むつ犬のおまぬけ日記
平成17年6月
6月30日 はれ
最近の僕は、余り御主人の言うことやすることに逆らわなくなった。以前は、ちょっとしたことでも「ガウン、ガルルル〜」などと逆らったりしたものだが、最近は余りやらない。御主人に言わせると、「むつ犬も飼い犬としての自覚が出来て、飼い主に対する忠誠心が深くなったんだな」なんて言っている。だけど、そんなんじゃない・・・そんなんじゃないんだ!!いくら抵抗しようが逆らおうが、飼い犬というのは所詮「籠の鳥」、「お釈迦様の手のひらの上の孫悟空」みたいなもので、ご主人様から逃れることが出来ないし、ご主人様あっての犬の命なのだと、あきらめにも似た悟りを得たから逆らわなくなったんだ・・・悟りとは、すべてを捨て去った時に得ることが出来る宝なのだと言うけれど、犬には宝物は要らない。ただ一つ必要なのは生きるための愛・・・・じゃなくて、食べ物なのだ。それがすこぶるおいしければ、なおまた嬉しい!!「それって、単なる物欲じゃないか」という人間がいるかも知れないけれど、生きていくためには精神だの心の糧だのと言う小難しいものは犬にとって必要がないのだ。生きていくためには、「食べ物!!」これ以外必要ないのだ〜!!!!!

6月29日 はれ
今日は久しぶりに犬小屋の中でお昼寝したよ。最近は暖かくなってきたし、中がものすごく汚いのでコンクリートの床の上で寝ていたんだ。今日はどうして犬小屋の中でお昼寝することになったのか、事の起こりから順番にお話ししよう。午前中は作業小屋の中でお昼寝をしていたんだ。御主人が西側の窓を開けてくれたので、とても涼しい風が入ってきて気持ちよくお昼寝をすることが出来た。余りにも気持ちが良いので、御主人が僕を揺すろうが突っつこうが動きたくない。第一、目が開かない。無理に明けようとしてもあまりの気持ちよさに自然とまぶたが下がってしまうのだ。ところが、安息の時間が破られる時がやってきた。春先から作業小屋の中に置いてあった土が要らなくなったので小さいハウスの中へ運ぶためにトラクターが小屋を出たり入ったりし始めたのだ。僕はうろたえながら、あちらこちらと逃げまどったけれど、結局犬小屋の中が一番安全だと言うことに気付いた。こうして僕は御主人のお仕事が終わる夕方まで犬小屋の中で寝てしまったのだ。幸い犬小屋の中はきれいに掃除されていたので寝るのに抵抗はなかったよ。でも・・・欲を言うなら、犬小屋の中の床をぞうきんがけして、もっときれいにして欲しかったなぁ。

6月28日 あめ
とうとう僕達の住んでいる所も「梅雨入り」との発表があったらしい。御主人は喜んでいる。梅雨入り宣言と同時にたっぷり雨が降ったので嬉しいのだろう。まるで田んぼの中のカエルみたいだ。・・・・僕としては、ムシムシするし、湿気が毛皮にまとわれ着いて、ただただうっとおしいだけだ。これだったら、真夏のからっとした暑さの方がまだましって言うものだ。早く本格的な夏、ヒマワリの花が似合うような夏がやってきて欲しいと願う今日この頃だ。梅雨入りして喜んでいる、カエル御主人の前では言えないことだけれどね。

6月27日 おおあめ
朝から雨降り、それも、いままでにないぐらいたっぷり降ってまだ降り続いている。いままで降らなかった分を地上に還元しているようだ。「まったく、いままで降らないでいたのに、極端すぎるんだよ」と僕が文句を言うと、「天気の悪口を言うな!!」と、御主人に叱られた。せっかく降ってくれた雨が、僕の文句を聞いて止んでしまうと言うんだ・・・・
ところで、今日はおもしろいことがあった。夜中に、僕をつないでいる紐が柱にぐるぐる巻きになってしまい、身動きがとれなくなってしまった。それで力任せに「ぐいぐい」引っ張ると、ひもが「ぶっつ〜ん」と切れて、僕は久しぶりに自由の身になった。とても嬉しかった。でも、僕一人では家の敷地より外へ出るのは恐いので、家の敷地内をうろうろしたり、畑の中にどんなものが育っているか眺めて歩いた。そんなことをしていると、雨がぱらぱら降ってきた。でも、すこしぐらい濡れても自由に歩ける楽しさに比べたらどうと言うことはない。だが、やがて災難が訪れた・・・・午前4時とおぼしき頃、突然御主人が犬小屋の前に現れて、僕が畑の中を歩いているのを発見されてしまった。そして、畑の中に植えられている「枝豆」の成長ぐあいを眺めていた僕は御主人に捕まり、犬小屋へ帰ることになってしまったのだった。残念無念・・・・・しかし、なぜ御主人が午前4時頃に僕のところへやってきたのか不思議だ?

