むつ犬のおまぬけ日記
平成19年 9月
9月30日 はれ
秋田わか杉国体が29日に開幕して、天皇皇后両陛下がお出ましになった。さらに開会式会場となった競技場わきのサブトラックには秋田犬12匹もお目見えして、かわいさとりりしさ、それにふわふわした毛並みで各県の選手らを歓迎したようだ。選手らは秋田犬に抱き付いたり頭をなでたりして天然記念物である秋田犬を間近にして大喜びだったらしい。選手達は競技本番を前にリラックスし、秋田犬はアニマルセラピストとしての面目躍如と相成ったらしい。
他県から来た選手の談として「秋田犬は気性が荒いと思っていたが、おとなしくてかわいい。手触りもふわふわして気持ちいい」といっていたらしい。

注1・文章のそここに「・・らしい。」とあるのはご主人からの受け売りで、さらに御主人は新聞からの受け売りだからである。見苦しい文章であることを自覚し、ここにお詫びを申し上げる。

注2・秋田国体でマスコット的存在として活躍している秋田犬12頭の勇士達ではあるけれど、僕に、こんな事をやれと言われたら「お断りします」と言わざるを得ない。何しろ僕は、臆病者であると同時に小心者である。しかも「人見知り」をする達なので、他の県から来た選手の人達に「秋田犬」に対する悪印象を与えかねないのだ。だから「パス!!」のんびり、ごろんと地面に横たわって日がな一日、日向ぼっこをしていた方が気楽で良い。もっとも、「国体のイベントに出てください。」などとは、誰も頼みには来ないことは分かり切っていることだけれどね。

9月29日 はれ
秋の交通安全運動が今、全国的に展開中であるけれど、9月から道路交通法がさらに厳しくなったという。飲酒運転の厳罰化、シートベルトは後部座席もしなければならない等々である。自転車も飲酒運転は禁止だけれど、お酒を飲んでの犬の散歩も道路交通法に抵触するのだろうか・・・?犬は軽車両と見なされるのかも知れない。現に馬車や牛車などは軽車両になる。でも犬の散歩は?万が一犬が暴走してしまった場合、酔っぱらっている犬の手綱を握っている人は押さえることが出来なくなってしまうおそれがある。犬が暴走する例としては、よその犬に出会ってしまった時(オス犬の場合とメス犬の場合ではその暴走の仕方が違う)。歩いている途中で急にお腹から落とし物をしたくなった時、犬は急に立ち止まるのだ。つまり、犬が急ブレーキをかけて立ち止まった時、手綱を握っている人は急には止まれないのだ。(人は急には止まれないけれど犬は急に立ち止まる)等々、数え上げればきりがない。果たして犬の散歩は軽車両に当たるのであろうか・・・・ここら辺のことをとくと聞いてみたい近頃の僕なのであった・・・

9月28日 はめ、はげしく・・・
今日はお米の初出荷と言うことで、朝早くから御主人が出かけていったので朝散歩は無し!!と、いっても我が家ではお米の出荷はない。地域の出荷で、いわば恒例行事のようなものである。本格的な出荷は10月に入ってから行われる。と、言うわけで夕方散歩もなければ、御飯ももらえない僕なのであった。なぜなら初出荷の行事が終わると恒例の慰労会が開かれる。結局、御主人が帰宅したのは20時になった頃だった。もっとも、その頃にはお母さんも帰ってきていて、僕は御飯を食べ終わった後だったんだけれどね。一応「お帰りの踊り」を踊って御主人の帰宅を喜んで見せておいたよ。

9月27日 はれ
今朝は「紙の資源ゴミ」を出さなければいけないというので、僕の朝散歩は中止になった。その替わり夕方散歩は行ってきたよ。もっとも、また、田んぼへトラックを取りに行っただけだけれどね。今日の稲刈りは、明日が雨だというので真っ暗になってからも買ったようで、僕達が散歩に・・・イヤイヤ、トラックを取りに行くお仕事に出かけた時は、東の山の上からまん丸なお月様があがってきて、きれいな月夜になっていたのだ。御主人はお疲れのようだったけれど、可愛い愛犬のために付き合ってくれているので、僕もそれなりに気を遣わなければいけない。たとえば草むらの匂いをかぐのに時間をかけない。御主人より速く歩かない。オシッコをする時はためらわない(僕はオシッコをする時に、使用かどうかさんざん迷う。ここら辺が、僕は優柔不断な犬と言われている由縁である。)等々である。今日は、距離も長くなかったので御主人が気にいるような歩き方が出来たと思っている。

