平成18年4月
4月30日 はれのちあめ
今日もずいぶんと陽気が良い1日になった。御主人のお仕事は昨日の夜7時過ぎに一段落したので、今日は暇かというと、さにあらず、水路の共同泥上げ作業とやらがあるというのでお出かけしてしまった。お昼に帰ってきたのだけれど、15時からお花見の交通整理で、またまた出かけていってしまった。今日は観桜会(お花見)の最終日だという。けれど我が家の桜はまだ満開になっていない。御主人が出かけてから、しばらくたつと空が真っ暗になって雨が降り始めた。やがて御主人もお花見から帰ってきたよ。どうやら観客も少なかった上に雨が降ってきたので帰ってきたらしい。御主人の着ている服のあちらこちらに桜の花びらが雨で張り付いていたよ。うす桃色がちょっときれいだったと思うよ。でも、犬は色がわからないから何とも言えないけれどね。
4月29日 はれ
今日は、僕のシャンプー日和だった。なんと言っても、朝からよい陽気で、日中の気温も20度以上になったらしい。ところが、天気が良くなると御主人の農作業もはかどるという仕組みになっているらしくて、今までの遅れを取り戻そうと、朝早くから真っ暗になるまでお仕事をしている。だから、今時はいくら陽気が良くても僕のシャンプーなどしている暇はないというわけなんだ・・・・とどのつまり僕は、いまだに2005年(平成17年、つまり去年の事)の垢や汚れを身にまとったまま日々を暮らしているって言うわけなんだ・・・・
4月28日 はれ
「犬は3日飼えば恩を忘れず」とは人間世界に広く知られていることわざである。だが、犬の立場から言わせてもらえば、嘘である。犬の世界のことわざは「犬は3日飼えば図々しくなる」である。何処でどう間違って人間世界に、こうしたことわざが伝わったのかは知らないけれど、飼われ始めの頃は、オドオドと遠慮して自分が今置かれている環境を懸命に受け入れようとするけれど、3日も経つと「食べ物は要求する」、「飛びついて甘える」、「散歩を要求する」等々、飼えば飼うほど犬から飼い主に対する要求が際限も無く広がっていくのだ。飼い主にしてみれば、有望株を買ったつもりが、毎日のように株価が下落していくような犬の態度に愕然とし、失望と、犬本来が持つ愛しさの間に矛盾と葛藤を抱きつつ、飼い続けなければいけないのである。飼い犬とは、突き詰めて言えば、飼い主に寄生する寄生虫みたいなものである。だだ、寄生虫は不快だけをを感ずるけれど、犬は飼い主が癒しと和みを感ずる方が多いのが、せめてもの救いなのである。
合掌!!・・・・
4月27日 うすぐもり
春らしくない天気が続いているというのに、今、我が家では「春の花々」が今を盛りと咲き誇っている。椿、梅、一重の桜に八重の桜、水仙、その他たくさんの花々・・・
水仙は僕がいつも引っかかる梅の木の側にたくさん咲いている。まるでお花畑に来たようだ。その水仙の側で寝っ転がっていると、とても気持ちが良い。花もおいしそうなお菓子みたいな形なので、よだれが出てくる。だけど、この水仙という草は、猛毒を持っていると言う事を僕は本能的に知っているのだ。このことは、犬なら誰でも知っている事だ。いつも言っているけれど、御先祖だったオオカミの知恵がそのまま僕達、犬に受け継がれているんだね。「きれいな花には毒がある」って言葉は人間世界でも使われているらしいけれど、いったいどういう時に使うのかなぁ・・・?御主人に聞いてみたけれど、口に出すのも恐ろしい・・・と言うので教えてもらえなかったよ。変だなぁ〜・・・
4月26日 はれたりくもったり
今日も、冷たい風が吹いて春らしくない天気になった。でも、今日はまともな世話をしてもらえたよ。朝散歩には連れて行ってもらったし、帰ってからおやつももらったよ。夕方散歩は寒いので短い散歩だった。けれど御飯は豪華だったよ。いつもの御飯の上にキャベツと卵を炒めたものが乗っていて、さらに煮干しがちりばめられていた。どうせ余ったものだろうと思うけれど、毎日毎日同じ御飯をいただくよりは多少目先の変わったものが時々出てくると飽きないし、豪華な食事に見えるから食が進む。これからも、こんな御飯をどんどん出してもらいたいね。頼むよ、御主人!!