6月26日 はれたりくもったり
夜の内にまた雨が降ったようだ。キリなのかモヤなのか辺り一面、薄いミルクでも流したようになり風景が墨絵のように見えておもしろい。梅雨の様な風情になってきた。だけど僕達のところは、まだ梅雨入りをしていない・・・
ところで、僕は毎朝、台所のところにある裏口に顔を出しておやつをもらう習慣がある。そこが開かないと、開くまで待つ・・・ひたすら待つ・・・耳をピンと立てて、中のかすかな物音をも聞き逃さないように開くまで耐えるのだ。たいていはお母さんが開けてくれる。いまの季節だと、僕が行く前から開いていることもある。どうしても内側から開かないと、御主人が「しょうがないなぁ」と言いながら玄関から回って開けてくれることもある。そして、いつものおやつをもらう。このようにして、じっと耐えていれば、何かしら良いことがあるものだ。だから「決して、途中であきらめてはいけません。」これって、犬にとっては生きるための教訓でもあるし、犬から人間への応援メッセージでもあるよ。

6月25日 はれたりくもったりのちらいう
夕方散歩に出かける時は、すでに西の方が真っ黒な雲で覆われていた。嫌な予感がしたけれど、僕と御主人は散歩に出かけたんだ。その途中、「どろどろどろ・・・」と、太鼓でもたたいているような音が低く小さく聞こえてきた。「むつ、雷だ。早く帰ろう」と御主人が言った。雷大嫌いの僕は急ぎ足になった、しかし「早く帰ろう」といった当人はのんびりと自転車をこいでいる。遠い雷なので当分は近づかないと思っているようだ。だけど、僕は「早く、早く」と御主人をせき立て、自転車を引っ張り、やっとの事で家に帰り着いた。家に帰り着き、しばらくすると雷が大きな音を立て大粒の雨が降り始めた。「やっぱり、早く帰ってきて良かった」と僕は思った。御主人に付き合ってのんびり散歩をしていたら、この雨に全身びしょぬれになる所だった。このようにして、僕の判断は常に適切であり、その行動は常に迅速なのであった。

6月24日 にわかあめのちはれたりくもったり
朝早くに、にわか雨が降った。地面に雨水がたまるぐらい降ったんだけれど、御主人がどのくらい地面にしみ込んだか確かめようと畑の土を掘ってみたら、なんと!!1センチもしみ込んでいなかった、と言う。きっと、こんな時には人間の世界で使うことわざがあって、えぇぇ〜と、たしか「焼き牛にタレ」だったかなぁ?「焼き肉にタレ」だったのかしら・・・?、そうそう「焼け石に水」って言ってたっけ。そんな感じの雨の降りようだった。でも、雨が降ったおかげなのか随分涼しく感じられたよ。一昨日から比べたら「地獄とこの世」みたいなものだ。残念ながら犬にとっては「天国と地獄」ほど、快適度で格段の差はなかった。でも人間にとっては、随分涼しく感じられたと思うので「天国と地獄」と言っても良いかも知れないよ。

6月23日 はれ
今日は、昨日より幾分涼しくなった。それでも暑い!!「犬用ひんやりマット」でもいいから、御主人は僕に買ってくれないかなぁ・・・
ところで、夏は犬にとって「受難の季節」である。御主人が何処かから聞いてきた「にわか知識」によると、犬が「熱中症」にかかる気温というのが22度以上で、湿度が65%以上の時だという。22度と言ったら御主人なんかだと、すこし肌寒いと言ってくしゃみを連発するぐらいの気温だ。犬は毛皮を一年中まとい続ける動物なので、こんなぐらいの気温や湿度でも「熱中症」になりやすいのだろう。そこで、犬と愛犬家に朗報である。「犬のための天気予報」なるものができたというのだ。先に書いた気温と湿度により、犬の顔マークを4段階に設定して、「安心」から「危険」まで、「熱中症予報」を出してくれるというものだ。でも・・・・御主人が、いくらインターネットで検索しても「犬用天気予報」なるものが見つからないらしいんだよね・・・・

