むつ犬のおまぬけ日記
平成15年11月
11月30日 あめぇ〜・・・・
夕方、だいぶ暗くなってから御主人とお母さんが帰ってきた。お出かけしていたのだ。僕はもちろん「お留守番」を言いつけられたよ。すぐ帰ってくると言っていたけど、一時間ぐらい帰ってこなかった。やっと帰ってきた時、僕は「お帰り」の踊りを踊ってお出迎えをした。さぁ!!待ちに待った夕方散歩だ。でも、その前に御主人が車の中から買い物してきたものをおろして玄関に運ばなければいけないと言うんだ。僕は散歩に行くのが待ちきれなくて、「僕も一緒に玄関に行くよ」と言って付いていった。玄関にはいると色とりどりの冬の花や青々とした草木がおいてある。僕は、その中の一つでうす紅色をしたきれいな花がとても気に入った。だから、それを僕のものにしようとオシッコをかけようとした。すると、もうすこしで「ちゅ、ちゅっ」と出そうになったところで御主人に腰をぶたれた。「おしっこ、だめっ!!」って・・・・・・名残惜しかったけど、いつかオシッコをかけて僕のものにしてやるぞ!!と、心に誓って散歩に出かけていった。

11月29日 くもりのちあめ
最近めっきり寒くなってきたので、御主人は僕に「犬小屋の布団の上で寝ろ!!」とうるさい。僕がお昼寝でコンクリートの床の上で寝ているからだ。「はいはい・・・・自分が寒いと思ったら犬小屋の中で寝るよぅ。」・・・・・と言いたいのだけれど、御主人が僕の体のことを心配して言ってくれているので、そんなにつっけんどんな返答も出来ない。「はい!!どうもご心配をおかけいたしまして申し訳ございません。飼い犬の私といたしましては御主人と一身同体のこの身でございますので、ご忠告に従い早速、犬小屋の中で休ませて頂きます!!」と・・・・嘘でも本当でもこれぐらいの事は口に出さなければいけない。でも、本心と言えば「僕は北国の犬、秋田犬だよ。真冬の吹雪の中でも雪の上に寝ることが出来るんだからね!!こんな寒さぐらい、日向の中で寝ているのと同んなじだぃ!!」と、胸を張って主張したいのだ。だから僕は毎晩のようにわざと犬小屋の中に寝ないで、コンクリートの床の上で眠る。これはもう秋田犬の意地だね。・・・・・・・だけど・・・・・コンクリートの床の上に直に横たわるのもちょっと冷たい・・・・だから、小屋の中から薄いビニールシートを引っ張り出してきて、その上に寝ているんだけどね。「秋田犬の意地」を張り通すのも大変なんだ・・・・

11月28日 はれ
はぁ〜、暖かい!!きっと東京とか横浜とか言うところの冬はこんな暖かさなんだろうなぁ〜と、まだ行ったこともなく御主人からお話だけは聞いている未知の土地に思いをはせながら、のんびりとお昼寝を楽しんだ。何しろお日様の光が頼まなくても僕の毛の中にムリムリと入り込んでくる。「極楽、極楽」・・・・・今日一日、秋の日射しを楽しませてもらったよ。でも、日が陰ってくると、さすがに地面の上に寝ころんではいられない。それに今日は風が強かったから、午後になると冷え込んだよ。だから僕は犬小屋の中に引っ込んでのお昼寝だ。はぁ〜、今日も一日平穏無事に終わりそうだ。散歩にも行った。ご飯もたらふく食べさせてもらった。なんだかあまりにも平和すぎて恐い・・・・・・・

11月27日 はれ
いつも叱られてばかりいる僕は、一念発起して、今まで有り余るエネルギーを負の力・・・つまりいたずらや悪いことなどに使っていたのを改めて、プラスのエネルギーとして使うことに決めた!!それはどういう事かというと、僕の本来の仕事である、番犬の仕事に精力を傾けようと思ったのだ。今日の僕は小さなお山の上に陣取り、辺りを見回して、自分自身に緊張を強いた。・・・・のだが、秋日和の今日はことのほかお日様が暖かく僕の体の中にホカホカとしみこんでくる。つい、うつらうつらと舟をこいでしまう仕儀に至る。そんな僕を見て、畑でお仕事をしていたご御主人が「ムツ!!」と声をかける。僕は2度3度と名前を呼ばれて、「ハッ!!」と我に返り、辺りを見回して異常がないことを確認してほっとする。 そんなことを何度か繰り返したんだけど、夕方になった途端に忙しくなってきたよ。見慣れない人が数人僕の目にとまったので「わんわんわんわん、わぉ〜ん」と吠え立ててやった。そして、散歩の後、ご飯をもらう時に、今日の僕の勤務態度が御主人によって評価された。今日の評価は「お利口さん」だったよ。お利口さんの評価は御主人の最上級のほめ言葉なので、今日はご飯がおいしいと思うし、ゆっくりと眠りについて楽しい夢を見ることが出来ると思うよ!!!!