4月25日 あめがふったりやんだり
今朝は雨降りだったので散歩へは行けない事になった。夕方散歩は、御主人が午後から何処かへ出かけてしまったので、これも「なし」という事になった。おまけに夕方・・・いや、真っ暗になっても誰も帰ってこないので僕はひもじい思いをさせられてしまった。いつも言うけれど、飼い犬は飼い主があって生きていけるので、誰もかまってくれないと大変な事になる。僕は「今帰るか、いま来る」かと、家の入り口の方を眺めながら、うろうろしていたんだ。そしてやっとかえってきた御主人に、しつこくまとわりつきながら「御飯」を要求した。御主人が着替えるためにしばらく待たされたけれど、やっと今日の食べ物にありつく事が出来たよ。「ありがたい、ありがたい」・・・・でも・・・「やれやれ・・・」なのである。
4月24日 あめのちはれたりくもったり
明け方から雨・・・・昼前になってお日様が出たと思って喜んだら、台風並みの風が吹いてきた。御主人の話だと風速13メートルもある・・・と言う。お米の苗が入っているビニールハウスが「ばたばた」と風に吹かれて揺れている。今にも好き飛ばされそうな感じで、見ていて「ハラハラ、ドキドキ」してしまう。だから僕は犬小屋の中へ入り、外の景色、現象を見なかった、聞かなかった事にした。そうして、自分の心の中に閉じこもってしまえば安心だし、ぐっすりと眠る事が出来る。でも、あんまりぐっすり眠ってしまったので、御主人に揺り起こされるまで気付かなかったよ。御主人が、すぐ側まで来ていたのに気付かなかったんだよね。これは番犬としては失格だ。一応、僕にも職業的なプライドって言うものがあるからね。これから気を付けなければいけないなぁ・・・
4月23日 はれ
今日は良く晴れたけれど、北西の風が少し冷たかったので僕のシャンプーは日延べと言う事になってしまった。それで、僕はのんびりと気持ちよいお日様の下で地面に横たわった。余りにも気持ちが良い日和なので「ごろんごろん」と、寝返りを打ったりした。
ところで、今日の御主人は城跡公園のお花見の交通整理に行った。終わってかえってきた御主人のお話によると、2の丸や本丸は、まだ満開とは言えないけれど、東側とお堀端である南側の桜は満開に近い状態だったという。そして、何よりも困ったのは、本丸にある宴会場から焼鳥や、何やらの良い匂いがしてきて困ったのだという。それはまあ、食欲をそそる匂いだったという・・・・僕は、そのお話を聞いただけでよだれが止まらなくなってしまった。「はぁぁぁ〜、でも、今日もいつものごはんなのか」と、現実が頭の隅を横切り、空想の中にあるごちそうは消えてしまい、その途端によだれがぴたりと止まってしまったのであった。ヤレヤレ・・・である。
4月22日 はれたりくもったり
今日は、まずまずのお天気・・・・でも、僕の身体がシャンプーできるほどの陽気にならないと「春爛漫」とは言えない。噂によると、僕の家以外の桜がぼつぼつ咲き始めたという噂が聞こえてくる。だけど、油断は出来ない!!今年の春の天気には裏切られっぱなしだったから、素直に「春ですよ」と言われても信じるわけにはいかないのである。「犬も人間も疑り深くなったらおしまいだよ」とよく言われるけれど、どうしようもないんだよね。疑り始めると際限がないからね。・・・・・・
4月21日 くもりのちあめ
はぁぁぁ〜、今日も雨降りだ・・・・こんなに雨が降ると身体も腐ってしまいそうだ。ドロンコ道を雨の晴れ間を縫って散歩するものだから身体、特にお腹の白い部分が汚れてしまう。こんなにもシャンプーしてもらいたいと思ったのは生まれて初めてだ。こんな春は春とは言えない!!御主人も天気のせいでお仕事が遅れているのでイライラし始めている。御主人の機嫌が悪いと、僕にも多少の影響を及ぼしてしまうのて、なんとか天気が持ち直してもらいたいものだ。