9月26日 はれ
今日から我が家の稲刈りが始まった。御主人が子供の頃は一家総出でやったものだと言うけれど、今は御主人がただ1人、黙々とコンバインで稲刈りである。稲刈りが始まったと同時に僕のお仕事も増えた。「番犬(お留守番)+夕方に田んぼに置いてあるトラックを取りに行く」である。これが夕方散歩を兼ねた農繁期の僕のお仕事である。「猫の手も借りたい」とはよく言うけれど、実際の猫さんは手も足も貸してはくれない。その点、飼い犬は立派に農繁期のお手伝いをしてのけるのだから立派なものである。でも、こんな犬の姿を誰も誉めてくれないので「自画自賛」ってう事で今日の日記を締めくくりたい・・・・

9月25日 はれいちじごうう
最近、僕の朝散歩が滞りがちになっている。なぜなのか理由は犬の僕でもわかっている。21日から「秋の全国交通安全運動」が始まったからだ。朝になると御主人は朝食も食べないで町内の交差点に立たなければならない。だから僕と朝の散歩へは行けないのだ。おまけに「稲刈り」が始まる。さらに追い打ちをかけるように「秋田国体」、別名「若杉国体」が始まる。実に45年ぶり、この前、国体が秋田県であったのは御主人が小学校3年生の時なのである。今回、国体の交通警備に参加できると言うことは御主人にとって一生の思い出だろう。気合いの入れようが違うというものである。飼い犬の世話をほっぽり出してもネ・・・・・と、言うことで稲刈りのお仕事もままならない御主人。一体、御主人の身体はいくつあれば足りるのか・・・昔、アニメで人気のあった「パーマン」のコピーロボットが欲しいこの頃の御主人なのであった・・・って何それ?

9月24日 はれ
今日は「シャンプー日和」だったので身体を洗ってもらったよ。この前に洗ってもらったのが何時だったのか忘れてしまうぐらい遙か昔のシャンプーだったんだね。僕も身体が汚れているし、毛抜けも終わらないものだから喜んで、御主人を引きずるようにしてシャンプー場に駆けだした。御主人は僕の行動を見て意外に思いながら僕をシャンプー場の杭につないだんだ。だって、いつもは僕が引きずられるように行くんだからね。それからの僕は、以前までのシャンプー場での修羅場が嘘だったかのようにおとなしく、素直に身体を洗ってもらったんだ。よっぽど自分の身体が汚れているのを感じていたんだね。だからシャンプー時間が20分ぐらいで終わってしまった。丁寧に洗ってもらったのにね。終わった後の僕は「白犬」になった。僕は普段は赤犬なのだけれど、それは横から僕を見た時のことで、僕を正面から見るとほとんど「白犬」にしか見えない。シャンプー直後は特に毛の汚れが落ちて白さが際だって見える。このようにして「秋田犬 新生睦号」と自ら名前を改めて身体を乾かしにかかったというわけなんだ。幸い今日は気温がそんなに高くはないし、湿度も低かったので外で身体を乾かすのに最適の一日だったよ。良かった良かった!!でも、これが今年最後のシャンプーになるのかもね・・・・・

9月23日 はれ
犬は匂いに敏感であるのは誰でも知っていることだと思う。匂いには、楽しい匂いもあれば嫌な匂いもある。匂いは他の動物からのお手紙でもあったりする。ところで、この匂いの中に「恐い匂い」というのがある。人間の感覚から言えば「何、それ?」と思ってしまうだろう。犬にはそれがあるのだ。匂いをかいだだけで、身体が震えて、その場から逃げ出してしまいたくなるような匂いである。何がどうなのか犬にも良くわからないのだけれど、たしかにそんな匂いがあるのである・・・猫さんにあるのかどうかをわからない。犬だって、いつも恐い匂いに出会うわけではない。生涯に何度かと言うぐらいで、言い換えてみれば希少な体験なのである。僕は、今まで1度だったか2度だったか体験したことがある。一度目は身体が「ぶるぶる」と震えてきて止まらなかったし、二度目はその匂いが気になるんだけれど、近づきたくないと言った感じだったかなぁ・・・まぁ、7年生きてきた僕の体験がそんな程度だから、他の犬も推して知るべしっていったところかなぁ

