2006年 12月1日発行 No.462
弱さの強さ
永本 慶子
日本は今、深刻な少子化問題が叫ばれているが、どういう訳か、私の周囲ではおめでたが相次いでいる。教会員のお子さんやお孫さんである。もちろん、私に関係ないことはよく分かっているが、それでも赤ちゃんが生まれると聞くと、わくわくする程うれしい。
赤ちゃんは誰かの助けがないと一日も生きていられない。「だから誰もが、思わず手を差し伸べたくなるように、神様が可愛らしくつくられたのよ」と聞いたことがある。心の底から、「なるほど」と納得してしまう。
クリスマスが近づいて来た。二千年前、待ちに待った救い主が誕生された。だが、「力の救い主」を夢見た当時の人々の思惑は大きく裏切られ、「全能の主」、「万軍の主」であられる方は、人の手を借りなくては生きていけないひ弱な赤ん坊の姿で来られた。最後の死の姿も弱さの極みだった。
しかし、その十字架の死によって全人類の罪が贖われた。神の弱さは神の力である。神の恵みは、その弱さの中で働くのである。