6月22日 はれ
今日は昨日にもまして暑い一日だった。最高気温が31度!!地獄にあるという灼熱地獄、釜ゆで地獄もなんのその、この世の地獄「生き地獄」とはまさに今日の日のようなことを言うのだ・・・と犬ながら思ったほどだ。そんな中で散歩に出かけると、黒い犬が元気に走り回りながら自分の御主人とたわむれている。「はぁぁ〜、元気の良い犬だ事、「僕にはとてもあんなに走り回ることは出来ないなぁ」と思った。何しろあの犬はまだ2才ぐらい、僕から見れば若造だ。最も雄なのか雌なのかは知らないけれどね。あの犬は4月の予防注射の時に「ガウンガルルル〜」と僕が唸って、にらみ合った犬だ。御主人同士が知り合いでもある。はぁぁ〜、それにしても僕も歳をとったものだ。来月の今頃には5才になるのか・・・・歳と共に暑さが苦手になってくる僕は、時々、こうして若かりし頃を回想するのだった。

6月21日 はれ
ひぇぇぇ〜暑いよぅ!!今日、僕達の住んでいる所では気温が30度を超してしまった。もはや真夏だ。「梅雨入りもまだだというのに夏がやってきてどうするのだ」と、御主人は天に向かって怒っている。僕は、その言葉をうんざり顔で聞きながらトラックの下に潜り込んでお昼寝だ。こう暑いと食欲もなくなる。舌をこれ以上長くのばせないほど出して、散歩後の体温調整をしている犬に、温かくした御飯を出したって、尻尾が千切れるほど振り喜び勇んで、こんな御飯を食べられるわけがない・・・・一口食べては休み、二口食べては水を飲み、3口目にはくたびれ果ててウトウトと居眠りを始めるような状態だ。「冷や飯食い」という言葉があって、余りいい言葉ではないけれど、これからの季節は、こんな御飯が一番良いと思うよ。御主人も気を遣ってくれなくちゃ困る。犬の食事にも季節感って言うのは必要なんだよ!!

6月19日 はれ
僕は「犬洗い」をしてもらったので、身も心も軽くなり一日中気持ちよくお昼寝をしていた。そして夕方散歩・・・・今日は早い、まだ4時だというのに僕は御主人と散歩へ出かけたんだ。きっと、又何処かへ出かけるんだと思った。今日は、思い切って御主人に「何処へ行くんだ」と聞いてみたら「今日は父の日なので、おじいちゃんやおばあちゃんたち、家族みんなでお食事に行くんだ」と言った・・・・「父の日?」、日本国では、又訳のわからない行事を考えたらしい。僕には父も母もあるけれど、父にはあったこともない。犬はお見合いからいきなり結婚の儀式をして別れててしまうので、夫婦になっても一緒にいるのは長くて半日ぐらいだ。だから、犬も人間のように家族で暮らせたら楽しいだろうなって思う時もある。ただ、そんなことはぼんやりとした頭の片隅に、ふっと思い描いたことだった。頭の中の大半を占めていることと言えば、お食事からかえってきた御主人達が、僕にお土産を持ってきてくれるだろうかと言うことなのだ。・・・・・待つことしばらく・・・僕は牛肉のステーキの塊を3切れほどもらうことが出来た。めでたし、めでたし!!家族って、やっぱりこうでなくちゃね!!!