とにかく、今日も、僕は犬小屋の中でお昼寝する事になったんだ。まったく、犬小屋の中にばかり入っているので「箱入り犬」って感じだよ。と、いっても、誰も「良い犬ですねぇ」とか「立派な秋田犬ですね」とは誉めてくれない。箱入り仲間である「箱入り娘」がうらやましい・・・・
4月20日 くもりのちあめ
はぁぁぁ〜、今日も雨降りだ・・・・僕は犬小屋の中へ「お気に入りのぼろぼろシーツ」を持ち込んで床に敷いて「お昼寝」だ。この「ぼろぼろシーツ」は、僕が食い破ったり、地面にたたきつけたりして遊んだので、泥んこになり、元々は白い色のシーツだったとは誰も思わないようなものになってしまっている。おまけにあちらこちら破れているので、もう何の役にも立たない・・・と思う。今は、ただただ、僕をいやしてくれる愛玩物となっている。元々、このシーツは僕の身体を拭くものだったのだけれど、最近は誰も手を触れなくなってしまっている。時々、御主人が汚いものを触るように(他の人から見れば実際汚いのだけれど)、それをつまみ上げて、犬小屋の脇に放り出したりするのだけれど、僕は、それをこっそりと拾ってきて、犬小屋の中に持ち込んでシーツ替わりに使っているというわけなんだ。これを手元に置いておくと、なぜか気分がリラックスするんだよね。スヌーピーという犬の漫画に出てくる「ぼろぼろ毛布を手放さない男の子」みたいだと御主人は言うけれど、犬と人間を見比べないで欲しいなぁ。ましてや、向こうは漫画の登場人物だし、こっちは「生身の犬」なんだからね!!
4月19日 うすぐもり
今日は、昨日よりはだいぶましだった。しかし、「春本番」とは言えない。桜のつぼみも固かった殻から、やっと顔をのぞかせたばかりのようだ。昨日から「本莊城跡公園(鶴舞公園)の観桜会」が始まったのだという。そういえば、昨日の16時とおぼしき頃、のろしが「どど〜ん、どど〜ん」と、なったので驚いてしまった。「桜が咲かないのに観桜会とはこれいかに?」と言ったところである。御主人なんか、桜も咲いてないのに交通整理にかり出されるので、たまったものじゃないだろう。所で、僕も桜が咲いたら見たいのだけれど、我が家の桜は、僕がどんなに背伸びしようが見渡そうが、僕から見えないところに植えられてあるので、残念ながら「お昼寝」をしながら花見というわけにはいかない。ぼくが「我が家のお花見」をする事が出来るのは散歩に行く時、家の前に咲いているのを見るだけなんだ。でも、花なんかどうでも良い!!「花見」と言えばおいしいものが盛りだくさん出されると言うじゃないか。僕は、そっちの方を大いに期待しているんだよ!!
4月18日 あめのちくもり
この所、「春うらら」とは、ほど遠い天気が続いている。僕のお昼寝もさっぱり気持ちよく寝る事が出来ない。昨日なんかは一日、犬小屋の中で過ごしたんだ。幸いな事に、上のお兄さんが「防寒シート」を犬小屋からはいでくれたので、中での生活も幾分過ごしやすくなった。御主人だったら、真夏までこのままだったかも知れない・・・・そうなっていたら、毎日のように「犬の蒲焼き」になった悪夢を見るんだろうなと思う。とにかく、菜の花が咲いて、蝶々もひらひらと飛び回るような春になって欲しいものである。
4月17日 うすぐもり、かぜつよし
今日は、昨日の疲れもあって(種蒔きのお手伝いでくたびれ果てている)、のんびりさせてもらう事にした。側で御主人がお仕事をしていようが、忙しかろうが、地面に「ゴロン」と、横たわってお昼寝をしたんだ。ところが、今日は馬鹿に風が強い。ホコリがみんな僕の所へ寄ってくる。おまけに寒いのだ。犬の僕だから外へ寝ころんでいられるけれど、人間はたまったものじゃない・・・と思うよ。御主人なんか、完全に防寒の服装をしている。
ところで、今日は一日のんびりとさせてもらうはずだったのだけれど、こんな日に限って忙しいのだ。お客がやたらにやってくる。犬の習性でお仕事(番犬の事)をさぼりたくても、よその人や車がやってくると、われ知らずに吠えてしまう・・・・はぁぁぁ〜、我ながら因果な商売、いや、お仕事(番犬の事)である・・・・
