第17回酸性雨関西講演会報告
木戸瑞佳(富山県環境科学センター)
第17回酸性雨関西講演会が平成21年7月27日に大阪府環境農林水産総合研究所(
はじめに、元大阪府の環境担当職員であった田口氏は「芥川にかかわって38年〜楽しむ・学ぶ・継続する」と題して、
次に、永井氏は「環境出前授業」と題して、実際に行っている出前授業の内容について実験を交えて紹介された。堀場製作所では年に10数回ほど、主に小学校5〜6年生を対象とした出前授業を行っている。堀場では「測ることの大切さ」をわかってもらいたいという思いで、将来の人材育成のため、また社会貢献のために出前授業を無償で行っている、とのことであった。実験は、【実験1】空気の汚れを調べる、【実験2】いろいろな液体のpHを調べる、【実験3】排気ガスを溶かした水のpHを調べる、の3つであった。実験1は湿式のNOx計を応用した装置(
最後に、平木氏は「微小粒子状物質の環境基準設定の経緯」と題して、環境省が8月10日締め切りでパブリックコメントを求めている大気中微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準について報告された。日本の環境基準は米国の疫学調査結果や環境基準等を参考に決められることになるが、日本ではこの基準が達成できる地点は少ないと考えられるうえ、2次生成粒子であるPM2.5は発生源解析が困難であるため、基準達成のために濃度を下げること(発生源対策できるか)は難しいだろう、とのことであった。また、測定環境の管理の難しさやテフロンろ紙を秤量する際の静電気対策の問題、これまでのデータとの互換性の問題などが報告された。実際にPM2.5を測定している自治体からは、正しく測れているのかわからない、発生源解析および対策のための成分分析をどうするのか、最新の発生源データはあるのか、という課題や問題点が指摘された。
今回は講演会の案内が約1週間前と急だったにもかかわらず、酸性雨調査担当者や自治体職員、環境職員OBなど、関東からの参加者も含めて約20名の参加があった。私自身は職場での環境学習事業だけでなくボランティアで野外での自然解説や科学実験などを行っているので、公私ともに大変参考になる講演会であった。また、PM2.5については問題点や課題を含めて最新の情報を教えていただき勉強になった。講師の皆様、お世話いただいた大阪府の皆様、どうもありがとうございました。
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関西酸性雨講演会
会場 大阪府環境農林水産研究所4階会議室
テーマ:「企業やNPOに学ぶ環境学習の実際」
講演:
@NPO芥川クラブ 田口圭介
A堀場製作所 永井博
その他、
時間が許せば、最近の大気環境に関する情報提供を下記のとおり行います。
「微小粒子状物質の環境基準設定の経緯」 平木隆年
なお、
講演会終了後会場周辺で懇親会(会費5000円)を予定しています。
講演会および懇親会にご参加いただける方は下記まで連絡をお願いします。
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申し込み先:兵庫県環境研究センター 平木隆年(hiraki@indigo.plala.or.jp)
送信事項
関西講演会参加申し込み
所属:
氏名:
連絡先:
懇親会: ○ or X
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