平成21年 1月
1月31日 あめのちみぞれ
今日は、「大暴風雪」・・・・にはならなかった。「むつ犬の又聞きお天気のコーナー」も当てにはならない・・・何しろ、御主人からの「又聞き」だからね。・・・明け方から降り出した雨はミゾレに変わり、雪、とまでは言えないようなものを静かに地上に降らせた。それが、木の葉にあたって、「ボソボソ」とか、「ポツポツ」、「サワサワ」とかかすかな音を立てる。それが僕には「春への前奏曲」のように聞こえるのだった。北国の生き物だったら、どんな動物でも「春」を待ちこがれる。忙しくはなるけれど、「冷たい」、「寒い」、「暗い」の毎日とさようならが出来るのだから、こんなすばらしい季節はない。早く春が来て、暖かい地面に「ごろん、ごろん」と身体を思う存分こすりつけてみたい僕なのであった。
1月30日 くもりのちあめ
今日は曇ったけれど風が無くて静かな一日だったよ。風の便りに寄れば、天気は西から崩れてきて日本海側は暴風雪となるのだという。一方太平洋側は大雨に注意という事だ。この時期に日本海側と太平洋側が同時に天気が悪くなるのは珍しい。冬型ではなく春型?の様な天気である。
以上、「むつ犬の又聞きお天気のコーナーでした!!」って・・・・・えっ?いつからこの日記はお天気のコーナーになったの・・・?
1月29日 はれのちくもり
今日は、昨日と同様の天気だった。午前中は快晴だったのだけれど、午後から雲ってきた。それでも、気持ちの良い1日だったよ。今日一日の感想は昨日と同じなので、言葉をだらだらと並べるよりは、久々に一首詠んでみたよ。
「こころみに 冷たき土に 腹這いぬ 鼻に届きし 淡き春の香・・・禄食」
もう、この三十一文字(みそひともじ)に尽きるね!!
1月28日 かいせい!
今朝は零下5度以下まで冷え込んだんだよ。久々に厳しい冷え込みになった。空に雲がないので「放射冷却」とやらの作用でこんなに冷え込んだらしい。でも一日中、空にはお日様が姿を見せて、僕は一日中、お腹を広げてお日様の方に向けてお昼寝をしたんだ。それはそれは気持ちが良くて毛皮の中にお日様の暖かさがしみ込んでいく。それに、御主人が僕の身体をナデナデしてくれたんだよ。僕は「ごろんごろん」と身体を地面にこすりつけるようにして最高の気持ちよさを味わった。一日中、雲一つ無い青空の下、僕は幸せな気分でお昼寝をしたんだ。そして、夕方散歩は満天の星の下を雪を踏みしめながら行ってきたんだよ。でも、御主人と言えば、こんなに良い天気だというのに、お家の中で事務仕事である。「確定申告」とやらが間近に迫っているので、お天気の今日一日を楽しめないのだった。かわいそうな御主人である。でも、明日も今日と同じように晴れるって言う予報が出ているから、明日こそ楽しんだら御主人!!こんなに良い天気の日なんて北国には滅多にないんだから。
1月27日 ゆきがふったりやんだり
冬の散歩は楽しみが少ない。犬が散歩の時の楽しみと言えば、犬小屋と共に繋がれている身が、散歩紐で御主人とつながっているとはいえ、広い世界を歩ける事の開放感。そして、なんと言っても楽しみなのは、あちらこちらに残る「匂い」を嗅ぐ事である。だが、冬は珍しい匂い、おもしろい匂い、が皆無と言っていい。雪の積もった舗装もされていない道路をわざわざ歩くのは近所に住んでいる人か僕と御主人ぐらいなものだ。だから匂いは、代わり映えのしない当たり前の匂いなのだ。ところが、今日の夕方散歩で墓地の方に行ってみると、「あった!!」今まで嗅いだ事のない匂いを発見した!!僕はうれしさのあまり、尻尾を振りながら夢中になって、その匂いをかぎ廻った。ところが、何時までも匂いをかいでいる僕にしびれを切らした御主人が散歩紐を強引に引っ張り、僕の足を家の方に向けてしまったのであった。僕は「せっかくの犬の楽しみを奪うな!!」と御主人に噛みついてやろうと思ったのだけれど、飼い犬の身ではそれも出来ない・・・泣く泣く僕は家路をたどったのであった。ちなみに「犬の楽しみを奪うやつは、馬に蹴られてしまえ!!」ということわざが犬の世界にはある・・・・・
