「第1回詰将棋解いてもらおう選手権」寸評

2008年6月号・3手詰、5手詰編(有効投票総数598)

2008年7月号・5手詰編(有効投票総数648)

2008年8月号・7手詰編(有効投票総数527)

2008年9月号・9手詰編(有効投票総数485)

2008年10月号・11手詰、13手詰編(有効投票総数368)

2008年11月号・17手以内自由編(有効投票総数333)

この企画について思った事

 『将棋世界』誌の企画としてはなかなか画期的であったと思います。
 しかし、企画として成功したといえるかというと、ちょっと疑問が残ります。各号の有効投票総数を見てもらえば、5手詰編をピークにそれ以降は参加者が減る一方で、17手以内自由編ではピークの半数近くまで落ち込んでいる事が判ります(ちなみに17手以内自由編1位の作品は5手詰編5位の作品と得票が同数)。
 これが何を意味するかというのは書くまでもないでしょう。「誰にでも楽しめる詰将棋」というテーマで創作するには、せいぜい一桁手数が限界という事です。
 自分自身の経験を顧みるとその事の裏付けになります。将棋に熱中し始めた初心の頃は詰将棋の本を持ち歩き熱心に取り組んでいましたが、5手や7手の作品でも何十分も頭を悩ます事が度々ありましたから。二桁手数の作品など、とてもとても・・・。かなり詰将棋慣れしてきた現在も解くのはせいぜい15手くらいまでで、『将棋世界』誌の詰将棋は、この企画が始まる前までは森、中田両先生のコーナーしか解いてませんし。
 結局、作意が明示されていない詰将棋の評価をするには、ある程度の棋力(と感受性)が必要な訳で、本気で詰将棋初心者に作品の評価をさせるつもりなら、図面と共に作意、変化、紛れなどの解説を載せるべきではないでしょうか。