6月18日 あさがたあめのちはれ
ついに、シャンプーをされてしまった・・・と言うか、してもらったというのか・・・朝方は曇っていて、一時雨が降ってきたりしていたんだけれど、やがて青空が広がってさわやかな風が吹いてきた。僕は朝散歩が終わってのんびりと、トラックの下に潜り込んでお昼寝をしていたんだ。すると御主人がやってきて「シャンプーだぞ!」と言って僕の紐を引っ張ってトラックの下から引っ張り出そうとする。僕は「シャンプー」という言葉を聞いた途端に拒否反応を起こしてしまって、必死に抵抗した。だけど御主人に逆らうわけにはいかない、イヤイヤながらトラックの下からはい出たよ。それからが又大変だった。逃げ回る僕、捕まえようとする御主人・・・堂々巡りがしばらく続き、やっとというか、残念というのか、僕は捕まってしった。それでも、地面に足をしっかりと踏ん張って、お座りのような格好になって「矢でも鉄砲でもテコでも持ってこい」と、最後の抵抗を試みた。しかし、シャンプー用の紐を付けられてしまった。この紐を付けられてしまうと、もうあきらめるより他にない。僕はいままでの激しかった抵抗が嘘だったかのように、おとなしくシャンプー場に引かれていったんだ。やがてシャワーを浴びせられ、洗剤を塗りたくられ、身体を隅々まで洗ってもらったよ。しかも、3回もだ。洗ってもらっている間も、「動くな、じっとしていろ」と御主人の注文がやかましい。僕が嫌がって動き回るからなんだ。その間30分間、僕はくたびれはて、舌を「ハァハァ」と出しっぱなし、御主人は、僕を中腰で洗っていたために「腰の痛みに耐えかねて」腰をさすっているような状態だった。「良し、終わり」と言われて犬小屋の方に帰る時の僕は、身も心も軽く、解放された喜びと、身体がすっきりした気持ちよさで、スキップをして鼻歌でも歌いたくなるような気分だったよ。でも、マァ、これで一段落付いたと言った感じだね。これで、もうしばらくは「シャンプー」という言葉におびえなくても済むようになったよ。

6月17日 あめがふったりやんだり、のちくもり
今朝は雨が降っていたのだけれど、雨がすこし降り止んだ隙をねらって散歩に行ってきたよ。御主人にしては「最高の決断」だと思う。いつもだと、雨が降り止んで散歩に出かけると帰りは濡れてしまった・・・なんて言うのが当たり前だった。でも、今日はそんなことはない。運の悪い御主人にしては珍しい。僕のお腹と足が泥んこになってしまったのは仕方がないけれどね。いつもだと、こんな雨の日には「むつ、今日は散歩は止めようか?」なんて言って、いかにも「僕と合意の上での散歩中止」を装ったものだ。「どうして、今日はこんなにうまく事が進むんだ」と、僕は不思議に思ったので御主人に聞いてみた。すると・・・「今日は水瓶座が最高の星回りなんだ」という。・・・・?・・・そういえば御主人の誕生日は水瓶座だったねぇ〜。ちなみに僕は「獅子座」だけれどね。

6月16日 はれ
僕の散歩コースは色々ある。まずは、「いつもコース」、そして「手抜きコース」それも大中小とある。最後は「気まぐれコース」と、大きく分けてこの3っに分類される。「いつもコース」は田んぼの廻りをぐるりと廻る全長2キロメートルのコースだ。続いて「手抜きコース」の「大」は「散歩に行ったつもり」になって散歩紐を付けてもらい、お家に行っておやつだけをもらってくる。これは御主人が忙しくて散歩へ行けなかった時、主に朝の時が多い。「中」は、家の敷地からは出るものの、100メートルほど行って帰ってくるコースだ。これは、小雨が降っているけれどそんなに濡れそうもないなっていう時に、行くコースだ。「小」は、いつもコースとそんなに変わらないけれど、いつもコースが200メートルの長さの田んぼがいっぱいある所をぐるりと一周するのに比べて、100メートルの長さの田んぼがいっぱいある所をぐるりと一周するものだ。距離にして「いつもコース」の半分か、三分の二ぐらいの長さじゃないかと思う。一番問題なのが「気まぐれコース」だ・・・最初からとんでもない所へ行く時もあるし、いつもコースからとんでもない所へ行ってしまうこともある。犬というものは、行動パターンが、マニュアル化していて、いつもと違った行動を嫌う性質がある。人間にも「マニュアル人間」と言われる人達がいるけれど、それと同じだ。散歩も、いつもと違った所へ連れて行かれそうになると拒否反応を起こすのだ。だから一昨日の日記に書いた僕の抵抗も納得してくれると思う。ところで、今日の僕の夕方散歩コースは、「手抜きコース(小)」だった。まぁ、これぐらいなら「良し」としようと思う。

