話等々をじっと我慢して聞いてやらなくちゃいけないんだよ。
7月2日 はれ
午前中、泥んこになって田んぼにいたご主人だったが、お昼になるときれいな服を着て、黒く輝く靴を履いて、首には布きれのようなものを巻いてる(ネクタイ・・・?って言うものらしいんだけど、あれだったら僕の首輪の方がかっこいいと思うよ)そんな格好で、自転車に乗って何処かへお出かけだ。「お留守番」を言い渡される。夕方の散歩時間になっても帰ってこない。今日は幸いなことに、上のお兄さんが早く帰ってきていたので、散歩に連れ出してもらった。そんなところへお母さんが帰ってきて、僕のご飯を作ってくれた。すべてすんだところへ、ご主人が帰ってきて、僕の頭をなでて、今日の僕の長い一日は終わった。でも、家族みんなで僕の世話をしてくれるなんてほんとにありがたいと思うよ。家族に手を合わせたい気持ちだけど、犬にとって「手を合わせる」のは物理的に無理なのでしょうがない・・・・
7月1日 はれたりくもったり・・・でも、どっちかっていうと、くもりかな?
ご飯の時、ご主人が珍しくケーキのようなお菓子を僕にくれた。「わ〜い、わ〜い」パクリ、ゴクン!!あれ?柔らかいお菓子だと思ったけど、何か堅いものが混じっているぞ?噛まないで飲み込んだから、堅いものが喉を通りすぎていくのがよく分かる・・・・・はっ!!、今日はフィラりァの薬を飲む日だった!!うかつだった、いつも月の初めに飲まされるとは知っていたが、甘いお菓子の中に隠されて飲まされたので気づかなかったよ・・・・
いつか、この薬を「飲め!」、「飲みたくない!」とご主人と喧嘩したことがあってから、ご主人は姑息な手段を使って僕に薬を飲ませるようになった。まぁ、それはそれである種の楽しみではあるんだけどね。今度は、どんな手を使ってご主人は僕に薬を飲ませるのか・・・・?って感じでね!でも、これでパターンは決まりだね。甘いお菓子の中に隠し込んで飲ませる・・・・これだと僕は文句はないよ。甘いお菓子のおいしさに気を取られて気付かないうちに飲み込んでしまうんだからね。