移植後のケア部屋

 

この部屋ではGVHDについて書いていきたいと思います。

移植後に何個かは症状が出ると思いますので参考にしてください。

 

1、GVHDについて

 

GVHDは宿主対移植片病(しゅくしゅたい・いしょくへんびょう)

という症状が移植をすると出てきます。これは

自分=宿主・ドナーの細胞=移植片

の拒絶反応で起こる様様な症状です。

 

移植は自分の細胞を使うミニ移植とほかの人の細胞を使う移植があります。

最近では様様な移植法があり、よりリスクの少ない移植が出来るようになっています。

それでも移植=完治というわけでもなく

移植後5年間を目安に「寛解期」という期間を過ごさなければいけません。

これはガン患者全般に言われることです。

 

ここでは私が受けた「同種骨髄移植」について書いていきます。

同種とは兄弟間でドナーが適合したための移植という感じの意味です。

 

骨髄移植では全処置として自分の骨髄(血液細胞を作る細胞)をすべて壊す処置を受けます。

自分の細胞が少しでも残っていると、そこからまた芽球(がん細胞)が増えるからです。

確実に0にするために抗がん剤を化学療法の数倍の量と放射線治療を併用することもあります。

 

なぜ寛解期が5年かと言うと、ここで自分の細胞が残ってしまった場合

5年くらいでがん細胞が症状が出てしまうくらいに増殖するからです。

これを「再発」といいます。

 

血液ガンは他のガンと違い切れません。なのでガンの中でも難しい部類に入ります。

 

移植をすることでドナーの骨髄が自分の体の中に入るわけですが

人には血液型というものがあります。

A型の患者さんにB型のドナーは駄目というと、それは移植できるんです。

なぜかというと自分の血液細胞をすべてなくしますので。

 

大切なのは血液型ではなく、白血球の形なんです。

血液型と同じように、白血球の形もあるんです。

それも何万種類とあります。

白血球は主に異物(ばい菌とか)を攻撃します。これを免疫といいます。

 

患者さんの骨髄をすべて壊し、ドナーの骨髄液を入れることを「骨髄移植」と言います。

 

ドナーを見つけるために身内で始めに行う「HLA抗原検査」という検査を行います。

これは簡単にいうと患者さんの白血球の形に近いもの・同じものを見つける検査です。

これは保険外ですので12万円かかります。

検査自体は、ただ採血をするだけです。

 

骨髄バンク設立の際、問題だったのがこの2万円でしたが

それも患者さんやその家族の声で国が負担してくれるようになりました。

でも身内からだと保険外になります。

身内でドナーが見つからなかった時は、ドナー登録をします。

これも保険外です。今はこれも国が負担して欲しいと願っています。

 

親類やドナーでも全く同じとはいきません。

全く同じなのは「一卵性双生児」だけです。

 

GVHDでは、この自分の体に別の白血球が入ることによって

自分の体を移植された白血球が異物として攻撃してしまう症状のことです。

 

GVHD=拒絶反応だからと、症状がでなければいいと思うのは間違いで

この症状がある程度出てきた方がいいんです。

出すぎてしまうのも危ないので移植ではこのコントロールが難しいと思います。

 

GVHDが出ていることはドナーの骨髄液がちゃんと働いているという事です。

これが宿主対移植片病というものです。

どんな移植をしてもこれは関わりがあると思います。

 

2.眼に関する移植後のケア

 

移植の際、全身放射線を受けることがあります。

これをやる事により、まれに眼に異常を示す事があります。

 

全身放射線をする時に頭に水槽のようなものに頭をいれます。

しかし首の上、扁桃腺あたりに放射線があたってしまう事があります。

これにより、その近くに涙や唾液などの元の細胞が少なくなってしまい

涙や唾液がすくなくなる症状が出る事があります。

 

症状として

1・日の光がいつもよりまぶしく感じ、眼が開けられない

2・朝起きると目やにがたくさん出て眼が開けられない

3・朝起きて眼を開けようとすると痛みが走る

4・結膜炎が治らない

5・眼に違和感を感じるようになる

 

いくつか症状がでると思います。

1・3・4・5については「ドライアイ」の症状です

2については血液の汚れが肝臓だけで処理できずに

目やにや膿として体外にだされた症状だと思います・

 

これは1時的なものですが

ケアを間違えてしまうと大変な後遺症として残ります。

 

案外知られていなく、院内の眼科でもすこし不安なところがあります。

もし、このような症状がでてしまった場合は

市販の目薬や防腐剤が入っている目薬はささないでください。

 

ほとんどの目薬で防腐剤は使われていますので

1回つかいきりの人口涙液が安全です。

 

なぜかと言うと、涙が少なくなっている状態で

防腐剤入りの目薬をさしてしまうと

目頭のところにある「涙点」という場所が閉まってしまうからです。

ここがしまってしまうと涙が循環する事が出来なくなってしまい

涙の膜にあながあいてしまい、痛みや炎症を起こしてしまうからです。

 

涙点がしまってしまうと、一時的に涙が減ってしまい

それが治ってきても、なみだが循環しないので

ドライアイが治らなくなってしまうんです。

 

涙には様様な効果があります。

1・眼の表面に絶えず膜をつくり、眼の乾燥を防いでいる。

2・免疫作用があり、結膜炎などを防いでいる。

 

デスクワークやOLなど、健常者のドライアイは

瞬きの回数が少なくなる事によって、涙の膜に穴があいてしまうのとは

違いますので、なかなか理解されないところがあります。

 

もし、ドライアイが何年も治らないときには

すでに涙点がしまってしまっているのかもしれません。

今現在、涙点をあける治療法はありません。

 

涙点があいている場合は「涙点プラグ」という治療法が有効ではないかなと思います。

これは、涙点は目頭に2つあるんですが1つをプラグで塞いで

涙を吸い取る量を少なくし、涙の量が少なくても膜がはれるようにする治療法です。

 

涙点がしまってしまった人は、「血清点眼」という治療法が有効です。

これは治すのが目的ではなく、痛みをとり現状を維持する方法です。

これはまだ研究中ですので、効果がでてくるかもしれません。

 

血清点眼とは、血液の細胞である血清だけを分離しうすめたものを目薬として使う方法で

血清が一番、涙に近い細胞だそうです。

血清とは血の色は赤血球の赤と白血球や顆粒球の黄金色ですが

それを分離したものなので、抗菌作用があります。

 

なのでつけている間は、眼の違和感や結膜炎などは起こりません。

ただ、ドライアイの根本である涙点が閉じているために

眼薬を放せません。

 

なので、採血をしにいかなくてはいけませんので

冷凍にして2ヶ月くらい。常温で1週間くらいです。

 

私がそれを知ったのは、2001年くらいに

血液科の主治医が、学会で知ったのを教えてくれて

やるなら、自分で調べてくれって感じでした。

 

出来たのも最近の事です。

なので研究中って言うのもあるのか、かなり目薬代が浮きました。

大体、私が払ってるのは200円くらい。

自分の細胞を使うわけですから、採血代とケース代くらいだと思います。

 

2004年に涙点があきかけているといわれたので

もしかしたら、という希望が出てきました。

これからもこの治療法は発展していくと思います。