11月26日 くもり
今日の僕は、御主人から見捨てられた・・・・お昼過ぎに突然やってきた御主人は、きれいな服を着ていて両手に何か持っている。どうやらドッグフードの入ったカンのようだった。御主人はそれのふたを開けると僕の食器にザザ〜ッとドッグフードを開けて山盛りにした。「今夜は誰もいないから、これがお食事だ。」と言って出かけてしまった。・・・・・これが夕食だと言われて、そのまま夕方まで食べないで待っているお利口さんな僕ではないので、その場で食べ始めた。「ぽりぽり、がりがり・・・・・」余りおいしくない。やっぱり秋田犬にはお米のご飯が必要だ。こんな食事は明らかに御主人の手抜きだ。時間があればちゃんとした食事が作れるのに・・・・でも、しょうがないので食べ続けることにした。さすがに全部は食べきれない・・・・・それにドッグフードだけの食事は喉が渇く。飲み水もなくなってしまった・・・おいしくないのにただただお腹がふくれただけだった・・・・
幸い御主人が早く帰ってきてくれたので散歩には連れて行ってもらったよ。これだったら食べる時間が遅くなっても、ちゃんとした夕食を作ってもらいたかったよ・・・・

11月25日 あめ〜・・・・・
23日、24日と僕は2連休だった。おかげで暇をもてあましてしまった。だから今日は活発に活動することにした。この前、御主人が小屋の掃除でゴミを一カ所にまとめておいたのをかき回して、気に入ったものを口にくわえて持ち出し、思う存分じゃれたり噛みついたりして遊んだ。そして袋の中に入れてあるゴミをぶちまけて、それから、それから犬小屋の中に敷いてある毛布を引きずり出して・・・・等々と大変忙しかった。御主人は小屋の中で機械の掃除をしている。僕がゴミの山をガサガサかき回している音を聞きつけては「こら!!、いたずら犬!!」と怒鳴るけど、パワーが体中にみなぎっている僕は、そんな怒鳴り声なんか意に介さない。僕が散らかすと、御主人はそれを片づける。すると、また僕がそれを散らかすという、いたちごっこが一日中繰り広げられた。おかげで良い運動になったよ。もちろん、御主人にお叱りを受けて、ペンペンと叩かれたのはもちろんのことだけど、犬にとっては、明日になれば叩かれたことなど、遙か昔の出来事のように忘れ去ってしまうことだからどうと言うことはない。さて、お腹もぺこぺこだぁ〜。ご飯をいっぱい食べて良い夢を見るとしようかな。

11月24日 かいせい
今朝は、とても冷え込んだ。道路の水たまりや睡蓮を植えてある瓶の水に薄氷が張って辺り一面真っ白な霜景色だった。もちろん僕にとってはどうと言うことのない寒さだった。けれど御主人は僕と朝散歩に行く時は完全防備の冬構えの服装だったよ。僕から見たら笑っちゃうような格好だったけどね。朝散歩で、薄氷を僕の白毛の四本足で「パリン、パリン」と割ながら歩いていくのは気持ちの良いものだ。口から蒸気のような白い息を吐きながら、やっと顔を出した朝日に映える鳥海山の雪景を見ながら、ピンと張りつめた空気の中をゆっくりと足を進める。「はぁ〜、気持ちいい〜」・・・・・犬に生まれて良かったぁ!!と、思える瞬間だね。

11月23日 はれたりくもったり
昨日からお母さんの実家のおばあちゃんが遊びがてら泊まりに来ているよ。僕はいっぱい頭をなでなでしてもらったよ。
ところで、今日は「勤労感謝の日」なので、いつも「番犬」として休み無く働いている僕としては、今日一日ぐらいはのんびりとさせてもらおうと思った。幸い昨日とはうってかわった上天気の元、地面の上にごろんと横たわって秋の残り少ない日射しを楽しんだよ。宅配便のお兄さんがやってきても、一声も吠えなかったよ。だって年に一日ぐらい「完全休日」があっても良いのじゃないかと思ってね。えっ?犬は知らない人が来ると本能的に吠えたくなってしまうんじないのかって?、そう思うあなた!!それは犬をよく知らない人の言うことです。!!犬はいったん決めたら、それを貫き通すタイプの動物です。「今日は休み!!」と決めたらどこまでも仕事はしない意志堅固な動物なのです。
でも・・・・・・・仕事をしないと、とても暇なのです。今日は大きな欠伸が何度もでました。途中まで欠伸の数を数えたけど、余り多すぎるのでばかばかしくなって数えるのを止めてしまいました・・・・・

