2006年 2月1日発行 No.452
驚くばかりの 永本 慶子
兄のため、お祈りありがとうございます。おかげさまで昨年12月29日、病床洗礼を行うことができました。金田佐久子先生と三人だけの静かな式でしたが、恵みに溢れた感動的な瞬間でした。
兄が癌センターに入院していること、すでに治療法がないこと、そして洗礼を希望していることを聞いたのは、昨年も押し詰まってからのことでした。病気のことも驚きでしたが、受洗を希望していると聞き、私は耳を疑いました。まさかと思ったのです。
しかし、思い返せば、神様は、父や母も最後にその御手に迎え入れてくださいました。兄が救われて何の不思議もありません。驚いたところに私の不信仰がありました。
それにしても、父や母の場合と違い、兄は一度も教会に来たことがありません。受洗の希望もどの程度のものかまったく分かりません。とにかく見舞いに駆けつけた私は、そこで、今まで知らなかった柔和で静かな兄の姿を見せられました。
兄は、死を目の当たりにして思うのは、妻に感謝、子供たちに感謝、周囲の人々に感謝、ただ全て感謝だといいます。今まであくせくと求めいていたものが本当に虚しいものに思え、人間の限界を知り、それを超えた大いなる存在を感じるといいます。「妹がたまたま牧師だったからキリスト教なのだ」と言っていますが、私はそこに兄の救いのため、すでに備えられていた神様のご計画を思います。
今は自宅で闘病生活をしていますが、日に日に元気が増し、顔色もよくなるようで、もしかしたら教会に来れる日が来るかもしれないと神様に期待しています。
兄と、看病する家族のため、引き続きお祈りをよろしくお願いいたします。