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成長を実感する「心の教育」 第6学年卒業前にやると効果的な授業


                                                                      宮城県【心の教育】研究会/松浦 淳司      


卒業を直前に控えた6年生。キャーキャーと楽しみながら、最後には心がジーンとしてしまうハートフルな授業です。(TOSS宮城ML推薦)



指示1 廊下に男女一列ずつ、静かに並びなさい。(並び終わったところで)では、隣の人と手をつなぎます。

児童はキャーキャー言いながら、でもなんだか嬉しそうに手をつなぎます。

6年生教室から、校舎巡りをしながら、最後に行き着く先は1年生の教室。事前に準備しておいた人数分の1年生用の机と椅子。それと1年生国語上巻の教科書。

指示2 それでは順番に席に着きなさい。まだ教科書は見てはダメです。

児童は座ろうとするが、机と椅子のあまりの小ささに愕然とすることであろう。そして驚喜。

「小せえ〜」「先生、座れない〜」「机が上がっちゃう〜」

騒ぎが一段落したあたりで、

説明1 今日は、みんなのために特別にゲストをお呼びしています。

少々じらしながら・・・。

児童は誰が来ているのだろうかと期待感いっぱい。そこで担任は一度廊下に出て、「どうぞ〜」と言いながら、再入場。

(このとき、担任は1年生の先生役になりきって、元気良く明るい感じでおもむろに入る。)

説明2 「みなさ〜ん、こんにちは」「今日からみなさんと一緒に勉強したり、遊んだりする1年担任の○○○○です。」「良い子のみなさん、よろしくお願いします。」

と、1年生が入学した当初のような1年担任の口調で語り、普段の(6年担任時)先生と別人のように振る舞うと効果的である。

説明3 今日から国語のお勉強を始めるよ。このお勉強の本を教科書と言います。では、1ページを開いてアイロンがけをしましょう。

1年生の最初に指導するように、教科書の持ち方、返事の仕方などを丁寧に指導していく。また、大げさに誉めながら指導する。児童もその気になって、、1年生のように振る舞うはずである。

1年生の教科書のはじめは、しばらく文字が出てこないが、ここにじっくり時間をかけ、進めていく。次に文字が出てくるが、大きな文字や字数の少なさに子どもたちも愕然。

しばらく教科書の通りに教えていき、上巻最後の単元「大きなかぶ」の前で、

指示3 さあ、アッという間に夏休みが終わってしまいましたね。それでは、「大きなかぶ」のお勉強をしましょう。

音読を全員でした後、劇化などをする。ここまで35分。

残り10分で、いよいよクライマックスへ。

教師は、急に、6年生モードの担任に変わり、想いを語る。

説明4 さあ、君たち。君たちもあとわずかで卒業を迎えます。これまで本当によく頑張ってきましたね。さて、今日のこの授業はいかがでしたか?                             机や椅子の小ささに驚いた人も多かったね。そう、それは君たちが6年間に大きく体が成長した証だね。でもね、君たちの成長は、それだけではないんだよ・・・。今      こうして1年生の時と同じように授業をしてきたけど、これを1年生は半年もかけてやっていく。君たちはたった30分そこいらでやっていくこと。くだらないなと思った人もいるでしょう。何でこんなことをと思った人もいるでしょう。でもここにいるみんな、間違いなくそういう時間をかけ、学んできたのです。そしてそんな思いを持てること、それが君たちの成長なんです。目で見てスラスラ文字を読む。漢字を読み、何が書いてあるかが分かり・・・。あたりまえのようなことだけど、6年前はそれを必死にやっていたのです。そしてそんなことの積み重ねが今の君たちをつくっているんだね・・・。

発問1 今どんなことを感じていますか。

最後に今日の感想を聞いて授業を終える。

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