むつ犬のおまぬけ日記
平成17年5月
5月31日 はれ
「こら!!、ちょっと待て!!夕方散歩までもつれていってくれとは言わないけれど、せめて御飯だけでも僕の目の前に置いていけ!!」と、御主人に言ったのだけれど、そんな僕の声を無視して何処かへ出かけていってしまった。待つこと数時間・・・・夜の10時過ぎに帰ってきた。一応飼い主なので尻尾を振って「お帰り」と言った・・・

5月30日 はれ
今日は気温がぐんぐん上がって26度にもなった。こう暑くては犬は寝ているより他にすることがない・・・幸い風があったから幾分涼しく感じたけれど、これで風がなかったら「灼熱地獄」もかくやとばかりの有様になっていたと思う。こんなに気温が高いというのに、御主人は、最も過酷な作業をやらなければいけなくなってしまったようだ。何でも、前々からこの日をその作業に当てていて、日にちをずらすのは「ぽりしー」とやらに反するとか言って「暑いから止めた方が良いよ」という僕の忠告も聞かずに田んぼへ出かけていってしまった。変なところで頑固なのはきっと僕に似たんだね。「はい、はい、好きなようにしなさいね」と送り出してやったのだけれど、夕方散歩の時間になって「今日は疲れたから、散歩は無しだぞ。」なんて言ったら、「がうん、がるるるる〜!!!」だからね!!!!

5月29日 はれ
今日の御主人は日曜日のせいか僕のところへちょっかいを出しに来る。僕が気持ちよく「カンカン照り」のお日様の元でお昼寝をしていると、僕の耳を引っ張ったり、足をなでたり、身体をなで回したりするんだ。じっと我慢していたけれど、とうとう我慢しきれなくなって、「いゃだぁ〜〜」と言って立ち上がると大急ぎでトラックの下へ避難した。トラックの下やトラクターの下は暑さしのぎや雷よけの場所として最適だし、外敵から身を守る場所としても最高の場所だ。あっ、外敵というのは野生の犬の場合は他の動物や違う群れの犬、あるいは山の中に入ってくる猟師、等々である。ところが、飼い犬の場合の外敵とは自らの御主人であることが少なくない。すくなくても、我が家の場合はね。

5月28日 はれ
昨夜の雷雨はひどかった。とてもにぎやかなお祭りも昨夜の雷には負けるだろう。のべつ幕なしに「ピカピカゴロゴロドド〜ン」とやっている。それに雨が激しく降り続ける。おまけにカエルさんの団体が田んぼの中で喜んでしまって、これも止まずに「ゲコゲコゲコ・・・」と鳴き続けている。僕は、と言えば尻尾を下げてトラックの下に潜り込んでぶるぶる震えているような状態だ。その点ではカエルさん達は偉いと思うよ。普段は馬鹿にしていたけれど、あんな雷雨の中でも元気に鳴き声を上げているんだからたいしたものだと思う。僕も大きな音を怖がらないような犬になりたいと思っている。だけど・・・トラクターのエンジン音を聞いても恐いぐらいだから、どうにもならないのかなぁ〜、年に一度の花火大会の音も嫌いだし・・・犬の宿命ってでも言うのかなぁ・・・何度聞いても恐いものは恐いんだ。
ところで、今日は久々の自転車散歩だったよ。しかも、今までで一番長いコースだった。いっぱい走らされたので舌が伸びっぱなしだ。でも、これで御飯がおいしく食べられるというものだ。今日の御飯にはウインナーソーセージ1本と小さな鰈を焼いたのが一匹入っている。なんだかサービスが良すぎて気持ち悪いけれど、犬は出されたものを残さず食べるって言うのが礼儀だから遠慮なくいただくことにしよう。御主人が明日になって「昨日はあんなにいっぱいごちそうしたのだから、今日は汗水流して働いてくれ」と頼まれても、「犬は記憶力が弱いので昨日のことは知りません」って、答えるからね。

