8月30日(日) 聖霊降臨節第14主日 礼拝順序

黙  祷
賛  美   352
主の祈り
交読詩編 詩編51:12~19
祈  祷
聖  書  ヨハネによる福音書第14章1~6、15~17節
使徒信条
説  教  「聖霊を信じます」 〔使徒信条による説教〕
賛  美   342
感謝祈祷
頌  栄(讃美歌)25
祝 祷 (コリント二13:13)

説教要旨 「聖霊を信じます」

 使徒信条は3部構成となっており、三位一体の神への信仰の告白をしています。第1部が造り主である神について、第2部が主イエス・キリストのその救いの出来事について、第3部が聖霊の神についてです。使徒信条を信仰告白するときに大切なのは、自分自身と切り離さないことです。どういうことかというと、「天地の造り主である神を信じる」とは「私が神に造られた存在であると信じます」ということです。「全能の父なる神を信じる」とは「私は神の子であると信じます」。「キリストを信じます」とは、「私はキリストに救われました」。聖霊は「弁護者」であられ(16節)、口語訳聖書では「助け主」と訳されていました。ですから「聖霊を信じます」とは「私は聖霊に助けられていると信じます」。三位一体の神を信じますとは、自分自身になされた三位一体の神の御業を信じることなのです。
 聖霊はどういうお方でしょうか。主イエスはこう語られました。「弁護者、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、わたしが話したことをことごとく思い起こさせてくださる」(ヨハネ14:26)。聖霊の神が私たちにすべてのことを教え、主イエスの言葉と出来事を思い起こさせてくださいます。
 主イエスは、聖霊は「別の弁護者」であると言われました(16節)。「弁護者」あるいは「助け主」と訳された言葉の元の意味は「呼ばれたらそばに来てくれる人」あるいは「呼ばれてそばに来た人」です。聖霊は困っている人のそばに来て助けてくださるお方なのです。「『別の』弁護者」とあるのは、最初の「弁護者」は主イエスご自身であるからです。主イエスの地上の生涯は間もなく終わろうとしています。主イエスはこの後、弟子たちと別れ、捕えられ、十字架にかけられます。三日目に復活し、天に昇られます。そして、「『別の』弁護者」、つまり主イエスに匹敵する弁護者である聖霊を遣わしてくださるよう、父なる神にお願いしてくださいました。主イエスと弟子たちは地上においては別れましたが、この弁護者である聖霊は「永遠に一緒にいてくださる」(16節)。何があっても決して離れることはないのです。
 聖霊は真理の霊です(17節)。真理とは、本当のこと、嘘・偽りのないこと、真実です。聖霊は、私たちを真理に生かしてくださいます。聖霊は私たちと共におり、私たちの内にいてくださるのです(17節)。聖霊は、私たちの体を神殿として宿り、教会を神殿として宿ると、使徒パウロも語っています。
 聖霊を遣わしてくださる約束は、どのような状況で語られたのでしょうか。主イエスは「心を騒がせるな」(1節)と言われました。弟子たちは主イエスの言葉を聞いて心を騒がせていたのです。恐れを感じていたのです。トマスは「主よ、どこへ行かれるのか分かりません」(5節)と言いました。そのとき主イエスは「わたしは道であり、真理であり、命である」(6節)と答えてくださいました。主イエスは真理であり、命です。聖霊は真理の霊です。ですから、聖霊は「地上で働く主イエス・キリストの霊」と言えるのです。死者の中から復活されたキリストの霊です。
 キリスト者であっても、死んでしまいたいと思うほどつらいことがあります。使徒パウロでさえ、迫害によって「生きる望みさえ失って」「死の宣告を受けた思い」となりました(コリント二1:8~9)。「それで、自分を頼りにすることなく、死者を復活させてくださる神を頼りにするようになりました。・・・わたしたちは神に希望をかけています」(同9~10節)。これが聖霊の働きです。聖霊は死に瀕する者に、キリストの励ましと慰めを与え、復活の命の希望を与えて、助けてくださるのです。