11月22日 ぼうふううのちゆき
ひぇ〜、昨日と比べたら気温だけでも10度も低い。おまけにものすごい風が吹いて、大きな体の僕でも吹き飛ばれそうだ。こんな日はおとなしく犬小屋の中で寝ていた方が良い。幸い、こんな天気なので御主人も家から出てこない。ところが、昼前に御主人がやってきて僕を呼んだ。イヤイヤ犬小屋から出てみると、見慣れない車が止まっていたので、あわてて一声吠え立てた。ぐっすりと眠り込んでいたのでお客さんが来たのに気が付かなかったんだ・・・・お客さんは御主人の従兄弟とか言う一で、奥さんと小さい坊やが一緒にやってきたよ。僕はご愛敬にと思って、尻尾を振り立てた。どうやらお客さんはそれで満足したようだ。家からお米を二つ持って帰っていったよ。やれやれ、これでまたお昼寝が出来る。午後からは雪も降ってきた。寒い寒い・・・でも、これって、初雪なのかなぁ?

11月21日 あめがふったりやんだり
今日は、僕、お利口さんだったよ・・・・・でも、お利口さんと言うよりはおとなしかったといった方が良いのかなぁ?、今日は一日雨が降ったり止んだりして何も出来なかったんだ。だから一日中犬小屋の中で寝ていたよ。あっ!!わすれていたよ。交換するために御主人が出しておいた車の冬タイヤにオシッコを引っかけたよ。御主人には内緒だけどね。御主人は午前中は事務処理とやらで家から出てこなかったし、午後はあちこちに支払いとやらで、何処かへお出かけだ。御主人が忙しそうなので僕がタイヤにオシッコを引っかけたのがばれなくて良かったよ。こうして、僕の一日は平穏無事に終わったよ。お散歩にも連れて行ってもらったし、後はご飯を戴くだけだ。おや?ご飯の上に見慣れないお魚が一匹丸ごとのっているぞ・・・・えっ?ハタハタだってぇ〜・・・・ハタハタと言えば秋田を代表するお魚だ。江戸っ子が何はさておいても初鰹を食したのと同じように、秋田の人間もハタハタが初水揚げされたと聞くと少々高くても買い求めて食べるんだ。僕も秋田犬だから、当然、ハタハタが食べられる時期を今か今かとよだれを垂らして待ち望んでている。でも、ついに!!、ついにその日がやってきたのだ。僕は感涙にむせびながら、ご飯の上に乗っているハタハタを口にくわえ、十分味わいながら食べた。「うう〜ん、おいしい!!!!!!」、時々の季節の味覚を味わえる飼い犬は幸せだなぁ〜

11月20日 はれ
家には土を盛ったお山が二つある。大きいのと小さいのだ。それは来年のお米の苗を育てるのに使われるんだけど、僕は夏にそのお山が出来てからずっとそのお山に上って見張りをしたり寝っ転がってお昼寝をしたりして親しんできたんだ。でも、今日11月20日をもってそのお山がなくなってしまった。と、いうのは、これから冬になると雪が降ってくるので土を小屋の中に入れて、寒さにさらしたり北風にさらしたりして、春までかかってじっくりと乾燥させるためだ。今までお山の形をしていたのが小屋の中に入ったら、丘のようになってしまった。おまけに、御主人から、この土の上で「上り下り禁止」さらには、「宝物の埋め込み禁止」、「オシッコとうんちの禁止」等をを言い渡されてしまった。はぁ〜、見晴らしの良いお山を消滅させたほかに、禁止条項が多すぎるのも困ったことだ・・・・でも、こんな禁止条項は早晩、僕の頭から消え去ってしまうことは僕が毎日ご飯を食べることと同じで当たり前のことだけどね。