9月22日 あめのちくもり
御主人は花火が大好きである。もっとも日本人なら誰でも花火は好きだろうと思う。但し、日本犬は花火が嫌いである。なぜなら日本犬は大概、小心者で臆病な性質なのである。花火は、ぱっと開いて余韻を残しながら消えていくのが日本人の心情にぴったりなのだそうである。しかし、花火の大好きな御主人は地元の花火大会をここ30年ほど、ゆっくりと見た事がない・・・何時も交通規制の警備にかり出されるのだ。花火を見ている余裕なんか無くて車の流れと人の流ればかり見ていなければならない。その頃、家では飼い犬が花火の音と光におびえて犬小屋か作業小屋の奥に引きこもるのが我が家の恒例となっているのであった。これは、僕のみならず、我が家5代にわたる秋田犬たちがみんなしてきた事なのだ。さて、花火が好きなのに見ることが出来ない御主人はテレビで放送される花火大会しか楽しめないのであった・・・・

9月21日 はれ
今日も暑い一日だった。おまけに御主人が犬小屋の中に冬用の寝床を作ってくれた。本当にありがたい・・・ありがたいけれど迷惑である。この暑いのに冬用の寝床なんてとんでもない話だ。もっとも、そこへ寝なければいい事だけれど、季節感覚がずれているのが許せない!!犬を飼うという基本理念がなっていないのだ。しかも板敷きの犬小屋の中に敷いたのは、家庭でいらなくなった風呂場のマット(ふわふわと弾力があるけれどしっかりしている。)・・・・さらにその上には家庭でいらなくなった玄関マット(じゅうたんみたいになっている)・・・・はぁぁぁ〜、犬小屋はゴミ捨て場ではないのである。犬専用の暖房マットが売られているこの頃である。なぜ「可愛い飼い犬のために、愛犬のために」という気持ちがわかないのだろうか!!これが今日の一番腹が立つ事であった。「腹が立つのに、ありがたくて、しかも、これを見ているだけで暑さでうんざりする」というとんでもないものを見せられた今日の僕なのであった・・・・

9月20日 はれ
暑い!!9月もなかばを過ぎたというのに、いまだに30度近い気温が続いている。僕も相変わらず「お昼寝難民」が続いている。何処へ行ってもじゃまだと言われ続けているのだ。今日の午後からは御主人が買い物に出かけたのでトラクターの下でぐっすりと熟睡をする事が出来たので久しぶりに安らぎを得る事が出来た。しばらくして帰ってきた御主人は、犬用の缶詰と、おやつを見せてくれた。僕のために買ってきてくれたらしい。僕はうれしさのあまり感涙にむせんだ・・・・(嘘だけど)。でも、ほとんどの買い物は秋作業用の道具と、本と雑誌、それに人間用の食べ物と飲み物なのであった・・・・

9月19日 はれ
久しぶりに晴れた。と、いっても3日ぶりなのだ。それでも、雨が続いて晴れた日の朝というのは目覚めも気持ちよいものなのである。さらに今日は気持ちの良い事が重なった。なんと、目覚めて外へ出ると(久しぶりに犬小屋の中で眠った)、僕をつないでいる首輪の金具が壊れたらしくて、僕は自由の身になっていたのだ。でも・・・寄る年波には逆らえず、僕は何処へ行く当てもなく家の周りをうろうろするだけなのであった。まず、畑の周りをぐるりと一周して、生ゴミが捨ててあるところを見学がてら、前足で掘り返してみる。犬にとってはかぐわしい匂いである。それから、家の前に出て行き、1人散歩でもしようかどうしようかと思案しているところへ、御主人が現れ、逃亡罪で現行犯逮捕されてしまったのだった・・・・これが僕の若い頃だったら、一目散におじいちゃんおばあちゃんの家を目指したんだけれどなぁ・・・7才ともなると、中高年の仲間入りだよ。御主人も、お母さんもだけれどね・・・