5月27日 さまざまなおてんきのせいぞろい
僕を朝散歩に連れ出しにやってきた御主人が「まさか、夜中に雨が降るとは思わなかった」と嘆いている。何でも、トラックの荷台に色々な道具を乗せたまま外に放置しておいたらしい。それがグショ濡れになってしまったようだ。昨日の夕方はあんなにすっきりとした夕焼けだったのにね。今日の午前中はひとまず雨は止んで青空や鳥海山も見え始めたんだけれど、午後になると晴れたり曇ったり雨が降ったり、最後は雷様さえなり始めたんだ。早速、僕は尻尾を下げてトラックの下へ避難したよ。ヤレヤレだ。夕方散歩も雨のために中止になってしまったし、後は御飯を食べるのだけが楽しみだ。まったく今日の天気と来たら、犬が物を食べる時のように忙しない天気の移り変わりだったよ。

5月26日 はれ
夕方散歩の時、御主人にだまされてしまった。家から250メートルほど歩いたところで、御主人が僕に聞いた。「むつ、もっと行くか?、それともお家に帰るか?、お家に帰ると御飯が待っているぞ。」その言葉を聞いて僕は迷ってしまった。御主人はもっと散歩を続けようと紐を引っ張るような仕草をする。そこで僕は「イヤイヤ」をしたんだ。すると御主人は「じゃあ、お家に帰ろう」という・・・なんか変だ・・・・?僕はしばらく考え、あれこれ迷ってみたけれど、どうも、お家に帰った方が良いように思えてきた。そこで足をお家の方に向けたら、御主人はすかさずお家の方に僕を引っ張り始めたんだ。家路をたどる途中に色々考えてみたんだけれど、どうやら御主人にだまされたらしい。御主人は、自分が散歩へ行きたくないので、ほどよいところで言葉巧みに僕をだまして、あくまでも僕の意志で家に帰るように仕向けたに違いないのだ。
「御主人恐るべし!!」犬が人間の言葉でだまされるなんて・・・結局、夕方散歩で歩いた距離は480メートルに過ぎなかった・・・・

5月25日 はれ
今が一番良い季節だ。熱くも寒くも無し、「目には青葉、蛙ゲコゲコ、食べ物美味し」と言ったところだ。そして、なんと言っても田植えが終わり、何となくのんびりとした気持ちになっている今日この頃、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか・・・等と言う余裕も生まれてくる。今日の夕方散歩は、そんな田植え後で苗がすくすく成長しているたんぼ道を通りながら、未だ雪をいただいている鳥海山を仰ぎ、目を転ずれば里山の若葉が目にしみる。そして、たんぼ道には、それぞれ離れてはいるけれど2頭のワンコを見つけた。1頭は御主人の叔父さんの家の犬だし、もう1頭は何処の飼い犬とも知れない真っ黒な犬だ。それに色を添えるように、大学の建物の方から学生らしき人影が3人ほどたんぼ道を歩いてくるのが見えた。そして・・・そして、僕は色々見るものがありすぎて、よそ見であちこちを見ながら歩いていたせいで、田んぼに落っこちてしまった。両方の前足から落ちて、左後足を片方田んぼにつっこんだけれど、何とか田んぼの中に転ばずに体勢を立て直してはい上がってきた。これで転んでいたら、全身「泥んこ犬」になってしまうところだったよ。もっとも、両前足から胸にかけては泥んこになってしまったけれどね。さて、そこで一言、言いたい!!御主人にだ。御主人は僕が田んぼに落ちそうになるのを見ていたはずだ。それを注意もしないからこんな事になってしまったのだ。いやいや、もっと疑り深く考えるなら、御主人は僕がよそ見している間に、わざと田んぼに落ちるように誘導したのではないかとも考える。それでなければ、あんなに、見事に、そしておまぬけな田んぼへの落ち方はしなかったと僕は思う。僕は悪くない!!すべては御主人のせいだ・・・なんて言うと、近頃、新聞で話題になっているらしい何処かの国の言い分みたいに聞こえるね。