1月26日 ゆきがふったりやんだり
冬の犬は何もする事がない・・・だから犬小屋の中で寝てばかりいる。一日24時間中の活動時間は、わずか3〜2時間と言った所だろうか?もちろん、怪しい物体が我が家に接近した場合は、すぐさま反応して警告音を発する(わんわんわん、と吠える事を言う)。でも・・・・防寒シートにおおわれた犬小屋の中にいる僕には、我が家に誰かがやって来ても気付かないのであった。・・・・・・
1月25日 いちにちゆき・・・
明け方の雷はすさまじかった。「ゴロゴロ・・・・ドッシャ〜ン!!!!」と大雪を降らせながらしばらく続いた。まだ夜明け前だというのに真っ白な雪が風景を染めて、ぼんやりと明るい。「雪明かり」とでも言うのだろうか。そして、そんな風景を青白い稲妻が一瞬だけ光って幻想的な色彩を作り上げていく。それはそれは美しい光景だったんだよ。雷の音が恐いので犬小屋にかけられた防寒シートの隙間から少しのぞいただけだったけれどね。雷はやがて遠ざかり、御主人が僕のところへやって来た。「朝散歩!!」と思って僕は元気良く外に飛び出した。だが・・・・外はものすごい積雪・・・・僕の身体が半分も埋まってしまう。御主人が履いている長靴も埋まりそうだ。35センチも積もったのだろうか?僕は散歩に行く気は満々だったのだけれど、御主人は「雪が深くて散歩に行けない」と言った。僕は散歩に行けない不平不満を御主人にではなく、プラスチックの植木鉢にぶつけ、咬んだり蹴ったりしたのであった。
1月24日 いちにちゆき・・・
野山の雪が、この所の暖かさや雨でほとんど消えてしまったと思ったら、昨日からの雨が雪に変わって見渡す限りの雪景色になってしまった。これはこれで美しい風景である事は間違いないのだけれど・・・・気温が昨日の11度から零下1度に変わってしまうと言う急激さが気に入らない。何事も急激すぎる変化は世の中に何ら良い事をもたらさないのは歴史が証明している。犬は急激な変化を嫌う。自分で決めたマニュアルにしたがって生きている。本当に困るのである。気候の急激な変動は身体にも良くない!!・・・・と、腹を立ててみても自然にはかなわない。犬小屋の中に閉じこもるしかないのだろう・・・
1月23日 くもりのちあめ
午前中は暖かくて昨日並みの陽気だったのだけれど雲が多い。だけど、午後になったら風が出てきて夕方になったら雨が降り始めた。冷たい雨である。おかげで夕方散歩は中止になってしまったよ。気圧は西高東低の冬型に変わり、夜半過ぎからは雪に変わるだろうと言っている。これは御主人がニュースやインターネットなどの情報を僕に話してくれているだけなので、信憑性は薄い・・・・だけど、御先祖であるオオカミさんの本能が、「明日は寒くなる」と僕の心の中に訴えているのだ。科学的な根拠を重視した予測より、野生時代から引き継いだ犬の本能の方がより正確な判断を下せるのだという事を信じて疑わないオオカミの子孫である僕なのであった。
1月22日 はれ