9月18日 あめのちくもり
今年の御主人は忙しい。土、日曜は、何らかの行事が最低一つはあるし、稲刈りだって「秋田国体」とやらが終わらないと刈取が出来ないような状態である。それに、ぼくの世話だって家族任せの事が多い。もっとも、御主人より家族の方がしっりと世話をしてくれるのでありがたいのだけれど・・・この日記も、僕の意志が反映していない事も多い。僕は、ただ寝っ転がって、「こういう風に書け」とか「あんな事は書くな」と御主人に言うだけなんだけれどね。
と、言うわけで雨の日が続く、「秋に3日の晴れ間無し」と言われているけれど、本当に3日間続けて晴れたのは9月の初めだけしかないようだ。早く「天高く犬肥ゆる秋」になって欲しいものである。

9月17日 おおあめ
今年は、ずいぶん雨が降る。あの空の何処にこんな大量の水があるのかと思うと、しばし空を見上げて不思議に思う。
ところで、話は地上に戻る。昨日の夕方、御主人一家は僕を散歩にも連れて行かないで、いつもの御飯を与えておき、自分たちはお肉を食べにいったようだ。なぜお肉なのかわかったのかというと、帰ってきた時3人の身体からお肉の匂いがぷんぷんしたからだ。犬の鼻はごまかせないからね。で、お土産はなかった・・・・僕も一緒に行きたいと思うのだけれど、犬は食堂には入れない事になっているのだろうか・・・・?

9月16日 あめ
今日は一日中雨降りだった。かろうじて朝散歩に入ってきたのだけれど、夕方散歩には行けなかった。
さて、昨日の日記でお話しした「本荘祭り」ではあったが、今日は一日中雨降りと言う事で、その雨降りの中で行列が行われた。昔から見ると、10万石の格式が2万石以下になってしまって寂しい限りである。という・・・・お祭りに出る人がいない上に、お金がかかる。それに雨降りと来ては村祭り程度の規模にならざるを得ないのかも知れない。犬にはなんの関わりも縁もないのだけれど・・・・「雨降りの警備ご苦労であった」と、御主人をねぎらうしかない・・・・

9月15日 はれ
暑い一日だった。気温も30度を超えたらしい・・・・
ところで、夕方散歩へ出かけたら川向こうからお祭りの笛や太鼓の音が聞こえてきた。今夜は「宵宮」である。明日が本祭りなのである。僕の住んでいるところは小さいとはいえ、2万石の「本荘藩(六郷藩)」である。川向こうは、もう城下町なのである。氏神様である「八幡神社」も川を越えたすぐの所にある。その神社のお祭りなのである。大きな神社でお祭りも城下町の各町から山車や獅子踊り等々、多彩な見せ物を出して街中を練り歩く。なんと言っても中心となるのが大名行列である。2万石とはいえ、実質10万石ぐらいの収穫量があったとか言われているので、行列の格式も10万石並になっているらしい。明日は御主人も交通規制の警備でお出かけのようである。お祭りや花火もゆっくり見る事が出来ない御主人って・・・・でも、僕はお祭りは嫌いである。僕の住む町内のお祭りも獅子がやってきて恐いのでふるえながら「わんわんわん」と吠えるぐらいだからね。

9月14日 はれ
今日は、落ち着いてお昼寝が出来なかった。と言うのは、そろそろ稲刈りが近づいたので御主人は作業小屋の整理を実施した。午前中から、田植機が動いたりコンバインが動いたり、おまけにトラクターも動き出した。小屋から出されたトラクターの下で寝ていると「ムツ、機械がブンブンと動くぞ!!」と言われる。この人間言葉は、僕の頭の中に何度もしみ込んでいて、この言葉を聞くと、どんなに熟睡していても機械の側から逃げ出すのだ。知らずに機械の側に寝ころんでいたら、機械の下敷きになってノシイカの様になってしまいかねない。と、言うわけで僕の今日の一日は「お昼寝難民」といったところであった。昼寝するのに最適な場所を探して、あちらこちらを点々とする。世界平和が叫ばれている今、安住の地を求めて難民と呼ばれている人達が大勢いるけれど、この人達の気持ちが多少なりとも理解できた今日の僕なのであった。

