平成17年7月
7月31日 くもり
夕方散歩も終わり、あたりが大部暗くなってから御主人とお母さんが僕のところへやってきて、「夜の涼み散歩に行かないか」と誘った。だけど、僕はお母さんが右手に持っている大きな焼き魚に気を奪われてそれどころではなかった。そして「はやくはやく」と、おねだりをしてもらったおやつを食べながら、「行ってらっしゃい」と言った。結局「涼み散歩」に出かけたのは御主人一人だけだった。しばらくして帰ってきた御主人が「今日は蛍が活発に飛び回っていたぞ、それに、遠くで大きな花火がたくさん上がっていたぞ。」と言う。蛍って言うのは、今時田んぼに現れ、ぴかぴか光る不思議な虫だって言うのは5才になった僕は体験上知っている。でも・・・花火はねぇ〜、大きな音がするので雷と同じで恐いから嫌だ・・・・そういったら、「遠い花火だから光だけで音は聞こえないよ」と、御主人が言う。それだったら、一緒に散歩へ行って見ても良かったかなって思った。
「遠花火 おやつを食べつつ 見たかった・・・・禄食」
7月30日 あめのちくもり
昨日の夜、御主人とお母さんが何処かへ出かけていった。出かける時、「ムツ、お留守番を頼むぞ。お土産持ってくるからな」といった。それから3時間・・・・僕はわくわくしながら御主人達の帰りを待ちわび、「番犬」の仕事に励んだ。やっと帰って来たので御主人にすり寄っていくと、「お留守番をちゃんとやっていたか?」と聞く。僕はキッパリと「もちろんだよ」と答え、遠慮がちに「お土産は?」と聞いた。その答えは「忘れた・・・」と、意図も当たり前のように、当然の如く・・・いったい何のことだとでもいうようにあっさりと返答されてしまった。たちまち僕を包み込んでいた空気がにごり始め、暗さと冷たさを増していった。当然の如く僕は深く落胆し、一瞬にして絶望を体と心全体で味わったのだった。しかし、ふと思い直した。「そうだよなぁ、僕の誕生日も忘れるぐらいの御主人だから、お土産ぐらい忘れて当然だよね」と、哀しみの淵に沈み欠けていた心と体が一気に水面に浮かび上がり、いたく忘れ物の多い御主人に納得し、奇妙にも同情してしまう僕であった。
ちなみに、今日も二人は何処かへ出かけていったけれど、結果は昨日の通りとしか言いようがない・・・ふん!!!
7月29日 くもりいちじあめ
昨日は僕の誕生日だって言うのを僕も御主人もすっかり忘れてしまっていたよ。最も、僕の場合は日付とか何月何日という感覚がないから忘れていたとは言えない。忘れていたのは御主人である。僕の誕生日は「平成12年7月28日」なのだ。だから僕、「秋田犬のオス、5才」と言うことになってしまった。人間で言うなら働き盛り中年のおじさんという所だろうか・・・?。僕は仕事としての「番犬」はほどほどにこなしているし、のんびりとその日その日を過ごしている。人間みたいにあくせくはしない。僕は、適度な運動(散歩)と適度な食事、それに僕に対する家族の愛情があれば、それでいい・・・でも?、僕の誕生日を忘れていたっていうのは愛情がないって事になるのかなぁ〜、しかも、御主人は今日が僕の誕生日だと思っていたんだって、「御主人、僕のホームーページをよく見てよ!!僕の紹介コーナーにちゃんと誕生日が乗っているだろう!!、まったく自分が作ったくせにいい加減なんだから!!ぷん、ぷん、ぷんっ!!!!」
7月28日 くもりのちはれ
お昼になって御主人が帰ってきたらしかった・・・・帰ってきたらしかったという言い方は、すこし変かも知れないけれど、帰ってきたのは後になってわかったことなので、御主人が帰ってきた時点では僕は御主人が帰ってきたことに気付いていなかったのだ。出だしから、こんな複雑な言い方をしてしまったけれど、犬がない知恵を絞って、こんな言い方をする時は決まって言い訳を述べる時だ。つまり、今日の僕は「番犬」という仕事をさぼり、トラクターの下で熟睡をしてしまった。やがて、御主人がトラックに乗って帰ってきたのも知らずに眠りこけていたのだ。そして、僕は、鼻の頭を突っつかれるまで寝ていたのだった。鼻の頭を突っつかれて驚いて飛び起きると、目の前に御主人の顔があった・・・・「寝ぼすけ犬」という御主人の一言が、僕への当てこすりの言葉にきこえたのは僕自身の後ろめたさの表れだったのか、それとも御主人の痛烈な皮肉の言葉だったのかは定かではない・・・・そこで一句
「台風一過 ほっとひと息 午睡かな・・・禄食」だよ。
7月27日 あめのちくもり
今日は「台風7号」さんがやって来るというので番犬の責務として「厳重警戒の上モード」になり、緊張しながら警備をした。ところが、午前中は土砂降りの雨が降り風が強まると言っていたのに朝方降っていた雨が止み、風もそんなに強くは吹かなかったよ。午後になってすこし風が強いかなって思う程度だ。御主人に良く話を聞くと、「台風7号」さんは、すでに北海道という遠い所へ去ってしまったらしい。こんなのだったら緊張してまじめに勤務をするのじゃなかったなと思った。久しぶりにまともな仕事をしたので疲れてしまったよ。今日は風があるので涼しく感じられるけれど、湿気がひどい。どれ、緊張を解いてトラクターの下で「熟睡モード」に入ろうかと思う。
