2月26日(日) 復活前第6主日
礼拝順序
黙 祷
招 詞 詩編124:8
賛 美 472
主の祈り
交読詩編 詩編57:1~6
祈 祷
使徒信条
聖 書 使徒言行録第12章1~24節
説 教 「主は救いの神」
賛 美 452
感謝祈祷
頌 栄(讃美歌) 28
祝 祷 (コリント二13:13)
説教要旨
「今、初めて本当のことが分かった。主が天使を遣わして、ヘロデの手から、またユダヤ民衆のあらゆるもくろみから、わたしを救い出してくださったのだ」(11節)。
私たちもペトロと同じではないでしょうか。私たちが救い出されている間は、何が起こっているのか分からない。しかし、神の救いの業は進められています。使徒言行録を見ますと、聖霊が先立って御業を進められており、教会は後から従っていくかのようです。聖霊に導かれて、教会は礼拝し、伝道し、祈りました。
この第12章は、教会が揺り動かされるような試練から始まります。12使徒の一人であるヤコブが、ヘロデ王によって殺され殉教してしまったのです。そのことがユダヤ人に喜ばれたので、ヘロデ王はペトロも処刑するために捕らえました。指導者の殺害と逮捕。非常に大きな試練です。教会は力を振るってペトロを救い出そうとしたでしょうか。そうではありません。「教会では彼のために熱心な祈りが神にささげられて」いました(5節)。神は、教会のこの祈りを聞き、ペトロを救い出してくださいました。その出来事を見て参りましょう。
ヘロデ王によって、ペトロは牢に入れられ厳重に監視されていました。祭りが終わり、ペトロを処刑するため、ヘロデが彼を引き出そうとしていた日の前夜、主は御使いを遣わされました。「すると、主の天使がそばに立ち、光が牢の中を照らした」(7節)。主のいのちの光、勝利の光が牢を照らしたのです。ペトロが天使に起こされたとき、彼を繋ぎとめていた鎖が外れ落ちました。天使が「帯を締め、履物を履きなさい」と言ったので、ペトロはそのとおりにし、さらに「上着を着て、ついて来なさい」と言ったので、ペトロは外に出てついて行きました。寝起きだったペトロは、天使のしていることが現実と思えず、幻を見ているのだと思っていました。「第一、第二の衛兵所を過ぎ」とあるので、ペトロは奥の方の牢に入れられていたのでしょう。ついに、町に通じる門までくると、鉄の門がひとりでに開きました。天使についていって、ある通りまで進んだとき、天使は離れ去りました。ペトロが解放され、自由に行動できるからでしょう。ペトロは我に返り、本当に自分が救い出されたことを知りました。
詩編に、神は「まどろむことなく、眠ることもない」方であるとあります(詩編121:4)。私たちは眠らなければ生きていけませんし、寝ているときは全く無防備です。神は、私たちが眠っている間も働いてくださいます。ペトロが捕らえられたのは過越の祭りのときでした(4節)。それはイスラエルのエジプトからの解放・救いを記念する祭りでした。出エジプトも夜の出来事でした。エジプトの初子が夜の間に撃たれ、イスラエルはエジプトから脱出しました。主なる神は、教会の祈りに応えて、ペテロを夜の間に救い出し、解放してくださいました。
教会は、夜の間も集まって、祈り続けておりました。私たちもそうありたい。教会は祈ることができます。ペトロはマリアの家に行きました。そこに教会の仲間がいることを知っていたからです。ペトロが門の前に来ていることを信じられない人がいて、すぐには入れませんでしたが、ペトロが解放されたことが分かり、教会は大きな驚きと、畏れに包まれたことでしょう。
その後、ヘロデ王が急死しました。「するとたちまち、主の天使がヘロデを撃ち倒した。神に栄光を帰さなかったからである」(23節)。ヘロデの死を、教会は神の裁きと受けとめました。厳粛なことです。この世の権力が神の言葉を阻むことはできません。福音は前進します。福音の担い手が時に倒されることがあっても「神の言葉はますます栄え、広がって」いくのです(24節)。