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2011年 8月 1日発行 No518 

平和―和解の使者として

                            金田 佐久子

 神は、キリストを通してわたしたちを御自分と和解させ、また、和解のために奉仕する任務をわたしたちにお授けになりました。(コリント二5・18)

  今年の平和学習会
 8月は特に平和を深く思い、考える月です。
 西川口教会では、毎年8月15日に近い日曜日に、社会部による「平和学習会」を開催して、平和の実現を祈り願い、取り組んでいます。その年毎に具体的なテーマや主題は異なりますが、今年の「平和学習会」には、外部講師として田村久彌先生(新生病院所属)をお迎えして、太平洋戦争の体験と平和の尊さを語っていただくことになりました。田村先生は95歳で現役の医師です。太平洋戦争のときは軍医としてインドや東南アジアに遣わされました。戦後は、インドネシアに赴かれ、医師として人々のために奉仕されました。
 昨年の秋、森脇功成さんのお見舞いで長野県小布施町の新生病院を訪れました。この新生病院には、森脇さんのご子息でクリスチャンドクターの森脇弘隆先生がおられます。森脇先生が見舞いの折に田村久彌先生に引き合わせてくださいました。わたしはそこで初めて田村先生にお会いしました。そして戦地での生々しく痛ましい出来事、戦争の愚かさ、戦後の田村先生のお働きなど、貴重な証言を伺いました。
 田村先生の柔和なお顔と、静かな淡々とした語り口でありながら、語られる戦争の体験は悲惨な出来事で、その落差に驚きながら聴きました。
 田村先生は若いときから信仰を与えられて、今に至るまで御自分が神に生かされ、守られているという恵みを感謝しておいででした。
 こうして、出会いがつながりとなり、田村先生を西川口教会にこのたびお招きすることになった主なる神の導きを、うれしく感じます。

  和解の使者として
 田村先生は平和を実現し、和解の使者として生きておられる証人であると思います。それは主なる神が田村先生にお与えになった恵みです。田村先生は、信仰によって神からの力を得て生きてこられました。
 わたしたちも和解の務めを授けられています。その働きや実りはさまざまであるでしょう。人の目に留まらず、自分でも小さいこと、ささやかだと思うこともあるでしょう。しかし神はご存知です。わたしたち一人ひとりの存在そのものが神の子キリストに結ばれているからです。
 神は、神と共に生きることができない罪の中に陥っていたわたしたちを、神の子キリストを信じることによって、救い出してくださいました。こうしてわたしたちは神と和解して生きるようにされました。
 ですから、和解のための使者として生きるようにと、神からの使命が与えられています。神の子キリストがご自身を献げられましたから、わたしたちもキリストに従って自分を献げます。自分にできることを、喜んでします。出会いやつながりを大切にし、ひろげていくことも奉仕の一つと思っています。
 朝ごとに祈ります。神が与えられた今日という日を、精一杯生きることができますように。神に愛され、主イエス・キリストに愛されていますから、置かれたところで、出会う方々に、主の愛を注ぐことができますように。なすべき務めを、心を込めて果たすことができますように。神からの平和が実現しますようにと、祈ります。

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