身近な酸性雨被害? 三重大学構内におけるコンクリートつららについて(短報)

 

三重大学人文学部

宇都宮陽二朗

要旨

 

大学構内におけるコンクリート校舎の庇には、いわゆるコンクリートつららが認められるが、強化工事が行われた生物資源学部及び旧医療短大校舎では、内装の天井部が除去され屋上直下のコンクリートつららが露出したため、概略調査を実施した。これらの調査結果をまとめると以下のとおりである。

 

1.コンクリートつららは、地形学的観点からすれば、都会の中の鍾乳石であり、これらの形成萌芽期の形態と形成メカニズムを知る微地形と言える。

2.庇部分のつららは、一般に最上階の庇によく発達し、下層階の庇ではほとんど認められない。これは、風雨に暴露する上層階の庇に裂罅が多く、流水の供給量が適度に多いことによると思われる。

3.旧医療短大校舎の庇で垂直に垂下していた長管状のつららには、これに90度をなす短い角状の突起が認められた。流下する水滴で形成されるつららの中では異常な形態をなす。

4.一部の窓敷居には餅状の膨らみ(石筍)が認められた。天井裏にもその形成が推定される石筍状微地形については内装の天井部が除去されているため不明である。

5.つららの発達を透明管から上部複合管型の8タイプに区分した。

6.生物資源学部校舎で最大長をなすコンクリートつららの過去36年間の年平均成長率は1.25 cm/年である。

 

三重大学人文学部文化学科「人文論叢」No.20 2003.3, 45-54.

 

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