5月24日 あめのちくもり、そして・・・またあめ
朝方は雨が降っていたので犬小屋の中で熟睡していた。朝散歩に連れ出しに来た御主人が「そっ」と犬小屋へ近づいたのも知らずに寝入っていた。びっくりしてしまったよ。午前中は曇りだったので地面の上に寝たよ。でも濡れているのですこし気持ち悪かった。
ところで、僕は朝散歩から帰るとおやつをもらうのを日課としていることは誰でも知っている。ところが、ここしばらくは「犬用ビスケット3枚」だけしかもらえない日々が続いている。原因は御主人だ!!僕のおやつを買ってくるのをさぼっているようだ。僕が文句を言ったら、やっと今日買ってきてくれた。だけど野菜の苗を買いに行ったついでというのが飼い犬としては情けない・・・しかも買ってきたものを僕に見せてくれたのは良いけれど、見せるだけで僕に食べさせようとしないんだ。「明日ね」なんて言って、さんざん見せておいて、又袋の中にしまい込んでしまった・・・・でも、どんなおやつを買ってきたのかちゃんとチエックをしておいたから、明日の朝散歩が楽しみだ。「いつものとは違う、大きめの犬用煮干し」、「いつもの犬ビスケット」、「いつもの犬の缶詰」だったよ。これで、しばらくはおやつがもらえないと言うことはないだろうと・・・・思う。僕が、いたずらや悪いことをしない限りはね。

5月23日 はれのちくもり
今日は夕方散歩の時、家の田んぼに置いてある稲の苗を食べさせてもらったよ。本場のお米もおいしいけれど、苗の内からおいしいなんて言うのは嬉しい!!・・・・・なんて言うのは嘘だよ!!4月1日の時に嘘を付いていなかったので、嘘つきが今日になってしまったんだよ。けれど、稲の苗を食べたのは本当だよ。おいしいから食べたわけではない。僕の胃の洗浄剤代わりに食べて、戻したんだ。胃がむかむかしたり、もたれていたりしている時にこうするとすっきりする。この後、御飯をおいしく食べることが出来るってわけだ。犬はみんなこうして胃の中を洗うんだよ。御先祖様の知恵だね!!

「田を植えて 雨一粒の 波紋かな・・・・禄食」ってところの天気になりそうだね、明日は。

5月22日 はれ
今日は暑くて暑くてたまらなかった。トラックの下が涼しいのでしばらくそこで寝ころんでいたけれど、どうも日向が恋しくなる。そこで、のこのこと、はい出してカンカンでりのお日様の下で腹を出して寝てみたよ。すると、悪夢にうなされてしまった。僕が鉄板の上でじゅーじゅー焼かれている夢だ・・・それを御主人や家族がつんつんと突っついている。はっと目を覚まして飛び起きたら、御主人が僕の身体を突っついていた・・・・何しろ地面をさわると温かいなんて言う物じゃない。熱く焼けている。それでも、日頃からお日様と仲が良いようなことを言っている僕なので、犬の見栄もあって、そのまま、又地面に寝転がってやったよ。お日様に一日中照らされて、背中の白い毛のところが良い具合に日焼けしてくれたら、「良い赤犬の毛並になったな」って誉められるんだけれどね。毛はどうやっても日焼けはしないって言うのを、この間御主人に教わったからあきらめている。だからといって毛をきれいに染めるのも僕の主義に反するし・・・秋田犬は格好が悪くても自然を旨とするのが根本だ。それに、仮に僕が染めたいと言っても染め粉なんか買ってくれないだろうしね・・・・

5月21日 はれ
さわやかな風が吹いて気温もぐんぐん上がっていく、田植え頃の寒さが信じられないぐらいの陽気だ。僕はいつもの通りお腹を出して横たわったまま「番犬のお仕事」に精を出したよ。御主人が田植機やらトラクターやらで小屋へ出たり入ったりするので僕がじゃまになるらしい。機械を移動するたびに「じゃまだからどけ!!」と言われる。僕は毎度のことなのでなれているから平気だけれど、小屋の中にいるツバメさん夫婦はびっくりしているんじゃないかなぁ?
あんまり驚いて、どっかへ行っちゃったりしなきゃ良いのだけれど・・・・