7月26日 くもりのちあめ
夕方散歩の帰り、家の敷地内に入ろうとしたら、いつの間にか、よそのワンコに跡をつけられまとわりつかれてしまった。よく見ると御主人の叔父さんの家にいるワンコだ。ゴールデンレトリバーである。たった一頭でご来訪らしい。僕は嬉しくなって「良く来たね!!」と言おうとワンコに話しかけたんだ。でも、僕って人見知り・・・犬見知りって言うのかなぁ。上手にお話が出来なくて、つい「がうん、がるるるる〜」と言ってしまったんだ。相手はおびえて尻尾を下げてしまったよ。それでもまとわりついて離れなかった。可愛いヤツである。それ以上に可愛いと思うのは相手がメス犬だからでもある。そのワンコは、とうとう家の作業小屋の中までやってきて、中に置いてあるものや構造などを見学をしたよ。僕は散歩ひもから係留ひもに付け替えられてからも、何とかお話をしようとしたんだ。でも、駄目なんだ「がうん、がるるるる〜」ってしか言えないんだ。御主人はワンコにお座りをさせて僕の鎖首輪をつけてやった。叔父さんの家まで送っていくつもりらしい。よそのワンコなのに僕の御主人の命令を聞けるなんてお利口なワンコだ。
御主人と遠ざかっていくワンコに僕は、おわかれの一言を放った。「しゅう〜ん、しゅんしゅんしゅん・・・・」
ところで、その後のワンコと御主人は、どうしたかというと、ワンコのお家へ向かう途中のたんぼ道で叔父さんと出会って引き渡したらしい。どうやら離された(自由散歩)途端に僕の家にやってきたらしい。僕を慕ってやってきたのかなぁ?
それにしても、かわいいやつである・・・・
7月25日 はれ
今日は恐ろしい光景を見てしまった。それを話す前に、今日の気温は最高で29度だったことを言っておく。さて、その恐ろしい光景とは・・・・人間の時間で言う午前10時頃だろうか、二頭の犬が自動車の先導でたんぼ道を舌を「ハァハァハァ・・・」と言わせながら走っている光景だ。車のすぐ後を走るのがちっちゃな「柴犬」だ。そして、どん尻を走るのが大きなラブラドールレトリバーである。どちらも舌をこれ以上のばせないぐらい伸ばしている。車を運転している御主人とおぼしき人物は窓をぴっちりと閉めてエアコンとやらをかけて良い気持ちで運転しているのだろう・・・そんな光景を見て、僕は身体が震えるほどの恐ろしさと同時に、一種異様な感動を覚えてしまった。こんな気温の中で走る犬は間違いなく「熱中症」になってしまうだろうという恐怖と、その恐怖をおそれもせずに、懸命に御主人の自動車の後を追って走る犬たちの忠誠心への感動・・・僕は理不尽な彼らの御主人に対する怒りと、彼ら2頭の犬たちに対して、いとおしさを感じたのであった。僕の御主人だったら、決してこんなまねはしないだろうと思う。そこで一句出来上がったよ。
「犬だから 舌、長くしている 大暑かな・・・・禄食」
別にライオンでもハイエナでも良いのだけれど、犬って日常的な風景に存在するものだから、こう詠んでみたよ。猫さんは暑い時に舌を出すのかなぁ?・・・最も、猫さんは、こんな暑い日には外を歩かないで家の涼しい所でお昼寝をしているんだろうなって思うよ。だって最近、近所の白猫さんを見かけないからね。だから、暑いさなかに舌を「ハァハァハァ」と、出しているのは犬ぐらいなものじゃないかなぁ〜。
7月24日 はれ
今日は日曜日と言うことで、御主人も暇なのか午後4時頃に散歩へ連れ出された。お日様はまだ高い空の真ん中よりやや西の方に傾いたばかりだし、最高の暑さはピークを越えたものの、余熱がそこかしこに残ってむんむんしている時間帯だ。だから、「むつ、散歩に行くぞ!!」と声をかけられた時は、「ぞっ」と身震いがして、思わず立ち上がって逃げ出した。いつもなら、こういう風に声をかけられると、嬉しくて飛び跳ねるのだけれど、こんなに暑い日向にわざわざ連れ出されては、たまったものではない・・・しかし、飼い犬で、しかも紐につながれている僕としては、いくら逃げた所で紐をたぐり寄せられてしまえば捕まってしまう。否応なしに散歩紐を付けられ、自転車に乗った御主人に引きずられ、四つ足を交互にうごかさざるを得なかった。そうすると、自然に身体が前に進む。このようにして、僕は田んぼや大豆畑のあちこちを引っ張り回されて、息も絶え絶えになりながら、ようやく我が家に帰還と相成ったのだった・・・・・
7月23日 はれ
日中は暑かったけれど北西の風が吹いてきたおかげで、随分過ごしやすかった。ただ、上のお兄さんは仕事へ出かけ、御主人とお母さんは秋田と言う所へ何か見に行ったらしい。何を見に行ったのかは知らないけれど、おいしいものも食べてくるんだろうなと思いながら見送った。もちろん、トラクターの下で寝ころびながらである。当然の如く「ムツ、お留守番頼むぞ」の一言だけは忘れない御主人であった。やれやれである・・・・まぁ、適当にさぼりながら「お留守番」をして、ゴロゴロしていたおかげで、たいそう退屈な一日になってしまった。夕方近くになって帰ってきた御主人は早速、僕を散歩に連れ出したんだ。「まだ、日が高くて日射しが厳しいよぅ。暑くて嫌だよぅ。」と言っても聞かなかった。仕方なく御主人に引っ張られるようにして散歩に行ってきた。大豆や稲の生長具合を見るために付き合わされたようなものだ。今日の気象庁による「犬の熱中症注意報」は、きっと「厳重注意」だったに違いない。散歩から帰ってくると、舌が「はぁはぁはぁはぁ・・・」とこれ以上長く伸びないぐらい出ていたからね。そこで一句、浮かんだよ。
