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2018年3月1日発行 No597
真実を求める1人がいれば
金田 佐久子
去る1月28日、午前の特別礼拝で、順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授、一般社団法人がん哲学外来理事長の樋野興夫先生に聖書のメッセージを取り次いでいただきました。午後は川口がん哲学カフェいずみ開所1周年記念講演会が開催され、樋野先生に講演をしていただき、たいへん恵まれた一日となりました。
樋野先生は、講演の中でがんの発生の過程を解説されました。
「がんは遺伝子の異常で起こる。遺伝子の1個の塩基の配列が変わることによって、突然変異が起こり、細胞はがん化する」。この次の展開が思いがけないものでした。
「1個の細胞を地球の大きさに例えると、染色体は国の大きさになる。遺伝子は町の大きさ、1個の塩基は1人の大きさ。だから1個の塩基で細胞ががん化するとは、1人の人間で地球はがん化するということ。
1人の人間の力を侮ってはならない。1人で世界は動かせる。そう思っている。何かしようと思ったら『協力してくれる人がいない』と言わず、1人でしなければ」。
がんの発生のメカニズムから、1人の存在の重さに話が展開して、驚きでした。「自分1人くらいしたところで変わらない」とか「自分1人くらいしなくても変わらない」と思っていた自分を恥じました。自然現象からも1人の存在の重さが証されていることを知りました。
朝ごとに聖書日課に従って聖書を読んでいます。2月5日の日課は、エレミヤ書第5章。主なる神の言葉に立ち止まりました。「…ひとりでもいるか、正義を行い、真実を求める者が。いれば、わたしはエルサレムを赦そう」(エレミヤ5・1)。
真実を求める者はただの1人もいない、と神が嘆いておられるのです。そこには、真実を求める1人がいれば、町全体を赦すほどの神の憐れみがあるのです。
時が満ち、神は、御子キリストを遣わされました。主イエス・キリストは、わたしたちの罪の身代わりとして十字架に死なれました。十字架の上のキリストは、まことに正義を行い、真実であられました。キリストを信じる人はだれでも救われます。だれもが罪を赦され、神の子とされ、永遠の命を与えられるのです。自分自身が神にあってかけがえのない重みのある存在であり、尊い1人であると信じて生きられるのです。
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