平成16年2月
2月29日 あめ
今日は閏年の閏日・・・だという?何でも4年に一回だけ、一年間の日数が1日多いのだそうだ??・・・そんなことを言われても犬にはとんと理解できない。犬にとって、そんなどうでも良いことを考えるよりは、今日の雨降りについて考える方がよっぽど有意義だ。飼い犬にとって「雨降りは」その日の生活行動に関わる一大事なのだ。雨が降ると何も出来ない。外に出てうろついたり地面の上に寝ころんだりは勿論出来ない。しかし、飼い犬の行動の大半はこれら、寝ころんだりうろついたりすることに終始するのだ。だから、雨降りの日は犬小屋の中に入って、じっとお昼寝をすることしか行動パターンがない。今日なんか、御主人も暇なのか犬小屋をのぞきに来た。僕が大きな欠伸をすると、御主人もつられて欠伸をしたよ。それから又、同時に二人で大きな口を開けて欠伸をしたんだ。ふわぁぁぁ〜・・本当に雨降りって退屈で嫌いだよ・・・
2月28日 くもり
なんか・・・こう・・・散歩がワンパターン化してしまっているように感ずる。17時の時報音楽がなって僕が遠吠えをする。すると御主人が出てきて僕にお座りをさせて散歩紐を付る。「よし、こい!」の命令で僕は勇んで御主人の先頭に立って歩き始める・・・・帰るとご飯が来るまで待って、それを食べ終えると後は寝るだけだ・・・・ふぅ〜・・・これはこれで楽しいのだけれど・・・なんだかなぁ〜、いつもいつも同じ事を繰り返しているような感じで嫌なんだよね。飼い犬は平々凡々とした生き方しか出来ないのかなぁ〜、こんな思いを御主人に話したら「犬の生き方も人間の生き方も一緒なんだよ」と言った。人も犬も幸福なんて何処か遠くにあるように思っているようだけれど、実は目の前にあるんだ。ただ、それに気付いていないだけなんだよ。平々凡々とした生活なのは平和な証拠だ。一杯のご飯、一杯の水、それを日々いただけるだけで幸せなのだ。人間だって、犬といる幸せ、季節の移ろいの中で美しく感ずる風景や草花、それらを見ることが出来る幸せ・・・・多くを期待せず、望まず、その日その日が無事終わることだけを考えることこそ幸せの局地なのだ。御主人は、そう力説した。はあ〜・・熊狩り犬だったご先祖もそういう生活をしていたかもしれないけれど、それよりもっと以前の野生の犬だったご先祖は、その日の食べ物を得ることが出来るだけで幸せだったんだね。自由だったかもしれないけれど、自分が生きると言うことに対して自分自身で責任を持たなくちゃいけなかったんだね。その点、飼い犬の僕はお気楽でわがまますぎるかもしれないなぁ〜、よし!!ご先祖の生き方を実践してみようかなぁ!!その前に、僕を束縛している紐を何とかしなくちゃいけないなぁ・・・・
2月27日 くもりのちゆきがふったりやんだり
今朝は、かちんかちんに氷が張ってひときわ寒い朝になってしまった。雪がないだけに風景が寒々と感じられる。夕方には雪も降ってきて一面うっすらと白くなってしまった。この前の気温20度はいったい何だったのだろうと犬の僕でも首をかしげざるを得ない・・・人間の言葉には「三寒四温」という言葉があるらしい。今の季節、三日の寒さと四日の寒さが入り乱れてだんだん春に近づいていくって言う意味なんだよね。それにしても極端すぎるよね。でも、寒い日が2日も続いたから、そろそろ暖かい日があってもいいなって思っていたら、御主人が「なんか明日も天気が悪そうで雪も降るらしいよ」なんて事を言っていた。やれやれ・・・・春らしい陽気に出会うには3月を待たなくちゃいけないのかなぁ〜
2月26日 はれのちくもってときどきゆき
この前の暖かさで雪がすっかり消えてしまった。すると驚いたことに雪が降る前になくしてしまった僕の青い散歩紐が出てきたよ。御主人が犬小屋の上に上げて置いたのを僕がくわえて持ち出して、じゃれたりして遊んだんだ。それをそのまま片づけもしないで置いたままにしてしまったんだ。その夜・・・・深々と雪が降り積もり「青い散歩紐」はすっかり雪の下に埋もれてしまったのだった。次の朝、散歩へ行こうとした御主人は散歩紐がないことに気付いて「きっとおまえのせいに違いない!!」と決めつけた。そして、僕に探せと命令した。しかたなく、僕はあたりをうろうろと探し回るフリをした。当然見つかるわけがない。御主人は一生懸命探していたけれど、これも当然見つかるわけがない・・・深々と雪に埋もれてしまったんだからね。御主人はあきらめてトラクターで除雪を始めてしまった。いつか雪が融けたら、その下から「青い散歩紐」が見つかることを期待してね。そして、ようやくそれが見つかったって訳なのさっ!!僕なんか「青い散歩紐」のことなんか記憶の彼方に飛び去っていたので見つかった時はそれほど喜びもしなかったんだけど、御主人は「おおっ!!」と声を上げて散歩紐を拾いに行ったよ。おかげで何ヶ月かぶりで散歩紐を無くしたことをまたまた怒られてしまったよ。「そんなことはもう忘れてしまったって言うのっ!!」犬の頭の中のメモリー効果がどれほど短いか御主人が一番よく知っているはずなのに・・・・
2月25日 はれっ!!
