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2013年 12月 1日発行 No546
その子の名はイエス
金田 佐久子
今年も12月となりました。もうすぐクリスマス。キリストの誕生をお祝いする日です。多くの人がイエス・キリストはキリスト者の信じる神であると知っていると思います。ただ、もしかするとイエスは名で、キリストは姓だと思っている人があるかもしれませんが、イエスは固有名で旧約聖書(ヘブライ語)ではヨシュアであり、イエスとはヨシュアのギリシヤ風の読み方なのです。キリストは固有名ではなく称号のようなものであり、ヘブライ語ではメシアです。メシアとは「油注がれた者」で、神から特別の職務に任じられている者を指します。ここではイエスという名の意味を改めて深く知りたいと思います。
親は生まれた子どもに名前を付ける務めがあります。親はその子の人生の祝福を願い、心を込めて、熟慮して名前を付けます。調べてみるとイエスという名はそれほど特別のものではないという説明を見つけます。ユダヤ人が男の子に、特に長男に付けることが多かったそうです。イエスという名は「主なる神は救い」という意味です。長男が生まれるというのは、当時、特に大きな喜びでありました。神の祝福する家になると考えられました。神がわたしたちを顧みて救ってくださった、そのような感謝を込めて子をヨシュア、すなわちイエスと名付けたようです。
ところが主イエスの誕生においては、このような、ユダヤ人の家庭に見られるような名付けではなかったことがわかります。マタイによる福音書第1章18節から21節までの御言葉に耳を傾けましょう。
イエス・キリストの誕生の次第は次のようであった。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が一緒になる前に、聖霊によって身ごもっていることが明らかになった。夫ヨセフは正しい人であったので、マリアのことを表ざたにするのを望まず、ひそかに縁を切ろうと決心した。このように考えていると、主の天使が夢に現れて言った。「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。マリアの胎の子は聖霊によって宿ったのである。マリアは男の子を産む。その子をイエスと名付けなさい。この子は自分の民を罪から救うからである。」
婚約者マリアがまだ結婚していないのに身重になるというとんでもないことが起こりました。ヨセフは秘かに婚約を解消しようとしました。そのヨセフに神の使いが現れて告げました。「マリアと結婚し、迎え入れなさい。その子の名はイエスとしなさい。その子はその家の救いだけではない、自分の民、イエスをキリストと信じる民を罪から救う者となるからである」。それは神による命名でありました。ヨセフは神の言葉に従いました。生まれた子はその名にふさわしく、ご自分の民の救いとなってくださいました。ハレルヤ。
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