5月20日 はれ
相変わらず馬鹿な風が吹く・・・鼻が乾いて仕方がない。御主人も田植えが終わり、それの手直しも一応出来たことにしたらしく、今日はビニールハウスの中をお片づけだ。ここにスイカやメロン、その他思いつく限りの野菜が植えられることになる。もっとも、僕が食べられる野菜なんて言うのはないと思うから、どうでも良いことだけれどね。ただ、僕が寝ころんでいる近くで御主人に仕事をされると、緊張して、おちおち寝てもいられない・・・今日だけでも、何度「わんわんわん」と吠えたことか。有りとあらゆる人や車、おまけに猫さんにまで吠えなくてはいけないんだ。でも・・・・小屋の中から大きなネズミが出てきたのには吠えなかったけれどね。ネズミを監視するのは御主人の仕事だからね。「ネズミほいほい」なる捕獲装置をあちらこちらに仕掛けておかなくてはいけないんじゃないのかなぁ・・・・?だけど、僕には関係ないことだけれどね。僕もネズミに噛みつかれたって言うのなら全力でネズミ駆除に協力するけれどね。僕には、そんな間抜けな出来事はなかったけれど、我が家の先代秋田犬である「まるさん」はネズミに鼻を噛みつかれたことがあるらしい・・・・これは、半ば伝説と化しているので事実は定かではない。

5月19日 くもりのちはれ
今日は朝から馬鹿に強い風が吹いている。外に置いてある洗濯機が倒れたり、稲の苗用の空箱が飛ばされたりした。僕は大きな音を立てて物が飛ばされるたびにビクビクしていなければならなかったよ。僕って、この秋田犬の風貌からは想像できないと思うけれど、案外小心犬で臆病なんだ。最も犬の場合は細心の注意を怠りなくすることで外敵から身を守ることが出来るんだ。飼い犬になった今でも、御先祖が野山で暮らしていた時の性質を未だに受け継いでいるんだよ。人間なんか、3代前の御先祖の教えさえ覚えていないんだから困ってしまうよ。きっと今に犬がこの世を支配するようになって、人間なんか「野良人」か、犬のペットの「飼い人」になってしまうかも知れないね。「温故知新」って言葉が人間世界にはあるようだけれど、常に新しい事ばかり追いかけていったって世の中は良くならないよ。僕達、犬みたいに御先祖の知恵を大切に受け継いでいくことこそ、人間が生き残っていける唯一の命綱だと思うよ。

5月18日 くもりのちときどきあめ
今日は、午後から雨が降ってきたけれど寒くはなかったよ。今日の御主人は田んぼへ田植えに行った。機械での田植えは出来たけれど、機械では行き届かなかったところを手で植えるんだ。これがなかなか大変らしい・・・犬の僕としては「あっ、そうなの?ご苦労さん」ぐらいしか言えないけれど、今年は無事にお米が実って欲しいものだね。育ち盛りの僕としては御飯をたくさん食べたいからね。
ところで、僕の家にツバメさん夫婦がやってきて、「ぴーちくぱーちく」とおしゃべりに余念がない。僕の家の小屋に新居をこしらえようとでも言うのだろうか、小屋を出たり入ったりしている。もし巣を作るって言うなら僕とツバメさんは同居人になる。いや、でも僕はこの家の家族だから同居人ではない。ツバメさんだけが同居人になる。出来れば家賃を取りたいところだけれど、御主人達は「ツバメさんが来てくれるだけでもありがたい」って言っているので、僕としては、もう何も言うことが出来ないでいる。この上は、犬小屋の近くに巣を作ることになりそうなので、仲良くやっていきたいなって思う僕なのだった。しかし、本当に巣をくむのだろうか?・・・・

5月17日 はれ
今日は暑い・・・犬にとって羽だけれど、御主人にはとても過ごしやすくて気持ちの良い1日だったに違いない。まさに「五月晴れ」って空から、これでもか、これでもか・・・とお日様が僕を暖めるんだ。だから、今日の僕は日陰者になったり、日向者になったりしたよ。身体が熱くなると日陰に引っ込むんだ。今日一日、舌が口の中に隠れる暇がなかったんだ。何しろ、犬は舌を出して体温調節をしなくちゃいけないからね。
 山笑う 田に低く飛ぶ ツバメかな・・・禄食

5月16日 くもりのちはれ
朝から北西の風が吹いてひどく寒い。北西の風と言ったら真冬の風だ。いつもの、今頃の季節は南西の風か、西からの風が吹いていなくてはならないのに・・・その中で、今日も御主人と上のお兄さんは田植えに出かけていった。僕が何度忠告しても寒い中を田植えに出かけてしまうんだからしょうがない・・・でも、午後からは北西の風は相変わらずだけれど、お日様も顔を出したので幾分温かくなったようだ。それでも気温は16度って言う話だったよ。それでも、寒い中をがんばったおかげで、ようやく機械による田植えは終わった。これで僕の夕方散歩も御飯の時間もすこしぐらいは早くなると思う。しかし、機械で植えた後の手直しが大変らしい・・・手作業だからね。僕もお手伝いしたいけれど、僕が田んぼの中に入ったりしたら、首まで埋まってしまいそうな場所がそこかしこにあるって言う話だから「手伝えっ!!」って言われても拒否しようと思っている。僕なのであった・・・