6月15日4はれ
今日は随分強い風が吹く、暑いんだけれど、流れ出た汗が乾いて身体にべっとりとまとわりついてしまい、変に気持ちが悪い・・・と御主人は言っている。こんな時は仕事上がりにシャワーを浴びてさっぱりしたいものだ・・・と、御主人は言っている。しかし、犬はそうはいかない・・・「いつかきっと」と、言われている僕のシャンプーであるけれど、かないそうもない夢を追い続ける御主人と同じで、いつまで経っても実現されそうにない・・・「ヤレヤレ・・・」と思っていたところへ朗報が舞い込んだ。我が家の近くに「わんわんシャワールーム」なるものができるらしい。それはなんなのかというと、車を洗うところが洗車場であるように、犬を洗うところなのだ。お金を放り込むと、温水シャワーが出て、ドライヤーで乾かすことが出来て、僕のような秋田犬ぐらいの大きさで2000円程度という事らしい。但し、シャンプーは持参だ。「東北初」と歌っている。犬にとっても飼い主にとっても理想的なのだけれど・・・飼い主が、そこまでお金を出すか出さないかで、飼い犬に対する愛情度が計れてしまうかも知れないので、飼い犬にとっては、御主人の愛情度をテストできる千載一遇のチャンスといえるかも知れない。「さぁ、我が家の御主人どうする!!」

6月14日 はれ
今日の夕方散歩は、途中から、突然に散歩コースが変更になってしまった。御主人が何か思い出したらしい。「それはなんだ?」と聞くと、午前中に田んぼへ水を入れたまま忘れてしまっていたというのだ。御主人は、急遽、散歩コースが変わることに不承知な僕を無理矢理引っ張り、御主人が行きたい方向へ自転車を力一杯こいで、無理矢理引きずり出した。しかし、僕は自転車に抵抗がかかるようにゆっくりと歩いた。「僕は、そっちへ行きたくないんだぞ!!」という意思表示だ。やっと田んぼの水口に着いて、よく見ると水はぜんぜん田んぼに入っていなかった・・・「御主人のばかぁぁ〜!!自分の仕事の失敗を僕に押しつけるな!!」、と叫びたかったのだが、心の中だけの叫びで、なんとか終わらせた。

6月13日 くもりのちはれ
朝は、雨が降ったり止んだりしていたけれどお昼頃になったらお日様も出てきて、夏雲らしいのも見えた。
ところで、今日の僕の御飯は、ものすごく豪華だった。まず、朝散歩から帰ると、いつものおやつ(煮干しを4〜5匹と犬用ビスケット3枚)・・・これは雨が降ろうが槍が降ろうが、この数と決まっている。最も雨の降る日は散歩もないのでおやつはもらえないけれどね。そして、その他に、なんと「鯛の尾頭付き」をごちそうになった。「うまかったぁぁ〜!!」
夕方散歩から帰ると、僕はやっと今日の御飯にありつける。今日のメニューは「卵とキャベツの炒め物入り白身魚添えいつもの御飯」だった。いつもの御飯というのは、いつも言っているけれど、犬の缶詰(屑野菜と屑牛肉のミンチ状になった物)、日本犬用ドッグフード、牛乳、白い御飯である。それに、魚の種類はわからなかったけれど、たいそううまい白身魚の身がほぐして入れてあり、その上に、御主人達家族が朝ご飯の時に残した、キャベツと卵を油で炒めたものが振りかけてあったのだ。飼い主達の余り物とはいえ、たいそうおいしかったので、自称「グルメ犬」、他称「腹ぺこ犬」または「食い意地の張った犬」と言われている僕としては、ここで、そのメニューをお知らせしておくよ。ちなみに、「キャベツと卵の油炒め」なる料理を食べたのは、我が家の歴代飼い犬の中では、僕ただ一人(犬?)らしい。なんて、言っても自慢にもならないことだけれどね・・・・

6月12日 あめのちくもり
今日は午前中にひとしきり雨が降って「僕のシャンプー予報」は、はずれてしまった。何しろ、昨日に比べて肌寒い一日だったのだ。これで暖かかったら御主人は「強引にシャンプー」を実施したことだろうと思う。いつも言うけれど、安心したような残念なような複雑な気持ちだ・・・果たして僕のシャンプーはいつ実行されるのだろうか?4月の末にシャンプーしてもらってから早2ヶ月・・・
「匂い立つ 僕の身体に 梅雨来る・・・・禄食」
みんな、食中毒に気をつけようね。僕の身体が、もし食べ物だったら、とっくに腐り果ててしまっているかもね。何しろ2ヶ月もシャンプーしてもらっていないんだからね。不衛生を通り越しているよ。御主人!!!

