bR 仏像のこんなことが知りたい
その5 手や頭がいくつもあるのはなぜ?
 千手観音像には 手が千本、頭の上には11の化仏がのっています。興福寺の阿修羅像には頭が3つ、手が6本あります。これは密教的な表現なのです。日本の奈良時代には 中国では密教がすでに盛んでしたので 造形としては日本にもそういう密教像が入ってきている。

西村公朝様・曰く
 たとえば 私の特技は何ですか?と聞かれたら 「彫刻です」といって両手にノミとゲンノウをもって写真を撮ります。「絵も描きます」といって絵筆と紙をもって写真を撮ります。また「坊主です」といって合掌をして写真を撮ります。この3枚の写真のフィルムを重ねて焼き付けると、私の体は一つなのに手が6本あって3つの働きをしていることがわかります。密教像というのは 一見お化けのような不可思議な姿に思えますが 仏像の法力や働きを形にしているのです。
その6 拝むときに合掌するのはなぜ?
 インドでは古来、人間の体を半分にして、右側が清浄、左側が不浄。右側が仏、左側が私という考え方をしていました。その私が仏にすがりたい、仏が私を助けてやりたいというこの両者の心が一体になり、左右の手を合わせると合掌のかたちになります。このように手を合わせて仏様を拝むのも、仏様と一体になりたい、「仏様、助けて下さい」という心の表れなのですね。
その7 仏様がおられるのはどんなところ?
 「梵網経(ぼんもうきょう)」というお経にしめされた蓮華蔵世界観。それによると まず広大な海があり、そこから海と同じ大きさの蓮華が一つ咲きでています。この蓮華の上には また海があり無数の小蓮華が咲いている。その一つを拡大してみると、蓮華の上は鉄の山に囲まれた海で、その中には東西南北に四つの島があります。さらに海の真ん中には七重の金山があり、その中心の高い山を須弥山(しゅみせん)といって下から順に 二竜王、夜叉神、四天王、梵天・帝釈天が守っています。その須弥山上空には二十五部という二十五の階段があり、各部にたくさんの仏様がおられます。こういう小蓮華が無数にあって膨大な数の仏様がいる大仏界が展開されているそうです。さらにその上に この仏像世界を統括している仏様がiあって 毘盧遮那如来(びるしゃなにょらい)だといわれます。

東大寺の大仏様は毘盧遮那といいますね。世界を照らす光輝く仏様で釈迦如来の別名だそうです。
大仏様に関しては
 2000年の初秋の頃のことーまたとないチャンスに恵まれました。壇上を上がって 大仏様の側まで行き 56葉の蓮華座を間近にし そのぐるりをじっくりと拝観させて頂きました。蓮華蔵世界図が線で浮き彫りにされているのをはっきりと見ることができました。これらの東大寺の大仏台座連弁は国宝となっています。