9月13日 はれ
御主人が「肥満が気になる愛犬用ドッグフード」という、あからさまな表現が大きく印刷してあるのを買ってきた。僕が太っているのだという。でも、そんな事はない。だだ去年の古い毛が抜け切らなくて身体全体がふんわりとして見えるので太っているかのように見えるだけなのだ。この所毎日のように御主人が古い毛をすき取ってくれるので、ぼくの身体もだいぶほっそりと見えるようになってきた。この上は、一時も早く古い毛が抜けてしまう事を願うしかない。でも・・・・そろそろ冬の新しいふわふわした毛が生えてくる頃なんだよね・・・・

9月12日 あめのちくもり
この世はまさに温暖化の時代を迎えている。何でも、もう45年も経つとシロクマさん達の3分の1が居なくなってしまうのだそうである。平均気温も6度ぐらい上昇するという。単純に考えるなら、今年の最高気温が36度ぐらい。それに6度を足すと・・・・何度?(犬は計算にとても弱い動物なのであった。)とにかく、とんでもない気温になってしまうようだ。これじぁ、シロクマさんならずとも、暑さで犬も絶滅してしまいそうだ。もっとも僕には関係ないけれどね。僕がこの世にいなくなってから、ずっと後だもんね。もちろん御主人もだよ。

9月11日 はれ
僕は、お盆過ぎから「大将」という位に昇進した。ご存じのように軍隊では最高位の位である。で、どんな大将なのかと思う人がいると思う。海軍大将でも陸軍大将でもない。「お山の大将」なのである。お盆過ぎに、来年のお米の苗を作る時に使う育苗用土というのが10トントラックで運ばれてきて、作業小屋の前に山になっている。僕は、その土のお山の上に登り、高いところから下々の風景や暮らしを見るのが大好きなのである。だからって、偉いわけでもなんでもない・・・・だだの飼い犬の自己満足なのである・・・

9月10日 くもりのちあめ
どうも、この所雨が多い。しかしだだの雨降りではすまないようだ。豪雨と言っていいのかも知れない。1時間に何十ミリも降る雨の日が続く。ちなみに、ぼくの水飲み容器の大きさは30センチの幅と15センチの深さである。これだけの水、いや雨が一度に降ったとしたら、犬は陸にいても溺れてしまいかねないぐらいのすごい量の雨が降る事になる。地球の創世記に、火の玉だった地球が冷え始めて、ものすごい量の雨が地上に降り注ぎ、海が形成され「水の惑星」とも言うべき現在の地球の原型が出来上がったのだという。地球の10分の7は海だと言うから、この後、地上に今以上の雨降りが続いたら、地球のほとんどが海になってしまうに違いない。そうなると、犬は水中の中で適応できるように進化して、えら呼吸で犬かきをしながら海の中を泳いでいたりするかも知れない。「オオカミ魚」なんて言うのになったりして・・・・あっ、オオカミ魚って、今でもいるんだったよね・・・・?

9月9日 はれ
旧暦で言うと、今日は「重陽の節句」、一般的に言えば「菊の節句」に当たる日である。それなのに気温が30度・・・・気温だけで言えば、まだ夏なのであった。それでも虫の声は夜ごとに高く鳴き、すすきは花が咲き、空はうす水色に澄んで高くなってきている。「いったい、なんなんだ!!この気象の異常さは!!」と、犬の立場から気象に文句を言いたい。いつもの年なら、涼しい風に吹かれながら地面に寝ころんでお昼寝をしている時期だというのに、いまだに暑さをさけてトラックやトラクターの下に潜り込んでいなければならない・・・はぁぁぁ・・・もう嫌だ!!、秋よ来い!!、小さい秋見つけた!!と行きたいものである。ハァァァ・・・・

9月8日 はれたりくもったり
今日はお腹の調子があまり良くなかったので雑草を食べた。犬にくわしい人はご存じだと思うけれど、犬はお腹の調子が悪いと草を食べる。しかも、食べて良い草と毒になる草を知っている。これは、誰に教わったわけでもない、犬としてのDNAが持っているもので判断するのかどうかわからないけれど、お腹によい草を食べるのだ。そして吐き出す。つまり草をいったん胃袋の中へ送り込み、胃の中を洗浄して、また草を口から外へ吐き出すのだ。これをやると胃の中がすっきりして気持ちが良くなる。大概は食べ過ぎか、飼い主が古くなったものを僕に与えたので胃の調子が悪くなるのだけれど、少しは気を遣って欲しいものである。「御飯のおかずが余ったから犬にやろう」という考えは、もう止めて欲しい。僕の胃袋は生ゴミの捨て場所じゃないんだよ!!