なんか・・・こう・・・ぬるま湯にどっぷりとつかってしまって、出るに出られないような暖かさだ。お日様がポカポカの日だまりにごろんと寝ころんでしまったら、気持ちよくて、もう起きあがることが出来ない。不振人物が来ようが御主人がやってこようが起きあがれるものではない。そう思っているところへ御主人が洗濯物のかごを抱えてやってきた。僕は一瞬「ハッ!!」と緊張したけれど、僕なんかに目もくれやしない。久しぶりの上天気で洗濯物を外に干すのがよっぽどうれしいらしい。僕だって御主人がやってきたからと言って起きあがって愛想なんか振りまかないぞ!!身体の接地面積を出来るだけ多く地面にくっつけていたいから、ちらりと御主人に目をやっただけで堂々とお昼寝をしていたんだよ。「はぁ〜、気持ちいいっ!!」
2月24日 はれのちくもり
ものすごい風はようやく止んで、今朝はいつもの冬枯れた風景に戻った・水たまりには薄氷が張って朝散歩に行く時「パリン、パリン」と割ながら歩いていったよ。日中はいくらか暖かくなってきたんだけど、この前の暖かさとは比べものにならない。今日一日の僕のお昼寝場所は犬小屋の前に敷いた青シートの上だったよ。どうして犬小屋があるのに青シートなんか敷くんだろうと思っている人がいるかもしれないけど、答えは簡単だよ。「青シートがそこにあるから」だ!!御主人が僕の手の届かないところへでも片づけてしまったら僕は犬小屋の中に寝るよ。ところが、時々、片づけるものの、近くのトラクターの上とか積み重ねた肥料袋の上とか、僕の口が届くところに片づけるので、僕は又それを引っ張り出して敷いて寝ているんだよ。でも、早く暖かくなって青シートの上じゃなくて地面の上で思いっきりお昼寝が出来るようになればいいのにね・・・・おっと、17時の時報が鳴り始めたぞ!遠吠えをして御主人に散歩の催促をしなくちゃいけない「うお〜ん、うお〜ん、うお〜ん・・・・」
2月23日 ぼうふう!!
今日は昨日と違って台風並みの風が吹いている。時々雪も降ってくる。昨日の気温が20度もあったって言うから、今日の気温との差は17から18度と言ったところだ・・・・驚いたね。極端すぎるよ・・・・こんな日はおとなしく寝ているに限る。
ところで、昨日の夕方散歩の時、滅多に見られないものを見ることが出来たよ。なんと!!白鳥さん達の大群なんだ!!150羽もの白鳥さん達がそれぞれ群れを作りながら南西の空へ飛んでいったよ。お互いに鳴き声を上げながら力強く飛んでいた。それは犬の僕が見てもとても感動的な光景だったよ。でも?どこへ飛んでいくのかなぁ〜「白鳥の北帰行」と言うぐらいだから北の国に帰っていくんじゃないかと思うんだけど、それにしては帰る方角が反対なんだよね・・・・?・・・どこへ行くのかなぁ〜?
2月22日 うすぐもり
一昨日あたりから、ぼんやりと「春がやってくるんだなぁ〜」・・・・と思っていたら、今日もぽかぽか陽気で、今にも桜の花が咲きそうな暖かい1日になった。「春が来るのかなぁ〜」なんて言う生やさしいものではない。「わ〜い、わ〜い!!春だ春だいっ!!」と踊り出したくなるような暖かさだ。身体の奥底から躍動感があふれ出してくるようなさわやかさを感ずることが出来た。このままお花見にでも出かけたいような気もする。勿論、桜や梅の花はまだだけど、気持ちとしてはそうなんだ。ところで、水仙の花が咲いているのを見つけたよ。僕が庭木にオシッコを引っかけようと片足を上げたら御主人が止めるんだ。どうしたのかなぁと思ったら小さな水仙の花が5個ばかり花開いていたんだよ。それから、それから小さな虫さんが群れをなして飛んでいたよ。そして極めつけは、今日の僕の夕方散歩が「自転車散歩」だったことだ。道もすっかり乾いて自転車には最適の道になっていた。冬の間中「亀のようなのろのろ散歩」だったので今日の散歩は又格別の楽しさだった。ただ、冬の間、走ると言うことをしなかったので、すこし勢いを落として走ったのが残念だった。いきなり全速力で走り出して身体に負担をかけるのは嫌だからね。今日も良い1日だったよ。でも、人間の暦で言えば「春」になったわけだけれど、現実的にはまだ冬なんだから、この後、冬将軍の一暴れが恐いなって思っているよ。このまま春になってくれれば、こんなにうれしいことはないんだけどね・・・・
2月21日 うすぐもり
今日は昨日よりお日様の光は少なかったけど、なんだか空気が昨日より暖かかったような感じだったよ。勿論今日も地面の上にごろんと横たわってお昼寝したよ。昨日はのんびりと一人で休ませてもらったけど、今日は、朝から大忙しだ。灯油配達のお兄さんが来たのでひとしきり吠えた。午後からはお兄さんのバイク仲間がやってきた。みんな顔見知りなのでいちいち尻尾を振って愛想を振りまいた。
そうこうしているうちに黒い服を着て午前中から出かけていた御主人が帰ってきた。女の人の運転する車で送ってもらったよ。その人・・・何処かで見たことがあるなぁ〜って思い出してみたら、この前いきなり僕に抱きついてきた人だった。あの時は僕もびっくりして「ううっわんわん」とうなってしまったけど悪いことをしてしまったと思うよ。まして御主人の従妹だなんて知らなかったからね。
今度来た時は「お手」の一つとまでは行かないかもしれないけれど、尻尾を振るからねっ!!