今日は一日良く晴れた。僕は一日中外に寝ころんでいたんだ。もちろん、古びた玄関マットを敷かなくてもお昼寝が出来たよ。最も、お腹を広げて寝るって言うわけには行かなかったけれどね。何でも、御主人のお話によると3月下旬頃の暖かさだという。3月下旬というと御主人が盛んに忙しがる時期である。本当に毎日忙しいわけではない。そこそこにお仕事をこなしてはいるけれど、気ばかりが忙しなく忙しい気持ちになってしまっているだけなのである。だけど現実的には、今は1月の下旬・・・・いくら暖かいとは言っても、気分はまだまだ、お正月の御主人なのであった・・・・
1月21日 くもり
今日は曇りの天気だったけれど、風もなく気温も5度ぐらいまで上がったので僕は犬小屋の中に敷いてある玄関マット(我が家で古くなって使わなくなった物を犬小屋の敷物にしているのだけれどけっこう暖かい)をくわえて外へ敷いた。そして、その上に丸くなってお昼寝をしたんだ。「春がそこまで来たような〜」と、何かの歌の文句じゃないけれど、そんな陽気の今日一日だったよ。
1月20日 くもり
あれだけ、瞬く間に大量に積もった雪も、この所の暖かさと雨でだいぶ消えてしまった、それでも野山は真っ白な雪で覆われている。これからまた降るのだろうか?去年のような大雪が降るかも知れないなぁ・・・だって、ここ2〜3年雪の多い年が続いているからね。雪が多く降る年は豊作だと昔から言い伝えられているけれど、どうなるのかなぁ・・・1年が始まったばかりでこんな事を考えているのも気の早いような気もするけれど、心配な事ばかり世の中には多すぎる。月日の経つのも早すぎる・・・・この前、お正月だったのに、もうすぐ二月になるだなんて・・・最も犬は、そんな事は気にしないけれど、御主人の、そんな思いが飼い犬の僕にもひしひしと伝わってくる今日この頃なのであった。
1月19日 はれたりくもったり
今日は春のような陽気になった。御主人の話に寄れば、8度か9度ぐらいまで気温が上がったんじゃないかって言うんだ。そういえば空気が何となく柔らかく感じられて、外へ寝ころんでいても風が冷たくない。昨日は一日晴れだったけれど、風が寒かったのだ。今日は昨日より日射しは弱いけれど、風が柔らかい。柔らかいというのは、優しいとも言い換える事が出来る。風の正体である空気の中に冷たさが含まれていない状態を言うらしい。だけど、そんな状態も午前中だけで、午後から急に風が強く吹いて、時々あられのようなものが降ってくる空模様になってしまった。そんな中、御主人が「昨日はおまえの世話をする事が出来なくて申し訳なかった」・・・・と思ったのかどうか知らないけれど、おやつと僕を繋ぐ新しい20メートルのロープを買ってきてくれた。おやつはうれしいけれど、ロープはちょっとね・・・・・でも今までより長いので、その分だけ自由に歩けるかな?。ちなみに、おやつは肉を乾燥させた、人間の食べ物で言えばおせんべいのようなものだった。さっそく「ちょうだい、ちょうだい!」と、おねだりをして食べさせてもらったよ!!。
1月18日 はれ
今日はとても良い天気だったよ。お日様が出て来たので僕は外でお昼寝をしたんだ。御主人は、この地方の伝統行事であり、市の目玉観光にもなっている「裸参り」の警備に出かけていったんだ。裸参りとは、新山神社の氏子である男集が下帯とわらじ履きで高い山の上にある神社本殿まで駆け上がり、お餅や鱈などを奉納する行事である。昔は各町内が戦陣を争っ多ものだと言うけれど、今は時間が決まっていて、昔ほどの迫力はないという。何しろ参加者が年々減っていくのだからね。それでも我が市の重要な観光であると言っていい。男集が裸で、しかも水をかぶって身を清めるというのに、御主人は雪だるまのように暖かい外套(制服用の支給品ではあるけれど・・・)、私物の白いマフラーに防寒で袋、防寒長靴等々、犬の僕がそんなのを着たら、真冬に黙っていても汗がしたたり落ちてきそうな重装備である。と、言うわけで僕の世話はお母さんがしてくれた。と、言ってもご飯をもらっただけだったけれどね・・・・
