第51回大気環境学会酸性雨分科会報告

 

長田和雄先生による「立山でのエアロゾルモニタリングと標高差を用いた沈着過程の研究」では、1999年から観測されている、2450mの立山・室堂平と475mの千寿ケ原での標高差を利用した結果から大粒子(Naなどの海塩粒子)は雲低下で除去されるが、小粒子(NH4+等)は除去されていないことが報告された。

酒井正治先生による「コジイ林における森林内の湿性/乾性降下物の硫黄の動態」では、樹冠通過雨、樹幹流の硫黄成分、同位体から、大気中のSO2ガスが大きく寄与していることが報告された。

伊藤和男先生による「社寺林土壌への酸性沈着の影響とSIMPLBモデルによるその将来予測」で、研究室で開発したSIMPLBモデルを用いて、2015年から酸性沈着が33、50、67%減少するシナリオで予測した結果、33%ではほとんど回復が進まないが、67%では、20年でほぼ回復するという結果報告があった。

 

この後、

酸性雨研究会の総会を開き、決算、予算案、昨年度講演会報告、今年度講演会計画が了承された。酸性雨ニュース(紙版)は最近発行していないが、原稿が出れば、即座に編集、印刷するので、ニュースになるものがあればいつでも連絡してほしい旨の周知をした。

 

その後、オールナイトミーテイングで懇親会を開いた。

今年も多くの人と懇親でき、恒例の○○じゃんけん大会はなかったが、OBの田口さんが参加されてくださり、古―い人達は、懐かしく、かつ、出席してくださったことに感激でした。環境省の酸性雨調査研究が始まった時の初代委員(9名)の4名がここに集えたのは感慨深いものがあった。来年は長崎ですが、OBの方もぜひ参加してくださり、今の状況を見守り新知見、研究の進み方への助言が得られれば幸いです。

                  (文責:大原真由美(広島県立総合技術研究所 保健環境センター))

 

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大気環境学会酸性雨分科会(2010年会)

 

テーマ:酸性物質の沈着過程、起源・寄与率推定

 

日時:98日(水)17:30-19:30

 会場:D会場(B108

 

世話人:村野健太郎(法政大学

       都築 英明(明治国際医療大学)

      大原真由美(広島県立総合技術研究所 保健環境センター)

座長: 都築 英明(明治国際医療大学)

      松本 利恵(埼玉県環境科学国際センター)

講演:

1.立山でのエアロゾルモニタリングと標高差を用いた沈着過程の研究

       長田 和雄(名古屋大学大学院環境学研究科)

2.コジイ林における森林内の湿性/乾性降下物の硫黄の動態

酒井正治(森林総合研究所)

3.社寺林土壌への酸性沈着の影響とSMPLBモデルによるその将来予測

伊藤 和男(大阪府立高専)

 

酸性雨研究会オールナイトミーテイング

今年も! 恒例のオールナイトミーテイングを開催します。

大気環境学会酸性雨分科会終了後に学生の町「石橋」で 飲んで騒げば10年来の友人できましょう!

(いえいえ、研究進展のため、楽しく議論しましょう!)

                        

 日時: 201098日(水)

      大気環境学会酸性雨分科会終了後

 時間:20:00−22:00 (予定)

 場所: 酒房味道楽 ごん兵衛 石橋店  072-761-5500

住所:〒563-0032 大阪府池田市石橋2-1-9

アクセス 阪急宝塚線石橋駅 東口 徒歩2  

会費:¥4000

申し込みは 9月6日(月)17時までにお願いします。

申し込み先: 都築英明

明治国際医療大学 医学教育研究センター自然科学ユニット教授

tsuzuki@meiji-u.ac.jp

 

 

 

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