5月15日 あめのちくもり
今日は、朝から雨降りでひどい寒さだった。それなのに、今日も田植えだと言って出かけてしまった。御主人は自分が寒がりのくせに稲は寒がりじゃないと思っているらしい。稲って言うのは、元々の原産地は南方らしいから「大の寒がり」のはずだ。まったく御主人と来たら「降り出した雨と犬のオシッコ」って言う感じだね。なぜかって?・・・・それは、どちらも始まったらなかなか止まない・・・って言うことだよ。御主人の田植えも、始めたら最後、出来上がるまで止めないようだ・・・

5月14日 はれ
今日は、御主人とお母さん、それに上のお兄さんとで田植えだ。一家総出で田植えに出てしまったので家には誰もいもいなくなる。番犬を勤める僕も緊張感でいっぱいだ。
ところで、今日の夕御飯はお母さん特製の御飯だったよ。特に入っているものが変わっている訳じゃない。お母さんはガスレンジで温かくしてくれたのだし、御主人は電子レンジで温めてくれたのだ。さて、「どっちがおいしいか僕に聞いてこい。」と言う指令をお母さんから受けた御主人は、例の食事作法をきちんと僕に実行させた後、僕が食べるのをじっと見つめていた。そして一言「なぜか、普段の御飯より食いに勢いがある」と言った。つまり、いつもより「ぱくぱくぱく」とおいしそうに食べているって言っているんだ。家に帰った御主人は、その通りお母さんに報告したらしいけれどね。でも・・・・、夕方の19時になれば誰だってお腹が空くはずだよね!!

5月13日 あめのちくもり
最近、御主人が忙しくなってきたのか、日が長くなった為かは、わからないけれど、僕の夕方散歩の時間が遅くなった。去年の12月頃から比べると2時間も遅くなったのだ。今の夕方散歩は18時半から19時の間だ。するとご飯は20分から30分後と言うことになる。もうお腹が空いてたまらない。しかも、御飯を食べる時の儀式がやたら長い。(お座り、または伏せの格好で御飯を目の前にして「待て!!」の号令をかけられる。待つことしばし数分・・・)御主人は服従訓練だと言っているけれど、本当は僕が御飯を目の前にしてよだれを滝のようにこぼすのが見たくてそんなことをしているとしか思えない。御主人!!「犬の食い物の恨みは七生祟る」っていうから気をつけた方が良いよ。「月夜の晩ばかりあるわけじゃないよ」闇夜に犬に襲われたら、食い物の恨みだってことを悟ってね・・・・・但し、闇夜だから、何処の犬が御主人を襲うのかは知らないけれどね・・・

5月12日 はれのちあめ
今朝は散歩に出ようと家の門口を曲がろうとしたら白猫さんにであったよ。近所の猫さんなんだ。僕は「ちょっと待ってよ」と猫さんを追いかけようとしたんだけれど、猫さんは僕をうさんくさそうににらみつけながら逃げていってしまった。僕は、ただお話がしたかったんだけどなぁ〜、最も猫語は話すことが出来ないんだけれどね。でも、飼い犬、飼い猫同士だから話が合うんじゃないかと思ったんだ。お互いの飼い主の愚痴なんか話せたらおもしろかったかも知れないね。
ところで、夕方になって御主人が田植えから帰ってきた。雨が本降りになってきたから早めに終えて帰ってきたらしい。そして、僕のところへやってきて「今日の夕方散歩は無し」と告げられてしまった。僕はガッカリして、自分の尻尾をくわえようと「がるるる〜」とうなりながら、くるくると回ったよ。これはどういう行動かというと、何処へも持って行きようがない不平不満によるストレスを発散しようとする行為なんだ。でも、今日の僕はこれでは飽きたらず、次に八つ当たりしたのがプラスチックの植木鉢だった。蹴飛ばしたり噛みついたりして、ようやく収まった。植木鉢の状態は悲惨な有様だ。あちこちひびが入り、所々かけ落ちている。いかに、日頃の僕のストレスがたまっているかという確たる証拠がここにある。御主人〜、犬はおおざっぱなように見えるかも知れないけれど、本当は神経が繊細で傷つきやすいってことを覚えておいて欲しいなぁ〜

