勘違い系の 誕生日プレゼント


 ある日秋雪の家に宅急便が送られてきました。
 送り主は昔知り合って3,4回会った女の子。


 中を明けるとバースディブック。
 要はお誕生日用の大人の絵本です。


 確かに数ヶ月前に偶然会った時お誕生日プレゼント送ります、と言ってくれた記憶がありました。


 特にこれがきっかけで彼女と親しくなると言った事はないのはわかっています(色々とあったので)


 でも正直嬉しかったですし、下心抜きでプレゼントはお返しをしなければならないと思いました。


 やはり誕生日プレゼントには誕生日にお返しをするのが筋でしょう。


 彼女の誕生日を知らなかったので共通の友人に確認することに
 で、友人が言うには・・・・・・・








「3日後だよ」












あんですとー















 予想外の展開です。


 仕方が無いので、慌てて準備を始めました
 この辺りから狂っていたと言えば狂っていたんですよ。だいたい秋雪が慌てるときはろくな事になりません(しみじみ)


 まあ、あえて言い訳をするなら


その1
月末だったためお金がなかった。


その2、
 余裕がなかった。
 就職活動中で朝は5時起き。夜は2時3時まで面接対策。時間的にも精神的にも余裕がない状況でした。


その3 彼女の欲しい物がわからない
 その頃彼女はかなりの高収入の方と付き合っていました。そのため、欲しい物は何でも手に入っていたようなのです。だから彼女の友人に聞いてもプレゼントが誰も思いつかないという状況でした。


それでも、余裕がない中秋雪は必死に考えました。


 秋雪的女性へのプレゼントの法則その1
 最低でも貰った物の値段よりは高い物を送ること
 いくら真心がこもっていても、安すぎるのはどうかと。
 同じ程度の値段は送るべきだと思っていました。この時点で予算は1200円以上でした。


その2
自分が良いと思う物。
どんなに高価な物でも自分が嫌なものは送りたくなかったです。


まあ、ここまでは問題なしだったと思います。


でもですね、










21歳の男性がですね


















20歳の女性に対してですね



















誕生日プレゼントに電撃文庫送るっていうのはどうよ






 確かに評論家から評価されてたので世間一般的にみても良い物だろうし、彼女もそういうの嫌いな人じゃなかったさ。
 値段も「猫の地球儀」上下巻で1200円。表紙がネコなので動物好きの彼女は興味をもつかもしれないさ。


 だがな、誕生日に電撃文庫というのはどうよ。
 秋雪さん、あんたもう21だぜ。それほど親しくない女性に送るのがそれでいいのか?







 それ以来彼女とは全く連絡も取っていません。


 元々電話番号も知らない仲でした


 だから元の状態に戻ったといえばそれまでなんです


 でもなあ、あれはなあ(自己嫌悪中)





 






 


 自分の誕生日が近づくたびに、あの時の事を思い出して胸が痛みます。
 

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