「シロクマを うらやましがってる 大暑かな・・・・禄食」
字余りだよ!!、でも、ペンギンでもいいかなって思う・・・
7月22日 はれたりくもったり
人間は顔の表情で自分の気持ちや感情を表すようだけれど、犬は尻尾で自分を表す。僕の尻尾は二重巻きになっていて、尻尾を振る場合は、だいたい3段階ぐらいの振り方をする。一段階目は、尻尾を振っているのかいないのか、わからないような振り方だ。次はゆっくりと休み無く振る。そして最後は、尻尾をぐるぐる振り回すように激しく振る。3段階とはいえ、それぞれの振り方には多種多様な感情が込められているので、いまこんな振り方だから「こういう状態だ」とは一概に言えない。たとえば、家にやってきたお客さんに対して尻尾を振っているのだけれど、実は警戒しておびえている状態って事もある。獲物を目の前にして小刻みに尻尾を振る時は、それを捕まえようとして緊張している時だ。尻尾をぱたぱたと振っているような振っていないような感じの時は、御主人へお愛想を仕方なくやっている時・・・等々と色々あるが、尻尾を振るばかりが感情表現ではない。尻尾の下げ方、下げていながら振る時・・・等々尻尾は犬にとって人間の顔に等しい。尻尾の下げ方も色々あるけれど、長くなるので止めるよ。またそのうちに説明しようと思う。ところで、今日の僕の尻尾はこの日記を読んでくれた人達に「ぐるぐるぱたぱた」の振り方だよ!!!
7月21日 あめ
雨が降ると人恋しくなるのか、何処かへ出かけていった御主人が帰ってきたので、僕は大はしゃぎで、身体をぐるぐる回して「お帰りの踊り」を踊った。御主人もそれに答えて体中をナデナデしてくれたよ。普段の日は御主人が帰ってきても、そんなに愛想を振り向くことはしないのだけれど、霧のように細かな雨がしとしと降って肌寒い今日みたいな日は、何となく人のぬくもりが欲しくなるものなのだなと、つくづく思った。そして、何となく泣きたくなる。「雨が降ると誰も散歩へ連れ出してくれないから」なのである。「きゅ〜ん、きゅう〜ん、しゅんしゅんしゅん・・・・」と寂しそうに泣くのだ。すると、心ある飼い主なら雨だろうが台風だろうが散歩に連れ出してくれるに違いない。家の御主人がそうだとは言っていないけどね。・・・・・
7月20日 くもりのちあめ
犬も夢を見る。今朝は「御主人にお手を強要されてうなされる夢」を見ているところを御主人にしっかりと見られてしまった。朝早く目を覚ました御主人が僕の様子を見ようと部屋の窓を開けると、僕が寝ながら、しきりに右前足を差し出す仕草を繰り返していたというのだ。夢なんて目が覚めるとすぐ忘れてしまうのだけれど、御主人から僕がそんな格好をしたと言われてみれば、先に書いたような夢を見たような気もする。僕は犬なので複雑な夢は見ない。たとえば、誰かに追いかけられて絶体絶命になった夢を見た時、「きゅう〜ん」と鳴き声を上げたり、口をもぐもぐさせたりしている時はおいしい物を食べている夢を見ている時だ。こんな風に寝言も言うし、寝ぼけて身体を動かしたりもする。ただし、人間達の中に良くいるようだけれど。寝ぼけたからと言って立ち上がってふらふらと歩き回るようなことは絶対無い・・・・・と思う。犬だから・・・
7月19日 はれ
犬の本能についての考察、その4だよ。題して「犬が食べ物を残した時はどうするの?」だ。野生の犬の場合、えさの調達方法は主に狩りによる。他の動物を捕まえてえさにするのだ。そしてたらふく食べた後に残った肉は土の中に埋めてしまう。この後、餌を取ることが出来なかった時を考えて埋めておき、また掘り出して食べるのだ。飼い犬の場合はどうするのか・・・と言うと、やっぱり、食べ残した餌は基本的に土の中に埋める。但し、飼い犬の餌は肉とは違って様々なものが与えられる。それが土の中に埋められるものであるとは限らないのだ。さらに問題なのは、飼い犬が餌を食べ残した場合は、「すぐに捨てるように」と、犬の飼い方マニュアルに書いてあるそうだ。だから、飼い主は飼い犬が食べ物を残した場合は、すぐさま捨ててしまう。食べ物が悪くなって食中毒にでもなったら大変だからである。僕の御主人も「マニュアル人間」なので、それを実行している。では、残した餌を捨てられないためにはどうすればいいのか?、それは、残した御飯を捨てようと飼い主がやってきた時、すかさず立ち上がり、残した餌へ駆け寄り、再び食べ始めるのだ。すると飼い主は、「ああ〜、まだ食べるんだね。」と言って立ち去るのだ。そういったことを2回3回繰り返すと、食べ残した餌もあらかた胃袋の中へ収まってしまうのだ。このように、野生の犬には野生なりの知恵があり、飼い犬は飼い犬なりの知恵が生まれてくるのである。だが、それよりも何よりも、飼い犬の場合は御主人からいただいた御飯は「残さず食べる」という心構えが最も重要なことなのだ。でも・・・・「はぁぁ、お腹がパンクしそうだよ。胃拡張にでもなりそうな感じ・・・」