6月11日 くもりときどきあめ
先週に引き続き、今日も「僕のシャンプーの実施」は見送られた。朝からシトシトと雨が降ったからだ。寒いわけではない。
ムシムシするような天気だ。雨だって降るような降らないような中途半端な振り方だし・・・こんな天気の中でシャンプーなんかしたら自然乾燥の僕の身体は、いつ乾く事やらわかったものではない。と、言うわけで「実施」は明日に延期になった。しかし・・・・天気は確実に悪くなっていくのが、犬の本能でわかる。!!
さあ!!どうする御主人!!明日が雨でも、強行実施するのか、それとも、中止をするのか・・・?一大決心を迫られることになる。果たして、その結末は!!明日の、この日記でそのすべてが明らかになる!!

6月10日 はれのちくもり
この所、しばらく雨が降っていないように感じていたんだけれど、まだ晴天が5日ぐらいしか続いていないんだね。随分暑い日が続いているので、もう10日以上も雨が降っていないように感じていたんだ。御主人は、今日一日中「明日はシャンプーだぞ」と僕に言い続けていた。でも・・・あちらこちらかゆいのはたしかだけれど、「シャンプー」という言葉を聞くたびに身体に衝撃が走るのはどうしたわけのものだろうか?・・・・夕方になって曇ってきた・・・明日は晴れになり暑くなるのだろうか・・・?

6月9日 はれ
僕は御主人に「ムツ、こっちへ来い」と呼ばれても、滅多にいったことがない。手をたたいて呼ばれようが、手招きをして呼ばれようが、2度3度呼ばれようがいったことはない。もっとも、「おやつを上げましょう」、「何処かへ行きましょう」というのなら尻尾を振って大喜びで御主人の側へすり寄っていくのだけれど、普段は滅多に行かない。なぜ行かないのか・・・・?と、言うと「御主人の側へ行くとろくな目に遭わないからだ」身体をなで回されたり、ほっぺをつねられたりして、僕の身体をおもちゃにする。僕は余りべたべたとかわいがられるのが好きじゃないんだ。だから呼ばれても御主人の側へは行かないことにしているんだよ。

6月8日 はれ
今朝はおやつをもらうためだけに散歩紐を付けてもらって、いつものおやつをもらって引き上げた。どうやら、僕を散歩に連れ出すタイミングを逃してしまったらしい。
ところで、毎日晴れの日が続く・・・先月の26日頃からまともな雨が降っていない。こう晴れの日が続くと、夏が来たわけでもないのに「水涸れ」が心配になってくる。暑さも耐え難いほどではないけれど、日陰で風通しの良い場所が恋しくなってくる。御主人などは、今年になって初めて、ティシャツ一枚でお仕事をしていたよ。汗を滝のように流しながらね。僕は小屋の奥の方で涼しい風に吹かれながらお昼寝だ。「はぁぁ〜、気持ちいい〜!!」

6月7日 はれ
はぁぁぁ〜、なんて今日は気持ちの良い日なんだろう!!朝からさわやかな風が吹いて、暑からず寒からず、まるで30年前に大人気だった青春ドラマの主人公のような気候だ。・・・・って、御主人が言っていたよ。僕も、こんな日はお昼寝がはかどる。一日中熟睡状態だ。これで、上のお兄さんや御主人が僕にちょっかいを出さなければ極楽なんだけれどなぁ・・・

6月6日 くもりのちはれ
ついに!、ついに念願が叶って僕は食器を買ってもらった。犬用水飲み器(ステンレス製)1980円、贈答用菓子碗(木箱付き)改め、犬用御飯碗1050円・・・・水飲み用の器は、台所用品とさして変わりがない。けれど、ホームセンターの「ペット用品コーナー」で売っていたのだから、犬用であることに間違いはない。問題は御飯用の食器だ。御主人はリサイクルショップで買ってきたと言っている。本来は進物用として売られていて、誰かが何処かへ贈り物としてやったに違いないのだろう。だけど、こんな物をもらってもしょうがないので、リサイクルショップに売り飛ばそうと考え、いま僕の目の前に置かれているというわけだ。しかも、いつもの御飯で満たされながらである。だが、菓子碗と言うからには陶器で出来ていて重い。しかも、抹茶茶碗で有名な「志野」にそっくりだ。あれを二回りも三回りも大きくしたら、僕の食器にそっくりになる。昨日の日記に書いたように「猫の皿」ならぬ「犬の碗」になりそうだ。御主人としては「シャレ」で僕に与えたつもりのようだけれどね。「志野の茶碗」と言ったら国宝級や重要文化財級のものがごろごろあるからね。もっとも、秋田犬の僕自体が国の天然記念物だからね。これぐらいの器を使うのが分相応といったところだと思うよ。

