「ここか、『破壊事務所』っていうのは」
「今度は初の客か」
「その頭は・・・」






「カリートか」
「人を髪型で判別するな。クールじゃない」
「で、依頼なの?」
「そうだ。少し困っている」






「今年はハリケーンが酷かったな?」
「まあそうだね」
「農作物への影響も甚大だ。カリートのためのリンゴも不足している」
「そうなの?」
「不足してるんだ」
「マジで?」
「それ以上の追求はクールじゃないぜ。
 そういうわけで足りない分のリンゴを補う作戦が欲しい」






「と言っているけど兄貴。どうするの」
「・・・アレがあったよな」
「・・・アレを持ってくればいいんだね」





どんっ






「オレンジです」
「オレンジだね」
「皮ごと食えっていうのか」
「不満か」
「不満以前の問題だろ」
「把握した。ケイン」「はい」





どんっ






「・・・(むぐむぐむぐむぐ)」





プーッ
「ッ染みる!柑橘の果汁が凄い目に染みる!」
「ああっ兄ちゃん!しっかり!」