7月18日 くもり
今日は、一日中ものすごい風が吹いていた。しかも、曇っている割には気温が高い。今日もトラクターの下で寝ころんでいたら、御主人かおやつを持ってきてくれた。珍しいこともあるものだと、トラクターの下からはい出すと、御主人はアイスクリームのかけらをくれた。自分も「ぱくぱく」食べている。さも、僕にそれをくれてやるのが惜しいかのように(本当に惜しかったのだと思うけれど)、僕の鼻穴ほどの小ささのアイスクリームのかけらを僕の口元に差し出した。僕は初めて食べるものなので、匂いを嗅いで一度、舌で「ぺろりん」となめてみた。「うん、大丈夫!!前に食べたことがあるミルクの味がする」と、一気に口の中へ奥に込んでやった。おいしかったけれど、余りにも冷たいので、くしゃみが2度ほど出てしまったよ。
犬は、食べ物に対しては臆病だ。いくら、腹ぺこでも初めて食べるものには人間以上に緊張するし、警戒する。初めて食べるものは一度に口の中へは絶対放り込まない。匂いを嗅ぎ、なめ回し、口の中へ入れて食感を確かめ、口の中から放り出すのだ。そして、先に書いたとおりのことを2度3度と繰り返してから、「これなら大丈夫だろう」と自ら納得して腹の中へ送り込んでやるのだ。これも、いわば野生時代の本能なのだろうと思う。野生の犬はおかしな物を食べて苦しんでも、誰も助けてはくれないからね。
7月17日 くもり
今日は曇っている割には気温が高くて空気がべっとりと身体にまとわりついてくるような一日だった。ムシムシと暑いので、今日もトラクターの下で寝ていた。時々、気分転換に外へ出てくることもあるけれどね。それに、なんと言っても仕事はおろそかに出来ないので時々、不審者を見つけると「わんわんわん」と吠えなければいけない。番犬も大変である。毎年、今頃の季節になって思うことだけれど、犬というのは毛皮をまとっている。この時期、毛皮をさっぱりと脱げるように犬も生物的進化を遂げなければいけないなぁ〜・・・と、しかし、お座敷犬たちは、今頃の季節はクーラーの効いた部屋にいるので寒いぐらいの気温の中にいるかも知れない。そうすると、逆に毛皮が厚くなって毛もふわふわのふさふさになってしまうような進化になってしまうんじゃないかと心配している。もっとも、現在の血統書が付くような犬たちは人間の手で改良されてきた種類だから、犬独自の進化というのは期待すべくも無いのだけれど・・・・・
そこで今日の一句
「紫陽花に オシッコをかけている 暑さかな・・・・禄食」
日記の内容とは何も関係ないと思うけれど、状況はわかるよね?きれいな紫陽花も暑さで参っているらしいので、僕が・・・・あっ、俳句に説明は野暮なので止めちゃうよ。
7月16日 はれのちくもり
普段の僕は紐で作業小屋の柱につながれている。約10メートルの長さがあるので、考えもしないで歩き廻っていると、柱にぐるぐる巻きになってしまい身動きがとれなくなることが良くある。ところで、この紐はナイロンなのか麻で出来ているのか知らないけれど、繊維状のもので出来ている。ところが、我が家の先代秋田犬である「まる」さんは鉄の鎖でつながれていた。それも鎖を何本も継ぎ足して長くして比較的自由に歩けるようにされていた。「重くて、かわいそう」と言うかもしれないけれど、この「まる」さんはなかなかの曲者なのだ。と言うのは鎖につながれる以前は、僕のように紐でつながれていたのだという。ところが、家の者に見つからないように紐を食いちぎって逃亡してしまうのだ。そうかと思うと、首輪を巧妙に抜いて逃亡したりもする。それで、食いちぎることが出来ない鎖でつながれるようになったのだという・・・・僕なんか、のほほんとしているので、そんなことをする知恵も才覚もない。御主人から聞かされる先代犬の才能に、ただただ驚くばかりなのであった。
7月15日 はれ
今日は暑い一日になった。黙っていても御主人の額から汗がしたたり落ちてくる。僕も、余り暑いので一日中トラクターの下に潜り込んでお昼寝をしていた。そうすると御主人は僕をかまったりなでたりすることが出来ない。手が届かないからだ。そこで御主人は「犬なで棒」なるものを取り出した!!・・・と言っても、自分で作ったものでも買ってきたものでもない。実は、長い柄の付いた箒を持ってきて、箒の部分で奥の方にいる僕をなでるのである。そして、柄の先端部分では僕のかゆい所を掻いてくれたり、叱る時に「こつん」とその部分でぶったりする。誠に便利なものだと御主人は言うけれど、僕にとっては迷惑以外の何物でもない。せっかく誰にもじゃまされず外敵にも襲われない所を選んで暑さをしのいでいるのに、そんなもので僕の身体をいじくり回されたら、よけい暑苦しくなってしまう。御主人には、「そんな道具を使うな!!、がうんがるるるる〜!!」と声を大にして言いたい!!