1月17日 ゆきのちくもりときどきゆき
「降る時になれば降るものだな」と御主人が僕に言うので、僕は御主人を見上げて肯いた。雪の事である。12月の末までは雪も降らなくて暖かい日が続いたので暖冬かと思い始めていた。だけど、新年になったとたんに雪が後から後から降ってくるのだ。今日などは自動車のお腹がこすれてしまうぐらいの雪が降ったので、いくら無精な御主人でも除雪をしなくてはならなくなった。30センチも積もったのだろうか?。僕はいつもの犬小屋の中・・・除雪が終わると、いつもの通り、プラスチックの植木鉢を相手にお遊び。いつものと変わらない一日の流れ、風景。日々平凡で安寧に過ごす事が何よりの幸せなのだと実感した今日の僕なのであった。
1月16日 くもり
昨日のひどい風雪はおさまったようだ。雪は吹きだまりになっている所に10センチほど積もっているが、あとは数センチ以内にとどまっている。除雪するほどでもないけれど、無精なくせに几帳面な御主人は、「雪をきれいに片づけたい!!」と思ったらしく、トラクターを出して除雪を始めた。おかげで僕は犬小屋の中に潜り込まなければならない羽目になってしまった。それでも40分もすると、外はすっかりきれいに除雪されて、僕はその上でプラスチックの植木鉢を相手に遊び始めたんだ。今まで犬小屋の中に入っていなければならなかった不満を植木鉢にぶつけて、転がしたり、はねとばしたり、そして襲いかかって牙を立ててみたりと、おもしろおかしく遊ばせてもらったよ。御主人は、僕の頭を「なでなで」しただけで家の中に入ってしまったよ。農業経理とやらが複雑で頭の中に巨大な迷路が出来ているのだと言う・・・・・?
1月15日 ふぶきみたいなもの
今日は、昨日と打って変わって吹雪みたいな天気になった。「みたいな」とは、風が強い割に雪がそんなに降らなかったからだ。だから積もり方も少ない。でも、もしかしたら風の勢いで雪は山沿いの地域へ吹き飛ばされていったのかも知れない。気温も昨日とは極端に違って、昨日はプラスの5度ぐらいだったのに、今日は終日、零下の気温である。今日はこんな寒い一日だったのである。御主人なんか「外へ一歩でも出ると魂が吸い取られてしまう寒さだ」と大げさな事を言う。僕が「早く散歩に行こう!!」と、雪の中を駆け回ると、「我が家で元気なのはおまえぐらいなものだ」と僕に向かって言う・・・・何とも情けない御主人である。2月の1年で一番寒い時期に生まれたにしては寒さが大嫌いな御主人なのであった・・・・
1月14日 ゆきのちはれのちゆき
なんと、まぁ、極端な天気なのだろう・・・・朝起きたら、またまた雪が積もっていた。御主人は、またまたトラクターで除雪だ。僕は犬小屋の中で待機である。待機と言っても、この後に出動があるわけではないので待避と言った方が良いかも知れないね。そして、まだまだ雪が降るのかと思っていたら、お日様が顔を出した。除雪した後の地面が乾いてくる。アスファルトの地面なので、お日様の光が当たると、すぐ乾くんだよね。僕は嬉しくなって乾いた所へ寝そべったんだ。お腹を広げてお日様の方に向けたんだ。「ハァァァ〜気持ちいい〜!!」、ごろんごろんと地面に身体をこすり、御主人に身体をいっぱいなでてもらって、お日様の暖かさを毛皮の奥までため込んだ今日の僕なのであった。
そして、夕方からは、また雪が降ってきたのであった・・・
1月13日 ゆき