11月19日 かいせい!!!
今日は御主人に2度も叱られた。一度目は、暇だったので作業小屋の中を物色していたらゴム手袋があったので片方をくわえて外に出て、ゆっくり座りながらカミカミして楽しもうかなぁって言うところを見つかってしまって叱られた。御主人は、そのゴム手袋を取り上げると、「いたずら犬!!」と恐い顔で僕をにらんで「ペンペン!!」と僕の鼻先を叩いた。僕は地面にはいつくばって、ひたすら恭順の姿勢を示した。2度目は、御主人がかぶっていた毛糸の帽子を盗み去った時だ。お日様が高く昇って暖かくなってきたので御主人は毛糸の帽子を脱いで自転車のサドルの上に置いた。僕はどういう訳か、その毛糸の帽子が欲しくて欲しくてたまらなくなり、御主人のスキをうかがいながら口にくわえた。ゴム手袋の件でこっぴどく叱られた教訓がまだ僕の頭の中に残っていたので、今度は慎重に行動した。そっと盗み去った毛糸の帽子を持って庭の隅へ行き、前足で穴を掘った。そして、その中に毛糸の帽子を埋めようとしたのだ。ところが、穴を掘り終わって毛糸の帽子を埋めようとしたその時、僕の行動に不審を抱いた御主人がやってきて、僕の犯行が露見してしまった。だけど、僕も黙ってはいられない。どうしても欲しかった毛糸の帽子だけに、低く唸りながらご主人を牽制してそれを離さなかった。僕と御主人はしばらくにらみ合ったまま、お互いに毛糸の帽子の所有権を主張しあった。でも、やはり飼い犬は御主人にかなわない・・・・しばらくして、僕はあきらめて毛糸の帽子を口から離したのだった。そして、やはり、その後に待っていたのはご主人のお叱りだったのだ。やれやれ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

11月18日 はれ
午前中は作業小屋の中で片づけものなどをしていた御主人だったけど、午後になるとトラックで何処かへ出かけてしまった。僕は一人になったので、我が家を防衛するために自分自身に対して、「非常警戒態勢」を指示した。そのまましばらく臨戦態勢で臨んだけれど、この時期には珍しく秋日和の上天気とあって、上のまぶたと下のまぶたが仲良くなってしまう・・・・うつらうつらとしながら、頭ががくんと垂れ下がるショックに「ビクンッ!!」と我に返って辺りを見回して「異常なし!!」、そしてまた、居眠りをするという、そんなエンドレスを繰り返していると、御主人が帰ってきてトラックからたいそうな荷物を下ろし始めた。それはみんな僕の食料だった。まず、ドックフード10キログラム入り一袋、犬の缶詰12缶、犬用ビスケット一箱等だった。僕があんまり物欲しそうな顔をしていたので。御主人は「犬用ビスケット」の封を切って僕にくれた。僕は初めて食べるものなので用心深く口の中に入れたのだけれど、これがとてもおいしい。「もっと、もっと」と催促すると、御主人もおいしそうに思ったのか自分の口の中に入れて食べ始めた。「ああ〜ん 僕の食べ物だよぅ〜」と言ったのだけれど、御主人は「おいしい!!」とうなった。人間が食べておいしいものは犬もおいしいに決まっている。僕はよだれを流して、ビスケットをくれるのを待っていたけれど、とうとうそれは袋の中にしまわれてしまった。「犬用ビスケット」は果たして僕の口に再び入ることがあるのだろうか?もしかして、御主人の口の中に入って、僕には回った来なかったりして・・・・・・?

11月17日 あめのちくもり
お家の人達が帰ってきた時に「お出迎え」をするのも飼い犬の大事な役目だ。犬はアニマルセラピストとしての役目も持っているから、お仕事で疲れていたり、外で嫌な事やつらい事があったりして落ち込んでいると大変なので一人一人を丁寧にお出迎えをする。一人一人に尻尾を振って、すり寄ってみたり、ぴょんぴょん跳びはねてみたり、植木鉢をくわえてみて笑顔を誘うようなこともする。いろいろなお出迎え方法を考えながら実践している僕なのだが、たまに「お出迎え」を無視されることがあると悲しい。僕のお出迎えを受けたら、いくらかでも僕に言葉をかけるか、なでなでしていって欲しいものだ。もっとも、「行ってらっしゃい」のご挨拶は余りしたことがない。気が向けばたまにしたりするけどね。・・・・・

11月16日 おおあめ、おおかぜ、おおかみなり・・・・のちはれたりくもったり
今朝はとてもびっくりした。今日は日曜日なので、犬小屋の中でのんびり眠っていたら、突然お空が青白く光って「ガラガラガラ、、ドド〜ン」という音がしたのでびっくりして飛び起きてしまった。その稲光と雷鳴は果てしなく続き、その後にはすごい風が吹いて、犬小屋の側に立てかけてあった板が風で倒れて、「バッタ〜ン」と、これもまたものすごい音を立てた。僕はもう恐くて恐くて、犬小屋の中などにはいられなくなった。素早く飛び出して、作業小屋の中に逃げ込んだ。ところが、その小屋の中には様々なものが乱雑に置いてある。僕はその中の一つ、鉄の足場に引っかかってしまったのだ。はずそうともがけばもがくほど何重にも紐がからみつき、僕はとうとう一歩も身動きがとれない体になってしまった・・・・・とうとう僕は雷と大雨と大風に恐怖を覚えながら、御主人がやってくるまでがんじがらめの状態で過ごさなければならなかったのだ・・・・

