2023年11月12日(日) 降誕前第7主日
礼拝順序
黙 祷
招 詞 詩編124:8
賛 美 509
主の祈り
交読詩編 詩編23篇
祈 祷
日本基督教団信仰告白
聖 書 使徒言行録第22章1~16節
説 教 「主の光に包まれて」
賛 美 430
聖 餐 81
感謝祈祷
頌 栄(讃美歌) 29
祝 祷 (コリント二13:13)
〔礼拝音声は聖餐部分をカット〕
説教要旨
本日の聖書箇所では、使徒パウロの回心の出来事をパウロ自身が語っています。それは、私たちそれぞれが、どのようにキリストに出会って変えられたか、という出来事と重なります。
使徒パウロがエルサレム神殿に入ったとき、パウロを敵視する同胞(ユダヤ人たち)が騒ぎを起こしました(使徒21:27~30)。騒ぎを鎮めるためローマの千人隊長がやってきて、パウロを保護しました(同21:31~36)。ここから使徒言行録の最後までパウロは捕らわれの身となります。パウロはローマの役人によってユダヤ人から守られ、やがてローマに行くことになります。
パウロは、千人隊長に頼んで、自分を敵視する同胞(ユダヤ人たち)へ弁明する許可を得ました(使徒21:37~40)。「兄弟であり父である皆さん」(1節)と、パウロは敬意をもって呼びかけ、ヘブライ語で語り始めたので、人々は静まりました(2節)。「わたしは…ユダヤ人です。…今日の皆さんと同じように、熱心に神に仕えていました」(3節)。パウロは異邦人の使徒として宣教していましたが、自分がユダヤ人であると自覚していました。聞き手と同様に、自分も律法に熱心であったと語りました。熱心ゆえに、パウロは、ユダヤ教当局の許可を得て、「この道」(キリストへの信仰・教会)を迫害していました。
パウロが、ダマスコにいる教会の人々を迫害しようと向かっていたとき、真昼の光よりも強い光がパウロの周りを照らしました。それは天からの光でした(6節)。パウロは地面に倒れました。声が響きました。「サウル(パウロのこと)、サウル、なぜ、わたしを迫害するのか」(7節)。パウロが「主よ、あなたはどなたですか」と尋ねると「わたしは、あなたが迫害しているナザレのイエスである」と答えがありました(8節)。パウロは、教会の人々を迫害していたのですが、それは主イエスに対する迫害であった、というのです。教会はキリストの体です。主イエスは、それほどまでに私たちと一体となっておられるのです。パウロは「主よ、どうしたらよいでしょうか」と尋ねると、主は、「立ち上がってダマスコへ行け。しなければならないことは、すべてそこで知らされる」と言われました(10節)。
パウロとキリストとの出会いほど劇的ではないかもしれませんが、キリストは、あなたを、私を訪れてくださいます。そして、パウロが地面に倒されたように、私たちもキリストによって倒されるのです。自分の思いで生きていた歩みを止めさせられるのです。キリストが倒し、キリストが立ち上がらせてくださるのです。キリストが次になすべきことを示してくださいます。
ダマスコにはアナニアという人がいました。(12節)。使徒言行録第9章を見ると、神がアナニアにパウロを訪ねるよう命じられたことが分かります。この神の言葉に従って、アナニアはダマスコに来たパウロを訪ね、神の言葉を告げました。「わたしたちの先祖の神が、あなたをお選びになった。それは、御心を悟らせ、あの正しい方に会わせて、その口からの声を聞かせるためです。あなたは、見聞きしたことについて、すべての人に対してその方の証人となる者だからです。今、何をためらっているのです。立ち上がりなさい。その方の名を唱え、洗礼を受けて罪を洗い清めなさい」(14~16節)。救いは神の選びですが、人は一人では信仰へと至ることはできません。キリストの名による洗礼を受け、罪を赦され、教会の交わりに加えられることで、信じて生きることができるのです。キリストに従い、福音を伝える使命に立ち上がるのです。「…それは、あなたがたを暗闇の中から驚くべき光の中へと招き入れてくださった方の力ある業を、あなたがたが広く伝えるためなのです」(ペトロ一2:9)