今日は一日中雪が降り止まなかった。それどころか、朝に目を覚まして犬小屋から外に出てみると昨日から降り続いた雪が15から20センチも積もっていたのだ。僕は「ヤレヤレ」と思いながら、北国原産である犬の血が騒ぐのか、自然に身も心も躍りたくなるような気分になってしまって、雪の中をかけずり回ってしまったのだった。御主人は、この冬初めての除雪をトラクターで行った。しかし、雪は後から後から降り積もり、せっかく除雪したのに、また夕方までに10センチから15センチの雪が降り積もってしまったのであった。そんな中を朝散歩と夕方散歩にはいってきたんだ。でも、夕方散歩は除雪車がやってこないのでなかなか雪の中を歩く事が出来ない。それで、ほんの少しだけしか行けなかったんだよ。
1月12日 ゆきがふったりやんだり
今日は湿った雪が降ったり止んだりした。ベトベトと湿った雪なので地面がぐしゃぐしゃなのだ。それでも朝散歩と夕方散歩にいってきた。幸い、お腹が泥んこにならなくて良かったよ。夕方頃から青空が見え隠れし始めて、夕方散歩の時の夕焼けが美しかった事!!久しぶりに美しい夕焼けを見せてもらったよ。思わず空の神様に感謝の祈りを捧げたよ。最も犬は肉体的構造上、物理的に手を合わせる事が出来ないので心の中で拝んだんだよ!!
1月11日 ゆきがふったりやんだり
この冬で初めてじゃないかなぁ・・・・?。えっ?なんの事をいってるんだって?。いやね。一日中あたりの風景が雪で真っ白になったのは、この冬初めてじゃないかなっていっているんだ。この冬は暖冬だって前から言っていたけれど、今日は昨日から降った雪が辺り一面を真っ白に染め抜いたのだ。久しぶりの雪なので僕は興奮して、朝散歩に連れ出しにやって来た御主人を前に雪の中を夢中になって走り回ったんだ。楽しかったよ!!
ところで、今日は我が市の「成人式」である。成人式とは20歳になったお祝いを市でやってくれるものらしい。もっとも、犬は20歳まではとても生きられないので、20歳と言われても実感がわかない・・・・御主人は、その成人式に出かけていった。と言っても御主人が成人のお祝いを受けるわけではない。交通警備に行っただけである。午前中から出かけていき、帰ってきたのは、もうすぐ夕方散歩の時間になる頃である。疲れたような顔で帰ってきた。しかし、いくら疲れたとはいっても、僕の散歩をないがしろにする事は、飼い犬の立場として絶対許す事は出来ない!!と、言うわけで無理矢理散歩に連れ出した。僕の方がね。そして、いつもの1.4キロコースを歩いたのであった。満足、満足!!
1月10日 あめのちふうせつ
今日は、昨日と打って変わって雨である。冬らしく寒い。そして雨が雪に変わって風が唸りを上げて吹いている。時々電線に当たった風が、もの悲しい音を立てて鳴り響く。まるでもがり笛のように悲しい音である。そして、僕と御主人はそんな風雪の中を夕方散歩に出かけたのであった。雨が雪に変わったというものの、雪の降り様はそんなに多くはない。きっと、山沿いの地域に降り積もるのだろう。でも、雪が少しでも降り積もらないと、変に薄ら寒いと感じる北国原産である秋田犬の僕なのであった。
1月9日 はれ
今日も一日中晴れた。昨日より暖かかったので僕は一日中外でお腹をお日様の方に広げて寝ころんでいた。あんまり気持ちがよいので「ごろんごろん」と寝たまま身体を地面にこすりつけたりした。この動作は犬が本当にくつろいでいるときによく見かける。だだし、余り人や他の犬がいるときは見せない。飼い主にはたまに見せる時があるけれど、あまり見せない。恥ずかしいから・・・・でも、我知らずにこんな動作をしてしまう。本当に気持ちの良い青空とお日様の光だったのだ。人間が気持ちよさそうに「うう〜ん」と背伸びするのに似ているかも知れない。とにかく昨日と今日は冬のさなかに貴重な一日を戴いたよ。明日からは荒れるようだけれどね・・・・
1月8日 はれ