5月11日 はれ
今日は普通の気温に戻ったよ。普通の気温と言っても、最高気温で16度ぐらいだ。やっとお庭の草木の花が様々に咲いてきたって言うところだよ。そこで僕は一日ぶりに外に寝ころんだ。寝ころんでいる僕を見た御主人が、必ず言う言葉がある。「朝から寝ころんでいられて良いなぁ〜」である。でも、好きで寝ころんでいるんじゃない!!飼い犬は何処へも行けないし、何もすることがないし・・・・その他様々、もろもろの事情でこんなことをしているんだよ。こんなことをして一日が過ぎて、やっと夕方散歩になる。とても規則正しい生活といえるではないか!!水が一面に張られた田植え前の田んぼに、雪の衣をまとった鳥海山が影を落として、とてもきれいだ。これで夕焼けにでも染まったらとてもきれいだろうなぁ・・・と思いながらたんぼ道を歩いていく。でも、残念ながら、この所、きれいな夕焼けには出会っていないのだ。ぜひ、田植え前に夕焼けに染まった鳥海山が田んぼに影を映した姿を御主人のカメラに撮らせてあげたい僕なのであった。

5月10日 あめのちくもり
ひえぇぇぇ〜、冬のような寒さだよ!!僕なんか外に「ごろん」と腹を出してお昼寝が出来ないぐらいの寒さだ。御主人は、真冬並みの完全防寒スタイルだ。最も、御主人は寒がりなので、すこしでも寒いと、すぐこのスタイルになる。でも、本当に寒いんだ。北海道と言うところでは雪が降っているらしいと御主人が言っていた。まったく、今年の天気はどうなっているんだろうねぇ〜、まだ冬と春のせめぎ合いでもしているんだろうか?冬だって、もう自分の出番は終わったんだって悟らなくちゃいけないと思うんだけれどね。人間の世界でもこんなのがあるよ。もう引退して欲しいのに、いつまでもトップの座から降りない人が、そこら中にいるらしいからね。だから、人間も余り天気の悪口ばかりは言われないよね。

5月9日 はれ
今朝、御主人がなかなか散歩に連れて行ってくれないので、近くにあったペットボトルに八つ当たりをした。ボトルを蹴飛ばしたり、襲いかかったり、はたまた噛みついてみたり等々、徹底的にペットボトルをいじめた。噛みつくと「バリバリバリ」と音がするので御主人に聞こえるように、とびっきり大きな音を立てて咬んだ。だって、御主人は、すぐ近くのビニールハウスの中で「稲の苗」の世話をしているんだもの・・・僕の世話はほったらかしにしておいてね。でも・・・・植物に犬が嫉妬を覚えるのもすこし変だけれど、昨日一日、御主人の愛情を受けていないので、こんな風に変な感情がほとばしってしまったのかも知れないなぁ・・・おかげでペットボトルは僕の歯で穴だらけになってしまったよ。

5月8日くもり
今日の御主人は12時間労働だったので、僕の世話をする時間はまったくなかった・・・おかげで、今日の僕は「野良犬」のような体験をしてしまった。野良犬とは、「はらぺこ」、「愛情を受けることがない」、「路上生活あるいは、野山をわが家にしなくてはならない」等々である。しかし・・・しかし、である。野良犬は自由に行動し、食べ物を自らの行動と才覚で得ることが出来る。しかるに飼い犬はどうだ!!紐につながれ行動を制限されながら愛情も注がれず、食べ物も与えられず・・・野良犬よりも悲惨ではないか!!かかる事態を招いたのは他ならぬ飼い主である。この前からたびたび述べているように、我が御主人は「飼い犬の待遇改善委員会」の諮問を受けるべきだと僕は思う!!
飼い主の談・・・一日でも「野良犬」の境遇を思いやり、その体験から飼い犬の恵まれた境遇に感謝すべきだと思う云々

