京都市で初めての酸性雨講演会を開催
2000年7月に初めて京都市で酸性雨講演会を開催した。テーマは「環境問題の中での酸性雨現象の枠組みのとらえ方」と設定した。座長は山川和彦氏(京都府保健環境研究所)、谷尾桂子氏(京都府)と田口圭介氏(大阪府公害監視センター)が担当した。
片山幸士氏(京都大学農学部)は「中央アジアにおける環境問題」と題して講演された。主な内容は次のようであった。@カザフスタン共和国の資源と環境問題,Aアラル海の砂漠化,Bカスピ海の水位上昇、C放射能汚染。
都築英明氏(京都府保健環境研究所)は「東アジア酸性雨モニタリングネットワークでの乾性沈着調査、中国と京都での経験から」と題して講演された。主な内容は次のようであった。@東アジア酸性雨モニタリングネットワーク(EANET),Aワークショップについて、BEANETと乾性降下物調査、C4段ろ紙法、Dワークショップの様子。
笠原三紀夫氏(京都大学大学院エネルギー科学研究科)は「1粒1粒からみた雲粒や雨粒の物理・化学性状」と題して講演された。主な内容は次のようであった。@液滴の捕集と固定化、特に霧粒の固定化と固定化による形状・粒径安定性、A雨滴の凍結・固定化。酸性雨に関する従来の研究の多くはバルク試料、すなわち多数の霧粒、多数の雨滴に対する平均的な性状データを基に、その機構などについて議論してきた。ここでは個々の液滴粒子のサンプリング法、および物理・化学的性状測定法について検討し、1粒1粒の粒径と化学組成、またそれらの関連性について述べられた。
また、[話題提供]として、松本文雄氏(高砂緑地問題研究会)は「マツ枯れは日本人への警鐘である。環境ボランティアとしての若干の考察」を、阪口進氏(滋賀自然環境研究会)は「滋賀県・湖西地方の酸性雨と樹木の立ち枯れ」を話された。