4月16日 あめ・・・
今日は、我が家のお米の種蒔きだったよ。この前の、箱に土を入れるお仕事と違って今日は水を使うので、みんな泥んこになってのお仕事である。中でも一番泥んこになったのが、かくいう僕である。僕も一応お手伝いしたんだよ。「おやつ」を目当てにね。どんなお手伝いをしたかというと、働いている家族を「鼓舞」することが一番のお仕事だ。つまり、肉体労働をしている家族は作業も半ばを過ぎると疲れが出てくる。そこで僕は、プラスチックの植木鉢をくわえて見せたり、サッカーボールを蹴ってみたりして、家族を和ませる役目をしたんだ。農作業を行っている人達を癒すための歌舞音曲のたぐいは平安から室町時代にかけてあったらしく、起源は古い。「田楽」はその一例である。田植えをしている人達の前で踊ったり笛や太鼓のお囃子で、楽しみながら仕事をしてもらおうという趣向なのだ。この伝統的な事を今日の僕がやったというわけなんだ。おかげで頭から尻尾の先まで「泥んこ犬」になってしまったけれどね。だけど、報酬としての「おやつ」は、しっかりといただいたので「満足、満足!!」なのである。そして作業能率は、僕のおかげで格段に能率アップと言う事になったのだった。
4月15日 はれのちくもり
今日は、危うくシャンプーされそうになった。心の奥底では、この薄汚れた身体を何とかしたいという思いと、子犬の頃からのトラウマ的な「シャンプー拒否症」が相まって、心の中でチャンバラを演じている。
今日は晴れた。お兄さんは車やバイクを洗っている。そこで、小屋にいた御主人が「ムツ、シャンプー」と声をかけた。僕は驚いてトラックの下に潜り込んだんだ。御主人は執拗に「シャンプー」という言葉を繰り返す。僕は、その言葉を聞かなかったかのように平静を装った。しかし、内心は心臓のリズムがジルバのような鼓動を刻み、今にもうろたえてしまいそうになるのを押さえなければならなかった。だが、その後の御主人の言葉にすくわれた・・・・すくわれたのか、内心ガッカリしたのか、今の僕の心理状態では判断に苦しむのだけれど、「今日は北西の風があって、少し寒いようだ」そう、御主人は言って僕の側を離れていってしまったのだった。
はぁぁぁ〜、僕のシャンプーは、いつの日になるのだろうか?「犬用占い」に寄れば、土曜日が「水難あり」で、一番危ないというのだけれど・・・・・?。えっ?、僕は獅子座生まれだよ。下のお兄さんと同じ星座だよ。
4月14日 うすぐもり
今日の午後は、「狂犬病の予防注射」へ行ったんだ。すべての飼い犬は生後6ヵ月が経つと、この注射をしなければならない。僕は毎年、行っているので、もう慣れっこになってしまった。地区の公民館には様々な犬たちと、その飼い主が集まる。僕はその犬たちや人を見るのが楽しみである。時にはお互いに目があってしまい「ガウン、ガルルル〜」と、うなりあったりするのも楽しいものなのだ。今日は町内にいる同じ秋田犬と「ガウン、ガルルル〜」と唸りあって挨拶をしたんだ。注射なんかどうでも良いようなものだ。「ちくん」と射されても、痛くも何ともないからね。今年の注射係は下手なのか、僕に2回も針を刺すんだ。1回目は打ち所をはずしてしまったらしいんだ。それでも僕は文句も言わずにおとなしくしていたよ。中には「きゃん、きゃん、ぎゃわわん!!」と、死にそうな声を張り上げて注射係を手こずらせている犬もいたんだ。市役所の係の人は御主人と知り合いらしくてお話をしていたよ。そして、注射料金は僕が食べるドッグフード20キロ分のお金だ・・・・これだけあったら僕の食事が2ヵ月は持つよ。まぁ、とにかく注射は無事に済んだし、色々な犬を見る事が出来たし、満足満足!!・・・しかし、忘れてはいけない!この公民館のすぐ側に、おじいちゃんとおばあちゃんの家があるのだ。僕は注射が終わるとまっしぐらに、その家まで御主人を引きずっていった。当然、家の中に上げてもらい、鰹節やら、おせんべいやらのおやつをもらってのんびりと過ごさせてもらったよ、相変わらず、ストーブが暑くて舌を「はぁはぁ」と、出さなければならなかったけれどね。かくして、僕の年に一度の楽しみである「狂犬病の予防注射の日」は終わったのであった。
