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2006年 12月1日発行 No.462 

クリスマス ―恐れから喜びへ―

                            金田 佐久子
 
 25年前の12月、わたしは西川口教会のクリスマス礼拝で、洗礼を受けました。同じ年の夏に開催されたホーリネスの群中高生聖会で、夜の聖会での説教を聞いて心を動かされ、洗礼への招きに答えたのでした。
 しかし、振り返ってみるとわたしが受洗を決意するに至ったのは、祖母の死が影響したと思っています。受洗一年前の秋に、両親は母方の祖母を我が家に引き取り、祖母はその年の年末に亡くなりました。死の現実が突きつけられたのです。「なぜ人は死ぬのか。人は死んだらどうなるのか」と、死への恐れが心の片隅を占め、病んでいました。そのときには、わたしの心は自らを知ることができませんでした。福音を信じて救われた今、それがわかります。
 ルカ福音書第2章8節以下には、救い主誕生が羊飼いたちに告知された出来事が記されています。羊飼いたちは、いつものように夜通し羊の群れの番をしていました。すると、彼らのそばに主の天使が近づき、そのところは主の栄光で巡り照らされ、羊飼いたちは非常に恐れました。
 羊飼いたちの恐れは何だったのでしょうか。わたしが持っていた死への恐れでしょうか。「死ぬかもしれない」、彼らはそう思ったかもしれません。しかし、わたしが抱いていた死の恐れとは大きく異なります。それは、主の臨在に触れられて引き起こされた恐れでした。
 聖い主の臨在に触れられた者は、恐れおののかざるをえません。
 遠い昔、預言者イザヤは主の臨在に触れられてこう叫びました。「災いだ。わたしは滅ぼされる!」(イザヤ書6・5)と。しかし主なる神は、ご自身の臨在に恐れおののく者を退けることなく、さらに近づき、御言葉を与え、遣わしてくださるのです。
 恐れる羊飼いたちに天使は喜びを告げます。「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである。・・・」(11、12節)。イザヤが預言した救い主の誕生の知らせでした。
 神は今も、あなたに「恐れるな」と力強く語りかけておられます。恐れから解き放ち、すべての人に例外なく与えられる大きな喜びへ、わたしたちを救い入れてくださいます。
 救い主はお生まれになりました。
 
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