5月7日 あめのちくもり
今日は、雨降りで風も強かったので一日中犬小屋の中で寝ていた。寝るのに飽きると時々外に出て雨に濡れたりもして見たけれど、身体を「ブルブルン」と、ふるわせて雨水を振り落とすほどの降りだった。おかげで、朝散歩へは行くことが出来なかったよ。朝方は御主人もやってきて僕をいじくり回したりしたのだけれど、その後は一度も顔を見せていない。最も、僕としてはこの方がのんびり出来るので具合が良い。人間の世界では「亭主元気で留守が良い」ということわざがあるらしいが、飼い主と飼い犬の関係もこんなものかも知れない。最も余り飼い犬をかまわないのも困りものだ。僕としては一日二回の散歩におやつとご飯をもらって、身体を一つ二つぐらいなでてくれるのがちょうど良いと思う。と、いうわけで今日は一日中犬小屋の中であくびをかみ殺しながら寝ころんでいた僕なのであった。

5月6日 はれのちくもり
今日は一日中ものすごい風が吹いている。台風並みの強さだ。「こんなに風の吹く年も珍しいものだ」などと御主人が言っている。さて、農繁期に入って忙しくなってきた御主人は僕に困っている。僕は「優柔不断犬」として、その名をはせている?・・・のであるが、散歩へ出かけていくと、特にこの行動が頻繁に見られる。草むらや電柱等々へオシッコを引っかけようかどうしようか、しばらく迷うのだ。長い時などは2,3分にも及ぶ。最後には、オシッコも引っかけないで匂いだけ嗅いで立ち去ることもある。これが御主人をイライラさせる。お仕事から帰ってきて僕を散歩に連れ出し、たびたびこんなことをされたら誰でもイライラすると思う。でも、これは僕の性格だから仕方がない・・・それにおしっこをひっかけるのは、ご近所の犬対犬の力関係もあるので複雑なのだ。やれやれ・・・

5月5日 はれ
御主人が忙しそうに働いている側で、ごろんと、横たわって気持ちよくお昼寝をしていると、たたき起こされて「仕事を手伝え!!」と言われた。だけど、僕はそれを拒否した。ほんとうは、「飼い犬のための御主人応対マニュアル」という本を読んでみると、「飼い犬は人間の肉体的労働の手助けは身体の構造上出来ないのは承知の通りである。しかし、精神的に飼い主の仕事の手伝いをすることは出来る。たとえば、飼い主が一生懸命に働いている時は、尻尾を振ったりぴょんぴょん跳びはねたりして「御主人がんばれ!!」という態度を見せなければいけない。間違っても、汗水垂らしている飼い主の側で寝っ転がっていてはいけない。」・・・・・だって。でも、今日の僕は良いんだ。だって、今日は「こどもの日」だもんね!!僕だって、この家のこどもみたいなものだから今日一日は自由に遊んでいても良いんだもんね!!!

5月4日 はれ
今日は、僕も大部暇だったので御主人のお話をおとなしく聞くことが出来た。御主人は天気のことで僕に愚痴をこぼした。
「雨が降ってくれなくて困っている」とか「いつもの年なら5月にはいると一日二日は雨がたっぷり降るのに・・・」、「こんなに風が寒い年もないもんだ」等々である・・・・僕も同調する部分もあるので「なるほど、なるほど」とお話を聞いてあげたよ。御主人も、僕に天気の愚痴をこぼしても仕方がないのはわかっていると思う。でも、お天気だけは誰に愚痴をこぼしてもどうにもなるものではない。だから僕にだけお話ししたのだと思うよ。アニマルセラピストとして活躍する飼い犬たちは、人間の鬱憤や愚痴陰口悪口は、みんな受け止めてあげなければいけない。よその人間に話すよりは、よほど健全だと思う。けれど、そんな抑圧された人間のお話を聞いた飼い犬の立場はどうなる・・・・?人間は犬に鬱憤を晴らすことで一応満足するかも知れないけれど、人間の鬱憤の捨て場になった犬は、それを何処へも捨てることが出来ない。だから、星がきれいな夜とか、月夜で明るい番などになると夜空に向かって遠吠えをして人間世界の憂さを天に戻してやっているのだ。

