トップページに戻る西川口だよりに戻る

2010年 3月 1日発行 No501 

悲しみの向こうに喜びが

                            金田 佐久子

 ところで、今はあなたがたも、悲しんでいる。しかし、わたしは再びあなたがたと会い、あなたがたは心から喜ぶことになる。その喜びをあなたがたから奪い去る者はいない。(ヨハネ 16・22)

 今年は、2月17日よりレント(受難節)に入りました。3月28日から受難週となり、イースター礼拝は4月4日です。主イエス・キリストの苦難と死、葬り、復活の出来事を、特に深く心に刻みながら、祈りの日々を過ごします。
 主イエスがいよいよエルサレムに入られて、ご自分の命を十字架にささげる時が迫っていたとき、主の弟子たちは不安と戸惑いの中に置かれていました。
 わたしたちの信仰生活においても思いがけない出来事が起こり、不安と恐れ、戸惑いの中に置かれることがあります。
 永本慶子先生が今月末でこの教会をお辞めになることが、先月の教会総会で承認されました。永本先生の辞任は思いがけないことでしたが、先生から辞任理由を伺い、やむをえないと皆が受け入れました。6年間、身体のハンディを持ちながら、御言葉の御用に仕えてくださったことを心から感謝しています。それに伴い、新年度からは主任担任教師一人でスタートしていくことになりました。
 冒頭の御言葉は、主イエスの地上の生涯最後の弟子たちへの言葉です。主イエスの弟子たちの場合を見ても、主イエスは弟子たちの悲しみと先が見えない不安をご存知でした。そのような中にある弟子たちに、主イエスは、まことの揺るがない喜びが訪れること、その喜びは誰にも奪われないものなのだと約束してくださいました。
 そのような主の約束を聞いても、その時点では、弟子たちはすべてを理解することはできませんでした。しかし主イエスはすべてをご存知でした。地上では主イエスのほか知る人はいなかった神の救いのご計画は、このときでも着実に進められていました。
 以前、交わりの中で励ましをいただいた言葉を思います。「たとえ、今、主の御心がどこにあるか私がわからなくても、主は御心をご存知でいらっしゃる。天の窓はいつも開いている」。
 主は御心をご存知です。わたしたち信仰者は天を仰いで生きるようにさせていただいています。悲しみや不安を抱えたままで、主イエスのところに行くことができるのです。わたしたちは泣きながら祈ることもしばしばあるのです。主のもとで安心して泣けるのです。主イエスはわたしたちを弟子として愛し、心からの喜びで満たそうと待ち構えておられる。誰にも奪われることのない喜びとは、死に打ち勝たれた主イエスご自身です。主は永遠に共にいてくださる。わたしたちを主イエスから引き離すものは何もないからです。
 わたしたちは、主が御心を行うこと、万事が益となるように働かせてくださる主のご支配を信じて前に進みます。
 永本慶子先生と共に働くことができた6年間は楽しかったです。暑い夏の日の就任式、柏明史先生を交えての教務会もよい思い出です。永本先生がお兄様の龍雄兄に洗礼を授けられた、三人だけの病床洗礼式も忘れられません。礼拝、昼間祈祷会、家庭集会、火曜会の御用、数々のご奉仕に、主が豊かに報いてくださいますように。

トップページに戻る西川口だよりに戻る