2月20日 かいせいっ!!
今日は朝からすっきりと晴れ、ぽかぽか陽気だったよ。僕は白いお腹をお日様の方に向けてごろんと横たわった。地面も暖かくなっている。どこか、大空高く白鳥さん達の鳴き声が聞こえてくる。もうそろそろ北の国へ帰っていくのかなぁ?梅のつぼみもだいぶふくらんでいるようだ。御主人が庭を眺めながらそんなことを言っていた。「はぁ〜春だねぇ〜」本当に今日は春になったみたいだ。あまりの気持ちよさに「ごろんごろん」と寝ころんだまま身体をくねらせて地面に身体をこすりつけてみたよ。「はぁ〜気持ちが良い〜」このまま春になってくれたらどんなにうれしいことか・・・・・・
いつもは、うつらうつらと舟をこいでいるようなお昼寝なんだけど、今日は思いっきり、誰に遠慮することもなく熟睡したよ。だって、今日は御主人が秋田って言うところへお出かけしているからね。気を遣う人がいないので、今日は「休日」と言うことにしたよ。
2月19日 くもり
僕は、余りなでなでされるのが好きではない・・・・つまり、身体を触られてあちこちなで回されるのが嫌いだ。何も言わないで、なで回そうとすると、僕は急いで逃げてしまう。御主人もそれがわかっているらしくて、僕をなでる時は「なでなでするよ〜」と僕に一声かけてからなでる。僕はその声を聞くと「またかよ〜」とイヤイヤながら御主人の好きなようになで回させる。お腹や、胸などをなでてもらうと気持ちが良いのだけれど、頭をなでられるのは、いくら何でもごめん被る。人間の子供は頭をなでられて「良い子だねぇ〜」などと言われて悦に入っているようだが、犬の場合は頭に手をやられると、とっさに身の危険を感じてしまう。だから僕は「無愛想な犬」と見られているらしい・・・・・
2月18日 くもり
どうやら人間には決まった睡眠時間というものがあるらしい。昨日の夜遅く御主人が帰ってきたんだけれど、朝の6時半にはもう僕の所へ来て「ムツ、昨日置いてきたトラックを取りに行くよ」と言われて散歩代わりに付き合わされてしまった。御主人の睡眠時間は8時間から6時間の間らしい・・・・人間はだいたいこのような時間を睡眠時間に当てるらしい。ところが犬の睡眠時間というものは決まっていないし、犬それぞれの住む環境によっても違ってくるので、「僕は、私は何時間です」などとはいえない。犬は眠れる時に眠り、起きていなければいけない時はじっと我慢をして起きているのだ。だけど、睡眠時間と起きている時間を比較すると・・・・寝ている時間の方が多い・・・つまり・・まぁ・・・犬にとっては寝るのも仕事の内って所かなぁ〜・・・ふぁぁぁ〜、こんな事を言っている内に欠伸が出て眠くなっちゃったよ。
2月17日 くもり
夕方散歩の時、近所の奥さんと出会ったよ。奥さんは何処かへ出かけるらしくて僕達と一緒になって同じ方向に歩いたよ。僕は久しぶりにあったので、一緒に並んで歩きながらいろいろおしゃべりをしたんだ。「太ったねぇ〜」と言われたんだけど「冬だからすこしぐらい太らないと身体が持たないからね」と言っては見たものの僕もすこし気になっていたんだ。人間の世界でも太りすぎは禁物だが犬にとっても禁物だ。「犬は適正体重を保持し、常に不測の事態に対応できるように、その身体を縦横無尽に動かすことが出来なければいけない。・・・大日本犬国憲法第3条条文」とあるように犬にとっては身体が資本なので、太りすぎて身体が思うように動かないと言うことは死活問題なのだ。だから明日からはすこしダイエットしようかと思う・・・かといって食べ物を減らすことは出来ないしなぁ〜。後は御主人だけが頼りだよ。御主人が散歩の時もっと長い距離を歩いてくれたらなぁ〜・・・・僕のためにもなるし、御主人のダイエットにもなるんだよ!!・・・・これは御主人に内緒の話だけれど、御主人はもう10キロやせて若き日の体重を取り戻したいらしい・・・・
2月16日 ゆきがちらちら
昨日からのすごい風は一応収まったようだ。気温もすこし高かったので、あたりの雪はすっかり消えてしまっている。こうなると散歩に出かけた後、僕のお腹と足は泥んこになってしまうので困ってしまう。
ところで、今日の夕ご飯の時、僕は本当のおまぬけ犬になってしまったよ。御主人がご飯を持ってきたら、きちんとお座りをして「良し」の号令を待たなくちゃいけないのに、僕はただ「ぼ〜っ」と突っ立ったままだった。別に他のことを考えていたわけではない。犬にとってご飯より大切な事なんてこの世にないからね。僕は頭の中が空っぽになった状態でご飯を目の前にして立っていただけなんだ。御主人もすぐ「お座り」と注意してくれたらいいのに意地悪くだまっている。僕がいつまでもお座りをしないものだから業を煮やして「ご飯の時はどんな格好をするんだ」とねちねちと小言を言い始めたよ。それでも僕は「ぼ〜っ」と突っ立っていたんだ。おしまいに御主人がイライラし始めて「お座り!!!!!」と命令した。僕は「はっ!!」と我に返り、即座にお座りをしたよ。その後、ご飯を戴くまでが長かった・・・・お座りの後、フセをさせたりお手をさせたりし始めるんだ。僕もいい加減、嫌になったので「わん!」と吠えてしまった。最後に御主人も面倒くさくなったのか、「良し」という号令をかけてくれて、やっとご飯にありつくことが出来た。やれやれ・・・
2月15日 ふうう