11月15日 はれのちくもり
今日も気持ち良く、目いっぱい走った散歩の後は楽しいお食事の時間だ。「お食事」と言うほど豪華な食べ物ではないけれど、人間達は動物たちに食べさせるものを「えさ」と呼んでいる。「えさ」なんて言う言葉を聞くとなんだかまずそうに聞こえるので、僕はこれを「お食事」と呼んでいる。言葉が違うだけでも同じものがおいしそうに聞こえるから不思議だ。さて、今日のお食事だけど、御主人がそれを持ってきて、「今日は新米のご飯だよ」と言ったのだ。「わ〜い、わ〜い、長い間待ちこがれた新米が今日から食べられるんだ」と大喜びをした。ところが・・・・新米でも中途半端に残ってしまったのを精米して食べているのだという・・・・一週間か10日食べたら、また去年のお米を食べなければならないのだという・・・・しゅう〜ん、まだ30キロも去年のお米が残っているというので、本格的に新米を食べることが出来るのは、お正月過ぎからだろうなぁ・・・・でも、今日のお食事は新米なので、何となくおいしいような気がするよ!!!

11月14日 はれのちいちじあめ
最近の僕は植木鉢にこっている。べつに植木鉢の色や形が良いなどと鑑賞しているのではない。プラスチックの植木鉢が気に入っているのだ。これに八つ当たりすると、すっきりとストレスが発散されるし、これをカミカミしていると暇つぶしにもなる。夜、寝る時も犬小屋の中に持ち込んで枕元に置いている。今朝も散歩の時、僕はこの植木鉢をくわえたまま散歩に行ったんだよ。田んぼの方まで、ずっと口にくわえたまま歩いていったよ。ところが・・・・道の真ん中になにやら赤いものが落ちている。ビニールの切れ端のようだ。僕は興味津々でそれに近づいて匂いをかごうとして、口にくわえた植木鉢を地面に落とした。赤いビニールの切れ端の匂いをかぎ終わった僕は、もう植木鉢のことなど、頭の中になかった。御主人が「おまえが持ってきたんだから、帰りもくわえて持って行け!!」と、無理矢理、植木鉢を僕にくわえさせたんだけど、僕はすぐ捨ててしまったよ。しょうがないので、御主人が植木鉢を家まで持って帰ったんだ。御主人にはご苦労をかけたけど、犬は気まぐれだからしょうがないよね。もっとも猫さんの気まぐれにはかなわないけどねっ!!!

11月13日 はれのちくもりもしょうしょうあったよ
最近の僕は散歩の時、手一杯、走る。御主人が「おいおい、もっとゆっくり歩け」と言っても、夢中になって自転車を引っ張って舌をハァハァ出して走る。御主人の乗った自転車がバランスを崩しそうになるぐらい引っ張って、ただひたすら走るのだ。それはなぜなのか?・・・・・・それは僕が、もの悲しい事実に直面しているからなのだ・・・・・・その事実とは、もうすぐ冬がやってくると言うことなんだ。冬がやってくると北国には当然、雪が降り積もる。そうなると、散歩に出かけることも出来ない日がたびたびある。ましてや自転車を引っ張って思いっきり走ることなど出来なくなるだろう・・・・だから、そんな日がやってくるまで、僕はひたすら走るのだ。お日様が沈んで、夕焼け色と空の青さが渾然一体となった空を見ながら走るのはとっても気持ちが良いよ!!

11月12日 はれたりくもったり・・・でも、どっちかっていうとくもりかなぁ?
御主人は、今日も忙しそうで、ちっとも僕と遊んでくれない。そこで僕は御主人に見せつけるように洗い場に置いてあったプラスチックの植木鉢を盗んできて、犬小屋の中に持ち込んで大暴れをした。昨日、御主人がきれいに僕の布団やシーツを敷いてくれた寝床の上で、植木鉢にじゃれたりひっかいたり噛みついたりして、きれいに敷かれた寝床をめちゃくちゃにしてやった。もちろん、その植木鉢は僕の歯で穴をあちらこちらに開けてやったので、もう使い物にはならないだろう・・・・でも、おかげでストレス発散と暇つぶしになったので良かったよ。御主人にも叱られなかったしね。御主人も、今日で籾殻はこびのお仕事は終わったようだ。明日っから僕といっぱい遊んでくれるかなぁ・・・・?