7月14日 くもりのちあめ
犬は野生だったオオカミの本能を未だに受け継いでいると、昨日も一昨日も、くどいぐらい言っている僕ではあるが、今日の犬の本能は予告したとおり、「犬が身にまとう香水とは?」だぁぁぁ!!!・・・・と、そんなに力を入れてタイトルを叫ぶほどのものでもないのだけれど・・・。犬は自分のにおいを他の動物に覚えられるのを嫌う。外敵に匂いを覚えられてしまうと、何処までもつけねらわれ、自らの生命の危機に陥ってしまうこともある。そこで犬は他のにおいを自分の身体にこすりつけて自らのにおいを消し去るのだ。これ、つまり香水と基本原理は同じだ。具体的な例を挙げると、カラス等、動物の死骸に身体をこすりつける。堆肥に身体をこすりつける。等々、強烈なにおいであればあるほど犬にとってはまたとない隠れ蓑になる。そこで、今回僕が選んだ匂いの元は、ボロ布みたいなものに付いた匂いだった。それは御主人からもらった布だった。なんの匂いなのか最初はわからなかったけれど気に入ったので、自分の匂いを消してくれる香水代わりに、その布きれの上に「ごろん、ごろん、ごろごろりん」と、身体をこすりつけたんだ。何度も何度もね。やっと僕の匂いが消えてボロ切れの匂いがほどよく僕の身体に移り込んだ。「よしよし、これで身の安全は保証されたものだ」と喜んだ僕だったが、ふとした疑問がむくむくと頭もたげてきたので御主人に聞いてみた。「いったい、あのボロ布ってなんだ」ってね。すると、御主人曰く、「あれは俺の汗まみれのTシャツだ」と憮然としながら言うのであった。合掌・・・・
*お知らせ・・・ごろんごろん、と匂いを身体にこすりつけている場面のビデオをそのうち公開するよ。だから、いま僕のホームページで公開中の「動くものに反応する犬」のビデオを見てね。「犬の本能編パート1」だよ!!「犬が身にまとう香水とは?」は、「犬の本能編パート2」って事になるね。
7月13日 はれのちくもり
犬は野生だったオオカミの本能を未だに受け継いでいると、昨日の日記に書いた。今朝も、その本能が独りでに出てしまったんだよ。それはなにか?・・・「犬は動くものを見ると本能的に飛びついてしまう」だ。今日のはボールじゃないよ。ご近所の白猫さんを見つけて飛び出していったんだ。この猫さんは、いつもだとビニールハウスの東側を通って自分の家(我が家の北側にある)に帰るんだけれど、今日は西側を通ってやってきたんだ。西側は僕の紐が届く行動範囲内だ。「なんて大胆なヤツだ!!」と僕はあきれるよりも何よりも、犬の本能で動いている猫さんに飛びかかっていった。・・・・と、言っても僕如きに捕まる猫さんではなかった。悠々とその場を逃げ去ってしまったのだ。「残念!!」・・・とはいうものの、何が残念なのか自分でもよくわからない。猫さんを捕まえて食べようとか、血祭りに上げてやろうとか思ったわけではない。ただ犬の本能に従って動くもの(猫さん)に飛びついていっただけのことなのだ。もしかして、あの猫さんは僕とお近付きになりたくて近くまで寄ってきたんじゃないのかなぁ〜・・・?