朝からものすごい風が吹いている。東京あたりじゃ「春一番」なんて言っているけれど、ここら辺の大風はこれからの吹雪を予感させるようで嫌な気持ちになる・・・・僕と御主人は朝散歩に出たのは良いけれど、すごい風の強さで吹き飛ばされそうになる。しっかりと足を地面に踏ん張っていないとよろけてしまう。僕なんか電柱にマーキング(オシッコをかけること)しようと片足を上げた途端、風にあおられてよろめいてしまった。あまりのものすごさに僕がお腹の中からいくつかの固まりを落とした段階で「ムツ帰ろう」の言葉が御主人から漏れた。僕達は大急ぎで家に帰ってきた。いつも裏口でもらう散歩帰りのおやつも、ドアが風であおられると大変なので玄関でもらったよ。ここで、僕はまた家の中に泥足で入り込んでしまったんだ。だって、おやつが待ちきれなかったんだもん!!・・・・今日は厳しくしかられたよ。僕には同じ事をした前科があるからね。御主人は僕の泥の足跡を拭いたモップを振り上げ、手で僕の鼻先を「ペンペン」と叩いた。勿論、僕は緊張の余り目を固く閉じて、身体を固くしてそれに耐えた。叩かれること自体はそんなに痛くはないんだけれど、御主人の「お叱りの言葉」が一番精神的に応える。「犬という動物は学習能力がないのか!!」とまで言われたら僕も反論したくなる。でも、こんな状況で反論なんかしたら御主人の「お叱り」が長く続くことになる。それこそ「火に油を注ぐ」と言ったことになりかねない。だからだまって耐えていた。でも、学習するのは犬にとって都合の良いことばかりなんだよね。都合の悪いことを学習してもな〜んにもならないもんね!!
2月14日 うすぐもり
今日は暖かかったよ。お日様が薄い雲を通して見えている。この前すっきり晴れた時は、お日様の光は暖かかったのだけれど、風が寒かった。でも、今日は空気全体が暖かくてとても気持ちが良かった。小さな虫が暖かい日だまりの中を飛んでいるのが見えたよ。人間の気温で言うと10度ぐらいにもなったんだって。東京あたりでは梅の花も咲いているって言う話だから、ここら辺もたまにはこんな暖かい日があっても良いよね。でも、冬の寒さはこれからも続く・・・・だけど僕・・・寒いのはもう良いよ・・・いくら北国の犬だからと言って毎日毎日、雪の中じゃ嫌だよ。早く毎日暖かいお日様の下でお昼寝がしたいなぁ〜
2月13日 くもり
御主人は昨日から、黒い服を着てお出かけすることが多い。今日もそうだった。おかげで僕の散歩にも影響が出ている。ご飯は何とかもらってはいるけれど、夕方散歩は行けない・・・・・御主人がお出かけしているので、なんとなくつまらない。退屈を紛らわすために小屋の中においてある空き箱なんかを引っ張り出して、それにじゃれたりして遊んでいる。まるで猫のようだと我ながら思う。もっと犬らしい遊びがあるはずだと思うのだけれど、僕にとっては「ものにじゃれつく」という遊びがとても楽しい。でも・・・・御主人と遊ぶ時は何をやっても楽しい。この時が僕にとって最高の遊びだ。だから御主人が帰ってくると「ぴょん、ぴょん」と飛び跳ねて、「遊ぼうよ」と誘う。お義理に遊びに付き合ってくれることもあるし、頭を一なでしてさっさと行ってしまうこともある。そんなときは、御主人に直接不満は言えないので、今まで遊んでいた空き箱に八つ当たりをする。噛みついたり爪でひっかいたりするんだ。早く御主人が僕とゆっくり遊べる日がやってこないかなぁ〜
2月12日 ゆきのちくもり
僕達、飼い犬は、いくらお腹が減っても拾い食いは厳禁だ。もし、散歩の途中でおいしそうなものを見つけても口を出して拾い食いすることは許されない。もし、それを拾って口に入れようとでもするものなら、御主人から「駄目!!」と鋭く注意され、それでも止めない場合は足で鋭いけりが入れられ口元を蹴飛ばされてしまう。それはそれは恐ろしい体罰が待っているのだ。これはひとえに御主人の愛情なのだと言うことは僕にも理解できる。つまり道ばたに落ちている食べられそうなものは出所がわからない、食べ物のように見えているけれど中に毒が入っているかもしれないのだ。だから御主人は飼い犬がそれを口にしようとした途端鋭いけりを入れる。御主人がこんな事をするようになったことについては訳がある。これからお話することは御主人の悲しい過去の物語だ・・・・・僕の先輩犬である秋田犬のまるさんが元気だった頃の話だ。夕方散歩に出かけた御主人とまるさんだったが、まるさんが道ばたで骨のようなものを見つけて口にくわえてしまった。まるさんは普段から拾い食いしないように躾られてはいたのだが、この時はよほどお腹が空いていたのか、つい落ちているものを口に入れてしまった。あわてた御主人はまるさんの口元に手をやって拾ったものを奪い取ろうとしたんだ。だけど、時すでに遅く、まるさんはそれを「ボリボリ」と音を立てて食べ始めていた。そんなところへ御主人が手をやったものだから、拾ったものと一緒に「がくん」と指を噛まれてしまったんだ。勿論、まるさんは御主人を噛むつもりはなかったのだけれど、御主人の指を食べ物と間違えて噛んでしまったんだね。おかげで御主人の親指の爪は真ん中に鋭い犬の牙の跡が付いて、みるみるうちに内出血のどす黒い血が半透明な爪の下に流れ出たそうだ。この傷はしばらくの間痛み、傷そのものが跡形もなくなるのに半年かかったそうだ。それから、御主人は飼い犬が拾い食いしようとすると自分の足で鋭いけりを入れるようになったのだという・・・・けりを入れられたのは僕と、僕の先代犬のまるさんだけだけれどね。これが「愛と哀しみに満ちた恐怖の物語」の顛末だ。題して「飼い犬に手を噛まれる!!」かなぁ・・・犬用映画にでも出来そうなお話だね。今年の芸術祭犬映画部門参加作品の原作にでも使ってくれないかなぁ〜・・・・あっ、採用されたら著作権は僕のものだよ。御主人なんかにやったら駄目だよ。そうだなぁ〜著作権料は牛肉一年分が良いと思うんだけどなっ!!