11月11日 あめ・・・
今日は一日雨だったよ。御主人も暇なのか時々僕の所へやってきては僕の頭をなでたりほっぺを引っ張ってみたりと僕をいじるのが楽しいみたいだった。ところが僕は大迷惑だ。雨音を聞きながらゆったりとお昼寝をしているのに、とんだ闖入者が現れて、平和を乱していく・・・・もちろん闖入者というのは御主人のことだ。
ところで、重大事件が発生した。御主人のホームページから、僕の恥ずかしいビデオが全世界に流出しているという噂が聞こえてきたのだ。僕も噂で聞いただけなので詳しい内容は知らないけれど、何でも、「大きく開いた何からピンク色の何がのぞいている」そうなのだ。それが2度も繰り返されている見るもおぞましい姿らしい。スロー再生すると、それはさらにえげつなく、見るに堪えない画像らしい。その画像を流出させた犯人はおおよその想像が付くが、ここでは飼い犬としての恩義があるので、犯人を特定しないでおこうと思う。早速、御主人のホームページにアクセスして、僕の恥ずかしいビデオ映像を見たら教えて欲しい!!その画像の内容如何によっては、犯人に噛みついてやる覚悟は出来ている!!!

11月10日 はれ
今日の御主人は、午前中、籾殻を運ぶお仕事をしていた。前に日記に書いたとおり、お家と田んぼの間をトラックで行ったり来たりする。僕は土のお山の上でのんびりとお昼寝兼見張りだ。僕は御主人がトラックで帰ってくるたびに起きあがってお山を下りていってお出迎えをした。僕があんまり律儀にお出迎えをするものだから、御主人も気の毒がって「ムツ、いちいち降りてきてお出迎えをしなくても良いよ」と言ってくれた。「えっ、そう、そうなの?」僕は飼い犬だから、御主人や家の人を出迎える義務が有る。それをやらなくても良いというのだから驚きだ。僕は御主人のお墨付きをもらったので、山から下りて地面の上にごろんと腹を出して横たわった。お日様がぽかぽかと僕の白いお腹を温めてくれる。「はぁ〜気持ちが良い・・・・」僕は手足をいっぱい伸ばしてお昼寝をしたよ。御主人がトラックで出かけていく時も帰ってきた時も、知らんぷりでお昼寝だ。そんなことをしていると、「ムツ、しっぽフリフリぐらいしろ」という・・・・「もう、わがままだなぁ〜、お出迎えしなくても良いと言うから、横になってゆっくりと寝ていたのに〜」こんなところが飼い犬のつらいところだ。御主人の気まぐれの命令にも従わなくちゃいけない・・・・
でも、今日の僕は横たわったまま、尻尾の一振りもしなかったけどねっ!!

11月9日 あめのちくもり
今日は寒い一日だったよ。御主人は午前中お仕事で草刈り機械を担いで出かけていった。午後からお母さんと御主人は何処かへお出かけのようだ。犬小屋の中で寝ていた僕の所へわざわざ御主人がやってきて「ムツ、お留守番を頼むぞ。お.る.す.ば.ん!!」と言いつけて出かけていってしまった。日曜日なのでお留守番はお母さんに任せておいても大丈夫だと思って、ゆっくりとお昼寝をしていたのにそうもゆかなくなってしまった。二人が出かけた後、僕は外に出て玄関がよく見える位置にフセの格好で座った。しばらく辺りを見回していたけれど、別に怪しいものは来ない。幸い、御主人達もすぐ帰ってきたので、僕は肩の荷を下ろしたような気持ちになって犬小屋の中に引っ込んだ。御主人、日曜ぐらい犬にも休日を与えて欲しいなぁ〜

11月8日 あめ
今日は一日、雨がシトシトと降り続けていた。雨降りというのはいつの季節でも嫌なものだ。春先は雨が上から降ってくるし、道路は雪解けのぬかるみで泥んこになっている。夏は、だだでさえ暑い季節なのに雨が降ってくると蒸し暑さが加わってくるから嫌だ。そして、秋・・・・冷たい雨が細々と降り続いて、やがてこの雨が雪に変わるのかと思うとやりきれない。だらだらと止まずに降り続ける雨は僕の長いオシッコにも似て、我が身から出るものとはいえ、うんざりする。今日は、一日犬小屋の中でお昼寝をしながら過ごしたよ。午前中、おじいちゃんとおばあちゃんが来てくれたのが今日の楽しい話題だったよ。僕は、いっぱいおじいちゃんになでなでしてもらったんだ。御主人は、今日一日なんにもしなかった。どうやらお休みらしい・・・・時々僕の所へ来ては僕にちょっかいを出していく・・・やれやれ、お愛想に尻尾を振るのも楽じゃないや・・・