5月3日 はれ
今日からお母さんは三連休になる。反対に御主人はこれからが忙しくなる。ところが、この所晴天続きで雨がほとんど降らないので田んぼに水を引くことが出来ない・・・だから忙しい中にも暇がある。「忙中閑有り」ってところだね。
ところで、僕は少なくともこの3日間は番犬のお仕事からは解放されるわけだ。お母さんが家にいるからね。だから僕もゴールデンウイークとやらを満喫しようかと思う・・・けれど、そう思ったものの飼い犬が一人で何処かへ旅行に行けるわけでも無し、うまい物をたらふく食べることが出来るわけでも無し・・・・結局は普段通りの生活パターンと言うことに落ち着いてしまう。ただ、今の季節にやっておきたいことがある。冬の間に食べては寝るという生活をして運動と言えば申し訳程度に御主人が連れて行ってくれる朝夕の散歩だけだった。それが災いして身体が重くなって仕方がない。だからダイエットしようと思っている。御主人と自転車散歩を始めたので、自転車のスピードを上げてもらって僕は早足や走ったりしてそれに付いていくようにする。すると自然にダイエットにつながって身体がスマートになると言うわけだ。とにかく、今の僕は身体が風選のようになっている。体重は量らせたことがないのでわからないけれど、40キログラムは超えているんじゃないのかなぁ・・・?
4才8ヵ月になった雄の秋田犬の平均体重がどのくらいか知らないけれどね。

5月2日 はれ
今日は、我が家の先代秋田犬である「まる」さんの娘が養女としてもらわれていった家の人達が僕を見に来てくれたんだ。僕は最初は尻尾を振って出迎えたんだけれど、普段余り見たことがない人達なので、つい「がうんがるるる〜」ってことになってしまったんだ。申し訳ないことをしてしまったよ。後で御主人に「きゃい〜ん」って言うだけ叱られてしまったよ。犬は正面から近寄ってこられると恐いので警戒してしまうのだ。これで前科二犯になってしまった・・・・
ところで、昨日から自転車散歩になったよ。僕はのんびりとあちらこちらのにおいを楽しみながら散歩をしたいのだけれど、御主人の都合がそれを許してくれない・・・どういう都合かというと「歩くより自転車の方が楽だ」という都合である。でも、まぁ・・・散歩に連れて行ってくれるだけましかな?、それに散歩距離も長く行けるしね。

5月1日 はれ
今日は暑かった!!。何しろ気温が27度にもなったというから驚きだ。春を通り越して一挙に夏になってしまったようだ。僕は犬で四季を通じて毛皮を着ているので、今日は暑くて暑くてたまらなかった。舌を長くのばして舌の先から汗をしたたらせて体温の調節をしなければいけなかったよ。おかげで口を開けっ放しだったのでアゴがくたびれてしまったよ。さらに暑いのに追い打ちをかけるように、「今日は絶好の日和だ!!」と、御主人が言い出して無理矢理シャンプー場に連れて行かれた。以前に僕と御主人との間で交わされた「シャンプー条約」なんか無視の強行行為だ。
(※犬をシャンプーする時はあらかじめ、その日時を犬に伝えなければならない云々・・という条項がある)
そういうわけで、全身ずぶ濡れなところへ気温が高いものだから毛皮が蒸れてしまって蒸し風呂にでも入っているようだった。なるべく涼しいところを探して涼んでいなければいけなかったんだ。
もうひとつは、今日から「フィラリア予防薬」を呑まなければいけなくなったこと。これが10月まで続く。余り呑みたくないんだけれど、これを飲まないと大変なことになるので仕方なく呑むことにしている。ただ、嬉しいのは、この薬は「犬禁断のお菓子」と呼ばれる甘い食べ物の中に仕込まれて僕の口に入るので、今月はどんなお菓子に薬が入ってくるのか想像するだけでも楽しい。ちなみに、今日の薬はお母さんが東京というところへ行ってきた時にお土産として買ってきたごま餡の入ったお菓子だったよ。ごま餡の中深くに薬が押し込められているので、見た目には薬が入っているとわからない。僕は何の気なしに、二口三口咬んだだけで胃袋の底まで送り込んでしまったんだ。
とにかく、今日の僕はやることが一杯で、スケジュール表に空きがないほど埋まってしまったよ。一国の大統領か首相並みの日程だったよ。お昼寝もスケジュールの中に入っているのはもちろんだけれどね。