4月13日 くもりのちこさめ
今日は、昨日ほどの暖かさにはならなかったけれど、外でお昼寝が出来るほどの暖かさだったよ。ところが、今日は御主人が僕の寝ている側で水を使うお仕事を始めたものだから、辺り一面溜め池のようになってしまった。「しょうがないなぁ・・・」と思いながら御主人に気を遣って、なるべくじゃまにならないところで寝ころんでいたんだ。やっと終わったと思ったら、雨が細々と降り始めた。こんな降り方を「こさめ」というのだと御主人が言っていたけれど、そんなはずはない・・・僕の知識に寄れば「こさめ」とは、小さな鮫のことで、お刺身に出来ないので、すり身や煮付けの材料に使う小魚の事を言うのだ。ちなみに「鮫の料理」を僕は一度も食べさせてもらった事はない。御主人は「鮫のお刺身」が好きなので良く買ってくるから、買い物袋を常にチエックしている僕は匂いだけは覚えている。だけど、食べた事はない・・・・この前、「一度、僕も食べたい」とおねだりした事があるのだけれど、「鮫は冬の食べ物だから、春になった今は、もう食べられないのだ。」という・・・・それなら「冬よ、今すぐ、もう一度来い!」と、遠吠えをしたいところだけれど、・・・・なんて言ったら、皆んなから袋だたきにされそうだ。ヤレヤレ・・・である。
4月12日 はれ
今日は暖かくなった。今までの遅れを取り戻すかのような気温である。そこで僕は、「気温が20度を超えたらシャンプーしてください」と直訴すると昨日決心したので、それを実行してみた。御主人の前に正座(犬の正しいお座りの事、決して足を崩さず、きちんとしたお座りで無ければならない)をして、「僕の身体が、もう我慢が出来ないぐらい汚れているのでシャンプーしてください」と、お願いをした。しかし、御主人は非情だった。「ただいまの気温は19度。従って20度に達していないので、むつ犬の陳情は却下とする!!」だって・・・早く、シャンプーの香りがする秋田犬の雄になってみたかったのにぃぃぃ・・・・メス犬が僕の雄々しい姿とシャンプーの香りで、みんな振り返ると思うんだけれどなぁ・・・
4月11日 うすぐもり
今日は、朝からひどい風だ。「春の嵐」って言うのかなぁ?「春の嵐」って言うぐらいだから季節は春になったに違いない・・・と、思うのだけれど、それにしても今まで寒かった。今日は比較的暖かかったけれど、風が強いので、そんなに暖かくは感じられない。おまけに外に寝ころんでいるとホコリがみんな僕の所へ吹きだまる。これでは、まるで僕は掃除機みたいじゃないか。当然、ホコリが僕の所に集まれば身体が汚れる。御主人は、まだ寒いからと言ってシャンプーをしてくれそうもない。いやいや、少しぐらい暖かくなっても、あの面倒くさがり屋の御主人は僕のシャンプーは先延ばしにするだろうと思う。いくら「シャンプー嫌いな犬」である僕だって、こうまで身体が汚れてしまってはたまらない・・・・気温が20度以上になったら、御主人に「直訴」するつもりでいる。「早く僕の身体を洗ってくださいっ!!!」ってね。
4月10日 はれ
今日は、朝は寒かったけれど春らしい一日になった。僕も地面の上にごろんと寝ころんで久しぶりにお日様の暖かさの下でお昼寝を楽しんだんだ。ところが・・・御主人がお米の種の芽だしをするというので「じゃまだ!!」と言われて、あちらこちらと移動しなければならなくなった。お米の種は32度の温度で芽を少し出させた後、土を入れた箱に播くまでの間、水槽の水の中で冷やされて保存される。僕が寝ころんでいる場所で大量の水が使われるから、僕がじゃまになるってわけなんだ。僕は御主人の忠告を無視して寝ころんでいたら、いつの間にか、寝ころんでいる側まで水が流れてきて体中濡れてしまうところだった。それで、「人の言う事を聞かない犬」の異名を持つ僕ではあったが、今回は、素直に御主人の言う事を聞く事にした。けれど、それでも、じゃまになるらしくて、僕の居場所がないんだよなぁ〜・・・・