11月7日 はれのちくもり
午前中、小屋の内外で忙しそうに動いている御主人の姿が見受けられた。トラックにお米をつけて何度も出かけていっては帰って来て、またお米をつけていく。それから稲刈り機械を小屋の中に入れて、大きな音がする機械で小屋の中のゴミを外に追い出したりしている。僕はゆっくり出来ないので土をもったお山の上に上って番犬のお仕事をしているフリをした。そんな御主人だったが、お昼ちょうどになるとよそ行きの服を着てトラックで何処かへ出かけてしまった。「やれやれ・・・・やっと何処かへ出かけていったか」と安心していると。サワサワサワ・・・・と、どこからともなく冷たい風が吹いてくる。午前中は暖かかったのに午後は冷たい秋の風に僕の身はさらされることになってしまった。せっかく御主人がいなくなったのに、地面の上にごろんと横たわってお昼寝することが出来なくなってしまったよ。仕方がないので犬小屋の中に入って寝たよ。あたりが真っ暗になったら御主人が帰ってきたよ。僕はうれしくて御主人に飛びついていったんだ。御主人は僕の体をもみくちゃにしてなでてくれたよ!!!

11月6日 あめのちくもりごごになってはれ
久しぶりに雨が降ったよ。でも気温が暖かいからあんまり気にもならなかったよ。
ところで、御主人は、よく僕に「犬は関係ない」という言葉を使う。たとえば、御主人が持っている.買い物袋に僕が鼻を近づけて匂いをかいだり、袋の中に鼻をつっこんだりすると「犬は関係ない」と言われる。散歩の時、すれ違う自動車をいつまでも見ていると、「犬には関係ない」と言われる。・・・・・もうっ!!、この世の中に必要のない生命があり得ないのと同じで、犬にとって必要のないものなどあるだろうか!!それは談じてないと言い切る自信が僕にはある!!犬は、その性質上、すべての事象に関して興味津々なのだ。臆病なのに、好奇心と食欲だけは旺盛なのだ。そんな犬に対して「犬は関係ない」とは御主人も犬を知らなすぎる。「犬は子供と同じでなんにでも興味を示す」、御主人はこの事を肝に銘じてもらいたい!!!!!!

11月5日 はれのちくもり
今日は暑くもなく寒くもない晴れて穏やかな良いお天気だったよ。最も、御主人は午前中はお米の袋をいじって汗をかいて、午後は籾殻を運ぶのに汗をかいていたから、御主人にとってはちょっと暑い一日だったのかもしれないなぁ?
ところで、犬には特技がある。それは、地面の匂いをかぎながらものすごい勢いで走ることが出来るのだ。ちょっと聞いただけではどうと言うことがないかもしれないが、地面の匂いをかぐと言うことは顔を地面の方に向けていなければならない。正確に言うと鼻を地面すれすれにくっつけて匂いをかぐことになる。その状態で走るとどうなるか考えてもらいたい。・・・・・・鼻を地面に近づけると言うことは目も地面の方を向いていると言うことなのだ。従って前方を見ることが出来ない。つまり、犬は目を使うことなく匂いによって方向を察知して走るのだ。どう、すごいでしょう!!4足歩行の犬ならではの特技なのだ。えっ、四本足の動物ならどんな動物でも出来るんじゃないかって?・・・・・・そっ、そんなことはないもん!!犬は野生時代、獲物を追うためにこの特技を身につけたんだもん!!だって、馬や豚が、匂いをかぎながら全速力で走るなんて考えられないよ。それに猫さんだって、こんな事はしないと思うよ。こんな事をするのは犬だけだもん!!!