今日は一日中晴れた。気温が低かったので僕は一日中外に寝ころんでいるわけにはいかなかったよ。外と犬小屋の中を行ったり来たりしていたんだ。外に寝ころんで、寒くなると犬小屋の中に入り、身体が暖かくなると外へ出て寝ころぶ。これの繰り返しである。出来る事ならば一日中お日様の光を浴びていたかったんだけれどね。でも、冬だから・・・・真冬のさなかに、こんな日がぽっかりとあると「儲けたね。うれしいね。」という気持ちになる。犬は宝くじに当たるより、お日様にあたった方がうれしいのであった・・・・
1月7日 くもりときどきゆき
今日は「七草」という行事なのだという。何をするのかと御主人に聞くと、「おかゆ」の中に7種類の草を入れて食べるのだそうだ。人間とはおかしな風習を尊ぶものなのである。僕なんか「牛乳がゆ」みたいな物を毎日食べさせられているんだもんね。草だって、そこら辺に生えているのを胃の調子が悪いときに食べたりしているんだよ。人間は知識として食べられる草を覚えるけれど、犬は本能で食べられる草を見つける事が出来る。御先祖だったオオカミさんのDNAがいまも残っているんだね。お正月は僕にとって御先祖様を敬う日であるのかも知れない・・・・
1月6日 くもりときどきゆき
雪が時々、思い出したように降ってくる。でも積もらない・・・・
ところで、僕は夕方散歩に行くと、必ず大学前公園のところの曲がり角で立ち止まり西の方向を見つめる。何時までも何時までも見つめている。御主人に「早く来い。お家に帰るぞ!!」と言われても未練がましく振り返りながら、のそのそと歩き始める。もしかして本当に僕の帰るお家は、御主人と一緒に帰るお家ではなくて、さっき見つめていた方角に本当の僕のお家があるのではないだろうか?・・・と言うような幻想に陥る。僕自身でもわからないのだけれど、なぜか見つめる方向がとても懐かしいような、身が引かれるような、そんな感じがするのだ。僕が生まれた山形県庄内地方の余目(あまるめ)という町は二千メートル級の鳥海山という山の向こう側にある。方向としては南側に当たる。僕が見つめていた西方向とはだいぶずれている。不思議なのである。僕の前世の記憶なのか、我が家の歴代秋田犬たちの記憶が僕の中に封じ込められたのか・・・・。御主人は言う。僕が見つめていた方向は、かつて河川改修で我が家が移転する前に家があった所だという。そして、歴代秋田犬たちが住み暮らした家だった。もしかして歴代秋田犬たちの魂の記憶が僕に語りかけているのかも知れない。だが、御主人は、もう一つの可能性を示唆した。数年前の夏の夕方散歩で、御主人の叔父さんの家の前を通りかかったときに車庫で焼き肉パーティを開いていた御主人の従弟からもらった焼き肉の味が忘れられなくて、その記憶が僕の頭の中に焼き付けられてしまったのではないかという。だから叔父さんの家の方角を見つめ続けているのではないか・・・と?。そういえば、叔父さんの家も西の方角なのであった。・・・・・・・
1月5日 はれたりくもったり
やっと、お正月が終わり、いつもの生活が戻ってきた。お母さん達はお仕事に行き、御主人は確定申告に向けての準備に取りかかっている。でも、まだお正月らしさを残していると言えるものがあった。「消防出初め式」である。御主人は午後から出初め式の交通規制の警備に出かけていった。1時間ほどで終わるらしいのだけれど、御主人はなかなか帰ってこなかった・・・・どうやら、「初売り」ならぬ「初買い」で時間をつぶしていたようなのである。そういえば、御主人もお母さんも2日の日に「年賀」へ出かけたきり、お正月中ゴロゴロとテレビを見たり本を読んだりと過ごしていたのであった。これじぁ身体も重くなるよねぇ〜