明日も犬の本能についてお話しするよ。「犬が身にまとう香水とは?」についてだよ。
7月12日 くもり
犬は野生のオオカミだった頃の習性を本能として持っている。どんな犬もそうなのかどうかは世界中すべての犬の行動を見たわけではないのでわからないけれど、少なくとも僕はそういう習性を持っている。その一つは何かというと、食べ物を良く噛まないで丸のみにしてしまうと言う習性だ。野生の犬は集団でくらしているので食べ物も早い者勝ちである。だから、早く自分の胃袋に飲み込んだ方が勝ちになる。他の犬に食物を取られないための知恵だ。それが、ほとんどの犬が飼い犬になったいまでも習性として残っている。
そして・・・今朝、お母さんからお肉の塊をたくさんもらったので、「ペロリ、ゴクン、ペロリ、ゴクン・・・」と丸飲みにして胃袋の中へ「超特急」で送り込んでやったんだ。すると・・・・夕方になって、僕のお尻も「超特急」になってしまったよ。お腹も痛くなってきた・・・・御主人から、こう言われてしまったよ。「おまえは御先祖の犬の本能として、そんな食べ方を受け継いだかもしないけれど、おまえの胃袋はすでに飼い犬の胃袋として退化してしまったんだぞ。だから、そんな食べ方をしてお腹ををこわすんだ。」・・・・ってね。
7月11日 あめのちくもり
土曜日の日の夜は上のお兄さんとお友達が、犬小屋からすこし離れた所で「焼き肉パーティ」をしたんだ。僕は夏になると、いつもこれを楽しみにしている。今日は、朝からよだれを垂らしながら待っていたんだ。もう、朝から炭火焼きの台がセットしてあったからね。夜になって暗くなると「始まった。始まった!!」良い匂いがぷんぷんしてくる!!炭が真っ赤に焼けてパチパチ音を立てている。ちょっと熱くて恐いけれど、食べ物の誘惑には勝てないので近づいてみた。そして、たらふくお肉をごちそうになったんだ。夕御飯を食べ終わった後だったので、すこしずつもらって食べたんだけれど、それでも僕のお腹は満月のようになってしまったよ。余りおねだりをしたので最後は嫌がられて、紐を短くされてしまったよ。つまり、焼き肉コーナーには近づけないようにされてしまったというわけなんだ。そんな所へ「犬新聞社の特派員」が「梅雨時の食欲増進で夏を乗り切ろう!!」という特集の取材に来て、僕が物欲しそうに焼き肉を見ている所を写真に撮っていったよ。
・・・・・ところで、御主人・・・あんた、いつから「犬新聞社特派員」になったの?
7月10日 ほんかくてきなあめふり
朝から一日中雨降りだった。日曜日なので晴れていれば御主人がやってきてボール遊びのお相手をしてくれるのだけれど、今日は誰もやってこない。「誰かやってきたな」って思うと自動車に乗り込んで何処かへ出かけていってしまう。つまらないので御主人のトラックとお母さんの自動車の間で寝ていたよ。涼しいのでぐっすり眠ることが出来たよ。朝散歩も夕方散歩もないので後は御飯を食べて、また寝るだけだ・・・・(夕方から御主人は何処かへお出かけと会って夕御飯は早めに出たよ。)
7月9日 はれのちくもり
今日はシャンプーをしてもらったよ。昨日から「シャンプー、シャンプー」と独り言のようにつぶやいていた御主人だったが、今朝は9時からシャンプー場へ引っ張り出されたんだ。まぁ、この梅雨のさなかの「ムレムレ、ベトベト」になっている身体も毛皮もさっぱりさせるには良い機会だ。それで、僕は余り抵抗もしないで、素直にシャンプー場へ行ったんだよ。でも、御主人はシャンプーが下手なので、僕はすこし暴れた。御主人が言うのには「おまえがおとなしく洗わせないから手間取るんだ」という・・・「おまえが悪い」、「御主人は洗い方が乱暴だ」と言い争っていると、そこへ上のお兄さんが現れて僕を洗ってくれたんだ。スムーズにさっぱりと洗ってもらったよ。こうして身も心もきれいになりお兄さんに引かれてというか・・・お兄さんを引っ張って、飛ぶように犬小屋へ帰っていったんだ。後は南東の風3メートルに吹かれて身体の乾燥だ。地面にごろんと横たわって毛繕いなどをしていると、お昼前には乾いてくれたよ。ただ、額のところだけが、なぜか乾いていないんだよね・・・・?