2月11日 はれ
今日は朝からとっても良い天気だった。朝日が雲にじゃまされずに「すすすっ〜」と流れるように昇ってきた。「はぁ〜、ありがたや、ありがたや」と昨日と同じようにお日様に向かって手を合わせた。ただし、犬の手(前足)は、手を合わせることが出来ないような仕組みになっているので、「ぴよん、ぴょん」と飛び跳ねて前足を地面に何度か打ち付けた。これは人間の世界で神社とやらに参拝する時に打つ「カシワデ」?とか言うものに似ていると思い、まねをしてみた。ついでに御主人が散歩に連れ出しにやってきた時の「喜び」を表現するための儀式としての意味合いもある。
やがて、お日様が空高く昇って、あたりに残った雪がきらきら輝いて見える。そして、うれしいことに犬小屋の前の地面もお日様の熱が乾かしてくれたよ。僕は、そこにのんびりとフセの格好をしてお昼寝を楽しんだ。時々御主人がやってきて、「お日様、良いなぁ」と言いながら背中やお腹をなでてくれる。僕は気持ちよさそうに、ごろんと横たわってお腹をお日様に向けた。お腹の方の白い毛がきらきら光って見えるような気がする。まるで僕の白いお腹が、あたりに残っている雪と一体になったようだ。御主人はボール遊びもたくさんしてくれたよ。久しぶりに皮で出来たサーカーボールを出してくれた。こうして、僕の楽しい休日は終わってしまったんだ。夕方頃になって曇ってきたのは残念だったけどね。
2月10日 ゆきのちはれたりくもったり
午前中、お日様の淡い光の中を綿雪がゆっくりゆっくり舞い降りてきた。白い雪がお日様の光できらきら輝いて見えるんだ。とってもとってもきれいだったよ。僕も犬小屋の前に敷いた青シートの上に寝そべってそれを見ていたんだよ。のんびりとゆったりした気持ちになれたよ。午後になったら雪も止んでお日様もすっきりと顔を出した。この所、続いた寒波にはさすがに「北国の犬」を自称する僕でも参っていたところだったので、大喜びで外に飛び出して地面の上にべったりと座って日向ぼっこを楽しんだよ。日射しの弱い時期の日向ぼっこは一段と暖かくて、そのありがたさが身にしみる。ありがたさと同時に僕の毛皮の奥底までそれがしみこんで来るので感動すら覚える。そのありがたさにお日様に手を合わせたいような気持ちになってしまう。最も、真夏のカンカンでりのお日様には「もう、良いから引っ込んでください」とお願いの手を合わせたいような気持ちになるけどね。
ところで、今、雑誌で評判の「柴ワンコ」って知ってる?かわいいよね!!秋田犬じゃないけど僕のお嫁さんにしたいぐらいだ。でも「柴ワンコ」ってメスなのかなぁ〜?