1月4日 はれたりくもったり
御主人はお正月に呑んだり食べたりしすぎたのか、夕方散歩の時にいきなり「走るぞ!!」と僕に言った。重くなった身体を走る事によって軽くしたいらしい。いわゆるカロリーの消費である。それならと、僕もつられて走り出したのだけれど、御主人の走りは僕の早足程度に過ぎない・・・・そして、その走りもだんだん遅くなり、僕の並足程度の速度になった。御主人は歩いている速度で単に足を高く上げて走っているように見えるだけなのだ。これだったら普通に歩いた方が早いような気がする。御主人に、そういってみたら走るのを止めた。と言うより走るような恰好を止めたと行った方がよいかも知れない。息が上がっている。犬が真夏に舌をこれ以上伸びないぐらい延ばして「ハァハァハァ」と言っているような状態である。僕は息も弾んでいない。何しろ走ったという自覚がないのだから・・・それに走ったという距離も数十メートルである。これでは増えた体の重さを減らすのになんの役にも立たない。御主人の現在の体重74キログラム。理想とする体重は65キログラム。「がんばれ御主人!!」・・・・等と言いながら僕も少々太り気味なような気がするんだよね。これってダイエットにはまっている人間たちと同じような錯覚なのだろうか・・・?
1月3日 みぞれふる
正月3が日だけは愚痴を言うまいと堅く、堅く思っていたのだけれど、言わせてもらう!!。事の起こりは今日の夕方散歩である。僕は草むらの匂いを楽しみながらのんびりゆっくりと散歩を楽しんでいると、「早く来い!!」とご主人のお叱りの声。「早くしないとおいていくぞ!!」とも言う。おいていくって行っても、一時は自由になれるけれど、お腹が空くと家に帰らざるをえない・・・・お釈迦様の手のひらから逃れる事が出来ない孫悟空と似たような僕の身の上なのである。数少ない飼い犬の楽しみを奪うような御主人・・・ハァ〜・・・子は親を選べないのと同様に飼い犬も飼い主を選べないのであった・・・
1月2日 くもりときどきあめ
「お留守番をしていろ」と犬小屋にかけられた防寒シートをいきなりめくり上げて御主人がそういった。僕はあくびをしながら「何処へ行くの?」と聞いた。(犬は命令などをされて緊張したりするとあくびが出るのだ。)「年賀に行くのだ」という。年賀とは「お正月はおめでたいのだ」と言う事をあちらこちらに言いふらしに行くのだそうだ。犬は一年中おめでたく出来ているので、お正月が来たからと言って特におめでたいわけではない。「あっ、そう・・」と犬小屋の中に寝そべったまま返事をして、またお昼寝に精を出したのであった。でも「年賀に行く」のは良いのだけれど帰りが遅い。帰ってきたのが、いつもの夕方散歩の時間よりだいぶ遅くなってからである。しかも夕方散歩に連れて行ってもらったものの、目と鼻の先までである。年中めでたい飼い犬の僕でも、こんな状態ではめでたいと浮かれてばかりもいられないのであった。
平成21年元旦 はれのちくもり、あめしょうしょう
「皆様、あけましておめでとうございます」今年もよろしくね!!
飼い犬であり番犬である僕には正月も日曜もないけれど、のんびりと過ごさせてもらっている。ご飯もちゃんと戴いているし、年末には2種類のクリスマスケーキを味わう事が出来た。と、言ってもさらに付いたクリームをなめて、サンタの恰好の砂糖菓子2種類を食べ比べただけだったけれどね。でも、それなりに飼い主が気を遣ってくれるので僕も働きがいがあるというものだ。まぁ、とにかく今年も、犬成の習性で頑張りたいと思うからよろしくね。今年の僕の目標は「猫さんのように生きたい!!」である。犬の習性とは正反対の生き方が出来るかなぁ・・・?