2023年5月21日(日) 復活節第7主日
礼拝順序
黙 祷
招 詞 詩編124:8
賛 美 531
主の祈り
交読詩編 詩編119:153~160
祈 祷
使徒信条
聖 書 使徒言行録第14章21~28節
説 教 「主にある苦難と慰め」
賛 美 409
感謝祈祷
頌 栄(讃美歌) 28
祝 祷 (コリント二13:13)
説教要旨
毎月第3主日は、日本基督教団総会で決議された「日本基督教団伝道推進基本方針」に基づき、「日本伝道推進を祈る日」として祈り続けています。西川口教会では、祈りの栞と週報短文で、お祈りをお願いしています。日本基督教団の教会が、北海道から沖縄まで各地に建てられていることは神の賜物ですが、教団全体として、教会員の減少とそれに伴う財政の困難の危機の中にあります。その町に教会があることは、その地域の伝道のために本当に必要なことなので、「日本伝道推進を祈る日」は、互いに祈り合い、支え合うという願いを持っての取り組みです。「信仰に踏みとどまるように励ました」(22節)。この励ましが本当に必要です。
この国でキリスト者として生きる困難と闘いもあります。最近出版された「証し 日本のキリスト者」(最相葉月著)を読み始めました(135人の証しが載っています)。東日本大震災の岩手県の被災地で奉仕した牧師の証しが心に残りました。被災地で出会った80代の女性。讃美歌に心が癒されるようで、キリスト教支援団体の交流会館の日曜の礼拝に集っていた。絶対に「アーメン」と言わなかった。「アーメン」を言うとは神を信じることだから。その女性は、自分は地獄に行くかもしれないと思っていた。ところがあるとき神を信じることができた。やがて交流会館を閉じることになって、地元の教会に彼女を引き継ぐことになったとき、その女性が牧師に「信じますといわせて、いなくなるのか」と言った。岩手の漁師町で、共同体の中で一人キリスト者であるとは、どれほど困難なことか。改めて知らされました、と。
今、この礼拝を献げている皆様も、親やその親がキリスト者の方もいれば、家族の中で自分だけがキリスト者という人もおります。教会に来るために闘いがある人もおります。
もう一度22節を読みます。「弟子たちを力づけ、『わたしたちが神の国に入るには、多くの苦しみを経なくてはならない』と言って、信仰に踏みとどまるように励ました」。本当に、励ましが必要です。
私たちが信仰に生きるために苦しみが伴いますが、その苦しみが苦しみで終わらないという信仰も、私たちは持っています。使徒パウロが書いたローマの信徒への手紙第5章を開きます。「そればかりでなく、苦難をも誇りとします。わたしたちは知っているのです、苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生むということを。希望はわたしたちを欺くことがありません。わたしたちに与えられた聖霊によって、神の愛がわたしたちの心に注がれているからです」(ローマ5:3~5)。
使徒言行録では、救われた者たちが「弟子」と呼ばれています。主イエスに従って生きる主イエスの弟子です。そこで、マタイによる福音書の最後を読みたいと思います。「だから、あなたがたは行って、すべての民をわたしの弟子にしなさい。彼らに父と子と聖霊の名によって洗礼を授け、あなたがたに命じておいたことをすべて守るように教えなさい」(マタイ28:19~20)。これが教会に与えられている使命です。主の弟子は、すべての民を主の弟子にする使命が与えられています。
主の弟子たちが励まされて生きるため、パウロたちは「弟子たちのため教会ごとに長老たちを任命し、断食して祈り、彼らをその信ずる主に任せた」(23節)のです。教会にリーダーを立て、組織を整えました。パウロたちは祈って、弟子たちを主と主の言葉に委ねて、シリアのアンティオキア教会へ戻りました。パウロとバルナバは「神が自分たちと共にいて行われたすべてのことと、異邦人に信仰の門を開いてくださったことを報告した」(27節)。ここで大切なのは、「神」が主語であることです。