2月9日 もりときどきゆき
今日の夕ご飯に赤色と緑色をしたものが入っていた。僕は今はやりの合成着色料とやらが入っている食べ物かと思って「こんなものを僕に食べさせるなんて!!」と御主人に抗議をした。すると「それは、トマトとブロッコリーだよ」という・・・トマトは千葉と言うところにいる人から送られてきたものなんだって。最初は食べたくなかったけど、最後にはペロリと食べてしまったよ。そんなにまずいものじゃなかったよ。
ところで、最近、御主人は家の中に閉じこもってばかりいる。伝え聞くところによれば、「けつさん」という人とお仕事をしているらしい。家の中に閉じこもってやるお仕事だから肉体労働ではないようだ。犬の仕事はどちらかと言えば肉体労働だ。犬の頭脳労働なんて言うのは余り聞いたことがない。犬が頭を使う時は、好きな食べ物を二つ以上並べられて、どっちから食べようか悩む時ぐらいだ。人間が頭脳労働すると言うことについては犬としても尊敬している。きっと複雑な事を考えながらやっているんだろうなぁ〜と思っている。お家の中でどんな頭脳労働をしているのか疑問に思ったので、夕方散歩の時にやってきた御主人に「ねぇ、ねぇ、けつさんって言う人は僕、一度も見たことはないけど一緒にどんな仕事をやっているの?」と聞いてみた。すると、驚いたことに「けつさんというのは人ではない」という。「さん」と付くぐらいだから「けつ」と言う名前の人かと思っていたらそうじゃないという。「決算と言うことをやっているんだ」とご主人は言った。僕はなんのことなのかわからないので首をかしげていると「去年一年で、お金がいくらはいってきていくら出て行ったか計算をしているのだ」と説明してくれた。そうしないと、後で国税庁というのがやってきて、恐ろしいことになるのだという・・・・国税庁?ゴジラみたいなものかなぁ?、でもゴジラだったら御主人は大好きで人形も集めているって事だけど・・・?、なんて思いながら、いろいろと御主人に説明してもらったけれど、僕に理解できたことと言えば「けつさん」が人ではなくて「決算」というお仕事なのだと言うことだけだった。
2月8日 ゆきがふったりやんだり
今日は午前中にお日様も見えたけど、午後になって大雪になってしまったよ。午後からだけで15センチぐらい積もったのかなぁ〜・・・
ところで、今日は御主人のお誕生日だったよ。別に僕からは「おめでとう」とは一言も言わなかったけどね。僕は御主人のお誕生日は覚えているんだ。ただ僕がそれを覚えていると言うことを御主人は知らないらしいんだ。でも、そのこと(御主人のお誕生日)を僕が知っているとわかっていたら、ただでは済まない。きっとプレゼントを要求するに違いない。「おまえの誕生日(7月28日)にはいつもプレゼントしているじゃないか、だからおまえも!!」と・・・でも、僕にはお金というものがないから何も買えないし、今は冬だから何処かからなんか拾ってきてプレゼントすることも出来ない。僕に出来る最大のことと言えば、御主人が飽きるほど「お手」をしてやったり、僕の身体を御主人にこすりつけたり、顔をぺろぺろとなめてやったりするぐらいだ。でも、まぁ、御主人は自分自身にプレゼントをしたらしいから僕としては余り気を遣う必要はないんだけどね。なんでも「おずさん」という人が撮った映画のでーぶいでー詰め合わせセットだったらしい。・・・・・・御主人がそう話してくれたよ。どんなものかは理解できないけれどね・・・・
2月7日 ゆきがふったりやんだり
夕方の5時の時報が鳴ったので、僕は「うお〜ん、うお〜ん」と遠吠えをして御主人を呼び立てた。外は相変わらず強い風が吹いているけれど雪は止んだようだ。降り積もった粉雪が強い風に吹かれて、まるで煙のように空に舞い上がっていく。御主人は相変わらず顔も見えないぐらい頭のてっぺんから足のつま先まで完全防寒体勢だ。それでも「寒い寒い」と言っている。僕は春風に吹かれるように足取りも軽く寒風吹きすさぶ中を散歩に出かけたよ。5時を過ぎたとはいえ外はだいぶ明るい。しばらく歩いて、ふと、家の方を振り返ると、お家の作業小屋の所にかすかに車のライトが見える。「あっ、お母さんが帰ってきたんだ!!」と、僕はとっさに思った。僕の散歩紐を握る御主人に「お母さんの所へ行きたいから手を離してくれ」とお願いをした。御主人は僕を放したところで宇宙空間まで逃げ去っていかないことは分かり切っているので、すぐさま手を離した。その途端、僕は遙か彼方のお家を目指して、まっしぐらに走っていった。「早く、早く、お母さんがお家の中に入ってしまわないうちにたどり着かなくては・・・」僕は舌をハァハァ言わせながら懸命に走ったよ。やっとお母さんの所にたどり着いて手に提げている買い物袋をのぞくと僕に関係のあるものは一つもなかった。お母さんは僕に一声かけただけでお家の中に入っていってしまった。僕は何かもらえると思っていただけにガッカリしながら呆然と犬小屋の前に突っ立っていた。そこへ、やっと御主人が帰ってきて僕をお家の玄関に連れて行ってくれたよ。僕は再び、何かもらえるのかと思ってわくわくしながら付いていった。思った通りだ!!午前中買い物に出かけた御主人が僕のために犬ビスケットを買ってきてくれたんだ!!僕はそれを3個もらうと満足して犬小屋へ引き上げた。余りたくさんもらうと、これから戴く夕ご飯がおいしくなくなるからねっ!!