11月4日 はれ
今日は平年並みの気温に戻った。でも、お日様が僕を誘っているので僕は午前中、地面の上に寝っ転がってお昼寝を楽しんだよ。御主人は小屋の中でお仕事だ。時々、僕の所へ顔を出しては僕をにらんでばかりいる。はっ!!そうだったのか!!僕は御主人がいない時と同じようにのほほんとお昼寝をしていたので、僕が怠けていると思ってにらみつけているんだ。そう考えた僕は、午後から土を盛ったお山の上に陣取って、番犬の仕事に汗を流した。ちょっとの不審な人物や車両などにことごとく吠えまくった。御主人は僕の仕事ぶりに満足したらしく、時々「ムツ、すこし休めよ」などと声をかけてくれる。こんな一言が僕の仕事の疲れを和らげ、仕事をしたなぁ〜という充実感に満たされる時なんだ。よし、明日もがんばるぞ!!・・・・・とはいうものの、明日は暖かい一日になる予報が出ている。うららかな天気の中で僕は惰眠をむさぼってしまうかもしれない。何しろ犬は自分の本能に忠実だからね!!

11月3日 はれのちくもり
今日は初夏を思わせるような暑さだった。日向で寝ていると、ホットプレートの上で僕がホットドックになって焼かれている夢を見てうなされてしまった。だから、僕はあまりの暑さに日向でのお昼寝をあきらめた。小屋の中の日陰でほっと一息ついていると、なにやら怪しい陰が忍び寄って来るではないか・・・・・?はっ!!午前中何処かへ出かけていた御主人がいつの間にか帰ってきて、僕に近づいてくる。そして一言、「シャンプー・・・・」と、僕はその言葉を聞いた途端に肌に「ゾゾゾ〜」っと鳥肌が立った。今の今までそんなことは思いもよらなかった。だけど、ただでさえ嫌なシャンプーが御主人の口から漏れ、なおかつ僕に迫ってくると言うことは・・・・ハッ!御主人は本気なのだ。と、思った。そしてシャンプー用の紐を手にしたとたん、僕は脱兎の如く逃げた。しかし、所詮は飼い犬の身だった。僕をつないでいる紐が逃亡を妨げ、その紐をたぐられて僕は御主人の手中におさまっってしまった。こうなればあきらめるしかない。「引かれ者の小唄」でも歌いながらシャンプー場に引かれて行こうじゃぁないか。その後は、皆さんがご存じの通り・・・・さんざんイヤイヤをしながらシャンプーは30分ほどで終わった。終わってしまえばこんなに気持ちの良いものはない。おそらく、今年最後のシャンプーだと思う。後は暖かい風に吹かれて、僕自身の体を乾かすだけだ。はぁ〜、気持ちが良い〜・・・・・えっ、「シャンプーの後が気持ちよかったら、最初から嫌がるな!!」って御主人が言っているよ。はぁ〜、やれやれ・・・・・・・

11月2日 はれ
防火週間が始まっているよ。夜の8時になると「火の元注意」のサイレンが鳴るんだ。僕はそれに合わせて「遠吠え」をいつもするんだよ。春の防火週間の時は「遠吠え」をしたんだけれど、途中で声がかすれたり、裏返ったりしてきれいな声で遠吠えできなかったけど、今年は実に、上手に歌うように遠吠えをすることが出来たよ。僕はこうやって防火宣伝にも協力しているんだよ。これって「自主的なボランティア」って言うのかもしれないなぁ・・・・でも・・・・見回りに来た消防団員の人に吠えたりして悪いことをしてしまったなぁ・・・御主人も元消防団員だったから消防団員のご苦労が分かるらしく、僕がその人に吠えたら、ひどく叱られてしまったよ。だから、お詫びに、今夜もきれいな透き通った声で遠吠えをして、「防火思想の普及」に努めるよ!!

11月1日 はれ

・・・・お腹をたたえる詩・・・・・
ご飯を待ち待ち、よだれが落ちる。ぽたぽた、ぽったんぽったりこん
ご飯を待ち待ち、喉が鳴る。ごっくんごっくんごっくりこん
ご飯を待ち待ち、腹が鳴る。ぎゅるるる、ぎゅるるる、ぎゅるるるん
ああ、待ちどうしきは夕ご飯、茶碗をたたいて催促しよか、
いやいや、犬には、そりゃ出来ぬ
やっと、出てきたご飯を前に、待てだの駄目だの、うるさい声が、
僕の耳を素通りしたら、やっとご飯を口にする。
偉大なお腹は僕の支配者だ。ぺろぺろぱっくん、ぺろりんこ
偉大なお腹は何でも飲み込むぞ。
鯨のお腹とおんなじだ。
もっともっとと催促したいけど、飼い犬の身がじゃまをする。きゅう〜ん・・・・

どうだった。これは僕が本能のおもむくままに作った詩だよ。飼い犬の切なさと家の者に対するいじましいばかりの気の使いようが切実に現れていると思うんだけどなぁ?最後の「きゅう〜ん」が、この詩の全体を引き締め、そして全体のもの悲しさを表しているんだよ。