6月5日 こさめのちはれたりくもったり
今日は、僕のシャンプー予定日だったのだけれど、午前中に雨が降ってすこし肌寒いので取りやめになった。安心したようなガッカリしたような複雑な心境だ。みんなも知っているとおり、僕と御主人との間には「シャンプー条約」なるものが結ばれていて、「飼い犬をシャンプーする時は、飼い主は前もって、その日時を飼い犬に通達しておかなければならない」のだ。御主人は先週から予告しておいたけれど、心の中ではホッとしているに違いない・・・何しろ僕のシャンプーは面倒だからね。でも、僕の方は前にも書いたとおりだ。この所、暑いぐらいの日が続いたし、1ヵ月以上もシャンプーされていないので、汚れが目立つし、あちらこちらかゆくなってきている。来週当たりは、否が応でもシャンプーをしなくちゃならなくなると覚悟を決めている。

6月4日 はれのちくもり
どうやら、我が家の人達は大変に、非常に、限りなく忙しいらしくて、夕御飯をもらった段階では、まだ新しい食器を買ってくれてはいないようだ。昨日の日記で食器が割れた噺をしたのだけれど、今日の御飯も欠けたままの食器が僕の目の前に出てきた。御主人は家族会議でも開いて僕の食器をどういうものにするか話し合っているに違いない・・・もしかすると「国宝級の陶器の椀」なんかを買ってきてくれるかも知れない。僕はそれで毎日御飯を食べることになるかも知れない。こうなると、どうやら落語の噺にある「猫の皿」に似てくる。この噺のオチは「こうしてこの皿で猫にえさをやっていると、時々猫が三両で売れます」って言うらしい・・・どうやらこの猫は高価な皿のおまけとして三両で売られそうになったらしい。僕も・・・こうなっては大変だ。今更、知らない人のところへ食器のおまけで売られでもしたら困ってしまう。だから、ここは一つ壊れないように金物で出来た食器を願いましょうか・・・

注その1※「猫の皿」の噺のくわしいストーリーを知りたい人は「落語 猫の皿」        でインターネット検索をしてみてね。

注その2※今日の日記が支離滅裂で理解できない人は、どんどん抗議のメー        ルを御主人に出してね。いくら郡市の小学校陸上競技大会の警備          で疲れているからと行っても、これじぁねぇ〜・・・僕としても困るよ。

6月3日 はれのちくもり
今日はどうやら普通の生活を送ることが出来た。朝散歩には連れて行ってもらったし、夕方散歩、御飯も無事に済んだ。もう後は御主人が居る必要はない!!「ご苦労さん・・・」と言って追い返してやった。ほんの少しでも良い顔をして愛想でも振りまこうものなら、しばらく僕の側を離れないので、早く一人になりたい時はわざと素っ気なく対応することにしているんだ。
ところで、今日一番悲しかったこと・・・・・それは、どうも誠にいたわしい限りだった。実は、僕が物心付いた頃から使っていた御飯用の食器が割れてしまったんだ。4年以上も使っていたから、もう老齢に達していて「おじいさん、あるいは、おばあさん食器」になってしまっていたんだね。御主人におねだりをして、立派で御飯がおいしそうに見える食器を買ってもらわなくちゃいけないなぁ〜。だったら、すこし愛嬌でも振りまいておこうかな・・・・?

6月2日 はれ
「こら!!、ちょっと待て!!夕方散歩までもつれていってくれとは言わないけれど、せめて御飯だけでも僕の目の前に置いていけ!!」と、御主人に言ったのだけれど・・・・お兄さんの車に送られて何処かへ出かけていってしまった。今日で3日目だ。御主人もうんざりしているようだけれど、僕もうんざりだ・・・待つことしばし・・・今日は早く帰ってきた。と言っても夜の9時過ぎだ。汗を流して歩いて帰ってきた。そういえば、今日は真夏並みの気温だったからね・・・

6月1日 はれ
「こら!!、ちょっと待て!!夕方散歩までもつれていってくれとは言わないけれど、せめて御飯だけでも僕の目の前に置いていけ!!」と、御主人に言ったのだけれど・・・・昨日と同じパターン・・・今日も御主人は何処かへ出かけていってしまった。そして・・・今日中には帰ってこなかった・・・・