7月8日 はれ
常日頃から、「人の言うことを聞かない犬」だの「天上天下唯我独尊的犬」だのと呼ばれている僕ではあるけれど、御飯の時間になると、これが同じ犬かと思うぐらい人の言うことを聞くようになる。「お座り」と言えばきちんと座るし、「ふせ」、「立っち」等々、言われればどんな芸でもこなす。これすべて御飯をもらうためだ。御主人は、普段は僕が言うことを聞かないものだから、ここぞとばかり矢継ぎ早に命令を出す。それで僕は「お手」の命令が出ると悲しそうな声で「きゅうい〜ん・・・」と泣くことにしている。可愛い子ぶりっこみたいなことをすると、基本的には僕に甘い御主人が、すぐ御飯を食べさせてくれると思って泣くんだ。でも、毎度毎度は出来ないね。僕の作戦が「見え見え」になってしまうからね。この必殺技を出すのは、御主人が余りにもしつこく御飯前の芸を僕に強要する時だけだよ。今日は、あまりにお腹が空いてしまって、早く食べたいので焦ってお座りする時に御主人の足を踏んでしまったんだよ。「飼い犬に手を噛まれる」ってことわざは良く聞くけれど、「飼い犬に足を踏まれる」なんて言うのは古今東西、何処を見渡してもないから笑っちゃうよね。
7月7日 くもりいちじあめはれまもあり
「梅雨寒や 犬用合羽も いとおわず・・・・禄食」
まずは、久々に俳句から行こうと思う。以前、犬用雨合羽を買ってもらったものの、着るのが嫌でそのままにしていた。それが、梅雨寒の空の元では、重ね着が必要なぐらいで雨合羽も嫌わず着たいぐらいだって言いたいんだよ。
ところで、今日は七夕という行事で、御主人のお話に寄れば、天の川を境に別れ離れになった恋人同士が一年に一回の今日、会えるのだという。「ふん!!、会えるものなら会って見ろって言うんだ!!恋人がいるぐらいならまだましだ。僕なんか相手すらいないんだぞ!!」・・・・でも、幸い今日は曇り空だ。星空なんて見えないよ。残念ながら天の川の二人は会えそうもないね。えっ?、雲の上は晴れているって・・・・そんな天文学的、気象学的知識なんか犬は知らないんだもん、ふん!!!!!
ところで、今日は僕をつないでいる紐が新しくなった。御主人がホームセンターから買ってきてくれたんだ。僕を束縛している紐なので喜んで良いのかどうか複雑な心境だ。でも、いままでの紐は切れて継ぎ足したりしているので、大部短くなってしまっていた。
新しい紐の行動半径は10mだよ!!行動半径が、すこしでも広がると世界が広くなったように感じるね。!!
7月6日 くもりいちじあめ
***緊急告知!!***
・・・・ってほどのものじゃないけれど
「御主人に つい誘われて シミュレーション」というタイトルで、僕のビデオ映像が緊急公開になった。梅雨空の鬱陶しさを吹き飛ばすようなアクション仕立てになっている。犬の狩猟本能が生々しく、かつ残酷に映し出されている。唸り声を上げて、獲物に飛びかかり、さんざんいたぶりながら口にくわえ込んで去っていく場面だ。と、いっても獲物は、壊れたというか、僕が壊したというのか、スポンジブラシの残骸だ。それを獲物に見立て、御主人が放り投げて動きをつけたところへ犬の本能で素早く僕が襲いかかっていくのだ。本編の見所は、なんと言っても、唸り声を上げながら獲物に襲いかかる僕の姿だろう。
ちまたの映画で話題になっている「スターウォーズ」、「宇宙戦争」等なんのその、今年の世界三大映画の一つにもなろうという代物だ。だから・・・・だから、誰か、お願いだから見て!!僕の雄志を!!毛がわりの、ちょっとみっともない姿だけれど・・・・
7月5日 あめがふったれやんだり
昨日は一日中、犬小屋の中で熟睡してしまった僕だったが、「番犬のくせに犬小屋の中で熟睡しているとは何事だ!!」と、御主人に叱られてしまったので、今日の僕は小屋の軒下でフセの格好で見張り番をしていたよ。時々、「ごろん」と横になって寝たりもしたけれどね。今日は、はす向かいのお家にいるビーグル犬が「わんわんわんわんわん!!」と、まじめに番犬のお仕事に精を出しているようだ。「まぁ、あいつに任せて僕はのんびりしよう」と思い犬小屋の中に入って大きなあくびをして気が付いた。ビーグル犬の番犬としての守備範囲は、僕の家の通りじゃなくて、もう一本、北側の道路だった。僕の家の廻りには家が建ち並ぶ通りが3本ある。一番北側が、このビーグル犬が飼われている家、真ん中が僕の家がある通り、一番南側が御主人の叔父さんの家で、そこに飼われているのがレトリバー犬・・・・僕達3頭の飼い犬は近所の家と工場15,6軒の安全を守っている。でも、お互いの犬の守備範囲が違うんだから、ビーグル犬ばかりには任せてはおけない。仕方なく、僕は番犬の仕事に、あくびをかみ殺しながらいそしむのであった。でも、僕は北側の通りに建っているアパート2棟の番もしているんだよ。ビーグル犬は自分の家の番しかしていないんじゃないかなぁ〜?。余り、その犬とは付き合いがないのでよくわからないけれど・・・「番犬による地域安全連絡協議会」って言うのが必要になってくるかもね・・・?。犬同士、情報を交換しながら「今度、郵便屋さんは新しい人が来た」とか「あの宅配便のお兄さんはいつも来る人だから吠えないように」等々と話し合えたら無駄吠えをしなくて済むし、余暇も出てくるんじゃないかなぁ〜、その余暇を有意義に使ってお昼寝をする。良い考えだと思うんだけれどなぁ〜・・・・
