第15回地域大気沈着過程及び気候変動の国際共同セミナー
(15th
International Joint Seminar on Regional Deposition Processes
in
the Atmosphere and Climate Change, RDPA 2009)に参加して
西川嘉範(元:大阪府)
標記セミナーが11月12日(木)〜14日(土)に台湾の台北で開催され参加してきました。
(http://www.gcrc.ntu.edu.tw/Chinese/Activity/RDPA2009/RDPA2009_Home.html)
RDPAは韓国、中国、日本、オーストラリア、タイ、ロシアなど持ちまわりで開催地を変えて実施されています。
日本のコーディネーターは法政大学の村野先生で2年前にはつくばで開催されています。
今回は、台湾のコーディネーターであるLiu教授(台湾大学)の努力により、RDPAに気候変動を加えたためか、
インドやアメリカからの参加者もありました。日本からは私1人の参加でしたが私は韓国の済州島でのセミナー(2005年)以来連続して5回目の参加で、
ソウル大学のPark教授、釜山大学のKim教授などと顔見知りになっており、この度も親交を深めることができました。
さて、初日はPark先生のモデルによる2007年の黄砂シミュレーション、Kim先生は女子学生をつれての参加で、
御自身は2日目に16段階の粒径別に測定できるレーザー粒子カウンターを用いて釜山で粒子濃度を測定しその物理特性について、
また、学生さんは黄砂の出現頻度と気象要素との関連について、それぞれ30分の口頭発表がありました。
前回の主催国であるタイのKing Mongkut大学からは、SirintornthepさんやSavitriさんの参加は無く、
つくばのRDPA2007にも参加したというSebastien Bonnet(フランス人)からバンコクのオゾン汚染について発表がありました。
この他に初日は、台湾、インド、オーストラリアなどから黄砂、オゾン、VOCや水銀など12課題について報告がありました。
2日目は私がトップで、大阪府でパッシブ法によって測定してきた酸性ガスと発生源インベントリーについてプレゼンテーションを行いました。
発生源インベントリーは1km×1kmのメッシュデータで厖大ですが、中国やタイのRDPAでご一緒した神成さんから排出量データセットの提供をして頂き、
ガス濃度と対応するガス排出量の関係を報告しました。午後からは、初めての国際舞台での座長に指名されていたので、緊張しましたが、とにかく務め終えることができました。
この日は酸性ガス、粒子状物質そして温室効果ガス排出と制御研究などの課題についての報告でした。
今回は楽しみにしていたエクスカーションはなく、3日目も気候変動に係わるプレゼンテーションが続きました。
それでも、初日は中華料理のレセプション、2日目は夕食の後、高さ508m(2009年現在、世界で第2位)のTAIPEI101に案内してもらい、
360度の大パノラマ夜景をたんのうしました。セミナーが終わってからも私はさらに3泊台北近郊のホテルをインターネットで予約していたので、
風光明媚な烏来温泉卿、映画「悲情城市」の舞台となった九份などの観光旅行を楽しんできました。
なお、次回のRDPA2010は、2010年10月4日〜9日にロシアのイルクーツクで開催され、
それから、2011年はオーストラリア
、2012年はモンゴルと続くとのアナウンスメントがありました。
RDPAは家族的な雰囲気の国際セミナーですので、皆さんも参加されては如何でしょうか。