2月6日 ゆき
今朝も散歩から帰ってきて裏口に向かってまっしぐらにかけていった。でも、なかなか裏口は開かない。「まだかな、まだかな」と思っているところへ御主人が帰ってきた。「むつ、玄関の方にいってごらん」と言われたので、僕は大急ぎで玄関の方に走っていった。御主人が戸を開けてくれて、玄関の真ん中にお座りをさせられる。そこで、僕はまたまた、じっとお母さんが現れるのを待っていた。そうしていると御主人がいなくなってしまった。僕はじれったくなって玄関の上がり口にそっと前足を乗せてあたりの様子をうかがった。「よし、誰も見ていないな」と、前足に力を入れて踏ん張り一気に家の中へあがってしまった。そして、悠々と台所目指して歩いていったのだ。台所でおいしそうなものを物色しているとお母さんがやってきて、怒鳴られた。そして、裏口の戸を開けられ外へ追い出されてしまったのだ。勿論おやつはもらったけどね。おやつをもらうまで僕は裏口をてこでも動かない、そんな覚悟で毎日ここにやってくるんだよ。
2月5日 くもり
この所、毎日寒い日が続いている。僕の飲み水もカチンカチンに凍り付いてしまっている。夕方散歩が終わってご飯をもらう時、水も新しく取り替えられるんだけれど、朝になるとカチンカチンだ。だから喉が渇いた時は凍っている雪の固まりを拾ってボリボリと食べている。雪を食べることもあるけど、雪は見かけの量ほど水分を含んでいない。氷の方がずっと喉の渇きをいやしてくれる。でも、きれいな氷ばかりだと良いけど、時々茶色になった氷もあるんだよ。泥が雪と混じりあって凍ってしまったんだ。こんなのも時々食べなくちゃならない。ある時、見かねた御主人が新しい水を持ってきてくれたことがあるけれど、僕はそれを見向きもしないで、氷を拾い食いしていたこともあった。僕って水より氷の方が好きなんだね。今時の水って舌でぺろぺろとすくい飲むと、そのしずくが口の周りやおひげに付いてしまうから、冷たくて嫌なんだ。時々、冷蔵庫で出来た氷を御主人がくれることもあるけど、冷蔵庫の氷って余りおいしくないよ。やっぱり天然の氷が一番おいしいよ。ちょっとぐらい泥が付いていてもね。
2月4日 くもり
朝起きたら、すごい寒さで僕の家の前にいっぱい雪が積もっていた。風も強かったので吹きだまってしまったんだろうなと思って外に出てみた。いくつになっても新雪の上に足跡を付けるのは楽しいものだ。真っ白な雪の上に「ちょん」と前足を乗せて梅の花のような僕の足跡を付けてみる。うれしさが体の底からこみ上げてくる。そして、その後はおきまりの「雪の上をかけずり回る」と言うことをやった。足跡の梅花模様が雪の上に乱れ咲いて「春爛漫」といった感じだ。そういえば、今日は人間の暦で言えば「立春」と言って春がやってきた事になるのだそうだ。昨日は節分と言って鬼を追い払って福を呼び込むために豆まきをするんだって。そういわれると、昨日の夜、お母さんの声がしていたよ。なんて言っていたのかよくわからなかったけど、お母さんの声の後に「パラパラパラ」という音が聞こえたよ。きっと、豆まきをしていたんだね。人間達は、その後で自分の年の数だけ豆を食べると良いことがあるんだって言う話だ。御主人やお母さんも食べたのかなぁ〜。御主人達はいっぱい食べるだろうなぁ〜、僕より20倍近く生きているからなぁ〜・・・・僕は、たった3粒しか食べられないや・・・・つまらないの・・・・
2月3日 くもりのちゆき
昨日降った雨のおかげで雪がだいぶ消えてしまった。ところが消え残った雪が昨日の夜から明け方にかけての冷え込みで、ツルツルのアイスバーンになってしまった。僕と御主人は滑るので、おっかなびっくり散歩に出かけたよ。ちょっと油断すると「鶴林・・・・いやいや、ツルツルリン!!」と、滑って転びそうになる。散歩の最初から最後までそんな調子だったよ。朝散歩も夕方散歩もツルツルリンだ。特に朝散歩の時はひどかった。僕は朝散歩の帰り、家の近くまで来ると御主人は握っている散歩紐を離して「待て」と号令をかける。御主人は僕からやや前の方の離れたところへ歩いていって僕の方に向き直ると「良し!!」と号令をかける。「待て」のまま、満を持していた僕は、その号令を聞くなり一目散に家の方を目指して韋駄天の如く走り去る。ところが、道が凍っているものだから足を取られそうになりながら走ったんだ。幸い転びはしなかったけどね。その様子が、まるで人間が酔っぱらって千鳥足で道を歩いているようだったと御主人が後で言っていたよ。僕が走り去り、後に残された御主人はのんびりと僕のはるか後から歩いてくる。そのとき僕は、すでに家の裏口に到着していてお母さんがドアを開けてくれるのを待っている。もちろん、いつか話したと思うけど、僕は朝散歩が終わるとお母さんから食べ物をもらうことが出来るのだ。これは毎日の習慣になっている。裏口のドアがなかなか開かないと玄関の方に行ってみたりもする。でも、いつもはドアが開いてお母さんから食べ物をもらう事が出来るんだ。その頃になって、やっと御主人が僕の所へ到着する。そして、お母さんからもらった物を食べ終わると御主人と犬小屋へ帰って僕の朝散歩が終わるんだ。こんな風に僕の1日が始まるんだよ!!
