(1)   国立環境研ミニシンポジウムー越境大気汚染報告  大原真由美(広島県保健環境センター)

日時:2005年3月4日(金)9:301540

場所:国立環境研(茨城県つくば市小野川16-2

3題が鉛同位対比からの発生源推定、2題がガス、エアロゾルの解析、1題が水稲被害原因調査であった。

鉛同位対比については、富山、長野、和歌山県が先進的に降水中およびエアロゾル中の調査方法の検討、データの解析をおこなっており、有害大気汚染で、ICP−MSを使用するようになった地方環境研究所が多くなってきた現在、日本海側以外のデータが揃えば、地域汚染と、移流汚染がより明確になっていき、シミュレーシヨン結果との整合性が高まり、現在80kmメッシュでのシミュレーシヨンを20kmメッシュにしようとしている計算グループとのすり合わせができるのではないかという感想を持った。

なお、富山、長野、和歌山県での同位体先行グループは分析方法を全国環境研雑誌に投稿するとのことであった。又、現在、総合地球環境学研究所(京都)が建設されているが、ここでの中野氏は多くの同位体について30年の経験を持っておられるとのことであった。

 2題がエアロゾルの解析であった。日毎にデータをサンプリングするのは大変であるが、シミュレーシヨンや発生源推定をするには、月データではデータが平均化されてしまい、解析には耐えられないデータとなる。又、個々のばらばらの地点でのデータの散乱ではなく、ある日のデータが集められれば、地域の汚染と越境汚染の見極めができる。今後、どう体制を作っていくかが課題である。降水は最近、日毎に採取をしており、国内の酸性雨局のサンプルが利用でき、必要な場合には、これらのサンプルの分析、データの比較をするシステムが可能である。それには、今後、検体の長期保存等が必要になってくる。

 水稲被害については、症状からして、フッ素被害のように思われ、今後はフッ素ガスの分析も必要ではないかと感じた。しかし、近辺には、道路も企業もなく、後日の会談の中で、野焼きが原因ではないかとの推測もでてきた。各県の事案の対応、調査、分析方法を全国環境研が整理、インターネット配信すると、今後、どこかで、新たな事案に遭遇した場合に、適切、かつ、迅速に対処できるのではないかと感じた。

 

帰りの新幹線で、JRが宣伝していました。

1人を1kmあたり運ぶのに発生するCO2排出量の比較で、鉄道を100とすると、

鉄道      100(基準)

東海道新幹線   81

バス      553

航空機     653

自動車    1106

とのことでした。この根拠は正確には知りませんが、新幹線は省エネなんですねえ。

 

 

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