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2005年12月1日発行 No.450 

クリスマス―神の力に包まれて―

                            金田 佐久子

「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。」(ルカ福音書1章35節)

  主を待ち望むアドベント
 今年もアドベント・クリスマスの季節が巡ってきました。
 教会では、クリスマス直前の日曜日から数えて四つ前の主の日(日曜日)からアドベント(待降節)に入ります。ですから、今年のアドベントは11月27日から始まりました。「アドベント」とはラテン語で「来臨(くだる)」という意味でした。アドベント第一主日から教会にはクランツが飾られ、立てられたろうそくに火を灯します。わたしたちは、再びお出でになる(再臨)のキリストを待つ意味でアドベントを過ごします。
 そして、わたしたちの主イエス・キリストの降誕を喜び祝うクリスマスの日を迎えます。

  マリアへの御告げ
 ルカによる福音書1章26節以下には、イエスの誕生が予告される出来事が書かれています。
 ナザレの町に住むマリアのもとに神から天使が遣わされました。天使はマリアに告げます。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる」。マリアは、この言葉に戸惑い、何のことかと考え込みました。天使は「恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいたのだ」と語り、マリアが懐妊し男の子を生むこと、その子が神の子であり、約束のキリストであることを告げます。マリアは驚いて「どうして、そのようなことがありえましょうか」と問い返します。まだ結婚していなかったからです。天使はマリアに答えます。「聖霊があなたに降りあなたを包む。見なさい。親類のエリサベトも不妊の女と言われていたのに、子を宿している。神にできないことは何一つない」。この答えは決定的な響きを持ちました。マリアは「お言葉どおりこの身になりますように」と答え、その答えを聞いて天使は去って行きました。
 
  神の力があなたを包む
 この出来事がわたしたちにとってどのような意味を持つのでしょう。神のご計画は、人の目には測り知れず、すぐには受け止め切れない面があります。マリアは、驚き、戸惑い、恐ろしくなり、「どうして」と問い返します。彼女は、当然沸き起こる思いを率直に話しています。そのマリアの言葉一つひとつに、神は天使を介して答えておられます。わたしはここにマリアを慈しむ主の愛を感じます。さて「神にはできないことはない」と語られた時、あなたならどう答えるでしょうか。神の御心はマリアが「はい」と答えることでした。おそらく彼女は、神のご計画をすべて悟っていたわけではなかったでしょう。ただ「いと高き方の力が、体も含めて丸ごとのわたしを包み、御業を実現なさる」という約束を受け入れたのです。これがマリアの信仰でした。
 主は恵みを備えて待っておられます。神の包容と、マリアの信仰を思い巡らし、この季節、静まって御心を尋ね求めましょう。

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