2月2日 はれのちあめ
今日はひどく冷え込んで地面がツルツルの状態になった。青空が広がって、そんなに暖かくはないけどお日様も顔を出てくれた。だけど昼頃から雨になってしまった。どうして雪じゃなくて雨なんだろうなぁ〜、2月は一年の内で一番寒い時期なのに・・・・・「犬の毛も凍る如月」なんて言い方も犬の世界ではあるぐらい寒いんだ。
雨は夕方になったも止んでくれない。だから僕の散歩も自然にお流れになってしまった。僕は行きたいんだ。御主人だって傘をさしていけばいいのだけれど、帰ってきてから雨に濡れた僕の身体をタオルで拭いてやるのが面倒なようだ。どうしようもなく面倒くさがり屋だねぇ〜。ご飯は毎日きちんきちんと作って持ってきてくれるのに・・・最も、散歩を一度や二度行かなくても身体に関わることはないと思うけど、ご飯は一度でももらわないと、腹ぺこ犬になってしまうし、2度ももらわないと、お腹がぺこぺこになって死にそうになる・・・・でも、「だから散歩ぐらい行かなくても、どうって事はないよ」と、思っている飼い主の皆さん!!特に家の御主人!!
・・・・<犬が散歩に行けないということは、牢獄に閉じこめられっぱなしの人と同じ事を意味するのです。散歩というわずかばかりの自由さえ失われてストレスが極度にたまり、イライラが募り何をするかわからない状態になります。噛みついたり、暴れたり、遠吠え、無駄ぼえなどをするようになります。そして、自分の御主人に対する不信感が起こって、ついには忠誠心を失ってしまうことになるのです。そうなった犬は人間を始め有りとあらゆる生き物に心を開かず、孤独な犬になってしまうのです。こうなってしまった犬は犬自身も不幸であるとともに飼い主自身も不幸になります。だからといってその犬を捨てたりすることは人間の法律にも違反することはもちろんですが、人間らしさというものを自ら捨ててしまうことにもなるでしょう。こんな犬になってしまったのは飼い主である自分のせいだと言うことをはっきり認識して、犬の心を開かせる努力が大切です。「飼い犬に手を噛まれる」という言葉がありますが、自らの飼い主を信用していない犬が噛みつく事もあるでしょう。しかし、ここでひるんではいけません。噛みつかれ引っかかれても心を閉ざした犬に優しく接して、犬の心の闇を取り払ってください。そして、その犬が再び人間にとって良きパートナーになることを願っています。>・・・・・
ほほぅ〜、雨が降って散歩にも行けず暇をもてあましていたので
「やさしい犬の行動に関わる心理学」と、言う本を読んでいたよ。
いいねぇ〜、感動的だねぇ〜、感動して遠吠えをしたくなってしまったよ・・・・なるほどというようなことが書かれてあって興味深いよ。御主人にも読ませてあげたいけど、犬語で書かれてあるから、きっと御主人は読めないなぁ。御主人も犬に関する本は読んでいるようだけど、人間側から見た犬のことしか書いてないからなぁ。僕の読んだ本は「犬による犬の生態を犬自身にわかってもらう為の本」だからね。誰か犬語から人間語に翻訳して出版しないかなぁ。きっと売れると思うよっ!!
2月1日 はれたりくもったり
今日の夕方散歩は午後3時半に行われた。調子が狂っちゃよ・・・と思いながらいってきた。途中、変な足跡を見つけたので「クンクンクン」と匂いをかぎながらたどっていくと、その足跡が途中で「フッ」とかき消すように消えて無くなってしまっていた。僕は首をかしげながら足跡が消えた先をよく調べようと足を踏み出した途端、雪が地滑りを起こすようにズズッと滑り落ちた。雪が積もっていてわからなかったけど、そこは深い深い排水路の縁だったんだ。すっかり忘れてしまっていたよ。もう少しで落ち込んではい上がれなくなるところだった。恐い、恐い!!
・・・・・この「忽然と消えた足跡」が第一の謎である・・・
そして、時間はさかのぼるが、「僕の散歩時間が早かった」ことが、第2の謎である。(※注・・・発生時間はこちらの方が早かったのだけれど、謎だったと気付くのが足跡の謎より遅かったので第2の謎ってことになったんだよ)
日も暮れかかり、やがて5時の音楽時報が流れ出そうという頃になった。それまで僕は「消えた足跡の謎」を推理するために頭をフル回転していた。すると、そこへ御主人とお母さんが現れて「ムツ、お留守番!!」と頭をなでなでされた。はっ!!散歩の時間が早まったのは、単なる御主人の気まぐれじゃなかったのか、深い意図があってのことだったのだ。うかつだった。早くそれに気付くべきだった。「消えた足跡の謎」なんかに気をとられてしまって、うっかりしていたよ。御主人達は、何か、おいしいものを食べに行くに違いない。僕はそう確信した。・・・・・やがて、御主人達の乗った自動車が去り、後に残された僕の心と体には、闇が静寂とともに刻々と時を刻んで行った。ややしばらくして・・・・、犬の時間にすると、「御主人やお母さんがお仕事に出かけてからお昼ぐらいまでの間」になったらお母さんと、御主人、さらには上のお兄さんまでが一緒に帰ってきた。しかも、お肉の匂いを「ぷんぷん」させている。「ねぇねぇ、どこへ行ってきたの?、その匂いはなぁに?」と少々興奮しながら御主人に尋ねると、やがて白い袋の中から何かをとりだして僕にくれた。「わ〜い、お肉だ!!」僕は3つのお肉をペロリゴクンと丸飲みにしてお腹の中へ送り込んでやった。僕はお土産をもらった満足感で、置き去りにされた不満も消え、やがて心地よい眠りにはいるのだった・・・・・・えっ?「消えた足跡の謎」は解決したのかだって?ああ〜、あれはね。カラスの足跡だったんだ。急に消えてしまったのは、その場所から空へ飛び立っていったって事なのさっ。つまらないオチだったかなぁ〜