4月9日 くもりのちはれ
今日は町内のお祭りである。朝から笛や太鼓の音が我が家まで聞こえてくる。御主人も交通警備とやらでお出かけしてしまった。お兄さんはお仕事、と、なると頼みはお母さんだけになってしまう・・・僕は恐いのである。側に誰かがいないとオシッコを漏らしそうになるぐらい恐いのだ。それはなんなのかというと、やがて「飛鳥神社」のありがたいお使いである獅子が家々を廻ってきて、「悪魔払い」という儀式をやっていく。僕はそれが恐いのだ。狂ったように吠え立てるのは、怖がっているのを悟られないようにするためだ。我が家の先代秋田犬である「まるさん」も、これをたいそう怖がったそうだ。そして実際、オシッコをお漏らししてしまったのだという・・・・・ぼっ、僕は雄犬だから、そ、そんな事はない!!・・・・・と、思うのだけれど・・・・
4月8日 あめ・・・・
今日は朝から雨降りなので、僕は一日中犬小屋の中へこもりっきりになっていた。午前中は、何処かへ出かけていく御主人に「お留守番」を頼まれたけど、「もうどうでもいいや」・・・・・
「秋に3日の晴れ間なし」とは良く聞くけれど、春も3日と晴れた事がない・・・様な気がする。「今年の農作業は遅れそうだな」とは、御主人の嘆きの言葉である。それに伴って、御主人の花粉症も遅れそうな気配である。えっ、犬・・・?、犬にとって直接季節が遅れる事で大きな影響は出ないと思うけれど、衣更え(毛抜替わりの事)が少し遅れるぐらいかなぁ〜、でも、なんと言ってもお日様の下でのんびりお昼寝が出来ない事がつらい・・・・
4月7日 はれ
今日は、わずかばかりの土のお山が、さらに崩されて、僕が宝物を埋めた場所もなくなってしまった。僕の宝物というのは、上のお兄さんからもらった、乗用車のハンドルカバーである。犬が好みそうな何かの皮で出来ているので、僕の宝物にしている。土の中に埋めたとはいえ、大きいので僕の手には負えない・・・だから、埋めたと言っても、宝物は半分土の上に出ているから誰が見ても「ここに何か埋まっているな」と、わかってしまう・・・そこで、土のお山が無くなったのを機会に、松の木の根本にそれを埋める事にした。穴を両前足で掘り、口にくわえて宝物を埋め、鼻先で土を埋め戻す。思った以上に重労働で手間のかかる仕事だ。まぁ、なんとか埋め終えたけれどね。でも、やっぱり宝物の上半分が地上に出てしまう・・・犬の「アバウトさ」で、「まぁ、いいか・・」と、そのままにしてお昼寝始めた。しかし、僕が宝物を埋める現場の一部始終をのぞき見していた人物がいたのだ。他ならぬ御主人である。「むつ、宝物は?」と、僕をからかうように問いかける御主人に、僕の心臓はフラメンコの激しいリズムを刻み始めたよ。この宝物を誰かに取られたらどうしようか・・・と、不安を感じ始めた僕は、また別の場所に、それを埋める事にした。やはり、前足で穴を掘り、口にくわえて宝物を埋め、鼻先で土を埋め戻す。今度は、全部土の中に埋め込む事が出来た。芸術的とも言える埋め方だった。完璧である。これで、誰にも発見される事はないだろう。我ながら自分がした仕事に満足した僕なのであった。しばらくして、「むつ、宝物は?」と、問いかける御主人に、またまた不安に駆られた僕は、完璧に埋めたはずの場所へ行ってしまい、その場所を御主人に知られてしまったのであった・・・・
4月6日 くもりときどきゆき、のちはれたりくもったり
4月になったというのに雪が降ってきた。いったい今は、春なのか冬なのか季節が渾然一体となって、人と犬を迷わせている、今日この頃なのである。もしかすると、猫産や、山の動物たちもそうなのかもね?
