第11回大気中地域沈着過程の国際共同セミナー
(11th International Joint Seminar on Regional
Deposition Processes
in the Atmosphere, RDPA 2005)
に参加して
西川嘉範(大阪府環境情報センター)
標記セミナー(RDPA)が11月23日(水)〜25日(金)に韓国の済州島で開催され参加してきました。RDPAは地域で問題となっている酸性沈着を評価し、対処するために1995年に韓国のソウルで開催されたのを皮切りに、その後、中国、日本、オーストラリア、タイ、ロシアなど持ちまわりで開催地を変えて実施されています。これまでの開催都市及びプログラムはウエブ(http://appliweb.metri.re.kr/RDPA2005/index.html)から見ることが出来ます。
今年は韓国の済州島で11回目のセミナーで11ヶ国からの参加者があり、3日間に亘って行われました。初日は発生源評価、沈着過程、大気質及び水質などのセッションの発表がありました。日本からは、国環研の村野さんがロシアの湿性沈着とガス・粒子濃度について、新潟県の福崎さんが降水中のアンモニウムと硝酸イオンの窒素同位体比の季節変動について、奈良県の松本さんが河川水の酸性化について、長野県の中込さんが降水中の鉛同位体比と越境大気汚染について口頭発表しました。私はN式パッシブ法による硝酸ガス等のフィールド測定について発表しました。RDPAに常連参加の長野県の鹿角さんも参加されていました。
2日目はモデリングの演題が中心で、韓国や中国からはAsian Dust に関する発表が多かった。モデリングは私たち化学屋にとっては難解で、私は疲労と睡魔に襲われました。会場は宿泊ホテルと同じであるのをこれ幸いと、部屋に休みに行きました。1題ぐらいサボろうかとベットに横になると寝てしまい目が覚めると辺りが薄暗くなっていました。急いで会場に戻ると3題ほど終わっていましたが、最終演題には間に合い事なきを得ました。
3日目は観光バスで、自然豊かな公園、鍾乳洞、民族博物館などの名所を巡りました。済州島は地図を見ると緯度的には福岡よりやや南にあるので温暖なところです。好天気にもみまわれて快適なエクスカーションでした。RDPAはこぢんまりとした国際学会で、夫婦で参加されている方も何人かいて家族的な雰囲気でした。
このたびのセミナーには多くの発表者が招請されたようです。会場借り上げ、旅費、宿泊費等を考えると相当な費用がかかったと思われますが、主催国の韓国がRDPAにかける熱意とその財力に感心しました。私は、英語での口頭発表が出来るとともに多くの外国人とも知り合いになれました。また、セミナーペーパーは投稿すると優先的に掲載して貰える雑誌があるとのこと、一報増えるおまけもつきそうです。貴重な経験をし、楽しい時間を過ごしました。