9月7日 おおかぜとあめ
とうとう「台風さん」がおいでになった。今まで何度もいらしていただいたのだけれど、面と向かってお会いしたのは初めてである。何しろ、何処へも寄り道をしないで僕達の住んでいる地方へやってきたのだから、よほどこっちへ来たかったに違いない。ところが、この台風さんは駆け足でやってきて、挨拶だけをして、また駆け足で去っていってしまった。よっぽどせっかちな性格のようである。挨拶と言っても、少しの雨と、いくらか強い風・・・「風の又三郎」程度の挨拶である。戦々恐々としていた僕は、いささか拍子抜けの体であった。しかし、台風は過ぎ去った後が恐いという。吹き返しの風が突然吹いたりすると恐い。人間のことわざにもある「勝って兜の緒を締めよ」・・・・?、いや「人間万事塞翁が馬」?、「木曽殿と 背中合わせの 寒さかな」だったかな・・・・?

9月6日 はれ
昨日にも増して暑い一日だった。何でも32度になったらしい。犬にとっては灼熱地獄に放り込まれたに等しい。僕は、紐が届く限り作業小屋の奥に引きこもり、暑さをしのいだ。風が少し強いので、いくらかしのげるのがちょっぴりだけありがたい。御主人は、この暑さの中を田んぼの草刈りだと行ってでかけていった・・・・犬には考えられない行動だ。そんな事をしたら犬は完全にあの世行きになってしまう。まぁ、人間のする事は所詮犬には理解できない事なので、黙って見送った。それより、台風さんの方が心配なのである。どうやら直撃必至のようである。かといって、人も犬も何も出来ないのがなさけない・・・・

9月5日 はれ
今日は暑い一日だった。何でも、台風が近づいているのだという。「台風さんがおいでになる季節になったのか・・・」と、つくづくと季節の移ろいを感慨していたら「そんなのんきにしている場合ではない!!」と怒られた。我が地方を直撃する可能性があるのだという。そういわれても、そんなものなのかな?と、思うしかない。犬は実際に体験しないと怖さとかつらさがわからないように出来ている動物なのだから・・・・まぁ、今日のきれいな夕日でものんびり眺めて散歩をしようよ。御主人!!

9月4日 はれ
「やっぱり、夕日は秋が一番美しい」と、御主人は言う。いや、そう言い切る!!でも、僕から言わせてもらうなら、僕と御主人が散歩へ出かける時間がちょうど夕日の時刻と重なっただけなのだと思う。夏は暑いので日が暮れてからだったし、冬は日の暮れるのが早いので真っ暗になってからの散歩だった。だから今頃がちょうど夕日の時刻と散歩の時間が一致するのだ。そう僕が主張すると御主人が怒る。今頃は空気も澄んで空が高い、雲も様々な形が現れてそれに生える夕日が格段に美しいのだ。」と、・・・そして「これからはカメラを持っての散歩をする」と宣言した。ヤレヤレ、またモデルをやらされたり、長時間立ち止まって写真を撮るのに付き合わなければいけないのか・・・・

9月3日 くもり
朝、「夜行寝台特急列車」というので御主人とお母さんが帰ってきた。帰ってきたらクールに対応しようと思っていたのだけれど、うれしさのあまり、ついかけずり回ってしまったよ。身体をナデナデしてもらったけれど、朝散歩には連れて行ったもらえなかった。

9月2日
寝ている。御主人の僕へのちょっかいが煩わしかったが、いないと寂しいような気もする。

9月1日 
犬にとっては、日中寝てばかりいるので天気はあまり気にしない。
そこで一句「秋霖や 寝ていても 犬は1人・・・禄食」