所で、今日の夕方散歩は、昨日開設したばかりのビニールハウス運動場に連れて行かれた。僕はそこでめいっぱいボールを追いかけて走った。御主人は、いっこうに外散歩へ連れて行く気配がない。「これはまずいな」と思い、ボールを追いかけるのを止めて外へ出たがっているそぶりをした。僕が、何度も何度も、そんなそぶりをするものだから、とうとう御主人もあきらめて、外散歩に連れて行ってもらったよ。やっぱり家から出て、景色を見ながらあちらこちらにちりばめられたお手紙を読むのは(よその犬が引っかけたオシッコや、その他の匂いをかぐ事)、とても楽しい事だ。
4月5日 くもりのちあめ
今朝は、とても静かな朝だった。御主人が朝早くからやってきて、僕に「ビニールハウスにビニールを張るから手伝え!!」と言った。
だけど、僕は丁重にお断りをした。やがて、御主人は重そうにビニールをハウスの屋根に上げようと大汗を掻きながら奮闘している姿を横に見ながら、僕は朝のオシッコを始めたのだった。「はぁぁ、気持ちが良い!!」。そんな僕の様子に腹が立ったのか、「おまえもこっちへ来て手伝え!!」と再びお手伝いを強要されてしまった。そこで、僕は「猫の手は借りる事が出来ても、犬の手は借りられないようになっているのだ。これは日本の常識だ。」と御主人に言い放った。「なるほどね。」と、御主人は思ったのか思わなかったのかわからないけれど、それからは僕にお手伝いを強要する事はなくなった。そして、張り終わったビニールハウスの中で「ボール遊び」をさせてくれたよ。何しろ125坪とやらの広さがあるハウスだけに、思う存分、ボールを追いかけて走り回る事が出来たよ。満足、満足!!!
4月4日 くもりのちはれ
結局、御主人夫婦は僕にお土産を買ってこなかった。お母さんが、申し訳なさそうにして、僕にとっては、と言うより、犬にとっては「禁断のお菓子」である「あんパン」をくれた。しかも丸ごと・・・ではなく半分だけ・・・お土産を買ってこなかったという事実を、まだ知らされていない僕は「ははぁぁ・・これが、東京土産のあんパンというものなのか」と思い、味わいながら食べた。ところが、実は、このパンはだいぶ前に近所のスーパーマーケットとやらで買ってきて、食べ残して置いた物なのだという・・・僕・・・怒りにまかせて唸り声を上げちゃおうかなぁ?「がうん、がるるるるる〜!!!!」
4月3日 てんきわるし
今日は、朝になっても誰もやってこなかった。僕は朝の散歩にも行かず、おやつももらえず、夕方散歩にも行かず、御飯ももらえず、じっと、ひたすら耐えて待つといった一日だった。何しろ、飼い犬は誰かの世話にならないと生活が成り立たない。僕は腹ぺこのお腹を「グウ、グウ、グウ」とならしながら、お昼寝をして過ごしたのだった。雨が降っているので外へは出られない。暗い犬小屋の中に閉じこもりだったよ。あたりが真っ暗になっても、誰もやってこないので「なぜ、誰も来ないのだ!!」と腹が立ち、空に向かって唸り声を上げようと思ったら、タクシーが我が家にやってきて、御主人とお母さんが帰ってきた。僕は大喜びで、御主人に御飯の催促をしたんだ。それで、ようやく今日初めての食べ物をもらう事が出来たんだ。ヤレヤレ・・・である。
4月2日 てんきほどほど・・・
今日も、お兄さんとおばあちゃんのお世話になった。これだけ、周りの人に僕の世話をさせているわけだから、お土産ぐらいは買ってくるだろうと思う。そして、僕にもお土産があるだろう事を期待している。そう思いながら、外でお昼寝をしていた。東京の浅草と言うところに犬用品専門店があるらしい。そこから大きくて立派な皮の首輪を僕のお土産に買ってきてくれた。早速、首に付けてもらったけれど、あまりにも重いので首が痛い。と訴えて、はずしてもらったのだけれど、もらった以上は、この首輪は僕のものである。早速、それを土の中に埋めて大切な宝物にしたのだった。「はっ、もったいない事をした!!」と、思った途端に目が覚めた。それは夢だったのだ。
4月1日 あめなどもあって・・
今朝の朝散歩に御主人は現れなかったし、今日一日、一度も現れなかった。変だなぁ・・・?と、思っていたのだけれど、今思い出した。そういえば、昨日の日中、僕に向かって一生懸命お話をしていたようだったけれど、僕には何を言っているのかさっぱりわからなかった。「おでかけ」とか「お留守番」とか言う言葉だけは理解できた。僕は、いつもの事かと思って真剣にお話を聞かなかったんだけれどね。それで、僕の世話をしてくれている、上のお兄さんとおばあちゃんに、「どうして御主人は居ないのだ。それにお母さんも姿が見えないぞ。」と聞いたら、なんと、昨夜の寝台列車とやらで東京へ行ったという。出かける時に僕に一声もかけないでいくなんてルール違反だよ。最も、夜という事で、僕は犬小屋の中でぐっすりと寝込んでしまっていたのだけれどね。