7月4日 あめがふったりやんだり
今日はすこし肌寒いので(人間にとっては)、犬小屋の中でお昼寝をすることにした。以前と比べると、見違えるようにきれいになった犬小屋の中は僕の眠りを誘うのに十分だった。犬小屋をリフォームしたわけではない。ただ、なかをきれいに掃除しただけなんだ。僕は、この中でぐっすりと寝込んでしまったよ。すこしぐらい大きな音がしても気が付かないぐらいだ。ところが、御主人がこっそりと僕のところへやってくるのだけは、気配でわかるんだ。音や影というのではない。なんか嫌な予感がして、「ビクン」と身体を震わせて飛び起きてしまう。そして御主人の様子をうかがうのだ。何もしない(身体を触ったりつねったりしない)とわかると、安心して僕のまぶたは自然に下がってきて閉じてしまう。うつらうつらと舟をこぎ始め、また熟睡モードに戻るのだ。今日は雨だし、御主人は田んぼへ行って雨の中でお仕事だ。僕はのんびり犬小屋の中でお昼寝だよ。「はぁ〜、極楽、ごくらく〜!!」
7月3日 はれ
今日の気温は、もう少しで30度を超える所だった。「かんべんしてくれ!!」と僕が天に向かって怒鳴ったら、29.4度で気温が止まってくれた。ヤレヤレ、一事はどうなることかと思ったよ。幸い東よりの風が涼しく吹いていたので、僕はトラックの下に潜り込んでお昼寝をしていたよ。御主人も僕にちょっかいを出しにやってこなかった。こんな日は極楽だね。誰にも気兼ねしないで涼しい風に吹かれながらお昼寝が出来る。でも、朝方に「今日は天気が良いのでシャンプーでも・・・」という話が御主人から出たんだ。「シャンプー」という言葉を聞いた僕は途端に落ち着きを無くし、悲しそうな顔になった・・・・と御主人は言う。いや、そういう風に見えたと御主人は思ったんだね。でも、僕はもうすぐ五歳になる秋田犬なので、そんなことはない。心の中では動揺したかも知れないけれど、心の動揺を表に出すなんてはしたないことはしない。結局、シャンプーの件はいつの間にか消えてしまった。きっと、面倒くさがり屋の御主人のことだ、「また来週のことにしよう」とでも思ったんじゃないかなぁ・・・?
7月2日 はれ
今日は、5月から10月までに毎月飲まされる薬を飲まされた。先月は甘いお菓子の中に押し込められた薬を飲んだ。今月は分厚いハムだった。それの中程に切れ目を入れ、そこに薬が押し込まれてあった。僕は「ペロリ、ゴクン」と一飲みにして、ハムと薬は超特急のグリーン指定席に乗って胃袋の中へ「あっと」いう間に到着してしまった。
本当は、昨日が薬を飲む予定日だったのだけれど、御主人が忘れてしまって今日になってしまった。やれやれ・・・・飼い犬の健康、存在が気にならなくなるほど、僕がこの家になじんでしまったのか、はたまた、僕なんかどうでも良くなってしまったのかは知らないけれど、一日遅れの「呑薬日・・・?」だ。今月は巧妙な仕掛けで薬を飲まされてしまった。僕が肉類を食べる時は咬まないで丸飲みにする習性をよく観察していて、それを利用して薬を飲ませたようだ。最近の僕は気に入らないと薬を舌で押し出して吐き捨ててしまうこともあるからね。「一粒3000円」もする薬を吐き捨てられてしまったら御主人も泣きたくなってしまうだろう。けれど、僕は薬が飲みたくないわけじゃないんだ。でも、そこは、それ・・・賄賂というわけじゃないけれど、それそうとうの見返りがないと薬は飲めないよねぇ〜・・・それにしても、今回のハムは誠に結構だった。結婚式の引き出物だったらしくてハート形をしていたのが良かったよ。御主人、来月の薬も楽しみにしているよ。出来れば、高級牛肉なんかも良いなぁ!!米沢牛あたりのね!!!!
7月1日 あめ
梅雨らしい雨の降り方で一日いっぱい降っていた。じとじと、じっとりと細かい雨が見渡す限りの野山を濡らし、犬の毛皮を初め。有りとあらゆるものに湿気が「ねっとり」とまとわりついて気持ちが悪い・・・まるで、暑く焼けたアスファルトの道路上に捨てられたチューインガムを踏んでしまった時のような感じがする。
そんな天気なので退屈だった。だけど、いいおもちゃを発見したよ。プラスチックの柄が付いたスポンジブラシだ。以前、上のお兄さんが車を洗うのによく使っていたようだったけれど、スポンジの部分は、すでに僕が食いちぎってしまい跡形もない。残ったのはプラスチックの部分だけ。これを獲物のに見立てて、「がうん、がるるる〜」とうなりながら飛びついていくんだ。そして牙を立てて、噛みついたりおしゃぶりしたりして楽しむんだ。猫さんが毛糸玉にじゃれつくのと同じ格好だよ。御主人が居る時は、それを放り投げてもらい、僕が拾いに行く。獲物が逃げ去るのを追いかけるようで楽しさが倍増する。いわゆる人間の世界でいま流行っている「ばーちゃるりありてい?」・・・って言うのと同じだね。